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  • 2 週間前
Japanese folk tales
トランスクリプション
00:00昔々 京都の峰山の近く 内地というところに
00:18ろくすけというかやかりお家業の 貧乏暮らしの者がおったそうな
00:24貧乏はしているがろくすけは えらい仕事熱心で
00:29かかあのお市と二人でかやを買ってきては
00:32それを峰山の町の屋根山で売りに行き
00:36わずかな銭をもらって暮らしておったそうな
00:44それにこのろくすけという男は えらい親切好きじゃった
00:54
00:59あいやいや結構ですがな
01:01ええです
01:02ええやしかししかし
01:05なんでもねえことですって
01:07大きにありがとうさんでした
01:10なになに
01:14わしゃ水筒を取ろうとしただけじゃったのに
01:18悪気はないのじゃが こんな失敗もしたそうな
01:25ある日のことろくすけは 今日もかかあのお市と二人で
01:29小原坂井の峠の下までかやを買っておく
01:33ああああああああああ
01:35これ
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02:18あやがおいしがっているのは
02:20おいキツネや
02:29こんなに茂っていては
02:31我が出入りにつゆがかかって冷たいじゃろ
02:35第一穴の中が陰気でたまるめ
02:38そればっかりじゃねえ
02:40寝ながら美しいお月さんも拝むことができめ
02:43今俺が掃除してやるから喜べ
02:48あんたもう日が暮れるでそろそろ家へ帰ろう
03:06これこれでしまいだ
03:09さっぱりしただろ
03:10いやよう働いたで
03:15腹ペコペコだー
03:17よっくらしょっと
03:23はよまだら
03:25はいよ
03:27さてその世のことだ
03:35ちょいと
03:42ちょいと起きてくれ
03:44ループスケハン
03:45今日はご親切に穴口を掃除しておいてくれてありがとう
04:04お月様も寝ながら拝めるようになって嬉しいわいな
04:08それで何かお礼がしたいがちくしょうの悲しさ
04:12思うようにならぬが
04:14もう10日もすると今日は伏見の小稲荷さんに富くじがあるで
04:19行って買うがええ
04:20きっと大当たりが当たって金や米が行さんもらえるでな
04:26ロギンがないなら年王子を売ってでも行くがええぜ
04:30どうせ伏見に行けば金はたんまり手に入るんじゃから
04:35じゃが二人はそんなうまい話があるもんかと気にも止めなんだ
04:47ところが明る日の晩も
04:49伏見の大稲荷さんの富くじを買えば本当に当たるんじゃぞ
05:05米や金が行さん手に入るぞ
05:08あんた本当じゃろうか
05:13伏見の言うことじゃもうもう一度来たら信じてもええ
05:19そして次の日
05:22もうあと幾日もないぞ
05:27伏見までのロギンなら年王子でも売ってこしらえればええじゃねえか
05:32あんたこれはきっと本物じゃ
05:41そうして狐が言った通り年王子を売り払ってロギンをこしらえると
05:51ロクスキは道を急いで町へ登ったそうに
05:58ハメが業者さん手に入ったらどうするかしら
06:19まず立派な屋敷を建てて
06:22それからええ着物を着て
06:26もちろんお家でもこうやって
06:29
06:327日経って六助はようやく京都に着いた
06:43それにしても人の姿が見えんで
06:47ちょいとお尋ねしますが
06:50富久寺はどこで売ってるんで
06:53はて
06:54富久寺
06:56それは来年の二月の二の馬の日が
07:03ここの稲荷の縁日で
07:06大にぎわいで市が立ち
07:09富久寺も売るが
07:11まだ四月も先のことだ
07:15六助は仕方なく我が家へ戻って
07:22お市に一部指示を話して聞かせた
07:25なんなんやって
07:29ほらお前がお金を行産持って戻るの
07:34楽しみにこの年寄りもない破れや
07:37寒いの我慢して待っておったのに
07:40お前みたいなとんまがおるかいな
07:43大方ところを間違えたんじゃろう
07:46もう一度行ってくるがええ
07:48そんなことを言うならお前が言って来い
07:53そういうわけでとうとう大喧嘩になっちまった
07:58けどどう怒ってみてもしようがないもんだから
08:02その夜は夫婦で寒い寒いと言いながら
08:06小さくなって寝ておった
08:08やい六助よーく聞け
08:22この間貴様は俺の穴口の茅が
08:26いい塩梅にこんもり茂っているの
08:28梅雨がかかろうの寝ながら月見が
08:31できめえのと抜かして狩り寄った
08:33それで北風が穴の中にスースー入り込んで
08:37くしょっ
08:39夜も寒くて俺は近頃満足に寝たことがねえ
08:43このまま半月茅が茂るまで辛抱せにゃあならぬ
08:48貴様ら俺と違って人間のことだから
08:52図書寺がなきゃ明け閉めの手数もかからず
08:56寝ながら月見もでき満足じゃろ
08:59もう早い雪見もできるから喜べ喜べ
09:04あんた
09:18何も悪気でやったわけじゃねえんじゃが
09:24そうだね
09:25でもそれが狐の奴には偉いありがた迷惑じゃったんだ
09:32二人が顔を上げると
09:36狐が言うた通り夜空にぽっかりお月さんが見えた
09:41よーしこれで少しは風よきになるじゃろ
10:01おいち油あげ
10:03はい
10:04狐や本日すまんことをしたな
10:13こらえてくれ
10:15こらえてくれや
10:17ろくすけが風よけのために置いたこの石は
10:24小原と内木の境の道端にあって
10:29道行く人はろくすけ稲荷と言うて
10:33拝んだそうな
10:35ご視聴ありがとうございました
10:40ご視聴ありがとうございました

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