00:00昔、ある村の、その村の外れにお地蔵様が立ってござった。
00:17お地蔵様は陽気の良いこととて、こっくりこっくり居眠りしておられたが、
00:23ちょうどそのとき、大きな風呂敷 allerdingsを担いだ小僧さんが通りかかった。
00:36呂聴くらここでやすんで行くとするか。
00:39小僧さんは、大旦那の言い付けで、短物の徳味様へ届ける途中あった。
00:53さて、こうしてどのくらい時間が経ったことやな
01:23あれ?オラーのお風呂敷き包みがない
01:29オラーのお風呂敷き包みがないぞ
01:32タンモノどこ行った?タンモノは?
01:36あれ?お地蔵さん、グス
01:40オラーのタンモノ知らねえだか?
01:43あのタンモノを亡くしたらオラーの旦那が鬼みたいな刃を剥き出して怒るさ
01:54まあ、小僧があんまり大声で亡くもりだからだんだんみんなが集まってきた
02:06これ、これ、小僧さんやそんなに大声でどうしたんだ
02:13うーん、うーん、タンモノ二十単取られたじゃん
02:19そのうち、誰とが呼びに行ってお役人衆たちもかきつけた
02:27これ、タンモノ二十単取られたというのはそちら
02:36で、タンモノ取られた時
02:42誰かそばにいなかったか?
02:45うーん、うーん、あはー
02:49うーん、あはー
02:54誰もそばにいなかったか?
02:58誰もおらなんだ
03:01本当に誰もいなかったんじゃな
03:04あのお地蔵さんがおりました
03:12なに?お地蔵さんじゃと
03:15うーん、しかと間違いあるまいな
03:19へー、間違いありません
03:23うーん、それならば犯人はこの地蔵様じゃ
03:30めしとれー、めしとれー
03:32ええー、へー
03:33さあさあさあさあ、はよ、めしとれ、はよー
03:39なにをぼやぼやしとる、地蔵様をめしとれー
03:42ひぼや、唄、ぐやすがー、ひぼやすがー、ひぼやすがー
03:48やよおだ、ぐやう、ご招 Firstly
04:00やる!?
04:02ごよごよ
04:04早く早く早く早く早く早く早く
04:08メシ取れ
04:22なんと
04:24お地蔵様は取り方の手によってぐるぐる巻きに
04:28縛られてしもた
04:32そしてなんともご体操に
04:36お役人衆たちはお地蔵様をひっとらえて連れて行ってしもた
04:42村の衆たちもなんとはなしに後からどろどろついて行った
04:48やがてお地蔵様はおしらすへ引っ張り出された
05:04それよりご福屋の小僧が
05:08たんものを盗まれた一件につき裁判を取りおこうなんぞや
05:12これ小僧や
05:18お前がたんものを盗まれたときそばにいたのはこの地蔵様に間違いないな
05:24ひひひ
05:26間違いございやせん
05:28それならばこの地蔵様が怪しい
05:32これ地蔵様
05:34これからわしが問うことに正直に答えなければならんぞよいか
05:40これ地蔵様盗んだたんものをどこへ隠した
05:50返事をせんか
05:54うーん
05:56返事をせんとくを見ると地蔵様怪しい
06:00ええ
06:01地蔵様が
06:03縛られとるおかしいなあ
06:17うははははは
06:21うははは
06:23うははは
06:25うははは
06:33あらためてと
06:35たんものをどこへ隠した
06:39返事をせんか
06:45たんものをどこへ隠したかと聞いておるんじゃ
06:53うーん
06:55返事をせんとくろを見ると
06:57ますますもって怪しい
06:59この地蔵様がたんもの泥棒じゃ
07:02坊やり連れて行く
07:05えええ
07:07うははははは
07:16うははは
07:18うははは
07:20おじいずう様も知ったらええじゃ
07:23うははは
07:24うははは
07:25うははは
07:26うははは
07:27これは面白い
07:28おじいずう様がしゃべれるはずねえじゃ
07:30はっはああああああああああ ああああああ
07:45ます
07:48いい食べれども一緒に
07:53ん
07:58そしてポカーンとお役人様の方を見ておった
08:04すると
08:05皆の衆誰に断ってこのお知らせへ入ってきた
08:10モダンで入ってきて起きながら笑ったりヤジを飛ばしたり
08:14人々千万
08:16この上は罰として一人一旦ずつ短物を持って参れ
08:23わかったか
08:28そう
08:32そんな
08:34へえ
08:36とそんなわけで
08:42やがてお知らせの上には人々の持ち寄った短物が山と積まれた
08:48とお役人は小僧に何やらボソボソとつぶやいて
08:58あったありました
09:10おーあったかあったか
09:15んんんんんん
09:17んんん
09:19これが盗まれた短物か
09:23これで大旦那に怒られんで済むぞ
09:26なんと
09:28お役人はみんなに短物を持ってこさせ
09:32その中から小僧が盗まれた短物を選び出させて
09:36それで犯人を探したのだったな
09:40あれでなかなかの名判断なのだった
09:44ところでお地蔵様はというと
09:48短物が盗まれるのを黙って見ているとは
09:51ふととき千万
09:52罰としてそのままにしとけということになり
09:55それ以来ずーっと縛られたままじゃったそうじゃ
09:59お地蔵さん
10:01おらが短物盗まれたばっかりに
10:04すまんこって
10:06今度来るときにはお団子を持ってきますけに
10:10というわけで
10:27村の人々からは
10:29縛られ地蔵と呼ばれましたそうな
10:32村の人々からは