00:00ん
00:12し昔 ある年の夏のこと
00:17武蔵の国ではいく日も行く日も雨が降らず 暑い日が続きました
00:25太陽は大地を焦がし 畑の作物は磨かれてしまいました
00:40多いはよ この日陰に入らんか
00:46あっさにやられて死んでしまうぞ
00:50ん
00:53暑い 今田んぼを見に行ってきたんじゃがカラカラにひび割れと
01:00稲は枯れて今にも日がつきそうじゃ うちもじゃ
01:06こうなったもんじゃろう この暑さなんとかならんもんかいの
01:12うん
01:23暑さでこの木もやられて葉っぱが落ちてしもた
01:28あぁ
01:30それもそのはずです
01:32なぜかこの年に限って 空には太陽が二つも現れ
01:38じりじりと手につけていたのです
01:42焼き尽くすような暑さはそのためだったのです
01:46ん
01:48ん
01:50ん
01:52はぁ
01:54ふたつの太陽は
02:12来る日も来る日も登ってきて
02:16武蔵の国を熱く照らし続けるのでした
02:24このまま毎日照りつけられてはみんな死んでしまうぞ
02:30でもみんなが集まって話し合っても太陽が相手ではどうしようもありません
02:42都の天使様も大層ご心配になり
02:46誰か弓の名人を連れてこいとお命じになりました
02:52そして一人の家来が弓の名人を連れてきました
02:57天使様弓の名人を連れてまいりました
03:04家来が連れてきたのは
03:07まるで雲をつくような大男で
03:10この男は空高く飛んでいる鳥でも
03:14はるか離れた遠い木の枝になっている柿の実でも
03:19たった一矢で居落とすほどの名人でした
03:23天使様お任せください
03:26天使様は大層お喜びになり
03:31男に大きな弓と一本の矢を賜り
03:35一つの体を言おうとするようなお命じになりました
03:39連合を押すまでもないがどちらか一つの太陽はきっと魔物じゃ
03:50気をつけてなぁ
03:53男は武蔵の国に向けて都を後にしました
03:59武蔵の国の焼けるような暑さは東に強くなる一方で
04:09人々は家の中でただじーっとしているしかありませんでした
04:18おっと俺はもう腹減って仕方ねーよ
04:22私は喉が渇いて渇いても死にそうじゃ
04:27困ったもんじゃ
04:29もう三日も飲まず食わずじゃもんな
04:32私も腹減ってこじゃ
04:41見たか
04:42こんばんは久しぶりにご失踪じゃ
04:45あんた外に逃げちゃダメー
04:50飯じゃ
04:52飯じゃ
04:53飯じゃ
04:54飯じゃ
04:55飯じゃ
04:56飯じゃ
04:57飯じゃ
04:58飯じゃ
04:59あ
05:01あ
05:02熱い
05:03あ
05:05あ
05:06あ
05:08あ
05:09あ
05:10あ
05:11あ
05:12そんなに焼けてしもって
05:14だから外に出るなと言ったのに
05:17それにしてもお店頭様は一つだけいてくだされば十分なのに
05:26ん
05:28ん
05:32わしが太陽を一つにしてみせる
05:36え、あんたが、そりゃありがたいこっちゃ
05:41じゃあ 男は何日かかかってここ武蔵の国へたどり着きました
05:50ん
05:52ん
05:54ん
05:57ん
06:00ああああああ
06:03ん 男は考えました
06:08人やで太陽を言おうとすぎは 高いところに登らねばと
06:20言おうとされる前に男を焼き尽くしてしまおうとするかのように 厚い光を浴びせかけました
06:32男は頭を焼かれました
06:36それでも歩きました
06:43ん
06:45今度は着物を焼かれました
06:52ん
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07:01ん
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07:05そしてとうとう男は 暑さのあまりバッタリと倒れてしまいました
07:12ん
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08:57る
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09:21ん
09:22ん
09:23スー
09:25いまものじゃあ シンドルぞ矢が鳥の心臓に命中したんじゃ
09:36人々を苦しめた偽物の太陽の正体は山のように大きなカラスでした しかもそのカラスはなんと足を3本も持っておったのでした
09:48そして弓の名人はみんなから感謝されました
09:55ん 天使様も体操を喜びになりこの弓の名人にたくさんのご褒美をくださったということです
10:08それから武蔵の区に来る日も来る日も雨が降ったので 草木も人も生き返ったようになりました
10:18ん
10:25そしてその後この土地を守るをいたというところ
10:30いるんはっ 呼ぶようになりこれが武蔵の
10:35イルマの地名のいわれだということです