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  • 11 か月前
Japanese folk tales
トランスクリプション
00:00昔々、ある町に誰よりも腕の確かな大工がおりました。
00:30ところがこの大工、頭が剥げておったので悩んでおりました。
00:42というのも、仕事で他の大工から、手拭いが弱えないとか、お天道様が普段より眩しいとか、何かにつけて男のハゲをからかわれるからでした。
01:00ところがどうした縁か、ある日のこと、腕を見込まれた大工は、棟梁の末娘を嫁にもらうことになりました。
01:19高砂小屋、この裏船に。
01:31そして、結婚式の次の日の朝。
01:45嫁は朝飯の支度をして、亭主の起きてくるのを待っておりましたが、いつまでたっても寝床出てきません。
01:58そこで枕元で訳を尋ねてみると、改めてこのハゲが恥ずかしくて、顔を見せられないというのでした。
02:07なんじゃ、そんなことじゃったのか。
02:18おらが人並みの頭にしてあげるべ。安心しなせ。
02:23え?おめえが?
02:26ああ、なんとかしてやるだ。
02:29嫁は亭主を励ますつもりで、次そんなことを言って、その日は仕事場に送り出しました。
02:44とは言ったものの、人の頭の毛など、なかなか生えるものではありません。
02:52嫁は毎晩、亭主の顔を見ては悩んでおりました。
03:07なんとかせねば。
03:09そんなある夜のこと。
03:19嫁は近くの権元様へ、三七二十一日のお百度周りの眼かけを思いつきました。
03:28どうか天主の髪の毛を生やしてください。お願いします。
03:43もし、願いを叶えてもらえたなら、金の鳥居をこの場所に建てますでお願いします。
03:58驚いたの神様でした。
04:11金の鳥居とは大工の嫁も見上げたもんじゃ。
04:18こんな古ぼけた誰も眼かけなど来ない祠に金の鳥居を建ててくれるとはな。
04:32それからは毎晩、大工の嫁は、雨の日も風の日も、亭主の頭の毛が生えますようにと眼かけに通いました。
04:51どうか神様、天主の頭に毛を生やしてください。
05:08お願いします。
05:10毛が生えたなら、必ず金の鳥居を建てますで。
05:16お願いします。
05:18そうして三七二十一の眼かけも終わり、万眼になった日のこと。
05:43生えた!
05:48生えた!
05:49髪が生えてきただ!
05:53わー!
05:56はー!
05:57生えた!
05:58生えた!
05:59髪が生えてきただ!
06:01あ!
06:02お前さん、よかったね。
06:05おどろいたことに、よめの眼かけが神様に通じたのか。
06:12亭主の髪の毛がぽつりぽつりと生え出しました。
06:16そうしてそれはみるみるうちにふさふさになり、三日もするととうとう髪の毛がゆえるまでになってしまいました。
06:26サンタ!
06:28オラが言ってやるよ。
06:31ててててて、あんまり強く気を引くな。
06:36我慢。
06:38我慢。
06:40オラが言ってやるよ。
06:55あんた、神を言ったら見違えるように、いい男になったな。
07:00おい、お前、わしの頭に何しただ?
07:05なんで頭に髪が生えたんだ?
07:08あははははは、あははは。
07:13嫁は何も訳を話さず、亭主を近くの山の権原様にお礼参りを兼ねて連れ出しました。
07:22ごんげい様、ごんげい様、ありがとうございました。
07:30おかげで、天使の髪の毛が生えました。
07:34お礼に約束どおり、カネノトリーを立てて差し上げます。
07:39な、なに、カネノトリーを立てるんじゃと?
07:45へっ、カネノトリーです。
07:48お、おめえ、カネノトリーを立てるなんてそんな銭はうちにはないぞ。
07:54そんな大すねた嘘もついて、神様に舌を抜かれても知らねえぞ。
08:02呆れている亭主をよそに、
08:05嫁は懐からゆっくりと紙に包んだもめん針を取り出しました。
08:11そして指先を器用に動かしながら、
08:15襟元につけてきた召し粒をこねて、
08:19針をくっつけて、なにやら作り出しました。
08:24あれ?
08:26それは、もめん針を4本、
08:31召し粒で張り合わせて作った、小さなカネノトリーでした。
08:36お、お、おまえ!
08:54あ、おい、待ってくれ!
08:59ところが、収まらないのは神様でした。
09:05あ、なんとこれがカネノトリー?
09:11あの嫁子、わしをだましよって。
09:33大した嫁子じゃ。
09:36確かにこれもカネノトリーじゃ。
09:39いやあ、ははははは。
09:44あの嫁子はただものではないわい。
09:47一本取られたわい。
09:58そして、髪の毛が生えそろった男は、
10:02それからはもう、何にも気にやむこともなく、
10:07大工の腕をさらに上げて、
10:10髪の毛が生えたのは女房のおかげと感謝し、
10:14当寮にまでなって、
10:16幸せに暮らしたということです。
10:19そして、この夫婦、何年かしてお金を貯め、
10:28カネノトリーではなかったが、
10:31大きく立派なトリーを、
10:33私の権限さまに立てて差し上げたということです。
10:38ご視聴ありがとうございました。

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