00:00昔、宮崎県東宇都の西郷村というところに、人のいい元気な婆さんがおって、孫たちを大層かわいがっておった。
00:23おせり様とは、この川を登ったところにある滝のことじゃ。
00:50この村外れの山の中に滝があって、とうとうとおいしい水を落としておった。
00:58その水は村の中を流れ、この滝の水のおかげで村人は何かにつけて潤っておった。
01:05村人はこの滝をおせりさんの滝と言って、そばに祠を立てて拝んでおった。
01:13そこにはイノスの木があって、毎年秋には大きな実をつけておった。イノスとはユズのことじゃ。
01:23へぇ、じゃあこの川の水もおせり様の滝から流れてくるのか?
01:30婆さん、俺はおせり様の滝を見てえな。
01:34そうかそうか、じゃあ連れてってやるぞ。
01:38婆さんはありがたいおせりさんの滝を孫たちに見せてやろうと、触れ立って出かけた。
01:57ところが、おせりさんの滝の近くまで来ると、あたりにはミノタケをこす草が茂り、おせりさんは見えない上に近づくこともできんかった。
02:10これじゃ、おせりさんのあたりも草、どうもおじゃ。
02:16毎日水が流れておるのでありがたみはわかっておったが、お参りするのを忘れておった。
02:26そこで婆さんは毎朝遠い道のりを通い、おせりさんの草刈りをすることにした。
02:35草刈りは骨の折れる仕事じゃったが、婆さんは意志を曲げずに働き続けた。
02:44いたったったった!
02:47こうして一日中草を刈り、牛が沈むころに家へ向かった。
03:05ところが、婆さんが通る橋の田元に根性の悪い欲張り小さが住んでおった。
03:14そうして、朝になった。
03:18ありゃ、橋がねぇ。じいちゃん、大変じゃ。
03:23どうした、婆さん。
03:25おら、おせりさんの草刈りに行くのじゃが、橋がなくなってる。
03:31その橋を渡るなら、今日から大根一歩置いてけ。
03:37はいはい。
03:38それではいえ、引き返して出直してきますわい。
03:42はい、帰りの分の渡り金も。
03:53明日も忘れずにな。
03:55あの婆さん、おせりさんの草刈りをして何が得なんじゃろう。
04:02こうして婆さんは一日も欠かさず、おせりさんの草刈りに出がけた。
04:09すると、前の方でピカリッと光った。
04:13ありゃ、何の光じゃ。
04:17覗いてみると、イノスの木がまばゆいばかりの黄金色に輝いておった。
04:24ありゃ、不思議なこっちゃ。
04:33ありゃ、黄金のみかんの目じゃ。
04:37不思議なことに、イノスの木に黄金のみかんがなっておった。
04:42ひとついただいてみよ。
04:46おいしい、おいしい。
04:52おちそうじゃ。
04:55一口食べた婆さんは、体がウキウキ、元気が湧き出した。
05:01すると、肌までスペスペしてきて、シワがなくなり、若返ってくるようだった。
05:08おせりさん、ウキウキして、何かいいことでもあったのか?
05:16おせりさんで、黄金のみかんをごちそうになったら、若返ったんじゃ。
05:23いいこと聞いたぞ。
05:27黄金のみかんじゃな。
05:30おじいさんは、いらてんばしりにおせるさんの場所へ突っ走った。
05:45ところが、じいさんが行くと、さっきまで黄金色に輝いていたみかんは、元のイノスの実になっておった。
06:00ばあさんは、嘘をついたのは、ただのイノスじゃねえか。
06:05せっかくここまで来たんじゃ。イノスであろうと、虎には損じゃ。
06:11ぽい!ほいほい!ほい!ほい!ほいほい!
06:21じいさんは、 mejもんのかごいっぱいとると、目へ突っ走った。
06:28え!?やべや!
06:31つまらにTalesに!
06:34止まらんねえ!
06:35うわぁ!
06:36うわぁ!
06:37うわぁ!
06:38くらがされる!
06:41立ててくれ!
06:44立ててくれ!
06:46兄ちゃんどうしたんじゃ!
06:48それそれ!
06:49この手に掴まれ!
06:51いいよ!
06:52いいよ!
06:57あ、寒い!
06:59寒い寒い!
07:00ここへするじゃん!
07:04こりゃ大変な熱じゃ!
07:07寒い寒い!
07:08凍れそうじゃ!
07:10そうじゃ!
07:11みかんじゃ!
07:12ばあさんはじいさんに元気をつけさせようと
07:16おせりさんのみかんをとりに行った
07:19じいさんが死にそうで
07:21なんとか黄金のみかんをひとりお願いします!
07:31黄金のみかんじゃ!
07:33ありがてありがてありがて!
07:36ありがて!
07:38黄金のみかんもらってきたぞ!
07:42ひひひひ
07:43光っている!
07:44ほんとに黄金のみかんじゃ!
07:47じいさんこれ食べて元気になってくれ!
07:52黄金のみかんをオラにくれるか!
07:56さ、食べろ!
08:02甘くておいしいみかんを食べているうち
08:06胸がいっぱいになり
08:09涙がぽろぽろこぼれ落ちてきた!
08:12そして食べているうち
08:14熱が下がり元気が出てきた!
08:17あ、うーん
08:20よくじいさんとはばあさんは
08:24村のせわやくきもいりぞんをたずねた!
08:27あのイノスの木はな、木に入った人が行くと甘いみかんになり、木に食わん人が行くとすっぱいイノスの実のままということじゃ。
08:40なるほどな、そうじゃったのか。俺はもうお世辞さんの気に入るような人間にならなくちゃな。
08:51ほら、世間様に思いやりが足りねえ、わかった。
09:00次の日から、じいさんは草刈りに加わった。じいさんはばあさんを見習って一緒に働いた。
09:11もう少しじゃの、じいさん。
09:15もう少しじゃの、ばあさん。
09:20こうして、くまなく草が刈り取られると、お世辞さんの滝のまわりは見違えるようにきれいになった。
09:30お世辞さんの滝じゃ!わあ、すげえな!
09:35このお世辞さんの滝の水が村へ流れてるんじゃな!
09:39ねじろが水あすりした、あの水じゃ。
09:43お世辞様、長い間、草ぼうぼうに掘ったら貸しつつまねえことしました。
09:49これからはちょくちょく来て、草刈りますって。許してください。
09:54お世辞様、またイノスの木がピカリと輝いて、黄金のメカンの木に変わった。
10:06お世辞様、お世辞様に気に入ってもらってよかったな。
10:13ばあさんのおかげじゃ、ありがて、ありがて。
10:18おいしい!おいしい!おいしい!おいしいの!おいしいの!
10:27お世辞さんの黄金のみかんのおかげか。
10:31ばあさんは孫たちに囲まれて、末永く長生きをして、幸せに暮らしたということじゃ。