00:00作詞・作曲 初音ミク
00:30今からもう何百年も昔
00:32その頃修善寺というところでは戦があったという話でしたが
00:39これはその修善寺からあまり遠くないある村でのお話でした
00:45ある日のこと一人の老人がこの村を訪ねてきました
00:51老人はなぜか深く傷ついており
00:55この村のある古い家の前にたどり着くと
00:59その前でばったり倒れてしまいました
01:04この家のおばあさんは体操親切な人で
01:10老人を蔵座敷に運ぶと体操熱心に看病しましたが
01:16おかげで老人の病状は日に日に良くなる様子でした
01:22またおばあさんに咲く男が
01:36医者を呼びましょうかと相談した時も
01:40戦で負った傷じゃで誰にも見せんがよかろうと
01:45おばあさんはそう答えたそうです
01:48さて
01:51こうして老人の病状は日増しに良くなり
01:55ある日おばあさんが蔵を訪ねてみると
01:58老人は起き上がって何やら作っておりました
02:02ご機嫌はいかがですかな
02:08はいありがとうございます
02:10すっかり良くなりました
02:13この度はいろいろお世話をかけありがとうございました
02:16なになに
02:18そのようなことは気になさらぬともよいわな
02:22ところで何をお作りかな
02:26はいひなを作っております
02:29私はもともと仏を作る仏師でしたが
02:34腕のすさびりとひなを作っております
02:37ほうひなをのう
02:39ところでどこからおいでなした
02:49老人はこの問いには何も答えず
02:53ただ遠い目で舌をうつむくばかりでした
02:57おばあさんはこれには何か訳があるものと感じて
03:02それ以上は何も聞きませんでした
03:05さて
03:08こうして幾日かが過ぎ
03:11やがて老人の作っていたひなが出来上がりました
03:16老人の丹精込めて作った男びなは
03:20目もと涼しく気品に満ちており
03:23また女びなの方は美しいおもだちの中に
03:27どこやら寂しい影を宿しておりました
03:31おー
03:33これはわしがゆかりの若殿にそっくりじゃ
03:36また女びなの方は
03:39わしの縁につながる娘にそっくりじゃ
03:42どうかすれ長くかわいやってやってくだされ
03:46老人はこう言い残すと
03:56それから数日後のある夜
03:58どこともなく去っていってしまいました
04:02それから何年もの月日が経ちました
04:09おばあさんは毎年桃の節句になると
04:13老人の残していったひなの人形を出して飾っていたのですが
04:18その年はどういうわけか
04:21節句の前に風邪をひいてしまい
04:23おばあさんは寝込んでしまいました
04:26老人の残していったひなは
04:39一年間のほこりをかむったまま
04:42箱に入って眠っておりました
04:45ちょうどその日は桃の節句が過ぎ去ろうという日
04:50その真夜中頃のことです
04:53おばあさんが蔵座敷で眠っていると
04:56誰やらん近くで人がひそひそ話す話し声が聞こえてきます
05:02はってこんな洋服に誰じゃろう
05:06おばあさんがこうして耳を澄ましていますと
05:10今夜は桃の節句じゃというのに
05:15おばあさんはどうなされたのじゃ
05:17まさか忘れておられるのではありますまいに
05:23はってはってよくど閉じ込められる身の上と見えるの
05:28殿
05:30さようなことをおっしゃいますが
05:35はって今夜は
05:39確か桃の節句のはずじゃが
05:42さようばあさまは
05:44どうされたかの
05:45先ほどから
05:48姫の鳴き声が聞こえるが
05:50若気味殿も
05:52お寂しいのであろう
05:54のう今夜は
05:56桃の節句じゃね
05:58箱の中とは少々窮屈じゃが
06:01お囃しして若気味殿を慰めぬか
06:05それは
06:06良い考えじゃ
06:08おおそれは
06:09良い考えじゃ
06:10おばあさんはこうして蔵座敷で夢うつつに
06:33良い音色に耳を傾けていましたが
06:36そのうちそのお囃子の中に
06:39琴の音がないのに気づきました
06:42おばあさんは自分でも琴を弾くのが得意でしたので
06:46壁に立てかけてあった琴を取り出すと
06:50弾き始めました
06:52お囃子の音じゃ
07:10これはありがたい
07:12辛さ
07:13俺々も頑張られな
07:15それにしても
07:17きょうくすらはこやな
07:19いいい
07:20いそ
07:21とびがしてしまえ
07:23ご視聴ありがとうございました
07:25ご視聴ありがとうございました
07:29wo視聴ありがとうございました
07:33ぃ
07:41に
07:43ご視聴ありがとうございました
08:13ご視聴ありがとうございました
08:43おばあさんは夢かうつつか定かならぬままことを引き終わり
08:51そのままいつしか眠ってしまったようでした
08:55そうしてその翌朝のことです
09:01おばあさんはサク男の声で目を覚ましました
09:04おーこれはひどい
09:07よべは夜通しネズミがひどい暴れようだった様子じゃ
09:11どうかしましたかの
09:15はい、コラの中のひなの箱がめちゃくちゃになっております
09:19ま、ひなの箱が
09:22おーゆべはことをなされましたか
09:25通りで夜通し音色が聞こえると思いました
09:29まあ、私がことを
09:32おばあさんはだんだんに思い出しました
09:35そうして今日こそひなを箱から出そうと思いました
09:40でもおもものせっくはゆべで終わりましたぞな
09:45年に一度はひなを箱から出さんとひなたちが泣くでな
09:50あのお方が丹精込めて作られただけあって
09:56ひなに霊が乗り移ったものと見える
10:00こうしてこの地方では
10:04年に一度ひなたちを箱から出さないと
10:08その年は不吉なことが起こるといいます
10:11また、あの老人が作った男びなは
10:15源のより家公に
10:17女びなはそのうばの娘
10:20桜の前にそっくりだといいますが
10:23あの老人がその人たちとどういう関係の人であったのか
10:28誰も知る人はありませんでした
10:31ただ、そうした言い遣えだけが残っているといいます