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  • 2 週間前
Japanese folk tales
トランスクリプション
00:00昔沖縄での話じゃった
00:13その頃は月の姿が半分に見える
00:17二十三夜様には親子兄弟近所の者
00:22皆一所に集まってお月様を拝み
00:26食事を共にし夜通し語り合ったものじゃ
00:30その日もある一軒の家には二人の客が来ておった
00:37そうしてその家の主人と三人で酒を組み交わしながら月待ちをしていると
00:44そこへボロボロの着物を着た小敷が一人やってきた
00:48これはこれは皆様神様拝みですか
00:54どうか共に拝ましてくださり
00:58主人はどうぞどうぞと心よく迎えた
01:04じゃが二人の客は面白くない
01:06おいおいそんな汚い小敷に入れてやるつもりかい
01:12せっかくの酒がまずくなるぜ
01:15こんな奴一緒に拝ましてやることないだろう
01:20いやいや今夜は二十三夜様
01:24二十三夜様はみなして拝むもの
01:28それを忘れてはなりません
01:31さあさあこれで手足を洗い出され
01:37洗ってきれいになる足かね
01:41ふん
01:43小敷は手足を洗って座敷に上がると
01:46こんな無才ジジイですまぬが
01:52どうか共に拝ましてくださり
01:56やがて月の上りになった
02:00主人はお見切りやお供えの団子をいただいて
02:08みんなに回し心よく飲み食いし
02:11みんなして歌い踊りそして語った
02:14みんなに回し心よく飲み食いし
02:32さて夜明けが近づいて小敷は帰る時三人に言うた
02:38私の家は月の出た彼方の山の葉にございます
02:46こうしてお仲間になった上は
02:50次の二十三夜には今度は私のところで一緒に拝んでいただきましょう
02:57その時お迎えに友人を使いますからどうぞ来てくだされ
03:03小敷のくせにでかい口叩くな
03:09いやそういうことを言うものではない
03:13こうして誘ってくださるのだ
03:16次の二十三夜様には共に喜んで出かけましょう
03:20おや
03:21主人が見るともうそこには小敷の姿はなかった
03:26そして一月が経ち次の二十三夜
03:32その夜にはこの前と同じように二人の客もやってきて
03:37三人で使いの友人が来るのを待っておった
03:41あんな小敷の言うことあてにはなりゃしないよ
03:52諦めてそろそろ飲み始めようや
03:56いやきっともうすぐ見えますよ
04:00そもそも小敷の使いなんて聞いたことないけどな
04:05へへへへ出まかせに決まってら
04:09月の出まではまだ間がありますしもう少し待ってみましょう
04:15ところがふっと気がつくと庭に友人が立っておった
04:22お迎えに参りました
04:25私の後についておいでください
04:29主人と二人の客はこうして友人の後についていった
04:37どこへ連れて行かれるんだろうな
04:45なんだか気味が悪くなってきた
04:49あちらでございます
04:55東の山の高派に登ると
05:07驚いたことにそこには見たこともない立派な屋敷があった
05:12明かり障子を立て回した屋敷の中は目も覚めるばかり
05:21金銀七宝が並び
05:23朱塗りの前に山のようなご馳走が用意された部屋に通されると
05:29そこにはいつかの小敷が待っておった
05:33さあさあどうぞお楽に
05:36今夜は存分に飲み食いしてくだされ
05:41後ほど特別の料理をこしらいて差し上げますから
05:46そう言うと小敷は部屋から出て行った
05:52これはすごいごしそうだ
05:57やっぱり変だ
05:58俺たちは何かにばかされてるんじゃないか
06:01特別の料理とか言ってたが
06:04何食わされるかわからんぞ
06:07四隅に行ってみるか
06:11二人の客はそう言って台所に覗きに行った
06:20その部屋らしいぞ
06:25いいか少しだけ開けて覗くんだぞ
06:30覗いた途端
06:40二人は息を呑んだ
06:42なんと小敷はまな板に赤子を乗せ料理を作っていたのじゃ
06:49すると突然地面から
07:10化け物の柱が天に向かって突き出した
07:13座敷に一人残された主人のところへ
07:28古事記が料理を運んできた
07:30古事記が料理していたのは赤子ではなく
07:35実は忍獣という波の人間では食うことのできぬ珍しい魚じゃった
07:43そしてそれは大変おいしいだけでなく長寿の妙薬でもあった
07:50やがて月の昇りになりありがたいもてなしを受けた主人が
07:59それでは追い飛ばすると古事記に言うと
08:02古事記は一本の刀を差し出した
08:06この守り刀を持って行きなされ
08:11先へ行くと七という化け物の柱が三本天に向かって突き出てくる
08:20そしたら風上へ回って真ん中の七をこの刀で切るがよい
08:27主人は丁寧に礼を言って屋敷を出た
08:36山を下ってしばらく行くと三本の七が天に向かって突き出した
08:48主人は古事記からもらった守り刀を抜いた
08:53真ん中というとこの黄色い七を風上に回って
09:03黄色い七にひびが入る
09:12ガラガラと音を立てて天から黄金が落ちている
09:22黄色い七にひびが入る
09:28ガラガラと音を立てて天から黄金が落ちてきて
09:33主人の周りに山となった
09:37そしていつの間にか三本の七は消えて
09:41後には二十三夜の月がかかっているばかりじゃった
09:47この黄金のおかげで主人は末永く幸せに暮らしたそうな
09:57そしてあの二人の客は体中傷だらけになって
10:02三日後になってやっと村に帰り着いたということじゃ
10:06あの古事記は二十三夜の神様だったのじゃ
10:21月の世界から来る二十三夜様は
10:24古事記のなりをして村や街をさまよい歩き
10:29心よいものに多くの幸を授けるということじゃ
10:34ご視聴ありがとうございました

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