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  • 2 か月前
Japanese folk tales
トランスクリプション
00:00昔、あるところに木村壮大夫という男がおりました。
00:17真っ正直な男でしたが、皮肉なことにその正直なところが災いして、
00:23城勤めをやめねばならなくなり、牢牢の実を送っておりました。
00:30今は女房の里に帰り、実家からちょっと離れた山合いの土地を譲り受け、
00:54土地を耕し、新しく家を建てようと、毎日毎日精を出しておりました。
01:02人はわしのことを馬鹿正直じゃと言うが、
01:12嘘をついてまで城勤めをすることなど、わしにはできぬわい。
01:17ところで、ある晩のことでした。
01:26ようやく家族が住めそうな家が建ち、
01:29そろそろ女房子供を呼ぼうと思いながら、寝床に着いた時でした。
01:34そうだよ、そうだよ、そうだよ。
01:44何か用かや?
01:47そうだよ、用。
01:49この頃、この辺りを嘘を言いふらして歩き回っているもんがおるそうじゃが、
01:56あんた聞いたかや?
01:57あって、何にも聞いとらんが。
02:02おかしいなあ。
02:04おら、ゆうべも聞いたし、その前の夜も聞いたんじゃが、
02:08あんた、本当に聞いとらんのかや。
02:12わしはそいつが今夜も来ると思うと。
02:15気持ち悪い。
02:18ゆっくり寝てもおられんのじゃ。
02:20わかった。
02:22そんなら今出て行け、一緒にそいつを探そうじゃんねえかや。
02:27そうだよが、外に出ると、
02:34今まで話をしていた男の姿が見えませんでした。
02:41どこへ行ったんじゃろうな。
02:47しょうのない奴じゃな。
02:49まあ、そのうちまた来るじゃろう。
02:52寝鼻を起こされたそうだよ。
03:01すっかり目が裂いてしまい、
03:04今度はなかなか眠りにつけませんでした。
03:07そして、
03:12次の晩も、
03:14その次の晩も。
03:17そうだよ。
03:19そうだよ。
03:21そうだよよ。
03:22この頃この辺を嘘を言いふらして歩き回っているもんがおるそうじゃが、
03:28あんた聞いたかよ。
03:31毎晩、
03:33同じことが繰り返されて、
03:35そうだよ。
03:35昼は昼間の野良仕事で疲れてゆっくり休みたいのでしたが、
03:40夜もろくろく眠れない日が続きました。
03:52そうだよ。
03:54そうだよ。
03:55そうだよ、聞いたかよ。
04:03気やすく、
04:04名を呼ばれる覚えはない。
04:07今までのいたずらは許してやる。
04:10何もせぬから、
04:11中へ入りなさい。
04:13つまらぬことはやめるんじゃ。
04:17このあさりで嘘を言いふらして歩き回っておるもんがいるんじゃが、
04:23聞いておるか?
04:24おらはそいつが今夜も来ると思うと、
04:28君を歩いてゆっくり寝てもおられんのじゃ。
04:42誰じゃ。
04:51そうだよ。
04:52外に飛び出すと、
04:54その晩も今まで喋っておったものはおらず、
04:57ただこの葉がひらひら舞っているだけでした。
05:01まるでそうだよ。
05:02おばあさりは手をあざけ悪おうているようでした。
05:05一体誰なんじゃろう
05:23武士を捨て
05:25百姓になろうとしているわしを
05:28からかっているのじゃろうか
05:35武士を捨てているわしを
06:05武士を捨てているわしを
06:35俺は君が悪くて
06:38夜もゆっくり眠れぬ
06:41この化け物め
06:50嘘を吹く奴はお前じゃろうが
06:53ご視聴ありがとうございました
07:00そうだ言うが
07:28刀を鞘に納め戻りかけたとき
07:32何か獣の毛のようなものが足に触れました
07:36出ました
07:42それは
07:43うさぎの尻尾でした
07:45相代優は
07:46狸や狐ならともかく
07:49うさぎが人を騙すなど聞いたこともありませんでした
07:53そこでその日
07:54そこでその日相代優は
07:56里の年寄りを訪ね
07:58事の次第を話し
08:00訳を訪ねました
08:02かごろ
08:08うさぎの住処のありそうな木でも切ったことはないかの
08:16そりゃ
08:18家を建てるのに何本か切ったが
08:23それじゃな
08:26うさぎじゃって生き物じゃ
08:29恨み重なりゃ
08:31そげなことまで
08:32せんとも限らん
08:34はよ山行って
08:36代わりの巣を作ってやるこっちゃ
08:40あのうさぎ
09:04子でもおったんじゃろうか
09:10さっそく相代優は山に出かけて行って
09:19うさぎの出そうな場所に巣を作ってやりました
09:33百姓に刀はいらん
09:36その晩から
09:40相代優のもとへ
09:42あのうそふきうさぎがやってくることはなくなり
09:47睡眠を妨げられることもなくなりました
09:51そして
09:52安心して暮らせるようになったそうです
09:59ゆうえ
10:01おう
10:04おう
10:05おう
10:06おう
10:07おう
10:08おう
10:09おう
10:10おう
10:15正直で頑固な木村総大よ
10:19おう
10:27その後は
10:29二度と刀を手にすることはなかったそうです
10:32おう
10:34おう
10:35おう
10:36おう
10:37おう
10:38おう
10:39おう
10:40おう
10:41おう

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