00:00昔々大昔のことじゃった
00:15山口の長戸の大見島と千崎とは
00:20引き潮になると陸続きになって
00:23歩いて行き来ができたそうな
00:30そしてこの大見島には何百という猿が住んでおって
00:36引き潮になるとぞろぞろと千崎に渡ってきて
00:40いたずらをしておった
00:43おーい潮が引いたぞー
00:47おーい潮が引いたぞー
00:49へへへ
00:53おい待て泥棒
00:57こらやめろ
01:01もうよくもやりおったなー
01:06やめろー
01:08あたいにも水あめちょうだい
01:12はいよ
01:13水あめ返せ
01:18大見島の猿たちの悪さは
01:26波大抵のものではなかった
01:28昼だけではなく
01:30夜中の引き潮時まで
01:32こちらの村へ渡ってきては
01:34村を鳴らすわかった
01:36ああああああ
01:38ああああ
01:40やった
01:42あっ
01:44あっ
01:46あっ
01:48あっ
01:50あっ
01:52あっ
01:54これは馬鹿に重いな
01:56こんなじいさん持っていってもしょうがねえな
02:00誰じゃオラを担いだな
02:04こいつは馬鹿入っとった
02:12もう我慢できねえ
02:14あのオオミ島の猿のやつめ
02:16オランチの名やに干しとった
02:18スルメなんざ
02:20大事を持っていちよった
02:22そうか
02:24うちなんで軒滝に干しといて
02:26腰巻きまで持っていったよ
02:28そんなものまで
02:30持っていってどうするんじゃろうな
02:32まったく
02:34困ったもんじゃ
02:36あっ
02:38ああああ
02:39庄屋さん
02:40ちょっと待ってください
02:42なんじゃ
02:43今日は忙しいんじゃよ
02:45それとかいやねえよ
02:47またオオミ島の猿がもにやられたんじゃよ
02:50なんとかならねえか
02:52庄屋さん
02:54や goodness
02:55うーん
02:56困ったもんじゃ
02:58とうにかく寺の王将さんに相談してみようよ
03:02そこで村人たちはゾロゾロと寺のお嬢さんのところへ相談におった
03:09じゃあこうしたらどうじゃ
03:15えーそれじゃなんぼなんでも猿がかわいそうじゃ
03:24うわー
03:29そこで早速その夜のうちに村の人たちは和装さまに言われた通り
03:39海辺の猿の来そうなところに大きな落とし穴を作った
03:54うまくいくでいいんじゃが
03:57こりゃだめや
04:03ところで落とし穴はだめじゃったが
04:09何か他にいい考えはないものじゃろうか
04:13そこで村の人たちは
04:16知恵を絞って一晩がかりで
04:19十条敷もあろうかという大きなだるを作った
04:23小屋さん大丈夫ですか
04:38任しとけきっとうまくいくだよ
04:42もうとっこに引き仕様になっているっていうのに
04:46猿の奴ら来いんですな
04:47おかしいな
04:50もしかしてその辺に隠れて
04:53こちらの様子を見てるかもしれねえな
04:57猿は猿真似っていますで
05:00俺たちが先にやってみせれば真似するよきっと
05:04やってみよう
05:05やってみよう
05:08逆にやられているのか
05:25これ以上何やってだめじゃった
05:29もはや村の人たちには手の施しようがなく
05:34ただただ諦めるより仕方がなかった
05:37さて村人が諦めて
05:43何日か経ったあるお天気のいい
05:465月の昼下がりのことだった
05:49行けね寝過ごしたぞ
06:03もうそろそろ引き仕様じゃ
06:06今日も村荒らしに行くぞ
06:08ああ何じゃあれは
06:22今日に限って潮が引いた砂浜に大きな石がドカーンと座っておった
06:32あれ動いたぞ
06:36こりゃウミガメじゃ
06:49こんなでっけウミガメ
07:02まだ見たことねえぞ
07:04初夏の日を浴びてウミガメは気持ちよさそうに
07:09うつらうつらと昼寝しているのだった
07:12いやいやいや起きろ起きろ
07:15ここは俺様たちの通り道じゃ
07:17どけどけどけ
07:19邪魔だからどけ
07:22あいて
07:24くらやめろ
07:26突然大きな叫び声で起こされたウミガメは驚いて首を甲羅の中に引っ込めてしまったものだから
07:36ウミガメの頭を引っ張っていたサルはその手を甲羅に挟まれて抜けなくなってしまった
07:42うーふざけてー!
07:45手がとれないよ
07:48助けてー!
07:50逃がうよー!
07:53助けてー!
07:54ひらくー!
07:57おいどいしたんか?
07:59この手が抜けないじゃ!
08:01ひっぱってくれー!
08:02よいしょそれよいしょ
08:04よいしょ
08:05よっしょ
08:07ああたいせんじゃ
08:09たるんの手が抜けなくなったので
08:11仲間の猿たちが100匹近くも集まってきて、大きな亀との引っ張り合いが始まった。
08:23大亀も負けずと後ぶさびしたので、その神戸に猿たちも引っ張られた。
08:29猿たちは引っ張られまいと次々に火星にやってきた。
08:41この大女神は大変な力を持っておったので、猿たちは次第次第に引っ張られていった。
08:57このままではどうしようもないと考えた恥の方の猿たちは必死になって待ちぼくにしがみついた。
09:05このうち、潮が徐々に満ちてきて、猿たちも大亀も焦り出した。
09:17このままで溺れちゃう!
09:19溺れちゃう!
09:21溺れちゃう!
09:23溺れちゃう!
09:25篠口、大亀もあちらにして、ちょいと首を出した。
09:39ウミガメが首を出した気をして、猿たちが尻餅をついた。
09:44その弾みで、大見島はずーっと千崎から遠くへ離れてしもうた。
09:56ああ、大見島があんなに遠くなったぞ!
10:00ほんとだ!
10:04いくら、いたずら者の猿でももう渡ってこれんじゃろう!
10:09よかった!
10:10よかった!
10:11よかった!
10:12よかった!
10:13よかった!
10:14それからとは言う。
10:18大見島と千崎との間は、遠く離れたままで、いたずら者の猿たちが引き潮になったときも、渡れなくなる。
10:30千崎の村の人々は、大変助かったそうだ。
10:35大得!
10:36よかった!
10:37よかった!
10:38よかった!
10:39よかった!
10:40よかった!
10:41たまたは、強い子の国を奉う!
10:43よかった!
10:44よかった!
10:46よかった、人あの親父様を行きたくにわかった!
10:50よかった!
10:52よかった!
10:53たしかか、源。
10:56なふたもんでこのようになれば、彼は誰と?