00:00ご視聴ありがとうございました
00:30暴れ川じゃった
00:31毎年秋の長雨の時期になり
00:35大暴れして田畑はもちろん村人の命まで奪った
00:40こんな暴れ快晶じゃったら
00:53村人たちは岸に立つばかりでどうすることもできず
00:57諦めが肝心とばかりにただただ逃げるばかりじゃ
01:01たくしお米
01:04許さねえ許さねえぞ必ずあらわとってやる
01:17ごんべいが一人快晶川に立ち向かい
01:22堤防を作り始めたのは
01:24妻のお米と一人息子の滝地を奪われた年の秋の終わりじゃった
01:31堤防など作ったってどうせ流されるに決まっているもの
01:50ごんべいは気が変になったんじゃ
01:55こういう和和に立ち向かったって勝てるわけはねえ
02:01こういう村人たちの声を背に
02:04ごんべいは土を掘り石を運び
02:08ただただ堤防を作り続けた
02:12そのうち3年がたった
02:24この頃になるとごんべいの真剣さに心を打たれた村人たちは
02:293人4人と堤防作りを手伝うようになり
02:34その数は15人にもなった
02:37ところが掘り進むうち遠ぐわの先がカチンと音がするだけで
02:47土が掘れなくなってしまった
02:49すると手伝っていた村人たちは一人手に二人手にして
02:55また堤防作りはごんべい一人になってしまった
03:00それでもごんべいは一人海上側に立ち向かい続けた
03:25そうしてごんべいは堤防を作り続けて
03:337年がたった
03:35その秋の日
03:38海上側が暴れがしたの
03:42水が降るぞ
03:44何海上側
03:47海上側が暴れがしたぞ
03:50堤防がきれい
03:53大水じゃ
03:54大水が切れるぞ
03:55乱れてたまるか
03:59本兵衛は駆けつけてみると
04:037年間作り続けて完成間近だった
04:07堤防の一箇所が
04:09今にも切れそうになっておった
04:11くそ大小め
04:16負けてたまるか
04:17切れかかった堤防にぶち当たり
04:29抑え込むゴンベイジャンが
04:31暴れ快将は暴れに暴れた
04:34ゴンベイの骨はキリキリと起死
04:38筋は突っ立った
04:39それでもゴンベイは力の限りを出して
04:43石のように投げて入った
04:46抑え込み
05:16一晩経って雨が上がると暴れ海上は嘘のように静かになった
05:22ゴンベイの姿を求めて村人が駆けつけてみると
05:27夕べ雨の中ゴンベイが必死に抑え込んでいた杭のところに
05:32昨日までなかった大きな石がどっかりと座り込み
05:38海上側の水を抑え込んでおった
05:41ゴンベイがでけえ石になった
05:44ゴンベイが石にまさかそんなことを
05:50石になって水を抑えたというか
05:53そうじゃそうに決まった
05:55そうじゃゴンベイは石になって女房子供の仇を売ったんじゃ
06:01石になって海上側に買ったんじゃ
06:05そこで村人たちはこの石で仏様を作ることにして
06:10石工を頼んだ
06:12ところが不思議なことに
06:22のみを取って仏様を刻み出すと
06:25石工ののみは何かに疲れたように勝手に動き
06:30たちまちのうちに仏様は掘られてしまった
06:33そしてさらに不思議なことには
06:38仏様が出来上がった時
06:41石工は満足そうな顔をして息を引き取ったのじゃった
06:45この仏様は一乗六尺もある大きな地蔵菩薩じゃった
06:55村人たちは地蔵様を町の寺へ収めようと思ったが
07:02あまりの大きさにどうにも手の施しようがなかった
07:06とその時
07:08わしが歩こう
07:11じゃが人に歩くのを見られるわけにはいかん
07:21この言葉に村人たちは
07:24地蔵様が無事
07:26町の寺に行き着くことを祈って
07:29皆家に引き上げていった
07:32何枚だお何枚だお何枚だ
07:36そうして身の丈一乗六尺もある大きな地蔵様は
07:42人の気配がなくなると山を降り始めた
07:47ところが下層坂の近くまで来た時のことじゃ
07:57待て
08:13あっお地蔵様もったいないもったいない
08:19この子の足が立たないので
08:22不憫で一緒にこの橋の上から
08:25身投げしようとしているところでございます
08:28お許しください
08:29お許しください
08:31そのあかんを助けるためなら何でもしてやろう
08:40わしが立たないならわしの足をやろう
08:44うなり声とともに地蔵様は
09:00なんと我と我が足を折ってしまったのじゃった
09:05そうして地蔵様はどっかりと地面にあぐらをかいてしもうたそうだ
09:12さあ
09:15赤子を立たせてみなさい
09:18地蔵様に言われ女は子供を橋の上に立たせた
09:24立った立った
09:27遠く足が立った
09:29ありがとうございます
09:31ありがとうございます
09:33ありがとうございます
09:36女は何度も何度も礼を言うと帰っていった
09:42こうして自分の足と交換に赤子の足を立たせてやった地蔵様は
09:49この下層坂の近くの橋の前にどっかと座ったまま動かなくなってしまった
09:57この御兵衛のお地蔵様はその身の丈一畳六尺の大きさから
10:19上六地蔵と呼ばれ今は白鷹の町の少年寺に祀られ子供の足が立つように子供が元気に育つようにとお参りに来る人々が後を絶たないということじゃ
10:38終わり
10:45上嶺の山
10:47周りをあげる
10:49まち半下
10:51その下
10:53お待たせ