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  • 2 日前
Japanese folk tales
トランスクリプション
00:00昔々 信州は山の国というだけあって
00:21深い山がそそり立ち 重なり合い
00:25その間から細々とした煙が立ちのぼっていれば
00:30そこには里があり 人が住んでいるという具合であった
00:36ところでこの村の人々は 三日月というものを見たことがなかった
00:43というのも 村の西側に大きな山がそそり立ち
00:50三日月ごと西の空をすっぽり隠してしまうからじゃった
00:55そんな村の中に 種咲くじいさんの家があった
01:01種咲くじいさんは この三日月の見えない村から
01:13まだ一歩も出たことがなかった
01:17種咲くじいさんは息子夫婦と三人で暮らしておった
01:21その種咲くじいさんの ただ一つの自慢は
01:28なにしらうちには田んぼが百もあるでえな
01:34というのじゃった
01:37自分の家で作った酒を飲みながらいつもこれを言った
01:42その自慢の田んぼは 種咲くじいさんの家からはだいぶ離れた
01:53南の山あいにあった
01:56急な斜面を切り開いて作ったものじゃったから
02:06氷炭型やら 柿の種型やら
02:12まんまるいのやら 横に長いのやら
02:17いろんなのがあった
02:24そうで
02:40なにしろ ションペン桶の置き場もないくらい急な田んぼで
02:45それでも三人が苦労してやっと田植えを終わった
02:50なにしろ 大したもんじゃ
03:02自慢じゃねえが うちには田んぼが百あるだでな
03:20梅雨が終わって夏がやってきた
03:25田んぼの草取りも終わり 肥やしもくれてやった
03:43じっちゃん ちょっくらい休むべ
03:48朝すべ
03:50じっちゃん
03:55種咲くじいさんは腰を痛めて寝込んでしもった
04:02もうじっちゃんには田んぼ仕事はだめだ
04:10ああだめだ
04:13なにしろ うちには田んぼが百もあるだでな
04:19三日月の見えない村には秋がやってきた
04:27取り入れの季節じゃった
04:30種咲くじいさんは腰の痛いのも何のその
04:34稲刈りへとやってきた
04:41じっちゃん
04:43大丈夫大丈夫
04:46せっせと飼っているうちに 昼になった
05:05稲刈りの後にこうして食べる握り飯の味はまた格別だ
05:20ちっちゃん
05:35こうしてきれいに刈り取られた田んぼを眺めているうちに
05:39種咲くじいさんはまたうれしくなった
05:43どうじゃ また数えてみるか
05:47うちの田んぼはきっちり百あるだよ
05:50はははは
05:52ひふみよいつむななやこの
06:07二十三二十四二十五二十六
06:11七十五七十六七十七十八九十四九十五九十六九十七十七十七十八九十四九十五九十六九十七十七十八十九十九
06:20なあかん
06:22なあかん
06:23なあかん
06:24なあかん
06:25なあかん
06:26なあかん
06:27なあかん
06:28なあかん
06:29なあかん
06:30なあかん
06:31なあかん
06:32なあかん
06:33なあかん
06:34なあかん
06:35なあかん
06:36なあかん
06:37なあかん
06:38なあかん
06:39なあかん
06:40なあかん
06:41なあかん
06:42なあかん
06:43なあかん
06:44なあかん
06:45なあかん
06:46なあかん
06:47なあかん
06:48なあかん
06:4998、99
06:50今時のワケモンは数の数え方も知らないのか?
06:57よし、わしがやってみる
07:0011、12、13、14、15、16
07:0556、57、58、59、60、67
07:1194、95、96、97
07:1698、99
07:20おらの田んぼが一枚足りねえ
07:31どっか行っちまっただ
07:33いっちゃ、もう帰ろ
07:41おら、もう帰らねえ
07:45自慢の種がなくなってしまった
07:47
07:471万円ぐらいは負けてやるから自慢してもいいから
07:53負けてくれるか
07:55ん?
07:57でもな
07:58ん?
07:59ん?
08:00ん?
08:04なんだー!
08:07みんなケツあげろ!
08:10このメシビツ取れー!
08:15あったー!
08:19100枚目の田んぼがあったぞー!
08:24なんとメシビツの下にちっこい田んぼが一枚あった
08:29これほど自分の田んぼが自慢じゃった種咲くじいさんも
08:38だんだん歳をとって自分では田んぼに出られなくなった
08:44ぼんやり一人で山を眺めている日が多くなった
08:49わしもお迎えが来るまでに
08:54いっぺんてー!
08:57山の向こうを覗いてみたい
09:03それを聞いた息子は何とか種咲くじいさんの願いを叶えてやりたいと思った
09:11それである日のこと
09:15朝暗いうちからじいさんを担いで家を出た
09:19東の空から日が昇った
09:34そうして昼過ぎにやっと山の頂上に立つことができた
09:40あった!着いたぞー!
09:47うしゃー!
09:49うしゃー!
09:58なんたな!広いもんじゃな!
10:01なんたな!広い土地だー!
10:04あったー!
10:09日本はまだまだ広いぞー!
10:12どのくらい広い!
10:15そじゃなー!
10:16マンダマンダー!
10:18マンダー!
10:20マンダマンダー!
10:22マンダー!
10:24マンダマンダー!
10:25えっとえっとー!
10:27サンバイは広いぞ!
10:30えぇ!
10:31なんだと!
10:32サンバイ!
10:33あんたか!
10:35がんまげとんなー!
10:37うしゃー!
10:39そう叫んだそうな
10:41さよーな!
10:43ご視聴ありがとうございました!
10:45ご視聴ありがとうございました!

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