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  • 1 日前
Japanese folk tales
トランスクリプション
00:00昔々ある地方で何日も何日も雨の不乱日が続いたことがありましたそうな
00:13来る日も来る日もカンカンデリのカンカラカン
00:18一滴の雨も不乱かった
00:20お百姓さんたちもすっかり困っておりましたそうですじゃ
00:24今日もカンカンデリの畑の中で百姓が一人ソロを見上げておった
00:33まったくなんとかならんもんかの
00:37コンフランのでは我々百姓は日干しになってしまうで
00:42雨さえ降ってくれればのなんでもするに
00:45わしの三人いる娘のうち誰と嫁にやってもええだに
00:50よーしその嫁もらった
00:54はあ
00:56なんとそこにはいつの間にか小山のような鬼が立っておった
01:04なんじゃ鬼でねえだかおめえさん本当に雨降らせられるんだか
01:10裏にできねえことは何もねえだ
01:15鬼はそう言って胸をドンと叩くとパッと消えてしもうた
01:21さてその夜鬼の言うた通り夜中になってから雨が降りだした
01:35百姓たちはもう高度にして喜んだ
01:42ところがここに一軒だけ元気のない家があった
01:48あのじいさんの家じゃった
01:50本に困ったの鬼のやつ本当に雨を降らせてしまいごった
01:56こうなった以上三人のうち誰と嫁に行ってくれるもんはおらんかのう
02:02おとくおめえどうじゃ
02:04おとくおめえどうじゃ
02:06みんなには悪いけんど私は
02:09約束したおとくがおるけにかんにんしてくりょう
02:14なるほどもっとものこんじゃ
02:16おいくおめえはどうじゃ
02:20わしも悪いけんど今おりかけの手羽たの糸があるけにかんにんしてくりょう
02:27なるほどもっとものこんじゃ
02:30末の娘はおふくというか
02:33おふく?
02:34聞いたかや上の姉さんたちまでああいうておる
02:38末娘のお前にどうして親の口から言えんよ
02:41夫?鬼と約束した以上ほぼにはでけん
02:46おらが嫁に行くでよ
02:48ほっほっほっほっほっほっほっほめえ
02:52夫?
03:01次の日鬼は約束通り朝早くからやってきた
03:06おはようございます
03:11母と子は別れを悲しんだ
03:17おふくや末娘のおめえを手放したがねえだ
03:24おふくちゃん
03:26行くのを拒んでおった二人の娘も別れを悲しんだ
03:30親父様ももう我慢ならんかった
03:33こうしておふくは家族と悲しい別れを告げた
03:38そうだ
03:40母親は出かけようとする娘を呼び止めると
03:44別れを惜しむふりをしてそっと革袋を手渡した
03:48ええかこれを巻いてお雪
03:51その袋には菜種が入っておった
03:55鬼はもう宇宙天
04:02可愛いおふくちゃんを連れて
04:04山あり谷ありの険しい道を登って行きます
04:10おふくは鬼に気づかれないように
04:26菜種を一粒一粒巻いてまいります
04:29さて
04:42鬼の住処は深い深い山の奥にあった
04:46周りにはうっそうと杉の子たちが茂り
04:51その梢は天までも届かんばかりじゃった
04:55おふくはすっかり心ぼそうなった
04:59おふく au
05:03pedoro
05:09パコは上がりなさい
05:13でも鬼はなかなかやさしかった
05:16ああああああ
05:21
05:23取り上げる
05:25ごめん、ごめんよ、おふくちゃーん。
05:36こうして鬼はなかなか親切じゃったが、それでもおふくは家が恋しゅうてならんかった。
05:43夫やおっ母がおられるのはどっちの方角じゃろう。
05:47毎日毎日、戸の外に立っては外を眺める日が大なった。
05:55やがて、山にも寒い冬が訪れ、そして春がやってきた。
06:15そんなある日のことじゃった。おふくは鬼の持ってきた花を見て驚いた。
06:22菜の花じゃ。
06:27おふくはもう夢中で外に飛び出した。
06:31外には菜の花が美しく美しく咲いておった。
06:36来る時おふくのまいた種が今や満開に花開き、我が家目指してどこまでもどこまでも菜の花の一本道を作っておった。
06:48この道をたどれば、うちへ帰れる。
06:54さて、大慌てで鬼が追いかけた。
07:10おふくー!
07:22おふくー!
07:27わー!
07:29おふくだー!
07:33こうしておふくは菜の花の道をたどり、久しぶりに我が家へとたどり着いた。
07:42おふく、えいがあったなあ、おふく。
07:46おっかあ。
07:48そんだ、こうしてはいられねえだ。
07:53母親は何を思ったか。
07:56それまで鍋に入りかけてあった大豆をふうふう火をふいて真っ黒になるまで入り始めた。
08:08そうこうするうちに鬼はカンカンに怒ってやってきた。
08:12ほら!おふくを返せ!
08:16ほら!おふくを返せ!
08:19おふくを返せ!
08:21ほら!
08:23わー!
08:24おっかあが顔を出し、真っ黒に入り上がった豆を鬼に差し出した。
08:30おおともさ、おふくは返そうわな。じゃがな、この豆が花を咲かせた頃、迎えに来なんせ。
08:39そうか、この豆が花を咲かせた頃じゃなあ。
08:45鬼はそう言って、ひとつかみほどの豆を握ると山へ帰って行った。
08:52ところが、鬼は山へ帰って豆をまいたが、豆からは芽が善かった。
09:00一年中とうとう、芽が善かった。
09:17次の年の節分の夜。
09:22しびれを切らして怒った鬼はとうとうおふくの家へやってきた。
09:27おふくを返せ!おふくを返せ!
09:32おふくを返せ!おふくを返せ!
09:36親父様はバラバラと、いった豆を鬼に向かって投げつけた。
09:41おふくを返せ!おふくを返せ!おふくを返せ!おふくを返せ!
09:47そのうち鬼は、いった豆を拾うと、自分のまいた種がまだ芽を出しておらんことに気がついた。
09:56そうじゃった。まだ芽を出しておらんじゃった。
10:06そう言って鬼は、すごすごとまた山へ帰って行きましたそうな。
10:11こうして、おふくの家では節分の日、毎年いった豆をまくのでした。
10:20よーくいった豆でないと、もしや鬼が拾って目を出すかもしれないのでした。
10:28ふくはうち!ふくはうち!
10:32鬼は外!鬼は外!

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