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  • 2 週間前
Japanese folk tales
トランスクリプション
00:00昔八丈島の山奥に年老いた木こりの夫婦が住んでおった
00:12二人には子供がおらんかった
00:16二人は毎日庭のシイノキの根元に祀ってある
00:21木玉様という神様にお参りしておった
00:30お山に干しがかかっとるが雨になるかもしれんの
00:35じいさま今日は見逃さ持って行きなされ
00:38気をつけてな
00:41じいさまは通い慣れた山道を薪を取りに出かけたが
00:48体の衰えは隠せなんだ
00:50若い頃は大きな木を切っとったが
00:57この頃では薪にする木を切るのが精一杯だった
01:02ばあさまはだんだん畑に芋を作っておった
01:09やれやれ
01:14じいさまはお昼近くになったので
01:18仕事をやめ人休みすることにした
01:21すると
01:23誰かなんか言ったような気がしたが
01:34お山が荒れそうじゃ
01:38はよ帰ろう
01:41じいさまは山で何やら声を聞いたことを
01:47おばあさまに話した
01:49腹減ったと言うたような気がしたが
01:52どこにも誰もおらん
01:55風のいたずらじゃないですか
01:58わしは耳が悪うなった
02:02どうなったじゃな
02:07すまんことです
02:09道に迷って困っております
02:11薪を取りに山に入ったんですが
02:17ノコギリをなくして探している間に
02:20夜になってしまいました
02:23それで山の中はあちこち歩き回っていました
02:30それは難儀なことさ
02:33入ってたもり
02:36お腹が空いておられる様子
02:47スタンと上がりなされ
03:06さあさあもっと上がりなされ
03:09こうして若者は何倍も何倍も芋汁をおかわりした
03:18じいさまもばあさまも
03:21若者の食べっぷりのすごさで見とれてしまう
03:29すまんことです
03:31ついつい腹をすかしておったもんで
03:34おじいさんとおばあさんの分まで食べてしまって
03:38いやいや
03:39わしらはこの歳じゃそれほど食べはいたしません
03:44この御恩はどうしてお返ししたらよいやら
03:49そうじゃ
03:51雨も降っておることじゃし
03:54今夜は泊まっていきなされ
03:57若者は気持ちよさそうに台の字になって眠った
04:04じいさまもばあさまも
04:06息子ができたように思えた
04:15次の朝
04:17昨夜の雨が嘘のように晴れておった
04:20おはようございます
04:23よー眠れましたか
04:28はい
04:30おかげさまでぐっすり眠ることができました
04:33ところで私は身寄りのないひとりもんです
04:36もしよろしかったら
04:38ゆうべの御恩返しにしばらくここにおいて
04:41働かせてくださいませんか
04:43おおそうでおじゃったか
04:45わちらは構わぬから
04:47いつまでもとどまっておじゃれ
04:51なあばあさまや
04:53よかったらわしらの息子になって
04:57いつまでも一緒に暮らしておじゃれ
05:00そうと決まったな
05:02今日から一生懸命働きます
05:04ううっ
05:06じいさまやのこぎるとちょうなおかしてたぼれ
05:10これは気の早いおしとじゃ
05:13今日はゆっくりしていなされ
05:16いいえ
05:18一日も無駄にはできません
05:20ささじいさまは休んでたぼれ
05:24では行ってまいります
05:27これは水筒じゃ
05:29山仕事はのどがかわっけ
05:36そうじゃ大事なことを忘れておじゃった
05:40じいさまもばあさまもどうか私が働く場所には
05:44絶対に来てはなりませぬ
05:47こりゃあまあどうしたことじゃ
06:09こうして三人は親子として一緒に暮らすことになった
06:15若者は毎日朝から晩まで真っ黒になって働いた
06:21山から切り出した丸太を里に持って行ってお金に変えて
06:26珍しいものやおいしいものを買って帰ってきた
06:31来る日も来る日も息子は稼ぎに稼いだので
06:36じいさまもばあさまも大助かりで
06:39だんだん暮らしも楽になってきた
06:41こうして幾日も過ぎたある日
06:49お山にまたえぼしがかかった
06:53じいさまは山に入った息子の無事を
06:59木玉さまにお祈りしておった
07:01そんなある時のこと
07:03おやこの切り口はただのノコギリや長名で切った切り口でね
07:12じいさまやお茶でも飲みなされ
07:15雨が降る前にエモでも掘ってくるか
07:18あれ
07:21これはノコギリと長名ではねえか
07:28はて長名とノコギリを置いてどうして木を切っておるんじゃろう
07:33やがて雨が降りだした
07:42ばあさまは息子との約束はあったが
07:46息子が雨に濡れてはと思い
07:49山へミノと傘を持って出かけた
07:52じいさまはさっきの息子への不審の念もあったので
08:03ばあさまの後を追って山へと出かけた
08:06息子はどこじゃろう
08:10ばあさまが驚いたのも無理はなかった
08:25そこには五尺もある大鎌切りが
08:29鎌を振りかぶって大木を一頭の下に切り倒す
08:40ご視聴ありがとうございました
08:43ご視聴ありがとうございました
08:57ご視聴ありがとうございました
09:27鎌切りはじいさまとばあさまの上を何度も何度も回ると
09:45お山の方へ飛んでいった
09:48そして二度と戻ることはなかった
09:51ご視聴ありがとうございました
09:54ご視聴ありがとうございました
10:21ご視聴ありがとうございました

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