00:00ご視聴ありがとうございました
00:30小壁というそれはそれは小さな村が山の斜面にへばりついておりました
00:37取れるものといえば阿波と比江それに滝木用の薪や炭ぐらいのものでした
00:47それらを毎日のように担いで山の平の村や町まで持って行き
00:56塩や陥没などと変えてくるのでしたが険しい山道を越えていくしか道はなく
01:03何年も前から近道を作ろうと村人たちが工事をしておったのですが
01:11険しい谷に行く手を阻まれ思うようにははかどりませんでした
01:17そんな村の外れに神殿の森というのがあって
01:30一人の婆様が住んでおりました
01:34婆様は毎日昼過ぎになるとこの森へ滝木を拾いにやってきました
01:40おぉーい
01:47おぉーい
01:50おぉーい
01:55ある日のこと
01:57竹木を集めていると崖の所がドサッと崩れてきて穴がぽっかりと開いていました
02:05おぉーい
02:08おぉーい
02:10結構大きな穴やな
02:14誰かが宝物か食い物でも隠してるかもしれちょっと見てきてやろう
02:25おぉーい
02:27おぉーい
02:28おぉー
02:29おぉー
02:30おぉー
02:31おぉー
02:32おぉー
02:33苦労て読みえんけど結構奥深いな
02:37気色悪いけどなんかありそうじゃ
02:43おぉー
02:44おぉー
02:45おぉー
02:46おぉー
02:47んっ
02:48なんじゃい蛇かい
02:51おぉー
02:52おぉー
02:54どのくらい歩いたか
02:57かなり奥まで来たはずですが
03:00宝物はおろか食い物の欠片さえ見つかりません
03:08なんじゃあの光は
03:12やっと見つけたの
03:15ありゃあ宝に違いないわ
03:18みよー
03:20やーっ
03:21やーっ
03:22おぉー
03:24おぉー
03:26おぉー
03:28っ
03:29ペペペペペペペペペ
03:31飛んだ宝物じゃ
03:33あっってここはどこじゃろ
03:35ばあさまが飛び出したところは小高い丘でした
03:40下にはかなり大きな村が見えておりました
03:44どっかで見たことのある景色じゃな
03:51山の平に似とるけどそんな青なことないわな
03:56そうやけどあの鳥居とおやしろ
04:00こりゃ間違いない隣村の山の平じゃ
04:05こりゃええもん見つけた
04:08山の平どころかどの村に行くにも地区を停止
04:13怖いめして山子さんでいいしな
04:16ほんまにいいもの見つけたわ
04:19それから婆様はこの抜け道を誰にも知らせず
04:34一人でこっそり使っては
04:37薪を持って行って
04:40麹や干物などを食い物と交換して帰ってきておりました
04:45いい匂いじゃ
04:58こんな幸せな気持ち生まれてはじめとじゃ
05:04ああ生きててよかった
05:17ところで婆様がこの抜け道を見つけてからだいぶ経ってからのことです
05:31隣のじいさまがちんどんの森で
05:35焚き木を拾っていて穴の入り口のところまでやってきました
05:40疲れた
05:49なんじゃ隣のおばあさんか
05:54見たなじいじい
05:56じゃがこの抜け道をわしのもんじゃ誰にも通させんぞ
06:01抜け道
06:03やっぱり抜け道じゃな
06:08この頃薪をたびたび運んでいくんで
06:11ええやなと思うとったんじゃ
06:14誰にも言わんからわしにも通らせてくれ
06:20うーん ばあさまはバレてしもうたし
06:25しぶしぶ通らせてやることにしました そこで次の日からじいさまはばあさまの抜け道を通してもらうたびに
06:34あわいちごうかひえいちごうを出すことになりました
06:40ん
06:42ん
06:45ん
06:47ん
06:49ん あのあわいちごうで抜け道使わせてもらえると聞いたんやが
06:56ええっ ばあさんやあわあ持ってきたで抜け道通らせてくれーや
07:05あんどちじみなりしゃべりやがったな
07:11ん その後も次から次へとひっきりなちに裏人たちが頼みに来るので
07:17ばあさまもよくが出てきました 最初一号だったのを2号にしてみましたがそれでも次から次へと人々がやってきました
07:28しばらくすると勝手に抜け道を使う者たちが増えてきました そこでばあさまは穴の前に座り込んで抜け道の番をすることにしました
07:42いえ
07:43さあんを
07:45そうさんごうじゃいやならここは倒産ぞ
07:50いっ
07:52ちゃい
07:53いまいどあり
07:55次の方はいちゃんごうね
07:59まいどあり
08:01?
08:02そう言 sleeves
08:04?
08:05ぼっ,
08:07毎日
08:09波の日も雪の日も抜け道の番をしました
08:163号じゃじゃ
08:18はい
08:18い
08:20まいどあり
08:22長い冬が明けて春が過ぎ夏が来てもまだ頑張っておりました
08:32この頃になるといくら便利とはいえ貧しい村のこと
08:37よほどのことがない限り3号もの泡や冷えを出して抜け道を通る者はいなくなっていました
08:46そんなある日3ヶ月ぶりに村人がやってきました
08:51ばあさんやサンゴを持ってきたで通らせてもらうよ
09:00サンゴ
09:01サンゴだぞ
09:05ボサボサの髪の間から目だけぎょろっと光っている婆様の姿は化け物のように恐ろしく見えました
09:19それから婆様のことを村人たちはサンゴババサンゴババと言って誰も近寄らないようになってしまいました
09:30そしてまた冬がやってきました
09:35サンゴはサンゴ持ってこな父さんと
09:48サンゴを持ってきました
09:54それからずっと何年かが経ちました
09:58それまで工事をしていた隣の村まで行く道が出来上がりました
10:05もう怖い目をして隣の村へ行かなくてもいいようになりました
10:10もちろんサンゴババの抜け道を通らなくてもいいようになりました
10:17誰も抜け道を通らないようになってからでも
10:21サンゴババは穴の入り口に座り込んでバンをしておったそうです
10:28それからさらに何年か経って
10:33サンゴババの消息は誰も知らなくなったということです
10:41ご視聴ありがとうございました