00:00昔、北海道の旭川の近くの、ピョップというところに、二人の老人が住んでいました。
00:21この二人の老人が、トッショウザンという山に狩りに行ったときのことです。
00:31二人は、一匹のムジナを追って、森の奥深くへ走って行きました。
00:51終了。
01:04嫌なところへ逃げ込まれてしまった。
01:09無人なの走り込んだ穴は深い深い穴でした
01:15どこまで続いているかもわからず
01:20誰も人が入ったところを見たことがないというので
01:25この辺の村人たちは地獄穴といって気味悪がっている穴でした
01:32よりによってあんなところへ逃げ込むとはな
01:38何か恐ろしいもんでも住んでいそうじゃな
01:43誰かが来るぞ
01:47見たか人間じゃぞ
02:03確かに人間じゃ
02:05穴の向こうからあの無人なを追ってきたんじゃろうか
02:11何やらびっくりしてまた中へ戻っていっちまった
02:16穴の中には何かがあるな
02:24行ってみようか
02:27二人の老人はこうして穴の中へ入っていきました
02:44穴の中は真っ暗で
02:59その上だんだん狭くなっていきました
03:04おー明かりじゃ
03:23出られんそうじゃな
03:25穴から明るいところへ出てみると
03:50そこは村でした
03:53魚もたくさんいるし
03:56山の動物たちもたくさんいて
04:01ゆったりと穏やかな感じがする村でした
04:06あれー
04:13こんなとこに村があったのか
04:16見たことも聞いたこともね村じゃ
04:20絶対ここはどこなんじゃ
04:23あの男に聞いてみよう
04:26ちょっとお尋ねしますが
04:30この村は何という村ですか
04:35老人が声をかけるのですが
04:39誰一人としてこちらを見ようともしないで
04:43黙って通り過ぎて行くのでした
04:46老人たちは村の真ん中の人が集まっているところにも行ってみましたが
04:57やはり誰一人として自分たちには目も止めませんでした
05:03どうやら不思議なことに村の人たちには
05:13この老人たちの姿は全然見えないし
05:17声も聞こえないのでした
05:19そうとわかると二人は遠慮することなく
05:23村の中を隅々まで見てまわりました
05:27村のどの家にも肉や魚や木の実や毛皮などがたくさんありました
05:37どの村人の着物も立派な織物でできており
05:43どの村人の顔も穏やかでした
05:47そうやってあちこちの家を見てまわっていましたが
05:52二人はびっくりすることに出くわしてしまいました
05:55俺は去年死んだ隣のじいさまちゃんに
06:01そんな馬鹿なことがあるわけねえ
06:06しかしそっくりさ
06:11見ろ飲み終わった後のあの癖
06:18飲み終わった後ここのところ
06:21ぺちゃぺちゃと叩いただろうが
06:24そうだ間違いない隣のじいさまだ
06:30じいさまー
06:32じいさまー
06:34犬が盛んに吠えるぞ
06:44何かが伝う
06:46じいさまは火じゃ
06:48俺俺知っとるじゃろ
06:50隣の
06:52バケモノでも来たか
06:59わしらのこと言ったのか
07:03そうじゃんわ
07:04じいさまもわしらが見えんのじゃろ
07:08なんていうことじゃわしらをバケモノとはの
07:12ボロをいぶして迷うけをしろ
07:17今までもの静かでゆったりとしていた村は
07:23大騒ぎになりました
07:26瞬く間にボロキレが集められ
07:29火がつけられと
07:31煙は村中に広がっていきました
07:34こりゃたまらん早く帰ろ
07:49おいおかしいぞバカに体が重くなった
07:57っ
07:59うわしもじゃ
08:01ううう、ちっく、ちっと舞いに進め
08:06おっ
08:08は?
08:09メルさん、多く人もの村人たちがまるで行くなとでも言うようにしっかりと二人の着物を掴んでいるのでした
08:21煙でいぶされた二人の姿がこの村の人たちに見えるようになったということなのでしょうか
08:29しっかりと掴んで離しませんでした
08:38でもどうしても帰りたい一心の二人は必死で村人たちを振り切って逃げ延びました
08:47村人たちも追ってはきましたが穴の入り口までは追ってはきませんでした
08:53二人は何とか言えたどり着くことができたのでした
08:59それから僕に近たったある日のこと
09:11なあ、おめえ、こないだの村どうも
09:26わしはあの村が好きだ
09:29魚はいっぱいいるし山の動物だっていっぱいいたじゃないか
09:36あんな素晴らしいところに住んでみたいもんだ
09:41わしはなんだか嫌いな村だ
09:45あんな君の悪いところよ
09:48二度と行きたくない
09:50それから間もなくして
09:58あの村に住みたいと言った方の老人は
10:03とっぷりと死んでしまい
10:06あの村に二度と行きたくないと言った方の老人は
10:11その後とても長生きしたということです
10:15地獄穴があの世への入り口だったというわけでしょうか
10:32海外の中心に住んでいた
10:42坂なんかが暗い
10:44失敗した