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  • 2 日前
Japanese folk tales
トランスクリプション
00:00東京
00:10石神井川という川に今も下等橋というしっかりした石の橋が架かっています
00:17この橋は昔は木でできた橋だったんですが
00:22江戸時代に今のような石の橋に架け替えられたのでした
00:26ところでこの橋については一人のおじいさんにまつわるお話が残っているのです
00:34昔々
00:35この橋は江戸と川越を結ぶただ一つの橋として大層なにきわいを見せております
00:43そのせいかどうかこの橋の上はきっかり大勢の子事記たちがかぐろしておりました
00:50ベベベメーレ
00:52可愛いぞになぁ。これでも食べなされ。
00:56どうも、おありがとーごぜーやす。
00:59あ、これ、なにするだ。
01:03おわりがとーごぜーやす。
01:10毎度おわり。
01:11おおおお。おらのもらったもんだぞ。
01:13いや、おらの皿に入ったもんだ。
01:15この野郎、天命、ぬすっとみたいなままにしやがって。
01:19なによ、ぬすとだ。なんだ、ぬすとだ。
01:22この野郎やろっていうのがをやろってのかをやるコーヒーでやる あなたにゃん
01:29経過だけで変化よにゃん いやー
01:33だいたいたでいただいた
01:36大分
01:39n
01:42はっはっはっは ポッとごめんよって
01:47それだ オフレだ
01:50やられた
01:51ご用だご用だ
01:53わわわわわしの財布を返してくれ
01:56ご用だ
01:57ご用だ
01:57ご用だ
01:58ご用だ
01:59ご用だ
01:59ご用だ
02:00へへ
02:04お父っちゃん儲かっちゃった
02:07とまあこんな調子でその頃は世の中ものんびりしておって
02:14小敷も町の人々も仲良く暮らしておりました
02:18ところでここに
02:19ロクさんと呼ばれる年老いた小敷がおって
02:24みんなとはちょいと離れた橋のたもとで商売をしておりました
02:28右や左の旦那様
02:31哀れな小敷めでございます
02:34どうぞ一門でも恵んであっておくんなぜ
02:38ちょいとロクさん
02:41これうちの旦那が着古したものだけどね
02:43お前さんにはぴったりだと思って持ってきたよ
02:46よかったら着ておくれよ
02:48どうもどうもおありがとうございます
02:52こうしてロクさんはこの辺りでは最も古株の小敷でしたが
03:00毎日こうして人が通っても通らずともせっせと頭を下げておりました
03:06ところがこのロクさんを仲間内ではケチンボロクさんと呼んでおりました
03:12というのも
03:14うーん
03:17さびさびさびさびさび
03:19ロクさんよ今日は稼ぎも良かったしよ
03:21早いところ店じまいしていっぱいやーじゃねーか
03:26えーですが俺はもう少し稼がしてもらうで
03:30いやロクさんよ
03:32小敷なんてなんなんだよ
03:34稼ぎがあったらあったで飲んだり食ったりして
03:37気ままにやるのが楽しみじゃねぇのかい
03:40いいですが俺は
03:43いやロクさんよおめえさんも歳とって先もメートルというのに
03:47どうしてそう稼ぎなさるのか
03:49ネットいっぱいやってよ
03:51眠りゃあよく眠れるのにやっせっかけだが
03:55今日のところは皆さんで
03:57全くケイチだね
04:00しっかりしてる穴
04:02ロクさんはこうして決して仲間たちの飲み食いの仲間入りをしなかったので
04:09みんなからはケチンボロクさんと言って悪口を言われておりました
04:16だってぼちぼち入るとするか
04:20あああああああ
04:25ロクさんじゃねえかどうだい
04:27ちっとあったまっていかねえかい
04:31これこの通り酒の魚もあるでよ
04:34いやあ
04:36私はもう寝る座に皆さんで楽しんでください
04:40まったく付き合いの悪いじいさんだぜ
04:50あああああああ
04:52今日も来ないに稼がしてもらうたで
04:56ありがとう御座いました
05:00そろそろ寝るとするか
05:06ロクさんはいつもこうしてゴロリと横になると眠ってしまうのでした
05:12そうして冬になっても春になっても夏になっても秋になっても
05:20いつもロクさんはこの橋のたもとで頭を下げておりました
05:25こんなロクさんにもたった一つ楽しみがありました
05:30夜河原に腰を下ろして川のせせらぎに耳を傾けながら月を眺めることでした
05:40あんじゃいお前さんか
05:46ロクさんあの音はなんじゃい
05:49あれかあれは祭りの音じゃよ
05:52祭り?
05:54ああそうじゃかもう祭りは楽しいだ
05:58でんてこでんてこでんてこでんてこ
06:04ロクさんはこの時昔の若い頃のことを思い出しておりました
06:10お前さんか
06:14お前さんか
06:18ああああああ
06:41
06:43ロクさん、どうしたんじゃ?
06:48すまん、すまん。つい昔のことを思い出してな。
06:53お前もおとったんで祭りに連れてってもらうって。
06:57うん。
06:57これ、サバい。
07:00早く飯食わんか。
07:02それじゃあ、ロクさん、また来るよ。
07:05うん、またな。
07:13それからしばらくして、雨の日が続きました。
07:21お、ケチンボロクさんじゃねえかい。
07:23こんな雨の日でも稼ごうっていうのかい。
07:26あぶねえ、あぶねえ、この橋じゃあぶねえ。
07:30大雨が降りゃ流される、流されるじゃ、みんなが何にする。
07:35この橋があぶねってよ。
07:38そりゃあ、そうだ。
07:40大雨が降りゃ、ロクさんの小屋なんか、道黒で。
07:44ロクさん、人のことより自分のことを心配したらどうだい?
07:49え?
07:50あぶねえ、あぶねえ。
07:52あやくしに行くとあぶねえ。
07:53このままじゃ、なんとしてもあぶねえ。
07:58へへへへへへ、まったく変なじいさんだぜ。
08:02へへへへへ。
08:03おわりがとうござい。
08:15それから何ヶ月たたったある日のこと。
08:18おいおい、お前さんたちロクさん知らないかい。
08:25いやー、近頃見かけねえな。
08:27元稼ぎのいいとこへ行ったんじゃない
08:31ある日のこと突然ロックさんの姿が見えなくなったのでした
08:37すると
08:38おーい大変じゃロックさんだ
08:42ロックさんは一人でひっそりと死んでいました
08:50年も年でしたが食べるものもあまり食べず
08:55貧しい暮らしをしていたので体が弱ったんでしょう
08:58町の人々と小敷の仲間たちは身寄りのないロックさんを年頃に弔ってやりました
09:06そしてロックさんの小屋の後片付けをしていたある日のこと
09:11なんじゃ
09:15か、金じゃ
09:18橋、作る金、ロックぞ
09:25えらい大金を残しとったもんじゃ
09:29この橋作り変えるためにロックさんは辛抱しとったんじゃろか
09:33ロックさんは若い頃洪水に流された苦い経験があったので
09:40コツコツお金を貯めて橋を作り変えようとしていたのでした
09:44ロックさんの志を生かして立派な橋を作ろうか
09:50よし、わしも寄付をする
09:54おわりがどうごぜやす
09:56これ、おめえにもらったんじゃないわ
10:00ははははははははははは
10:05こうしてロックさんの志を継いで
10:11足りないところは町の人々もお金を出し合い
10:15立派な石の橋が完成しました
10:19この橋は毎日毎日ロックさんが
10:24頭を下げて貯めたお金で出来上がったので
10:28下等橋と名付けられました
10:31今も東京、百寺川にはこの橋がかかっています

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