00:00ん
00:01ん
00:02ん
00:04ん
00:10ある山の中に 年若い夫婦が住んでおった
00:17二人は体操仲良しで正直者の夫婦だった 村の人々からも好かれておった
00:25ある年の 二人は吹きを取りに出かけようということになった
00:33これまたんか おい
00:37ほら、おらの弁当をよこせ
00:42ほら、おらの弁当をよこさねえか
00:49だめ、お昼までに吹きをたくさん取ってきた方が
00:55相手のおむすび一つ余計にもらえるだよ
00:58よーし、おんなら、おらはここから下へ行く
01:04お前は上の方へ行けよ
01:07うん
01:08こうして二人は家の前を流れる川を
01:13それぞれ上と下の方へ行くことになった
01:17ところが、毎年隙がよく取れるこのあたりで
01:21今年はどういうわけか
01:23あまり良いものが見当たらなかった
01:27女房は神へ神へと登っていった
01:39きっともええのがねえだな
01:43そんな、もう少し神へ行ってみるべ
01:49こうして女房は川に沿って神へ神へと登っていった
01:58いつの間にか、深い山の中に入っておった
02:04うわーすげーだ
02:06いっぱいあるある
02:09こりゃ相手より多いに決まってるな
02:14こうして女房は夢中になって吹きを取り始めた
02:22もう昼過ぎになっておったが
02:26そんなこともすっかり忘れている様子じゃった
02:30ふわーいっぱい取っただ
02:34さあそろそろ帰らねばあの人が待ってるべ
02:38頑張ってるべ
02:44ところは
02:46どこをどう間違えたのか
02:49無謀は
02:51帰りの道を見失ってしまった
03:02夢中になって
03:04道を探せば探すほど
03:06ますますわからなくなった
03:16困っただな
03:18もうああいう人は
03:20昼飯食べたじゃろうか
03:22女房は
03:24腹は減るは体は疲れてしまうしで
03:27すっかり弱っておった
03:29するとその時
03:31あれは
03:37牛だ
03:39牛の声だ
03:41牛がいるなら
03:47人間があるに違いない
03:49女房は急いで
03:51牛の鳴き声が聞こえる方へと歩いていった
03:55あれ
03:57するとなんとも意外なことに
04:01山の中では珍しい立派な門構えの家があった
04:07うーわー
04:09大きな家じゃー
04:13いったいどなたの家だろう
04:17うーわー
04:19たくさんの牛じゃー
04:25うーわー
04:27うーわー
04:29うーわー
04:31たくさんの牛じゃー
04:39うーわー
04:41うーわー
04:43なんともめんこい馬じゃー
04:45こんな馬がおらんちにいたら助かるにー
04:49うーわー
04:54ごめんくだされー
04:57ごめんくだされやー
05:01おるすじゃろうか
05:03ごめんくだされー
05:06ごめんくだされやー
05:13立派なカマージャー
05:19うーわー
05:25うーわー
05:27なんというごちそうじゃろう
05:31お客様でも呼びに行っとられるんじゃろうな
05:36わーきれいなおわんじゃこと
05:41こんなおわんで食べればご飯もおいしかろうな
05:44でも
05:47こんな立派なものがあるおうちは
05:49いったいどなたのおうちじゃろう
05:56女房は
05:58うちの中に誰もごらんのが気になったが
06:02それでもこの家があんまりに立派なのに
06:05惹かれてうちの中に入っていった
06:08着物
06:10うわーきれい
06:13わーきれい
06:22一度でいいからこんなきれいな着物着てみたいな
06:25いい肌触り
06:31いい肌触り
06:33いかんいかん
06:36人様のもの
06:38うちの中には
06:40女房の喜びそうな着物の他にも
06:44男物の着物や
06:46女房の喜ぶものがいっぱいあった
06:49それで女房はどんどんどんどん奥の方へ入っていった
06:53うちの中に入っていった
06:58うちの中に入っていった
07:00うちの中に入っていった
07:03帰って来られるまでに早く拭いておかねば
07:06雑巾はどこにあるんじゃろ
07:09雑巾は
07:11うちの中に入っていった
07:13はぁ
07:18こ
07:20これはもしや山男の家では
07:22はぁ
07:25はぁ
07:30はぁ
07:33はぁ
07:34ん
07:35ん
07:45ん
07:49ん
07:51ん
07:52ん
07:55ん
07:57me
08:01ん
08:03ん
08:13こうしてやっとことでその日よる遅く我が家へたどり着いたそうな もうは一部始終を夫に語って聞かせたら
08:25夫は何とも不思議なことじゃというので 次の日山の中へ入ってみたじゃがそんな家は全く見つから買った
08:364号 日の立つうちにきつめにでも馬鹿されたかと思うようになっていった
08:44そんなある日の
08:55ん
09:13ん
09:19これ
09:21なんとそれは確かに女房が山の中の家で見つけたお椀じゃった
09:27女房は夫はどこの誰が使ったともしれんお椀を使うのは汚いというかもしれんと思ったので
09:36それを米を図るマスに使うことにした
09:40ところがこのマスを使うようになって米の減り方が少なくなった
09:46それに他にもいいことが続いたのでこの家は裕福になった
09:52やれこいつのおかげで助かる
09:56これはよちびに餌やらんかな
10:07岩手県塔のあたりではこのような山の中の家のことを
10:12マヨヒガと言いそのような家に出会ったら
10:18その家のものを何か一つ持ち帰れば幸運に恵まれると言われている
10:24この女房は正直者で何も持ち帰らなかったので
10:30お椀の方から流れてきたのじゃろうと言われた
10:42ご視聴ありがとうございました
10:48またお会いしましょう