00:01私は海沿いの商店街で小さな自転車屋を営んで
00:04いる、亡き父から引き継いだ店だ。
00:06娘の七海は2歳の時に、別れた妻と暮らしていたが、揉
00:10めた末、真剣は私が勝ち取った。
00:12七海は店先の丸椅子に腰掛けて、いつも鼻歌を歌って
00:16いた。
00:17店の2階で、私が握った不恰好なおにぎりを、七海
00:21は文句一つ言わずに頬張った。
00:22海苔がいつも端から剥がれて、米粒がポロポロと畳に
00:26落ちた。
00:26それでも七海は、父さんのおにぎり、美味しいと言ってくれた。
00:30髪を言うのは下手だったが、それでも、なんとか女の子らしくして
00:34やりたくて、近所のおかみさんに、こっそりやり方
00:37を教わったこともある。
00:38未開の窓際、塩の匂いと静かな波音の中、私の腕枕
00:43で七海は眠った。
00:44そんな幸せなひとときに、私は全ての痛みを忘れた。
00:48どんな些細なことでも、七海の声を聞いているだけで救われた。
00:52店の隅には、自転車を一台吊るしてある。
00:54錆びついた中古を直し、塗装をして、ベルだけは新品に
00:58した。
00:59組み立て完成の日、七海は目を輝かせ、七海の、と小
01:03さく聞いた。
01:04私はそうだよ、と答え、彼女は飛び跳ねて喜んだ。
01:07浜風祭りには、浴衣着ていくの、と彼女は聞いた。
01:11浜風祭りというのは、この小さな街の、年に一度のささや
01:15かな盆踊りで、
01:16浜風音頭という古い録音された歌声が、潮風に乗って、商
01:21店街の隅々まで届いてくる。
01:22七海はその歌を、どうにかして覚えようと、一生懸命だった。
01:27油まみれの店内で、5歳の娘の、舌の回らない、可愛い
01:31歌声を聞いているのが、何よりの幸せだった。
01:34そんなある日、私が仕事中に、振り返ると、七海は椅子から
01:39滑り落ち、土間にうずくまっていた。
01:41呼びかけても、抱き起こしても、彼女はもう目を開けな
01:44かった。
01:45運ばれていく救急車の中で、私は、あの子の小さな手を、
01:49ずっと握り続けていた。
01:51その手は、まだ、暖かかった。
01:53けれど、どこにも、力が入っていなかった。
01:56病院の白い廊下で、私は、ただ立ち尽くしていた。
02:00医者が首を横に振った時、足の下の床が、スーッと
02:03消えたような気がした。
02:05直接の死因は心臓の発作だったと、後になってから、医者に
02:08聞かされた。
02:09葬式の日、七海の頬は、眠っている時と何一つ変わら
02:13なかった。
02:14私は、その時になっても、まだ信じられない、という気持ちが、胸を塞
02:19いでいて、涙は出なかった。
02:21七海は今にも目を開けて、父さんと言いながら、起き
02:24上がりそうな気がしたからだ。
02:26けれど、七海は目を開けなかった。
02:27もし神様がいるのなら、なぜ、こんな小さな子の時間を突然止
02:32めたのか、私には、どうしてもわからなかった。
02:35あれからしばらくして、今年も浜風祭りの季節になった。
02:39祭りは、あの子がいなくなっても、何事もなかったように続いていく。
02:43風に乗って浜風音頭とともに、あの舌の回らない娘の
02:46歌声がよみがえってくる。
02:48私は泣きながら、あの子の名前を、何度も、何度も叫
02:52んだ。
02:5720 d分が命とって、今後の雰囲気を触りにしている。
02:58今、竹林によったものです。
02:58豊川道、虫寂寶寶寶寶寶寶寶寶寶寶寶寶寶寶寶
02:58で怎麼了?
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