00:00ご視聴ありがとうございました
00:30ご視聴ありがとうございました
01:00ご視聴ありがとうございました
01:30ご視聴ありがとうございました
01:59ご視聴ありがとうございました
02:30そのあわや冷えでさえ
02:33左イドンの腹にはとても足りんかった
02:36ご視聴ありがとうございました
03:06この左イドンが夜になるとこっそり家を出かけていくのに
03:21村のシュウが気づいたのは河原にホタルが飛ぶころじゃった
03:27クワを担いで行き寄ったぞ
03:34クワを担いで行き寄ったぞ
03:38夜中過ぎに疲れ切った顔して帰ってき寄ったぞ
03:43夜遊びかな
03:46あれは夜遊びに行き寄ったぞ
03:53村人は不思議に行き寄ったぞ
04:00そりで何をしろんじゃん
04:02と尋ねても左イドンは口をへの字に結んで何も言わんかった
04:08ほら
04:18働くのは嫌じゃねえ
04:21うんや米を作るのは好きじゃ
04:25米の飯場食べるのはもっと好きじゃ
04:29仕事がつらいのは我慢できる
04:32左イドンは我慢できねえ
04:36ん
04:37ん
04:46ん
04:48ん
04:51ん
04:53ん
04:54ん
04:55ん
04:56ん
05:01そんなうちに
05:03ヒダリードンがまるで病人みたいに痩せこけてきたもんじゃから
05:08近くの年寄りが心配して月明かりの晩ヒダリードンの後をつけてみた
05:15すると村外れから山にずんずん入っていった
05:33ヒダリードンはニナがマムシサコと言うて恐れて近寄りもせん
05:46マムシのおる谷間に牛の腹の下ほどの小さい田んぼ
05:52遠ばかりもつなげていわし水をひいて稲を作っておった
05:59ヒダリードンはおかみに隠れて誰にも内緒で
06:06取れた米が全部自分のものになる隠し田を作っておった
06:13毎晩毎晩何しちゃうと思ったら隠し田作ってたのか
06:22こんなことはおかみに見つかってみろ
06:25あなたは取られその上打ち込みじゃ
06:29幽霊のように田のへりに立っているヒダリードンを見て
06:52年寄りはかわいそうになって見たことを誰にも言わんかった
06:59秋になると
07:10ヒダリードンはこうしてやっと半瓶ばかりのもみを取った
07:27それをこっそりついて一生ばかりの米をこしらえた
07:32夜の夜中にできたての米を炊いて
07:51うまい匂いの吹き上がる米の飯を
07:56夢にまで見た米の飯を
08:00ヒダリードンは腹いっぱい食った
08:19ところが
08:32あくる日の昼になってもヒダリードンが野良に出てこん
08:37珍しいこともあるもんじゃと
08:40隣の女房が覗いてみたら
08:43ヒダリードンがニカッと割ろうって
08:46こときれておった
08:48日からいっぱいの米の飯を食べたいという願いが叶った
09:13よほど嬉しかったに違いない
09:16毎晩の田んぼづくりで腹を減らし
09:21ふらふらになったとき急に
09:24腹もぶち裂けるほど食うたから死んじまったんじゃな
09:28と村の衆はみんな哀れに思うて
09:33亡骸を隠しだのほとりに葬ってやった
09:46そしてそれからは毎年ヒダリードンの作った隠しだで稲を作り
09:54さあヒダリードンを腹いっぱい食えや
09:57食いたいだけ食えや
10:01と取れた米を墓に備え
10:04ヒダリードンの冥福を祈り続けたということじゃ
10:08人が一度に食える米の量は
10:181合寿司、2合が湯、3合飯、4合だごと言うて
10:25雑炊なら1合、かゆなら2合、飯は3合、だんごなら4合と
10:34昔から言われているそうじゃ
10:37ご視聴ありがとうございました
10:42ご視聴ありがとうございました