00:00昔、昔、和歌山の鎌中の村というところの草七という漁師が、いつものように日高峠、イノシシを討ちに行った。
00:30草七は、一休みがてら必ず山の神さんの祠に、その日の獲物と無事を祈って、その山に入るようにしておった。
00:46ところがその日は、山の入り口でイノシシの影を見た。
00:51そんなことは滅多にないことじゃったので、お供え物も放り出してイノシシの跡を追った。
01:00草七は、イノシシが犬に追われて出てきそうな場所で待ち伏せしようと急いだ。
01:10イノシシを追う、犬の吠える声はしたが、イノシシも賢いもんじゃ。
01:30いつも待ち伏せしとるところへは、いつまで立っても逃げてこんかった。
01:36そのうち、さっきまで晴れていた空の一つで、
02:06空がなぜか急に暗くなり秋の寒雨が降り出した
02:12草七は雨宿りをしようと考えたが
02:38どちらを見ても山の中
02:41どこにも雨宿りをするところがない
02:45それで慌てて山を駆け下りた
02:49あそこで一休みさせてもらおう
03:13しばらく下ると林の中にかすかな明かりが見えて小さな炭焼き小屋があった
03:21草七は助かった
03:24と中へ駆け込んだらおばあさんが一人火を焚いておった
03:31それはそれは大変じゃったの
03:37こんなところに炭焼き小屋があるとは知らなんだ
03:42わしゃずっと昔からここに住んだるよ
03:48そうかばあさん一人じゃ何かと大変じゃの
03:55そんなことはねえよ
03:58わしゃこの山じゃ何も不自由しとらんで
04:04そうか
04:06だども山の中じゃ食い物が困るじゃろ
04:10そんなことはねえ
04:13そこに鎌中の村のもんが持ってきてくれた大根や
04:20里芋が煮えとるじゃろ
04:23好きなだけ食うたらいい
04:26そうか
04:28そんじゃ遠慮の
04:30どないした
04:42はいよ
04:43食うたらいい
04:45こりゃうまそうじゃの
04:49しかし山の寒雨には
05:09慣れとるとは言うてもやっぱり
05:16ふられると寒いの
05:19ふたさしくべると手は2倍
05:23ふたさしくべると手は3倍
05:36ふたさしくべると手は3倍
05:44ふたさしくべると手は4倍
05:47ふたさしくべると手は5倍
05:51ふたさしくべると手は5倍
05:53ふたさしくべると手は5倍
05:55ふたさしくべると手は5倍
05:57ふたさしくべると手は5倍
05:59ふたさしくべると手は5倍
06:01ふたさしくべると手は5倍
06:02ふたさしくべると手は5倍
06:04ふたさしくべると手は5倍
06:06ふたさしくべると手は5倍
06:09ふたさしくべると手は5倍
06:11ふたさしくべると手は5倍
06:13怖くなったソウシチは後ろも見ずに小屋から飛び出し
06:20どんどん山道を逃げていった
06:23家の中を覗くと赤い着物にたすきをかけた
06:44十七くらいの娘がかまどで火を焚いておった
06:49そこにおるのは誰じゃえ
06:52道に迷うてな
06:54雨に降られて寒いんじゃ日に当たらしてくれんか
06:59それは大変じゃったの
07:01早い日に当たりなされ
07:03ソウシチは娘に温かい汁を振る舞われながら
07:10先ほどの炭焼き小屋のことを話した
07:13ばあさんの手の大きいこと恐ろしうてまだこんなに震えているのや
07:19そうけ
07:21そうけ
07:22こんな奥深い山の中に人が住んどるとは思いもせなんだな
07:30わしゃずっと昔からここに住んどるんよ
07:36さっきの煮物と同じもんじゃ
07:43などの山の中じゃ食いもんが困るじゃろ
07:53なにそんなことね
07:55鎌中の村のもんが大根や里芋持ってきてくれるからな
08:02もしかして炭焼き小屋のおばあさんを知ってるのか
08:10よーしっとるよ
08:14ばあさんの手とわしの手とどっちが大きいかな
08:23おばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのおばあさんのお
08:53ああああああ
08:56me
08:59me
09:02me
09:04me
09:06me
09:08me
09:12me
09:17me
09:20どれぐらい時間がたったのか 期待の変が変に温かいの
09:26で気づいてみると 山の入り口の祠の前で草七の犬が顔を舐めているのじゃっ
09:48まさか 山のおかみさん
09:54山の神さん 裏が悪かった
10:00毎日山の獲物を山の神さんから頂いていたのに お参りするのを忘れてしもて
10:08山の神さん ありがとうございます
10:14ん
10:16たとえ獲物を前にしたとはいえ 山の神さんを拝むのを忘れたために
10:26山の神さんがなせる技じゃったとは
10:32なんとも不思議な山の話じゃん
10:38山の神さん
10:40山の神さん