00:00昔々あるところに、じいさんが住んでおった。
00:21ある年のこと大げずで河原にあったシートばかりの畑を家もろとも流されて、何もかもなくしてしまった。
00:37それからというものじいさんは何を思ったか。
00:41毎日朝になると村の家々を回って、鍋を借り歩くようになった。
00:51なぜ、貸してくれや。
00:53はいよ、じいさん。
00:55いつも、すまね。
00:57鍋を借りてどうするんかい、のもと。
01:01村のもんは不思議に思ったが、鍋をきれいにして返してくれるので、喜んで貸してやりよった。
01:21それらのような、どうやってもらえるので、おそらく伝わらせる。
01:27そのため、おそらく伝わらせる。
01:31そらく伝わらせる。
01:33そのため、おそらく伝わらせる。
01:35ご視聴ありがとうございました
02:05偶然鍋にこびりついた飯粒を擦り取って食べているところを見つけてしもうた
02:11じいさんそげなことをしちゃったのかよ
02:17それからというものもう誰一人として鍋を貸してくれるものはおらんかった
02:27鍋貸してくれんかのう
02:32だめじゃだめじゃ鍋沸かせん汚らしい
02:36腹が減ってクーモンがなくなったじいさんは困ってしもった
02:42もうこの村では食べていけないので仕方なく木枯らしの吹く山へ食べ物を探しに出かけた
02:53おうさんギーザー
03:08おうさんギーザー
03:20冬の山に腹の足しになるようなものなど一つもなく
03:46空腹と寒さでもう一歩も動けんようになってしもったじいさんは
03:52大きな木の下でばったりと倒れてしもった
03:57あああああ
04:00腹減った
04:02すると北の暗闇の中からゴソンゴソンと何かが近づいてくる足音が聞こえてきた
04:15おおかみだ
04:19ところがおおかみはじいさんには目もくれずそのままゴソンゴソンと去っていった
04:34あああああ
04:41助かった
04:43あああ
04:46あああ
04:48ひと安心したのもつかの間今度は東の方からゴソンゴソンと別なおおかみがじいさんの方に向かってきた
04:58そしてまたまた不思議なことに今度もじいさんには目もくれずゴソンゴソンとおおかみは通り過ぎていった
05:10ところが今度はまた西の方から今までのやつよりずっと大きな青白いおおかみがゴソンゴソンとまっすぐじいさんに向かってきよった
05:32あああああ
05:35く、く、くわれる
05:37そして今度はじいさんの前でひっさりと止まった
05:42うぅ、もうどうせ助からん命じゃかにを食べてくれ
05:49腹が減って死ぬのも食われて死ぬのも大した違いはないと覚悟を決めたのじゃが
05:56おおかみは食いつこうともせずじーっとじいさまを見つめておった
06:02それと急に眉毛が光り始めたかと思うとその中の一本がふわーっと抜けて落ちた
06:11じいさま、そうやけになって死に急ぐことはない
06:16村に下ってその眉毛で透かして村人を見てみろ
06:22そうすればきっといいことがある
06:25ほいじゃが誰にもやっちゃいけんで
06:29そう言ってじいさまに眉毛を渡すとおおかみは闇の中に消えていった
06:41朝になるとじいさんはさっそくおおかみにもらった眉毛を持って山を下った
06:48ゆんべはもう一歩も歩くこともできんかったのに
06:53今は不思議なことに足取りも軽く、腹の減ったのも感じないでいた
07:00村では冬の寒い中、田んぼの田おこしをしておった
07:05そこでじいさんはおおかみにもらった眉毛で透かしてみた
07:09ここでたんばんげた
07:34驚いたことに
07:36ゆうべおおかみがいったとおり眉毛で透かしてみると
07:40村人がいろいろな動物に見えた
07:47じいさんはおもしろをなってあたりの村人たちを見ていると
07:51村の庄屋がやってきた
07:55ん?なんや?
08:00そ、それをわしに返してくれんか?
08:03ま、しょうやさんは
08:09くっ、くっ、くっ、くっ、あ
08:12あ
08:22なーんちゅうことじゃ
08:24なんで人が動物に見えるんじゃ。
08:28よし、今度はじいさんを。
08:31しょうやはじいさんを眉毛で透かしてみたところが。
08:36なんじゃなんじゃ。きっとも変わらんぞ。
08:40今度はわしを見てくれ。
08:44じゃあ、見るぞ。
08:48変わらんじゃろ?人間のまんまじゃろ?
08:53いや、大きな鳥に見えるぞ。
08:57鳥?わしが鳥じゃと?
09:01じいさま、もう一度その眉をおかしてくれ。
09:12やっぱり変わらん。これをどこで手に入れた?
09:17ああ、山でな。
09:20山で。
09:22しょうやにはなぜかじいさんだけが動物に見えないのが不思議じゃった。
09:30これはきっと山に入って、山の神様はついたに違いない。
09:35大事に扱わなければ大変なことになる。
09:39さっそく自分の家へ連れて行った。
09:45なあ、じいさま。これからはずっとこの家にいて、村を見守ってくれんかの。
09:52ああ。
09:56ところで、まだわしゃとりに見えるかいの。
10:01うん。
10:03うん。
10:04ああ。
10:06ああ、そう。
10:07こうして食うや食わずで、ひもじい思いをしておったじいさまは、
10:20おおかみにもらったまゆげのおかげで、しょうやの家で、村の守り神として大切にされ、それからは一生ひもじいめにあうことはなかったそうじゃ。
10:33ご視聴ありがとうございました。