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  • 6 日前
Japanese folk tales
トランスクリプション
00:00昔、福島県の西合図の山深く、木甲津川に沿って小さな村々があった。
00:23そんな村に木こりの父親と娘が住んでおった。
00:30あれ?ゆりの花。夫だ。
00:35はははは、おゆき今帰ったぞ。これ早く広がんと流れちまうぞ。
00:42きれいだ。夫腹減ったろ。ちゃんと夕飯作ってあるだ。
00:48おゆきはすっかりかかのつもりじゃ。
00:54おゆきの母親は5年ばかり前に亡くなった。
00:58その後、夫に後添えを進める話もあったが、夫はいつもおらの連れ合いは娘じゃと笑って取り合わずにおった。
01:09そんなある秋のこと。
01:13もう少しだ。将兵、もう少し持ち上げてくれ。
01:18助かったぞ。もう少しだ。将兵、もう少し持ち上げてくれ。
01:25た、助かったぞ。もう大丈夫だ。
01:30おゆきの夫は、木の下敷きになった仲間を助けようとして死んでしまうた。
01:41おゆきの夫は、木の下敷きになった仲間を助けようとして死んでしまうた。
01:54人を助けようとして災いを受けた夫の伴いは、村中総出で行われた。
02:03将兵、安心してくれや。
02:06お前さんは、おらたち仲間を助けようとして命を落とした。
02:11残されたおゆきは、おらたちで面倒を見るだ。
02:16村人たちは、口々にこう言って、夫の墓に向かって、おゆきの面倒を見ると約束した。
02:27じゃが、夫が死んで間もなくは、何くれとなくおゆきの面倒を見てくれた村の者たちも、だんだん目をかけてくれなくなった。
02:39自分たちの食うことがやっとで、なかなかおゆきの面倒まで見れなかったのじゃろう。
02:50おゆきは仕方なく小さいながら働いた。
02:53手足に赤切れをこしらえながら、シジミを宿場の村まで売りに出かけるようになったのじゃった。
03:04そんなおゆきは、一人ぼっちじゃったが、夫をおっ母の見守るこの家にいれば幸せじゃった。
03:12が、ある夜のこと。
03:18ごめんよ。
03:23おめえがおゆき坊か。
03:28わしはこの一帯の世話役の自助ってもんだが、おめえ、あいずの町の去る旦那の家で、子守りをしてみれか。
03:38こんな山の中より、町の暮らしの方がなんぼかいいぜ。
03:45大地、うめえもんも食えるし、それにきれいな服も着れるぞ。
03:50おら、いやだ。
03:54おぉ、なぜだ。
03:57弟、おっ母の墓があるもん。
04:01だな、こんな小屋なら取り壊すのに、半日はかからねえだよ。
04:07うーん。
04:09取り壊す?
04:12おらの家を?
04:14ああ、そうだ。
04:16この土地はもともとわしのものだ。
04:19立ちのいてもらわねば困る。
04:2210日いないじゃ。
04:25また来るからな。
04:28子守りの口を探してやったというのは付け足しで、世話役はこの土地が入りようで、つまりお雪を追い出そうとしているのじゃった。
04:39子供一人と見てのむごい仕打ちちゃった。
04:43おっと、おっ母。
04:50世話役のたくらみは村にも知れ渡った。
04:54村人たちはみんなお雪の目を案じたが、なんせこのあたりのもらもらを取りしきる世話役のこと、
05:03逆らえず、ただ見て見ぬふりをするしかなかった。
05:08おらが町さ行っちまったら、誰が夫やおっ母に水あげたり、召しあげたりするだ。
05:17墓の雪さ、誰が払ってくれるだ。
05:20幼いお雪は、どうするすべもなく、十日が過ぎてしもた。
05:27村坂井には、村の守り神の祠があった。
05:31お雪が宿場への行き帰りに通る、お歩道様の祠だった。
05:35その前まで来て、お雪は力尽きたように座り込んでしまった。
05:42おら、いやだ。町など行くのは嫌だ。
05:46夫やおっ母の所離れるなんてできねぇ。
05:50ねええええええ
05:54ええええええ
05:59
06:01
06:04ああああああああ
06:09
06:11不思議なことが思った 炎の中にお歩道様があらわれ
06:18お前は明日からのうち、どこへ行くこともないが、どんなことが起こっても、今まで通り毎日川へ行き、取れたものを売りに行くがよい、すべての裁きはわしがつけてやるぞ
06:38お、お不動様
06:49次の朝は、世話役がお雪の家を取り壊しに来る日じゃったが、お雪はお不動様の言いつけ通り、いつものように朝早くから川にしじみを取りに出かけた
07:08そして、朝日が山に現れ、村を照らし出した頃のことじゃった
07:17自信者
07:34ど、ど、どんな
07:36おめでとう
08:06地震が収まった後の光景は恐ろしいものじゃった
08:12山は至る所で崩れ落ち山津波となって村を押し流し土砂の下に埋めてしまっておった
08:24これがお不動様の言ってたことだべか
08:28そして不思議なことにお雪の家だけがたった一軒残った
08:35これを見た村人たちは
08:37たたりじゃこれは神様のお叱りじゃ
08:43おなたちお雪の夫に墓の前でお雪の面倒は見るからと
08:49あれだけ約束しておきながらその約束を守らなかった
08:53それで神様がいいかったのじゃ
08:56そしてお雪にひどい集中していた世話役は
09:04地中深く渦まってしまったのか
09:07二度と姿を見せることはなかった
09:10次の朝早くから
09:20お不動様の言いつけを思い出しお雪は川へ行った
09:23ところがどうしたことか
09:26シジミは全く姿を消しておった
09:28はあ
09:32なんだべ
09:43お雪が川の中で光るものを拾い上げてみると
09:52それは今まで見たこともないなんとも美しい石じゃった
09:57その光る石は大層珍しいもので宿場へ持っていくと
10:07高価な値段で取れただけ買い取ってくれた
10:11おかげでお雪はその後大層裕福になって
10:16幸せに暮らしたそうな
10:19そして何年かの後
10:24村が建て直ると
10:26誰からともなく村の名を
10:29光る石が取れた川にちなんで
10:32宝の川
10:33宝川と呼ぶようになったということじゃ
10:37山川
10:45
10:47
10:52太郎
10:54地席
10:56最強
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