00:00昔 昔 今の山形県の高松というところに
00:17貧しいけれど 心豊かな人たちの住む平和な村があったそうな
00:25村には観音様を祀るお堂があって
00:29その大きな山門の両側にはこれまた大きな大きな仁王様が住んでおった
00:37ああああああ 今日もまた一子一人寄らん
00:49村の子供たちはどうして遊びに来んのじゃ もうこれでは退屈で死にそうじゃ
00:55なんぞこうドッキリするような面白いことが大きいんかのう
01:02のう
01:03こここれ何をバチ当たりなこと言うとるんじゃ
01:08お主はよう我慢できるのう 毎日毎日じーっと突っ立ったきりで
01:14我々は観音様をお守りするためにこうして立場をしとるんじゃ
01:20一日一日が何事もなく過ぎてこそ安心というものではないか
01:28何にも起こらんのでは番をする意味がないわい
01:34そうして夜になると
01:42どれちょっくら村の様子でも見てくるか
01:54これ持ち場を離れてはいかん
01:59我々はここを守るのが
02:05番をするのは昼間だけでたくさんじゃ
02:14困ったやつよのう
02:17こうして三門の右側を守る口開きの鬼王様は
02:22真夜中の村まで降りてきた
02:25はーて誰かおらんかな
02:35なんじゃせっかく遊びに来たのに誰も起きとらんのか
02:42おー誰か起きだしたぞ
02:46なかなか元気のいいしょんべんじゃ結構
03:03結構
03:06たまげたか弱虫小僧め
03:13なななんだと
03:14おいら弱虫じゃないぞ
03:15ちょっとびっくりしただけだい
03:18ちっ
03:19まあそう起こらんとわしと遊ばんか
03:23お前のおかげでほら
03:26ねしょうべんしたみたいになっちまった
03:29おっかいにまた叱られるじゃないか
03:32誰が遊んでなんかやるもんか
03:34お前たちこんな窮屈なところにおるのか
03:52かわいそうにそーらー
03:55遊べー遊べーほーれほーれー
04:01うはははははははー
04:05こりゃ愉快じゃー
04:07よーしよしつながれて苦しいんじゃろ
04:14いまじゆうにしてやるからな
04:16そーれー
04:19はーはははははー
04:25よろこんどる
04:27よろこんどる
04:28お願い
04:28さー
04:29うぅわー
04:29はείデー fee
04:29はしれーはしれーわしとかけくらべーじゃあー
04:33走れ走れ わしと駆け比べじゃ
04:42それ行け それ行け
04:48さて想像しぃの
04:52いたずらの面白さに味をしめた口開きの仁王様は
04:59それからというもの毎晩村へ降りて行っては悪さをするようになった
05:10これには村の人たちもほとほと困り果てた
05:16馬や犬が駆け回るので畑がめちゃめちゃじゃ
05:21しかし相手が仁王様では文句を言うこともできねえ
05:27困ったなあ
05:33大人たちはため息をつくばかりであった
05:37が 村のガギ大将聖吉とその仲間たちは立ち上がった
05:44よーし みんな集まったな
05:48今からいたずらにを懲らしめによくぞ
05:52よーし 進めー
06:18ずいぶんできーなあ
06:28ちょっとしょんべん
06:30だめ
06:31ほらー
06:33ほーらやっと遊びに来てくれたな
06:37いえい いたずらにをよくもみんなを困らせてくれたな
06:41たいじしてやる
06:43わしをたいじするちびのくせにちゃんちゃらおかしいわい
06:48それかかれー
06:50びゃー
06:52うるさあ
06:54うるさあ
06:57せいきちたちはあっという間に捕まってまるのみにされてしもた
07:02がー
07:06ひーへー 仁王様のはらん中はでっけーな
07:09ぅー おたーちゃーん
07:13泣くな
07:14きっと出るところはある
07:16みんなしてさがそう
07:18聖吉たちは一生懸命出口を探したがまるで見つからない
07:28だがそのうち目が慣れてくると
07:31綱のようなものがたくさん下がっているのが見えてきた
07:35なんじゃこりゃ
07:37よしこの綱を登ってみよう
07:42平気かな
07:43大丈夫か
07:46平気平気もう少しだもう少しだ
07:50もう少しだ
07:52やっばー
07:54へーくしゃみの綱か
07:59他の綱を引っ張ってみよう
08:01全然やるんだぞ
08:04サクリヌナだ
08:09これは関の出る風的綱だよ
08:23うむしで今度はいっぺんに引っ張ってみようよ
08:29いくぞ
08:32おぬし風邪をひいたようじゃな
08:45もっと揺れろもっと揺れろ
08:56もっと揺れろ床
08:57これは苦しい
09:03腰が痛い助けて
09:09腰が痛いごさんだ
09:21よし一番初めの綱をみんなで力いっぱい引っ張ろう
09:26やいまいったか
09:41まいったまいりました
09:45どうなんてどうなんて
09:49ここはどこの細道じゃ
09:53天神様の細道じゃ
09:57こちょこちょこちょこちょこちょ
10:01うーん
10:03うーん
10:05それからというもの
10:09子どもたちは毎日のように二王様のところに遊びに来るようになった
10:15口開きの二王様も村へ出て悪さをすることもなくなり
10:21じっと観音様のお守りをするようになった
10:27そればかりか
10:29子どもたちの命の守り神となり
10:31今でも二王様の股をくぐると
10:35風やはしかにならないと言い伝えられているそうな
10:41一番初めの金色が
10:45二王様の股にも
10:47飛ばし手を広げている
10:49内容にも
10:50おかしい
10:51二王様の股にも
10:52三王様の股にも
10:54水を放っている
10:55二王様の股を
10:56見ると
10:57二王様の股を
10:58二王様の股にも
11:00二王様の股を
11:02二王様の股を
11:03二王様の股を