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  • 3 か月前
Japanese folk tales
トランスクリプション
00:00昔々、種ヶ島の上中というところに、ジローザという男がおりました。
00:18ジローザは海で捕れた魚を仕入れては、島の村々を回り、村の人たちに魚を売って歩いておりました。
00:30今日は天気が良かったで、堺や中田まで足を伸ばして全部売ってきてしまった。
00:38あんたそれは良かったな。
00:41やから明日また早く島間まで行って、生きのいいトビウオをたくさん仕入れてこなけりゃ行けん。
00:50そりゃまた大変じゃの。
00:53弁当に焼酎も忘れずに用意してくれや。
00:58何もそんなに慌てることもなかろうに。
01:04これじゃから酒飲みは困るんじゃ。
01:09何言っていくとよ。
01:16ジローザは、女房と数ヶ月前に生まれたばかりの赤子と、三人で貧しいながらも幸せに暮らしておりました。
01:26うめぇ。
01:29うーん。
01:31あ、じゃあ、チョカにヒビが入ってる。
01:35このチョカはもう使い物にならんな。
01:38さっきあんたが蓋を取ろうとして落としたときにヒビが入ったんじゃろうか。
01:45ああ、そうかもしれん。
01:47ヒビの入ったチョカなど使い物にならん。
01:50そのうち買えばいいんじゃ。
01:52チョカとは、焼酎を入れておかんする土瓶のことでした。
01:58次の日、ジローザは、まだ夜が明けないうちに生きのいい飛びを押し入れるために、海辺の村の島間へと出かけました。
02:18そして最後の坂を登りきり、島間に着くころにはもうすっかり明るくなっておりました。
02:27ハマはトビウオの大量で大にぎわいでした。
02:33ジローザはいつものようにカゴにいっぱい仕入れると、そそ草と引き返しました。
02:40山の天気は変わりやすい。
02:59ジローザが峠にかかるころ、空はみるみるうちに雨雲で覆われて、雨が降りだしました。
03:10降りだした雨は、一向に止む気配もなく、ジローザは岩穴を見つけると、しばらく雨宿りをすることにしました。
03:23ジローザは、やみそうもない雨に、火を起こすと持ってきたチョカに、焼酎を入れました。
03:35ああ、憎たらしい雨じゃ、いつまで降り続けるつもりじゃ。
03:56いやぁ。
04:01こりゃ、足入れたトビウオに塩でもかけてくりゃよかったなぁ。
04:06梅雨のころの魚は痛みが早い。
04:10ジローザは空を仰いでつぶやきましたが、まだ雨は一向に止む気配はありません。
04:17ジローザはいつまでも山の雨にイライラしてきました。
04:23もう終わりか、このひび割れチョカメが。
04:36ジローザはひびの入ったチョカを、岩穴に捨てたまま、ママよとばかり雨の中を歩き始めました。
04:51ところが、いつも通い慣れたこの峠道でしたら、
04:56今日に限ってなぜか、誰かに後をつけられているような嫌な気持ちがしてくるのでした。
05:06やがて雨が上がりました。
05:17しかし、誰かが後をつけてくる気配は、収まりませんでした。
05:23なんでこんなところにチョカが。
05:36拾い上げてみると、それはさっき岩穴に捨ててきた、ひびの入ったジローザのチョカでした。
05:44オラのチョカがこんなところに。
05:49ジローザの手元から落ちたチョカはくるくると回ると、
05:57ジローザを誘うように、峠の坂道をコロコロと登り始めました。
06:04チョカが坂を登っていく。
06:12はっ、はっ。
06:15チョカは、ジローザをさらに誘うように上へ上へと登っていきました。
06:22それにつられるように、ジローザもふらふらと後を追いました。
06:28ジローザのひびが入ったチョカは、でこぼこ道を石に突き当たりながら、どんどん坂道を登っていきました。
06:37そのうちチョカは、道の脇の笹やぶの中へ飛び込みました。
06:50ジローザがのぞき込んでみると、ささやぶのくぼちの水の上でチョカは、はねております。
06:57そのうち、くぼちの水は、まっかり染まっていきました。
07:04そして、中から、一尺ほどの化け物が現れました。
07:22オラのチョカが化け物に変わった。
07:30真っ赤な化け物は、次から次へと現れました。
07:35そして、もがくような、泳ぐような格好をして、もた打ち回りました。
07:41チョ、チョカメンじゃ。
07:52ジローザは、昔年寄りから聞いたチョカメンという、化け物の話を思い出しました。
08:00チョカメンとは、傷ついたり壊れて捨てられたチョカの霊で、
08:05その霊は、種ヶ島のどこかの山に集まり、人を誘い込み、そのあげく奈落の底に突き落とすという、化け物のことでした。
08:17うわぁ!勘弁してくれぇ!
08:23ジローザの叫びを聞いたチョカメンは、次々に飛び上がりました。
08:29袋川
08:37前軍…
08:49そして、次々にチョカメンは。
08:53チョカに姿を変えると、谷底面が中で起きていってしまいました。
08:55たにそこ目がせど落ちていってしまいました
09:08許可の壊れる音は 山全体に響き渡り
09:15やがて静かになりました
09:19ああ オーラの許可じゃ
09:32その夜 家に帰り着いた二郎座は物も言わずに布団を引っかぶって
09:39朝まで震え通しだったそうです 一体お前さんどうしたねー
09:46いいん お前さん布団の中にチョカなどしまい込んでどうしたねー
09:54もうこのチョカも日々が入ったし 出なきゃねー
10:00何を言うんだチョカにだって魂がある 日々が入ったくらいで粗末にすると魂が化けて出てくるぞ
10:08チョカに
10:10魂が
10:12そしてこの話が村全体に広がり それから日々が入ったり少しぐらい欠けたチョカでも
10:21使えるうちは使い 使えなくなったチョカは
10:25一言お礼を言ってから土に埋めるなどして 始末したということです
10:31それ以後種ヶ島の山々には チョカメンは出なくなったということです
10:38ご視聴ありがとうございました
10:40ご視聴ありがとうございました

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