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  • 3 か月前
Japanese folk tales
トランスクリプション
00:00昔、南の国のある浜辺に
00:14サザエを取って暮らす小さな村があった
00:18そしてその取ったサザエを
00:22米や味噌に変えて暮らしを立てておった
00:30この村にゴロータというサザエ取りのうまーい若者がおった
00:53ゴロータの船じゃ今日もだいぶ積んどるの
00:58すげーなわしらの十倍はあるぞさすがゴロータじゃ
01:05腕が違うわい
01:07たまにはこのぐらいサザエを取ってみれい
01:10ああ、もういいよーた
01:17飲め飲め、もっと飲めや
01:19ああ、もういいよーた
01:23もっと飲めや
01:25確かにゴロータはサザエ取りの名人じゃった
01:30酒も強くて
01:32毎晩が酒盛りじゃった
01:34翌日もまたゴロータはサザエを取って村に帰ってきた
01:41今日もまた体操を取ってきたのう
01:53毎日毎日よくもまああんなに取れるもんじゃ
01:56ゴロータよ、そげとったらサザエはこの海から脳なってしまうが
02:11なに、サザエが脳なる?
02:14馬鹿こくでねえ
02:16脳なるはずがねえ
02:18海が広いんじゃからな
02:20それに、こげんこまいのは来年まで待てば大きくなるのに
02:25海に帰してやれや
02:28なにいってるんじゃい
02:30せっかく苦労して取ったんだ
02:32返してやるわけにはいかねえ
02:35まさかおめえ、沖の島ね
02:43その村のそばには、二つの島があって
02:47遠い方の島を沖の島
02:50近い方の島を中の島と呼んでおった
02:54今年のサザエ領は中の島で
02:57来年の領場は沖の島でというふうに
03:01毎年交代で取るように決められておった
03:07あげにたくさん取れたわ
03:09やっぱり沖の島のサザエじゃ
03:12そうに違いねえ、村尾さん
03:15あの島のサザエを取られたら
03:18来年のサザエは望めねえな
03:22ごろーたにはわしが話してみよう
03:25ほんまいサザエは二度と取っちゃなんねえ
03:31海に帰してやるだ
03:33それに、今年は沖の島の分はねえはずじゃ
03:37沖の島のサザエは来年のものじゃから
03:41あそこからは取ってきてはなんねえ
03:45ふん、わしはわしのやりたいようにやろう
03:50そんなある日のこと
03:59ごろーたは村尾さんの言うことも聞かず
04:02沖の島目指して出て行った
04:05この日のごろーたは
04:17村尾さんや村人に小言を言われた原伊勢か
04:22草財を取りに取りまくった
04:25この日のごろーたは
04:29村尾さんや村人に小言を言われた原伊勢か
04:33草財を取りに取りまくった
04:37そしてごろーたは
04:46日が暮れかかっとるのも気がつかず
04:50潜っては取り上がっては船にあげ
04:53潜っては取り上がっては船にあげしておった
04:59倉庫を繰り返しているうちにとうとう夜になってしまった
05:07なんとその時には小山ほどのサザエでいっぱいの船は沈みそうになっておった
05:14こいつあなたが腹が減って力が入らない
05:29ここは一丁何歩でもない
05:34こいつあなたが腹が減って力が入らない
05:40ここは一丁何歩でもあるサザエをちっと食って
05:46腹ごしらえをしてから帰ることにしよう
05:49ごろーたは腹は減っとるし船は重い
05:55少しでも早く村に帰りたいが
05:58このままローコグの輪を食うじゃった
06:01そこでごろーたはすぐそばにある島に船をつないで腹ごしらえをすることにした
06:12いっときするとあっちでじゅうじゅうこっちでじゅうじゅう
06:17ポンポンとサザエの蓋が開いてええ匂いがしてきた
06:22こりゃうまそうじゃ
06:29空っぽじゃ
06:34ひもじゅうてたまらんごろーたは焼きたてのサザエをつかんでみたが
06:39軽うて中身は空っぽじゃった
06:43そん次のをつかんでみたがやっぱり空っぽじゃった
06:49これは一体どうしたことじゃ
06:58おかしなこともあるもんじゃ
07:01ごろーたは焚火をすかしてみたり
07:04あっちこっち見たけんど
07:07周りにはだーれもおらん
07:10そん時ごろーたは海で目に見えん変なものにおうたら
07:18船のともについちょる
07:21綱を通す鉄の輪をのぞいてみると
07:24その正体がわかるといういい伝えを思い出した
07:28ごろーたは急いで船に帰ると
07:34ともずなを手に握りその鉄の輪から
07:37たき火をしたあたりをのぞいてみた
07:41な、なんじゃありゃ
07:51そしたらどうじゃろ
07:53真っ白い髪の痩せこけた裸のおじいがサザエを込んでみた
07:59うみじじいじゃ
08:15こいつにおうたらろくなことはねえ
08:23おらまで食われてしまう
08:25早く逃げにゃ
08:27もちっとサザエを食わせ
08:32もちっとサザエを食わせ
08:35くわせ
08:37もろーたはそれはもう怖くなって
08:40船に積んだサザエの山を駆け残った
08:43それとその他に
08:45山ほどのサザエがガラガラーと
08:47激しく音を立てて海に落ちていった
08:50もちっとサザエを食わせ
08:54もろーたは軽くなった船を漕いで
08:56島から逃い出そうとした
08:59もちっとサザエを食わせ
09:02こらーまんけー
09:06もちっとサザエを食わせ
09:09こらーまんけー
09:14もちっとサザエを食わせ
09:25海に落ちた細いサザエは
09:28まるで生き返ったように
09:30くるくる回りながら
09:32時たまキラキラと月の光に照らされて
09:36深いところに帰っていった
09:39うーん
09:51髪が真っ白じゃ
09:56きっと海で怖い目におうたんじゃろう
10:00そん時の五郎太の髪の毛は
10:04海で出おうた怖いもんのためか
10:07真っ白になっておった
10:11その後五郎太はずっと口を閉ざしたままじゃったが
10:16年に一度の秋祭りがこの村に訪れる頃
10:22ようやく五郎太も村の者たちと一緒に
10:26またサザエ寮に出るようになったと
10:30いうことじゃ

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