- 2 日前
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ニューストランスクリプション
00:00ここでニュースをお伝えします
00:11東京市谷の陸上自衛隊東部方面総監部に
00:16作家の三島幸寄ら縦の会の隊員5人が
00:19憲法改正に自衛隊が立ち上がりを要求して
00:23軍統などを持つと仕掛け総監を監禁し
00:27それは文学者が国家に挑んだ
00:29前代未聞の出来事だった
00:31作家三島幸寄が自衛隊駐屯地に乱入
00:37隊員に向けて憲法改正と決起を呼びかけた
00:42おい来て
00:45今の憲法は天使的暴力で処分が
00:53有権なことが起こって
00:54自衛隊は自然なんだ
00:56自衛隊は自然なんだ
00:57三島はこの直前
01:06激という声明文を自衛隊員に撒き散らしていた
01:10我々の愛する歴史と伝統の国
01:18日本だ
01:20これを骨抜きにしてしまった憲法に
01:26体をぶつけて死ぬやつはいないのか
01:30もしいれば
01:33今からでも共に立ち
01:35共に死のう
01:37しかし
01:42立ち上がる者は誰もいなかった
01:45その後
01:48三島は活腹自殺した
01:50昭和の文豪は
01:55書くことを突き詰めると
01:58避け難い存在に突き当たった
02:00国家
02:02国家は作品の影の主人公ともいえる存在だった
02:09戦時下においては
02:15多くの作家たちが
02:17国威発揚の一翼を担った
02:19新しい神話の創造が始まった
02:25昔
02:28高間ヶ原を折り保った神々が
02:31まつろわぬ者どもを平定して
02:34祖国日本の基礎を築いたように
02:38その神話が今
02:40より大いなる希望を持って
02:43再び始められた
02:45一方
02:52国家の声に耳を塞ぎ
02:55軍国主義に背を向けた作家もいた
02:58軍部の横暴なる
03:04今さら本買いするも
03:06愚の至りなれば
03:08そのまま捨ておくより
03:11他に道なし
03:12我らはただ
03:14その復讐として
03:16日本の国家に対して
03:18冷淡無関心なる態度を取ることなる
03:22この国は
03:28なぜ
03:29破滅に向かう戦争に突き進んだのか
03:33それを問い続けた作家もいる
03:38なんとくだらない戦争をする
03:40そしてくだらないことを
03:42いろいろしてきた国に生まれたんだろうと
03:46もう少し昔の人はマシだったんじゃないかと
03:49いうことが私の日本史への
03:54関心になったわけでありますが
03:57映像の世紀バタフライエフェクト
04:03国家という巨大な存在と格闘し
04:09時に自ら命を絶った文豪たち
04:12昭和の文豪たちの
04:16苦悩と沈黙の記録である
04:18これは昭和2年
04:33改造者という出版社が出した文学全集の
04:37宣伝用フィルムである
04:40大正デモクラシーの時代に分断に登場した作家たちの
04:44貴重な映像が収められている
04:54江戸川の土手を散歩するのは
04:56武者の工事 真奈敦
05:01明治の終わりに
05:03志賀直也たちと文芸師白樺を創刊
05:07白樺派と呼ばれた
05:13新築した家の門構えの出来を気にするのは
05:18三馬の歌で知られる詩人佐藤晴夫
05:22元芸者の妻と仲睦まじい様子を取らせているが
05:30この3年後に離婚
05:34直後に親友谷崎純一郎の夫人と再婚した
05:40世に言う細君譲渡事件である
05:49子供とくつろいでいるのは芥川龍之介
05:57夏目漱石が最も期待を寄せた芥川だったが
06:01この2ヶ月も命を絶つ
06:05遺書には謎めいた言葉が残されていた
06:09少なくとも僕の場合は
06:15ただぼんやりした不安である
06:19何か僕の将来に対する
06:22ただぼんやりした不安である
06:28不安な時代はすでに始まっていた
06:322年前治安維持法が成立
06:39治安維持を理由に思想と言論は取締りの対象となった
06:49文学が国家の暴力にさらされたのは昭和8年のことだった
06:55奴隷労働の実態を描いたカニ公選
07:02その作者、共産党員の小林滝次が特攻警察に検挙され
07:09厳しい拷問の末、死亡した
07:16赤黒く膨れ上がった桃の上には
07:20左右両方とも釘か切りかを打ち込んだらしい穴の跡が
07:2615、6箇所もあって
07:29下から肉が直にむき出しになっている
07:35拷問がどんなにものすごいものであったかが
07:39分かるではないか
07:42この事件の後、高見淳也、中野茂春など左翼の作家たちは
07:51次々と転向を迫られた
07:54文学は表現の自由を失っていった
07:59昭和11年
08:05陸軍青年将校らが
08:07天皇の側近など政府の要人を次々と殺傷する
08:12226事件が起こる
08:14東京には、戒厳令が敷かれた
08:30しかし、そんな空気などどこ吹く風とばかりに
08:35連日、趣味の散歩に出歩く作家がいた
08:44長い花風である
08:48この時、56歳
08:51気ままな一人暮らしを続けていた
08:56当時、頻繁に足を運んだのは、向島区寺島町
09:03別名、玉乃井
09:08関東大震災後に、浅草の商婦が移り住んだ町だった
09:14これは、花風が撮った玉乃井の写真
09:22非合法の売春地帯で、警察の発表によれば
09:28900人ほどの女性が働いていた
09:32花風は、玉乃井の詳細な地図を自ら描いている
09:39路地が入り組み、所々に抜けられますとか、近道といった看板が立っていた
09:52花風は玉乃井を、ラビラント、迷宮と呼んでいた
09:59日記文学の傑作といわれる、断朝廷日常に、玉乃井での体験を記している
10:139月初七
10:18女は元須佐紀の暴露の将棋なりしよし
10:25歳は二十四五
10:29上州あたりの鉛あれど、丸顔にて、まなこ大きく、口元縛りたる器量
10:39こんなところで稼がずともと思わるるほどなり
10:47花風は、この女性を気に入り、通い始めた
10:522週間後
10:559月20日
10:58今宵もまた、玉乃井の女を問う
11:02この街を背景となす、小説の副案、ようやくなるを得たり
11:13翌昭和十二年、花風は新聞に、小説、木刀鬼団を発表
11:23年老いた作家と、時代に取り残された若い将婦の交流を描いたこの小説は、暗い世相にあって、読者の心に静かに染み入った
11:40だが、優雅な文学は、ここまでだった
11:47連載終了から、3週間後のことだった
11:54北京郊外で、日本軍と中国軍が衝突
12:01日本軍と中国軍が衝突
12:04日中戦争が始まった
12:12作家たちは、新聞社や出版社の特派員として派遣され、国家のための文学を量産していた
12:19中でも、麦と兵隊は、100万部を超えるベストセラーとなった
12:30作者は、芥川賞を受賞したばかりの、日野足兵
12:41日野は、御長として戦場にいたため、芥川賞の受賞式は、中国で行われた
12:53その異例の受賞式が、陸軍報道部の目に留まり、報道要員として引き抜かれたのである
13:00麦と兵隊は、助手回戦の従軍機だった
13:1160万の国民党軍撃退を狙った、大規模な戦闘
13:18日野は、軍部の期待に応え、日本軍の勇ましさを称えた
13:23私は今、その麦畑の上を、確固たる足取りを持って踏みしめ
13:35延々と進軍して行く軍隊を眺め、その溢れた地、盛り上がり
13:43殺到して行く生命力のたくましさに胸打たれた
13:47麦と兵隊の成功で、日野は、戦争文学の機種となっていく
14:03政府は、次なる大きな戦い、韓国攻略戦にも、作家を動員することを決定する
14:10選ばれたのは、22人
14:13第1回直木賞作家の川口松太郎など、早々たるメンバーが顔をそろえた
14:23その名も、従軍典部隊
14:28戦争を文学で語る任務を負った
14:32中でも意欲的だったのが、林文子だった
14:37ペン部隊の中で、観光一番乗りを果たし、兵士たちに寄り添いながら、ペンを走らせた
14:46おーい、林さん、と、兵隊が炉台の私へときどき声をかけてくれると、私はそっと手を振って、達者でよかったという明るい表情をしてみせます
15:04そのくせ、私の頬には涙があふれて仕方がありませんでした
15:13林は、兵士の生活の実情をつづった
15:19その筆地は、戦場の空気を生々しく伝え、読者の共感を集めた
15:25戦場では、いろいろ兵隊さんにお世話になりました
15:33こうして東京に帰っていますと、なんだか戦場の兵隊さんに住まないような気がいたします
15:42これから、ほんといいものを変えて報いたいと思っております
15:49日中戦争は、日常の風景を塗り替えた
15:55せめてこの日は、外にあっては日の丸弁当、牛にあっては一重一体
16:05兵隊さんは命がけ、十五の我々は殺気がけ
16:14街中が交戦的なムードに覆われる中、長井花風だけは、この事態を冷ややかに見つめていた
16:25贅沢は敵だと書きし、たてふだ
16:33今日の東京に、果たして謝死贅沢と称するにたるべきものありや
16:41笑うべきなり
16:43要は、現代の社会より忘却せられる事を願うてやまざるなり
16:51カフーは、時代への絶縁を宣言した
17:01目指すは、アメリカ最大の太平洋拠点、ハワイ・シンジワン軍港である
17:11太平洋戦争が始まると、文豪たちはさらに戦争に協力していく
17:1812月8日、戦はついに始まった
17:28そして、大勝した
17:32先祖を神だと信じた民族が、勝ったのだ
17:37政府は、国民徴用令という直令を発動し、作家を宣伝部隊として南方戦線に送り込んだ
17:53作家たちは、新聞記者や画家などと共に、軍の輸送船に乗せられた
18:04高見純は、ビル前へ
18:11カイオン寺長五郎は、マレー方面へ
18:15イブセマス寺は、シンガポールへ
18:19天皇の命令、直令を拒否するという選択肢はなかった
18:24一方、日本にとどまる作家たちも、戦争に協力する姿勢を示した
18:31昭和17年、第一回大東亜文学者大会が開かれ、アジア各地の作家たちが東京に集まった
18:46文学を通じての大東亜戦争冠水が掲げられた
18:51我ら、アジアの全文学者、日本を先陣とし、聖書を逸にして、大なる日の東洋に来たらんがため、力を尽くさん、民に宣言す
19:04しかし、ミッドウェイ海戦、ガダルカナル島での敗北を境に、戦況は悪化の一途をたどった
19:18昭和18年、兵力不足を補うため、大学生も徴兵の対象となった
19:32大阪外国語学校に通う柴良太郎も徴兵された
19:47柴は満州に渡り、対ソビエト戦に備えて配置された戦車第一連隊に配属される
20:07東京帝国大学の学生だった20歳の三島由紀夫にも、軍への入営通知が届いた
20:17しかし、入隊検査で、肺の病と診断され、戦地に赴くことはなかった
20:29実はこの時、死を覚悟した三島は、衣装を書き残している
20:40お父上様、お母上様
20:44恩師清水先生はじめ、諸先生方の御幸恩を写し立て祀る
20:54妹三子、弟千雪は、兄に代わり、お父上、お母上に功用を尽くし
21:03ことに千雪は、兄に続き一日も早く後軍の支給となり、高恩の満逸にほうぜよ
21:13天皇陛下万歳
21:2120歳で衣装を書いたその記憶が、三島のその後の生き方に、深く刻まれた
21:298月15日、日中戦争から数えて8年にわたる、長い戦争の時代が終わった
21:43長い花風は、日記、断朝廷日常の中で、戦後初めて玉の井を歩いた時のことを、こうつづっている
21:57午後、玉の井の焼け跡を歩む
22:04震災後20年間、繁華四分の巷
22:10今や、高層瓦礫の地となる
22:16木刀鬼断執筆の当時を思えば、すべて、夢のことし
22:27戦後、日本はGHQの統治下に置かれた
22:37戦前の日本の価値観は、完全に否定された
22:47日本はもう四島国だと、マッカーサー元帥は言ったが、国民も四島国民だ
22:55敗れて、誇りを失って、四島国民になったのか
23:04それとも、初めから四島国民なのか
23:07戦争中は、敵の邪悪のみをあげ、日本の美天のみを解き
23:19敗戦後は、敵の美天のみを解き、日本の邪悪のみをあげる
23:28それを、戦争中の生きる道、敗戦後の生きる道といえば、それまでだが
23:36従軍作家として活躍した林文子は、一転して、戦争協力者として批判された
23:50私は、今までに描いたものすべてに、自信というものがなくなりました
24:00それは、根こそぎと言ってもいいほど
24:06戦後は、戦争に傷ついた庶民を描き続けた
24:21後に映画化された浮雲は、代表作である
24:30こんな遠いところへ、一人でよくない地から来る気になったもんだな
24:40戦時中、ベトナムで出会った男女が、戦後の東京で再会する
24:45過去には戻れず、明日を夢見ることもできない
24:52そんな二人を通して、林は、日本人の虚脱感、喪失感を描いた
24:59絶望はしてません
25:06生きてみせますとも
25:09せいぜい、あんた勝手に女作ればいいのよ
25:13君をせいぜい、男をはしごにするがいい
25:16僕たちのロマンスは、終戦と同時に消えたんだ
25:20いい年をして、昔の夢を見るのは、やめたほうがいい
25:23ティニエイジャーの皆様に、NHKが送るラジオウィークリー、若い女性
25:36これは、昭和26年のラジオ番組
25:40この番組で、林は、戦争について触れることはなかった
25:47先生は、10代の頃、どういうお考えをお持ちでいらっしゃいましたでしょうか?
25:5310代の希望といったら、私は絵描きになりたいと思ったくらいですけれどもね
25:59先生は、これからどんなものをお描きになりたいと思っていらっしゃいますか?
26:04今までの、私の持ち味を変えるというわけにきませんけれども
26:09庶民の人に読んでもらえるのも描きたいと思っております
26:13しかし、その望みは叶わなかった
26:19収録の4日後、林は、過労による心臓麻痺で、47年の生涯を閉じた
26:28戦争文学の旗手の運命も、暗転した
26:36作家、弓と兵隊の日野和士兵士も、巡り伝った我が世の春を祝っています
26:43日本人の戦意を鼓舞した日野は、戦犯作家と呼ばれた
26:49公職追放が解除されても、批判は変わらなかった
26:56終戦から14年後に執筆した、革命前後
27:03主人公、辻という従軍作家は、戦争責任に苦悩する自分自身だった
27:13辻さん、あなた、敗戦の責任を感じ取るでしょうな
27:23あんたはわしら兵隊の王様で、あんたほどええ目に覆た人はないからね
27:30麦と兵隊の印税で家を建てたとか、大層景気のええ話じゃ
27:42辻さん、敗戦についてのあんたの責任は小さくはないですよ
27:49わしら、あんたに騙されて、叩こうたようなもんじゃ
27:54日野は、革命前後を書き上げると筆を置き、自ら命を絶った
28:05昭和30年代、日本は敗戦からの復興を経て、本格的な経済成長の時代へ歩み始めた
28:24人々の暮らしにも余裕が生まれた
28:36しかし文学の中では、戦争はまだ終わっていなかった
28:42昭和35年、直木賞を受賞した柴良太郎は、日本を戦争へと導いた国家の正体を追い続けた
28:54そのきっかけは、軍隊での体験だった
29:06戦争末期
29:07満州にいた柴の戦車部隊は、本土決戦に備え、栃木県佐野に移動した
29:17そこで柴は、大本営からやってきた軍人の命令を受けたという
29:23作戦遂行時には、民間人を引き殺して構わない
29:32柴は、国民の命を軽んじる命令と受け止めた
29:38衝撃だった
29:40後に、こうした軍隊での体験が、創作の原点になったと語っている
29:51小田信長というのは、もし日本国の責任を持っていたら、戦争なんかしなかった
30:01明治の初年の、明治国家を作った人も、もし生きていたら、戦争なんかしない
30:12戦争に持っていくようなことはしなかった
30:15柴は、歴史上の人物に光を当て、日本とは、日本人とは何かを問い続けていく
30:38昭和43年10月
30:46川端康成が、日本人で初となるノーベル文学賞を受賞した
30:53日本文学の伝統の影でしょ
30:58日本文学の伝統の影でしょ
31:03日本文学の伝統の影でしょ
31:06まあ、日本文学の伝統の匂いが少しは出てるんですかね
31:12川端を死と仰ぐ、三島行きをも駆けつけた
31:19だが、三島の胸中は複雑だった
31:24三島も同じように、受賞の知らせを待っていたからである
31:29これは、前の年の新聞記事
31:36後に公開された先行資料によると、三島は5度にわたり候補に上がっていた
31:43特に海外での知名度は、川端よりも高く
31:50アメリカのライフ誌では、日本初のノーベル文学賞最有力候補と紹介されていた
31:58一夜明けた18日、川端の自宅の庭で、急遽特別番組が収録された
32:13私がノーベル賞をもらうというのは、不思議なことですがね
32:24日本文学というものが、私はどうしても今までこの一つの島の孤立した言語の中で営まれていた世界だと思いますし
32:34こうやってノーベル賞を取っていただいたということは、どんなに日本人を勇気づけられるか分からないと思います
32:39そうですね、そうですね
32:40まあ、私がもらうなら、もらっていい人はたくさんおりますよね
32:48怠け者ですからね、力を入れて時間が大変じゃないですか
32:57三島は、ノーベル賞を逃したことについて、何も書き残していない
33:03ただ、死と仰いだ川端との関係は疎遠になり、手紙のやり取りも減っていった
33:10この頃から三島の言動は、過激さを帯び始める
33:19国立劇場、施設軍隊が選挙
33:24軍服姿も凛々しい司令官は、実は作家の三島由紀夫さん
33:36三島は、40人ほどの学生らを率いて、民間防衛組織、盾の会を結成した
33:45三島さんは、なぜこの会を作ったか
33:52今、非常に貶められている武の原理を、何とかして、青年の間に復興し
33:58自分も青年と共に、新命をとする覚悟で、日本の武の伝統を復活したいと思ったのであります
34:05武器なき、鍛え上げられた筋肉を持った、世界最小の精神的な軍隊である
34:17私の民兵の構想は、話をする人ごとに笑われた
34:22そこで私は、自分一人で作ってみせると公言した
34:32こんにちは
34:35昭和45年
34:386400万人が来場した大阪万博開催の年
34:44人々が豊かさに酔いしれたその夏
34:47三島は新聞史上に、日本への絶縁状ともいえる言葉をつづった
34:55私は、これからの日本に対して希望をつなぐことができない
35:04このままいったら、日本はなくなってしまうのではないかという感を、日増しに深くする
35:11日本はなくなって、その代わりに、無機的な、空っぽな、ニュートラルな、中間色の浮遊な、抜け目がない、ある経済的大国が、極東の一角に残るのであろう
35:29それでもいいと思っている人たちと、私は、口を聴く気にもなれなくなっているのである
35:40その頃、三島は、5年がかりの大作、北条の海の執筆に追われていた
35:50主人公が、20歳で死んでは生まれ変わる、輪廻転生の壮大な物語だった
36:06評論家、ドナルド・キーンは、この小説にかける三島の覚悟を聞いていた
36:12今年の夏、北条の海について、いろいろ話された
36:21この小説に、自分のすべてを書き入れたので、完成したら死ぬことしかできない、と言った
36:31彼も笑って、僕も笑った
36:34恩師にあてた手紙にも、謎めいた言葉を残していた
36:46北条の海は終わりつつありますが、これが終わったら、という言葉を、家族にも出版社にも禁句にさせています
36:58小説にとっては、これが終わることが、世界の終わりにほかならないからです
37:08三島は北条の海を、担当編集者にも知らせず、ひそかに完結させた
37:1811月25日、三島が、世界の終わりと予告した、その日のことだった
37:32大沙汰・自治を向こうと行っています
37:37大沙汰・自治にの親海を上げています
37:41大沙汰・自治を向こうとしらり、阿永島は反らしています
37:47大沙汰・自治を向こうとしています
37:49小説・自治、自治と行きましょう
37:57三島は縦の会のメンバー4人とともに自衛隊駐屯地に乱入し
38:13幹部を監禁した
38:15憲法改正のために立ち上がれと訴える三島の叫びに
38:45答える者はいなかった
38:47そこに一人でも立ち上がっていないのか
38:52そこにいないんだよ
38:59よし
39:01さあ将軍は憲法改正のために立ち上がり
39:06指が目がついた
39:07自衛隊対策にお前はもらったんだ
39:10そう言い放つと三島は活腹自殺した
39:17三島は一週間前に行われた新聞の対談でこう語っていた
39:33それでまあ恥ずかしい話ですけどもね
39:37僕は兵隊からまあ
39:39ソフィスチョウで返されてきてね
39:41でその時にまあ衣装を変えたですね
39:43天皇がマンザヤって衣装
39:45僕あの衣装はやっぱり生きてると思う日にはない
39:48だからもう死ぬ時衣装を書く必要ない
39:51あのどうして生きてると思う
39:52僕は人間ってね
39:53そんな衣装何度も書けるもんじゃないと思う
39:55僕あのから流れられない
39:57川端康成は追悼文の中で
40:09三島の遺作となった北条の海をこう評価した
40:15私はこの長編を
40:22源氏物語以来の日本小説の名作かと思ったのであった
40:29三島くんの死の行動について
40:36今私はただ無言でいたい
40:40昭和64年1月7日
40:51新しい元号は平成であります
40:59昭和が静かに幕を閉じた
41:05すげえいいね平和になるとかさ
41:10昭和のままでいい
41:13立法だね
41:17柴良太郎は長編小説で
41:20昭和という時代を一本も書けなかった
41:26書こうとしなかったわけではない
41:32昭和14年
41:34満州とモンゴルの国境でソビエト軍に敗れた
41:37ノモンハン事件については
41:39調べ尽くしていた
41:46だが取材を進めるうちに
41:49陸軍上層部のあまりの無責任さに
41:52剣を覚え
41:54執筆を断念した
41:57おそらく書いたら1年を持たずして
42:02私は発狂状態になって
42:06内臓まで狂って死ぬんじゃないかと
42:10昭和というのは実に精神衛生に悪い
42:14書いておって精神衛生に悪い
42:17実にそういうものを持ってます
42:20持ってます
42:21明治時代
42:25原野が続く北海道に
42:28本籍を写した文豪がいた
42:30夏目漱石
42:35東大英文化に通う25歳の学生だった
42:41これは漱石の戸籍等本
42:51当時北海道では一部の地域を除いて
42:55徴兵令は施行されていなかった
43:00漱石が転籍したのは
43:02徴兵を逃れるためだったともいわれる
43:06北海道には生が一度も訪れていない
43:13晩年漱石は
43:16国家との付き合い方をこう語っている
43:22国家的道徳というものは
43:25個人的道徳に比べると
43:28ずっと段の低いもののように見えることです
43:34元来
43:36国と国とは
43:37事例はいくらやかましくっても
43:40特技心はそんなにありゃしません
43:43詐欺をやる
43:46ごまかしをやる
43:48ペテンに賭ける
43:50めちゃくちゃなものであります
43:53だから
43:54国家の平穏な時には
43:57特技心の高い個人主義に
44:01やはり重きを置く方が
44:04私には
44:05どうしても
44:07当然のように思われます
44:09ご視聴ありがとうございました
44:11ご視聴ありがとうございました
44:15ご視聴ありがとうございました
44:45アメリカの中東介入がもたらした
44:52終わりなき流血の記録
44:55Napoleon
44:57アメリカの中東で
45:07結辺情報道から
お勧め
54:16
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45:03
27:03
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