00:00昔々あるところに一人の六部丼がおりました
00:30もし六部丼、よかったら一休みしていかない?
00:38それはありがたい
00:39すまないね
00:46では姉さん、元気でな
01:00六部丼も気ぃつけてな
01:03もうこりゃ雨が来るぞ
01:12急がなくちゃ
01:13六部丼は土砂降りの中をやっと小さな温暖にたどり着きました
01:29もうこりゃひどい雨で
01:34おい、宿を貸してください、お願いします
01:39なんだ、六部丼、だめだ
01:44まあ、かかわが病気で寝ているぜ
01:47そこをなんとか
01:49ひつこいな、うちは宿屋じゃない
01:53お、むし
01:55お願いします、宿を貸してください
02:01六部丼か
02:07雨の時、気の毒じゃが
02:09うちは子供が多くて、人を止めるところで、ねえのよ
02:13ほら、あれや、これがバッター
02:17うん、ばあちゃん
02:19だんごはもうおしめえじゃが
02:23だんごはもうええ
02:25今夜ここへ止めてもらえんかな
02:27この雨じゃ、野宿もできそうにないで
02:31そうかい、そりゃ止めてやりてえが、おら一人だぜ
02:36なんぼ六部丼でも男はだめだ
02:39そうだ、この先にじいさんばあさんのうちがあるで
02:44そこ行って、聞いてみな
02:47この頃、ばあさんは見かけんようじゃが
02:50止めてくれるかもしれんで
02:52ばあさんの教えてくれた家は、村外れの寂しいところにありました
03:04ずいぶん寂しそうなうちじゃな
03:22あのー、六部ですが
03:25今晩、一晩、どこでもええですから止めてくれませんか
03:30お願いします
03:32あ、六部と向かい
03:34外はひどい雨じゃな
03:36あ、止まっていったらいいよ
03:38来たねえところじゃが
03:40うーん、上がってくださる
03:42そうですか、助かいます
03:45あー、うふふ
03:47あはは
03:48へへへへへ
03:50楽なもんがねえが
03:53うわ、これはごちそうじゃ、お頭付きですな
03:57うむ、うむ
03:59では、遠慮なく。おたくのばばさんは料理がお上手ですね
04:05これはわしが作ったんじゃ
04:09え、全部じいさんが
04:14バーバーさんは バーさんかい
04:19さあさんはこの間死んびまっか そうだったですかそれはお気の毒に
04:29バーダー気のいいやつじゃった
04:34何をするにもどこへ行くにも一緒でな じゃーっと離れたことはなかった
04:46そうですかい仲が良かったんですね 人も羨むほどだったそれがぽっこで死ん
04:55じまった わしより先に行くなんて
04:58カバいすれ
05:03じゃあとなりに布団ひいとくでゆっくり 休んでくれや
05:09わしはここで寝るんで
05:15こうして六部丼はやっとやるを取る ことができました
05:25その夜は お客の六部丼を自分の部屋に寝かせて
05:31じいさんがいろいろばたで寝ました
05:33ところが夜中を半時も回った頃
05:41じいさんおるかじいさん
05:47おりますおります
05:53じいさんおるかじいさん
05:59おりますおります
06:02六部が目を覚ますと
06:06どこからともなく湧き上がる気味悪い声に
06:10じいさんは眠りながら返事をしているのでした
06:13じいさんおるかじいさん
06:19ところがじいさんはそのうちごろりと寝返りを打って返事をしなくなってしまいました
06:28じいさんおるかじいさん
06:34じいさんおるかじいさん
06:42じいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさん
06:52じいさんおるかじいさん
06:58じいさんおるかじいさん
07:02じいさんおるかじいさん
07:08じいさんおるかじいさん
07:10じいさんおるかじいさん
07:12じいさん
07:16じいさん
07:18じいさん
07:20なんと床の下から重そうな長筆を引きずったばあさんの幽霊が
07:26ぞろりんがったんぞろりんがったんと出てきたのでした
07:30じいさんとろくぶどんと間違えたばあさんの幽霊は
07:34ぞろりんがったんぞろりんがったんと追ってきます
07:40じいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおるかじいさんおる
08:10すると幽霊は牡蠣の木から落ちて消えてしまったのでした
08:206分どんどんじゃよく眠れたか
08:32何がよく眠れたかです
08:35おら、ゆうべはひどい目にあいました
08:38何かあったのか
08:41あったのじゃないですよ
08:44あんたの死んだババさんがじいさんおるかって出てきましたよ
08:51そうかい、やっぱり出たか
08:546分どん、誰にも内緒にしてくれよ
08:58実は死んだババを中筆に入れてこの床の下に埋めたんじゃよ
09:04どっちが先に死んでも床の下に埋めるって約束してたでな
09:10えぇ、ダメですよ、そんなことしちゃ
09:14ちゃんとお墓に入れてお経をあげてあげなくちゃ
09:18そんなぐらいのことは分かっているがの
09:23でもばあさんがいつも死んでも一緒にいて離れるのは嫌だって
09:30泣いていたもんでそれでわしもついつい離れがたくての
09:36おじいさん
09:40そうしてその日、じいさんは6分どんや村の人々のすすめで
09:54ばあさんを無事お墓に葬ってやることができました
09:58なんまいだぶ、なんまいだぶ、なんまいだぶ、なんまいだぶ
10:06じいさんおるか?だんご持ってきたよ
10:09そうかい、ちょっと待ってくれ
10:12今お茶いれるねーな
10:14うまそうだなー
10:18なんなら毎日持ってきてもいいよ
10:22こうしてじいさんは、茶飲み友達もできてすっかり元気になりました
10:30一方6分どんは、何事もなかったように
10:36また巡礼の旅を続けたということです