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  • 1 day ago
Transcript
00:00Masterpiece to be a country, and people of heart.
00:12It is a great art, art, art, art, architecture,
00:18We will show you the most interesting masterpiece.
00:28Hello, BATRIZE.
00:29I'm here!
00:31I'm here!
00:32I'm here!
00:33I'm here!
00:35I'm here!
00:36I'm here!
00:38I'm here!
00:40I'm here!
00:42I'm here!
00:43I'm here!
00:44I'm here!
00:45I'm here!
00:46I'm here!
00:47woo!
00:48I'm here!
00:49I'm here!
00:50I'm here!
00:51Yeah!
00:52I can't see bar-out.
00:53Oh, you want to just see.
00:54you know,
00:55I can't see bar-out.
00:56But after I saw her,
00:57You can see bar-out.
00:58I can't see bar-out.
00:59I know you was right.
01:00Well, you're right,
01:01and I'm here.
01:02I'm here,
01:03and I'm here,
01:04And I'm going to see bar-out.
01:06Well, I'm here for a break.
01:08I've got the first time for you.
01:10I can't see bar-out.
01:11I'm here.
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01:42そんなもん今回のマスターピースを選んだのはフェルメールをこよなく愛しその魅力を解き明かしてくれる本院の院長生物学者の世界各地に現存する37作品のうち鑑賞可能な36作品を全て実物で見た。
02:11そんな福岡院長が選び出したマスターピースは今回のマスターピースは牛乳を注ぐ女です。
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04:23What is amazing!
04:26Yes, jim
04:34Min樣, but
04:38okay, yes.
04:42I mean...
04:51This is the show.
04:52This is not an empty sentence.
04:54It's not a dry one.
04:56This is the secret of the famous women's love.
04:57It's the secret of the women's cry.
05:00First, the main character in the poem is from the women.
05:13This is the highlight of the first image of the product of the film.
05:26This is the highlight of the product of the film.
05:32The image was in the middle of the film.
05:38It's more than the time, so the woman is going to go to the house, and then the work is done, and then the work is done, and then how to act, and then how to act, and then how to act.
05:54This is the time that we can start from here and start from here.
05:57We are where we are from here and where we can go.
06:01This is the moment that we can see in this moment.
06:04This is the one that we can see in the future.
06:09Fermier was the 17th century of the French Revolution.
06:14In the 17th century, the French Revolution was in Japan.
06:17In Japan, the French Revolution was in the era of the French Revolution.
06:21This is the first time of the world, in the 18th century, the history of the country was born.
06:31The picture was created in 1658, in the 18th century, in the 18th century, the Japanese was born in 1658.
06:47In the meantime, the first time of the Orlanda was the world of the world.
06:51There were many科学技術s that were advanced.
06:54But in the meantime, there were some kind of things that were made.
06:59The Fermer is a camera of school.
07:02It's a lens-like camera.
07:04It's a camera camera.
07:06It's a camera camera.
07:21It's a camera camera.
07:31I also created a camera of the school and made a picture of the camera of the school.
07:39This is how I can see this world.
07:45This is how I can see it.
07:48This is how I can see it in a moment.
07:52I can see it in a moment.
07:57ただ世界を絵画表現に映しとりたいと考えたそれまでの画家と違って
08:06そういう人たちは世界を一度頭の中で捉えてそれを絵画に落とし込んでいるわけですね。
08:13でもフェルメールはそうじゃなくてレンズやカメラオボスクーラーを使って転換して表現しようとしているわけですね。
08:21それは非常にサイエンティフィックなマインドなわけですね。
08:25It's like a master piece that's the character of the woman.
08:35It's like the one-stop button.
08:41It's a magic tool.
08:45It's more deep.
08:49私がフェルメールのこの絵の中で一番関心があるのはこの部分です。
09:00一番光を特徴的に描き出していると感じているからです。
09:07土門県写真美術館館長の佐藤ときひろさん。
09:14光の彫刻家と呼ばれる写真家です。
09:19It's been a long time for a long time, and it's been a long time for a long time.
09:29Camera of the Sura camera.
09:33It's been a long time for a long time.
09:39The camera of the Sura camera camera.
09:43It's like a film that's been made in the middle of the day.
09:50It's like a film that's been made in the middle of the day.
09:57I was like, I'm so impressed with that.
10:02フェルメールはカメラ・オブスクラからどんなインスピレーションを得ていたのでしょうかこちらは佐藤さんが自作した移動式カメラ・オブスクラ投影される風景を動きながら体感できるその名もディアカーメラ中に入っていただくとレンズが上についてまして鏡で反射します
10:32光がこのテーブルの上に映るようになってますだからあそこに紙を置いて絵を描こうと思えば描けるんですけどでは早速カメラ・オブスクラの世界を覗いてみましょうこれがカメラ・オブスクラで見る景色です
10:56よく見ると中心付近円の範囲内は焦点が当たってくっきりと見えそこから外側に行くにつれてぼけて見えるのがわかります
11:11突レンズを使ったカメラ・オブスクラの特徴です
11:17牛乳を注ぐ女にも同じ特徴が現れています
11:27真ん中付近の明確な輪郭と比べると手前の方がややぼけて描かれているのです
11:39さらにこのボケによる大きな特徴がもう一つ現れています
11:45特に反射したものとかそういう光がボケることによって滲むように映るんですね
11:55それがやっぱり美しいというか
11:57次はこのジャバらしきカメラでボケによる光の滲みをもっとはっきり見てみましょう
12:09このガラスに投影されるんです
12:13今は焦点が合ってる状態で多分見えてるんじゃないかなと思うんですけども
12:23焦点をずらしていくと
12:27ボケていきますよね
12:32ボケてって写っているものがはっきりしなくなって
12:35光っているところは丸くなって写っていきますね
12:39カゴが光っているところの表現が
12:49ふわんとこう滲んで光が写っているわけですね
12:52そのボケが美しいと思ったからこそこういうふうに描いてるんじゃないかなと
12:57それをそのように表現をしたっていうのがフェルメールなんだと思うんですね
13:04光の反射を天表で描くポアンティエと呼ばれる技法です
13:11フェルメールはカメラオブスクラのボケやにじみからこの描き方を編み出した
13:19それが佐藤さんの考えです
13:22なんか最近考えるのが今の時代のAIみたいな存在が
13:31当時カメラオブスクラの出現だったような気がするんです
13:35カメラオブスクラを使ったからといって
13:38絵の下手な人がうまく描けるかっていうとそうではないんですよね
13:43確かにカメラオブスクラの中にイメージが写ってるんですけど
13:49それをどこを線にするのかどこを面にするのかとか
13:54そういうことはやっぱり修練された人しか理解できないというか
13:59再現できないというか
14:07フェルメールがカメラオブスクラを活用し
14:10その卓越した描写力で描き上げたというこの絵
14:15カメラオブスクラの世界を熟知した佐藤さんだからこそ
14:20想像できることがあります
14:22女性がこの部屋にいてミルクを注いでるっていう形のもとに
14:31広がる存在感
14:34もしこれカメラオブスクラで写してモデルになっているとすれば
14:40すごく長時間じっとしていなければいけなかったと思うんですね
14:45それにやっぱりこの方は耐えられた人なんだと思うし
14:51その存在感がものすごく描かれてますよね
14:56デルフト風景とか真珠の耳飾りの女とか
15:02すごい有名な絵はありますけど
15:04その中で一番空間感が豊かなんじゃないですかね
15:09奥行きとかこのモデルさんの周りの空気感というか
15:14それがものすごく描かれてると思います
15:17他の絵に比べて
15:19牛乳を注ぐ女は正確な遠近法で描かれているといわれます
15:27この光景を見るフェルメールの目は
15:31当然一箇所に固定されて動きません
15:35ところが2011年この視点を動かしてみる試みが行われましたCGによる360度観賞システムあらゆる角度から牛乳を注ぐ女がいる部屋を見ることができますその開発に携わった人が次の解剖医
16:02360度観賞システムの開発チームでプロデューサーを務めた奥久保幸太さんです
16:13フェルメールがなぜこのアングルを設定したのか
16:18もしかしたら他にもいい視点があるのではないか
16:23そういうことを試しながらフェルメールの視点を追体験していく
16:27ということができるコンテンツを作りたいなというふうに考えて開発をいたしました
16:34おそらく私だったら
16:39ちょっとこんな感じで斜めの角度から見るかもしれないなというふうに思いました
16:49逆にそれを思った後にふとこのフェルメールの作品って思いっきり正面から
16:56この牛乳を注ぐ女と対峙しているという
16:59結構自分の感覚からすると不思議な構造をとっているんだなということをちょっと感じ取ったりしました
17:07この試みを通して気づいたことがあるといいます
17:12この上のバケツですね
17:16この部分のバケツが宙に浮いてしまっているんですけれども
17:21この光の入り方でこの影の角がつくバケツの位置というのが
17:28どうしても浮かさないと成立しないということが製作の過程で分かったんですが
17:35こういったところへの驚き
17:37あとはこの壺ですね
17:40この壺の角度だと牛乳垂れないよねということが分かって
17:46これは無理くり陸続けると牛乳を注いであげた直後
17:51その瞬間を捉えたシーンとも言えるんですが
17:56牛乳は垂れない角度というところ
18:00ここの部分は少し操作があったのかなというようなことが発見できたり
18:07というのも面白いポイントでした
18:10つまりフェルメールは目の前の光景をそのまま映し取ったわけではなかったということです
18:18そこに加えられたアレンジはどんな意味を持つのでしょうか
18:24正確に描きすぎるとかえってそれは正確すぎて見えて
18:32かえって真実から遠ざかってしまうわけですね
18:36むしろこれぐらいぼんやり雑に描いた方が
18:42よりナチュラルに見えるということを
18:45フェルメールはちゃんと分かっていたということですよね
18:48一見細密に描かれたように見える一つ一つのモチーフも
18:55拡大してみると意外にも筆目は荒いのです
19:01我々もよく風景を見て
19:05あの山がすごいなと思って
19:10スマホで写真を撮ると
19:12その山ってすごい遠くにちょろんとしか見えないような感じにしか撮れないことがありますよね
19:19つまり人間の視覚っていうのは見ているものを
19:23非常に大きく強調して見ているわけです
19:27それと同じような効果がフェルメールの絵の中にはあって
19:32だからこそこの壺が注ぎ続かれている角度ではない角度で描かれているところに
19:41我々は無意識ながらそのことを感じて
19:45動的なこの女性の動作をこの絵の中に感じ取ることができるんじゃないかなと思うんですね
19:53つまりあらゆるものが正確に描かれているリアリズムではなくて
19:58人間のナチュラルな視覚に寄り添った
20:01そういう意味の自然さっていうものがあると思います
20:05見たままの世界に人間のナチュラルな視覚を加える
20:14フェルメールはただ正確に写すのではなく
20:18実は絵の中に独自の仕掛けを施していたようです
20:23それを同じ絵描きの目から見抜いた人が
20:27次の解剖医
20:28はい、絵描きの私から見るとね
20:39この絵の一番興味深いところはここですね
20:43何にも描いてないようなところ
20:45実はここにね、深い意味があるように見えます
20:49水彩画家柴崎春道さん
20:55動画配信でも人気を集め
20:58去年、クレヨンで牛乳を注ぐ女の模写に挑戦しました
21:02これがその時の映像です
21:06このフェルメールさんはバロック絵画という描き方ですね
21:11バロック絵画っていうのは劇的な表現
21:15豊かな色彩
21:17豊かな色彩ですね
21:19もう黄色とブルーの補色大衣ですからね
21:23描いてみて改めて思ったんですけども
21:31彼のこの描かない絵の少さですね
21:35非常にそういう意味では得意なね
21:38彼の絵だということを描いて発見できましたよね
21:41特に顔とかですね
21:43こんなクレヨンって太いですので
21:45この細かいと描くのは本当に至難な技だったんですけども
21:48描いてみるとね、本当にフェルメールが抑制的にこの顔を描いている
21:53まなざしもね、本当に下を見てね
21:57静かに、慈愛に満ちたね、そういう非常に美しいお顔にね
22:01描き込んではいないんだけども
22:03美しいお顔と描いているんだなとね
22:06腕は太くて、上流階級の女性のですね、細い腕とかですね
22:11美しい衣装とかね、そういうものとは掛け払った絵なんですよね
22:16つまり、もっと人間の根源的な生きる力強さ、生命感
22:22そういうものをですね、この太い腕とかですね
22:25そういう動作とかね、そういうものに表現されているんですね、これはね
22:30彼のこの描き込み具合を見ると、非常に描写力もあるんでしょうから
22:38この描写力がある力を、ここに逆に抑制して
22:43それを使わないというね、非常に強い意志があったんだと思います
22:47この女性のお顔も、あまり個人を特定していない
22:51だから感じてもらえる
22:53その感じてもらえる部分が非常に多い絵なので
22:56日本人にもね、非常にこう、心に響く絵としてあるんだと思いますね
23:02さらに、柴崎さんは、模写する中であることに気づきます
23:09ここにね、釘とかね、釘穴があるんですよ、またよく見ると
23:15しかし、その釘に本来掛けられているはずの生活用品は描かれていません
23:232022年、意外な発見がありました
23:29アムステルダム国立美術館の研究チームが、赤外線で死体を調べたところ
23:36後ろの壁に、当時の家庭用品、オランダ風の水差しと
23:42炭火を入れる保温用のカゴが描かれていました
23:47なんと、フェルメールは一度描いてから、あえて塗りつぶしていたのです
23:54本来、仕事部屋なのに何もないということは、本来変なんですよね
24:02だから、彼は最初に仕事部屋だから、この水差しとかですね
24:08これでも非常に少ないと思うけども、描いていたというのは、最初はそう思ったということが、部分になるかなということですね
24:17ただやっぱり、彼は描いてみたけども、いや、こんなものは、いらないんだということで、これを消去していった
24:24つまり、彼はここの白い空間に非常にこだわった、その白い空間の美しさというのをね、そこにもう一回帰着していったというのがね、その彼の美に対する感覚、だからせっかく描いたのに、それを消していったという、その作業と、彼の決断というのがね、彼の美意識の中に強くあるんだと思います。
24:46試しに、当時背景に描かれることの多かった地図を、フェルメールの別の作品から移植してみましょう。
24:59この人体の動きとかですね、そういうものが一切殺されてしまって、生命みたいなのを感じられない絵ですよね。
25:10余計なものを省き、描かない。
25:13こうした引き算による絵作りは、とても先進的なものだったといいます。
25:21彼はこれ以降に生まれているさまざまな作家のね、ちょっと比べもならない、特にこの絵は、数台進んでいる絵だと思います。
25:32ほんでね、見てもらったらわかると思うんだけど、この絵の主役ってメイドやねん。
25:43メイド、まあそりゃそうやろ、主役やろそりゃ。
25:45そう、これメイドが主役なんやけど、なんでフェルメールはメイド主役の絵を描いたと思う?
25:50何しろ、メイドが好きやからやろ、それ。
25:52メイドが好きやからとかではないねん。
25:55何それ、それはフェルメールに聞いてそう、俺に聞かれてます、それは。
25:58まあまあ、実はね、この頃、普通の家庭の日常を描いた絵を欲しがる人がめっちゃ多かったんよ。
26:04何ですよ、普通の日常って。
26:06そう。
26:07どういうこと、何を歯磨きしてるとことか?
26:09まあ、それは日常すぎるけど、こういう普通の日常の絵を描いたことを風俗画って言うねん。
26:15おお、大丈夫か?
26:17それは大丈夫です。それは大丈夫です。全然大丈夫です。
26:19NHKやぞ。
26:20全然大丈夫です、それは。あなたがアホすぎて考えすぎてるだけです。
26:24あ、ほんまですか?
26:24はい、全然大丈夫。で、こういうね、庶民の暮らしとか生活とかを描いたい絵は、それまで全然なかった。
26:30まあ、それはそれは描こうとも思わへんよ、そんなん。
26:34風俗画の第一人者だったヨハネス・フェルメール。
26:381632年にオランダの港町、デルフトで生まれ育ち、43歳ごろに亡くなりました。
26:50レンブラントやカラバッチョと並ぶバロック絵画の巨匠ですが、死後200年余りは忘れ去られていました。
26:5819世紀にようやく再評価が始まり、今では世界で最も有名な画家の一人となりました。
27:08現存する37点すべてが傑作だといわれています。
27:16その中で食べ物が描かれているのはわずか2点。
27:24食の表現からこの絵の魅力を解き明かすのが次の解剖医。
27:29ミルクが下に落ちるのがらせん状に描かれていて耳をすますとポタポタポタとミルクが流れ落ちる音が聞こえてくるような気がするからです。
27:51さまざまな美術展を企画するキュレーターの林彩乃さん。
27:58フェルメールゆかりのオランダの町々を歩いて、彼が生きた時代の食や生活の手がかりを集め、フェルメールの食卓を執筆。
28:10暮らしの目線からこの絵の持つリアリティを解剖します。
28:16ちょっと割れたガラスが割れてますけれども、そこから冷たい風が吹いてくるわけですよね。
28:25張り詰めた、冬ならではのキーンと張り詰めた空気。
28:30そういうところにこの女性が佇んでいて、よく見るとちょっと手があからんでいて、
28:36水仕事をして冬の寒い中に手があからんでいるのかなとか思ったりすると、
28:42私たち自分が手が赤くなったのを見たことあるわけですよね。
28:47それを思い出させるような描き方なんですよね、フェルメールって。
28:52それは何かを再現して、あのまんまだと思うよりは、断片が断片に触れて、
28:59ああ、あの漢字知ってるっていうことを思い出す。
29:03数々の画家たちの食の表現を研究してきた林さん。
29:11フェルメールのパンへの眼差しに、他の画家にはない魅力を見出します。
29:18たとえパンであっても、こうやって光を当てて描くんだっていうのが一つの驚きですよね。
29:25そこに落ちている紙くず一つにも、等しく光が当たっているんですよ。
29:32そこがやっぱりフェルメールのすごいところだなと思うんですけれども、
29:36ですからそのモチーフを選んで特別に描くというよりは、
29:41もう本当に神様のように平等というかね、
29:45そこに何か感動してしまうところがありますね。
29:49林さんは、この女性がこれから作ろうとしているのは、
29:56パンプディングと呼ばれる料理ではないかと推理しました。
30:02手前のバスケットには丸いままのパンがボンと乗ってますよね。
30:07その脇にはいろんな形のパンが乗ってます。
30:12やっぱりこれを見ると、ちぎって全部食べなかったパンとか、
30:16そういうものがここにゴワッと乗っているんだなということが分かりますよね。
30:21ですからパンプディングを再現するのにヒントになったのは、
30:25やっぱりその食べかけのパン。
30:28それが乾いて固くなっている。
30:31ですから牛乳に浸して柔らかくする。
30:34そういう料理をしようとしているということは、
30:36絵から読み解けますよね。
30:38フェルメールの時代のレシピ書としては、
30:41賢い料理人という本がありまして、
30:44それが1667年に出版されていて、
30:47どういう食材がどういうふうに使われているかというものを見て、
30:51こういうレシピでそんなに違わないんじゃないかなという、
30:56ある種想像力を巡らして再現をしました。
31:01これが調査と想像を重ね、
31:04林さんがたどり着いたパンプディング。
31:07うん、おいしそう。
31:08林さん、実際に作ってみて気づいたことがあるといいます。
31:13ピッチャーを持って牛乳を注いでいる。
31:17牛乳が螺旋状に下に落ちている。
31:21他の画家が描いた似たようなモチーフの場合はね、
31:26もう滝のようにシュッて牛乳が落ちているところを、
31:30フェルメールは螺旋状にとぼとぼと牛乳が落ちるような描き方をしている。
31:36私、実際これやってみたことあるんですね。
31:39固くなったパンをボウルの中に入れて、
31:43牛乳を注ぎ込むというのをやってみたんですけど、
31:47意外と牛乳はザーッと落ちるので、
31:52パンに飛び跳ねるんですよ。
31:55なので、ゆっくり入れないと、
31:59うまく、静かに、行き渡らない、
32:02ビシャビシャ跳ねてしまうというのがあるんですよ。
32:05そういう意味では、慎重に牛乳を注いでいる感じとかっていうのも、
32:11人間の所作として、
32:14跳ねないようにしたいという思いが、
32:16ちゃんと乗っかっているわけですよ。
32:18その辺がやっぱりリアリティとして、
32:22この絵が非常に実際の暮らしの手触りとともに伝わってくるという、
32:29そういう描き方なんじゃないかなと思いますね。
32:31このエプロンの青い色、すごい綺麗だと思います。
32:37確かにね、何やこの濃さは。
32:40新品のデニムぐらいの色やね、これ。
32:42まあまあ確かにね。
32:43フェルメールの絵っていうのは、
32:45このフェルメールブルーって言われるぐらい、
32:47青い色が有名なの。
32:49フェルメールブルー。
32:50フェルメールブルーです。
32:51めっちゃかっこいい名前やん。
32:52そう。
32:53フェルメールの時代は、
32:54こんなに綺麗な青色を描くのがすごく難しかったんよ。
32:58ああ、そう。
32:58だから唯一あったんが、
32:59このラピスラズリっていう、
33:01青い宝石を砕いて作った絵の具。
33:04ラピスラズリ。
33:05ラピスラズリ。
33:07宝石の名前、それは。
33:09恐竜じゃなくて?
33:09恐竜じゃないです。
33:10なんで恐竜やと思うね、この流れで。
33:12あとね、黄色の絵の具も面白くてね。
33:14うん、面白い。
33:15はい。
33:16ティーノの絵の具は、
33:17牛のおしっこから作られたっていうセットがある。
33:19何をしてる?汚いな、それ。
33:23フェルメールブルー。
33:26この青い絵の具の成分は、
33:28ラピスラズリという名の鉱物です。
33:31当時は大変貴重なものでした。
33:36いかに鮮やかな青を、
33:38絵の中に表現するかっていうのは、
33:43長い長い絵画史の歴史があって、
33:49海の色も青いし、
33:51空の色も青いけれども、
33:53水をすくってきても、
33:55空気を集めてきても、
33:57そこには青はないわけですね。
33:59つまり、自然界の青っていうのは、
34:02現象として青いだけで、
34:04青い色素が散らばってるわけじゃない。
34:06つまり、絵を描くための材料としての青っていうのは、
34:10なかなかなかったわけですね。
34:11その中で、フェルメールはラピスラズリというですね、
34:17アフガニスタンでしか獲れない鉱物を取り寄せて、
34:2117世紀のオランダは、
34:23文化の交差点でもあったし、
34:26芸術の交差点でもあったし、
34:27貿易の交差点でもあったんで、
34:30アジアやインドの文物が入ってきてたわけですよね。
34:35貿易で栄えたオランダ。
34:37フェルメールは希少なラピスラズリを入手し、
34:42彼の代名詞となるウルトラマリンブルーの色を作り出しました。
34:47なんと、現代の日本でその作業に挑戦した小学生が、
34:52次の解剖位。
34:53僕の好きなところは青いスカートです。
35:05ラピスラズリという宝石が付きているので、
35:08豪華なので好きです。
35:09小学2年生の斉藤壮馬さん。
35:17去年、夏の自由研究で、
35:19フェルメールが使った絵の具の製造方法を調べ、
35:23実際に絵の具を作り、
35:25真珠の耳飾りの少女を描きました。
35:28こんな貴重なものを絵の具に使うとは思っていなかったから、
35:36びっくりしたし、面白いから、
35:41描いてみたいと思ったんです。
35:44なんと、ラピスラズリが15gで、
35:483万3千円でびっくりしました。
35:52もったいないと思います。
35:54絵を描くだけにこんなこと。
35:58絵の具が鮮やかだと思います。
36:03フェルメールとほぼ同じ方法で絵の具を作った時のレポートを見せてもらいました。
36:09サダレース100gを買ったので、
36:13いらない部分の石と青い石とで分けました。
36:20ハンマーで叩き、乳鉢でさらに細かく砕きます。
36:24粉状になったら、水を注ぎ、粒子の重い顔料を分離させます。
36:321日置くとこんなに変わります。
36:36このまま置いて、自然乾燥させます。
36:42乳鉢でさらに細かくし、
36:45煮皮を加えて練ったら完成。
36:47さらに斉藤さんは、乳鉢でどれだけ細かい粉にできるかで、
37:02色の出方が変わることを発見したそうです。
37:05こんなに強くやらなかったのが荒いので、
37:11普通にやったのが中間です。
37:14真面目にやったのが細かいので、
37:18しっかりやらなきゃダメだね。
37:23多分1年に1枚しか描けないと思う。
37:26高価で希少なラピスラズリ。
37:32だからこそ、聖母マリアや高貴な人物など、
37:36聖なる存在に使われることがほとんどでした。
37:39でもフェルメールは、その青を牛乳を注ぐ女のエプロンという風な、
37:47日常の中に青を使うことができるようになったということで、
37:53青をある意味で民主化したわけですよね。
37:58それは素晴らしいことだったと思います。
38:03聖から族へ。
38:05フェルメールが民主化し、
38:06用途が広がったウルトラマリンブルー。
38:09その美しさは、現代にどう受け継がれているのでしょうか。
38:16こんにちは。
38:17こんにちは。初めまして。
38:22斉藤さんが訪れたのは、絵の具を製造する工場です。
38:29絵の具職人、沢井達郎さんに、
38:32現代の絵の具作りを見学させてもらいます。
38:36今日はウルトラマリン。
38:38ちょっとね、天然のものとかではないんですけど、
38:42使う顔料がこちらですね。
38:45フェルメールの時代、
38:47ラピスラズリは金よりも高価だったと言われます。
38:52現在では、より安価で色が安定しやすい、
38:56合成顔料が使われています。
38:58ここまで粉々になるのは、
39:01自分の身で全然できそうだと思います。
39:05さらに、絵の具の質感を調整するための
39:09様々な材料を、手作業で混ぜ合わせます。
39:12大体こんなに使うとは思えませんでした。
39:25今入れているものは何ですか?
39:27これが白ですね。
39:29ウルトラマリンの持っている青色は、
39:31もうちょっとはっきり、
39:33とはいえ、不透明にならない程度に見せるっていうことです。
39:37もっと白を混ぜたら、
39:39ちゃんと明るい青っていうのが出てくるんですけど、
39:43そうすると、ウルトラマリンの透明感っていうのを
39:47損なうんですね。
39:48そこを調整して。
39:53それはどのくらいの時間やるんですか?
39:57これは、おそらく今日、
39:59ほぼ1日かけますか。
40:01ほぼ1日なんですね。
40:04そこまでかかるとは、
40:05ちょっと思いませんでした。
40:07こんなに早く笑うなら、
40:08そんなにやらなくても平気なのかと思ってました。
40:14機械化が進んだ現代でも、
40:17ウルトラマリンブルーの深みと透明感を守るため、
40:21手間と工夫が重ねられています。
40:27斉藤さんの研究ファイルを、
40:29福岡委員長にも見てもらいました。
40:34ラプスラズリの青が、
40:35非常に美しい青であるけれども、
40:41伸ばしたり薄めたりすることができない青だった。
40:46これはフェルメール自身が感じたことだと思うんですね。
40:51鉱物なので水には溶けないわけですね。
40:55水の中では沈んでしまうわけです。
40:58それがフェルメールの時代のラプスラズリの限界だったわけですね。
41:03そういったことを相馬君は全部体験しているわけなんで、
41:08この研究というのは歴史の流れを見事に再現しているなというふうに思います。
41:16フェルメールはなぜそこまでラプスラズリにこだわったのか。
41:24最後に福岡委員長に聞きました。
41:27私は生物学者として、青がなぜ美しく見えるかということについて、
41:36一つの仮説を持っています。
41:38それは、青が生命にとって非常に重要な色だったから、
41:47青を美しく見えるし、青を求める気持ちが、
41:52いまだに人間の心の中に残っているというのも、
41:58一番この地球上に最初に生命が現れたのは、
42:03海の中に小さな細胞たちが生まれた今から38億年くらい前のことだったわけです。
42:12海の中では、太陽の光は青く見えるわけです。
42:18ですから、生命が一番最初に見た光は青い色だったわけですね。
42:23その青い方に行けば生き延びることができる。
42:27つまり、生命にとっての美しさというのは、
42:32生きるために必要なものが美しく見えて、
42:35その美しいものを求めることによって生き延びることができるというのが基本になっている。
42:41そうすると、青というものをできるだけ美しいものとして表現したいという気持ちが、
42:49芸術家の中にもあるというふうに思います。
42:53フェルメールの青は生命の色。
42:59それを照らす柔らかな光と日常の一瞬。
43:05生きた時間が見えてきませんか?
43:08フェルメールの牛乳を注ぐ女、どうでしたか?
43:20いや、すごいですね。
43:21やっぱり光の加減とかもそうですし、
43:23このフェルメールブルーとかね、
43:25フェルメールブルー。
43:25ションベンイエローとか。
43:26ションベンイエローじゃないです。
43:28え、ションベンイエロー。
43:28そんな名前つかないです。
43:30やめてください。
43:31ミルクホワイトとかね。
43:32ミルクホワイトは何やそれは。
43:33ミルクホワイトとか言わないです。
43:35あ、多いですか?
43:36違う、今そういう名前はついてる。
43:37フェルメールブルーだけです。
43:38あ、フェルメールブルーだけ。
43:39はい。
43:40でもそれいろいろね、
43:41自分で考えてこうやってるという。
43:43全部自分で編み出してるっていうのがいいですね。
43:45すごかった。
43:45うん。
43:46まあでもこういう絵ね、
43:47すごいちっちゃいサイズらしいから。
43:48今度盗みに行ってみたら。
43:50いや盗んだあかんやろ。
43:51萌えはどうもありがとうございました。
43:56解剖マスターピース
43:57解剖マスターピース
44:03幸福寺のアシュラゾウ
44:05他の仏像と違って
44:07それこそアイドルですよ。
44:09幸福寺のアシュラゾウを
44:12徹底解剖します。
44:1714日はワースポー MLBスペシャル
44:19大谷翔平
44:223年連続4回目のMVPなるか
44:25発表の瞬間を
44:27BSで生中継
44:29弾丸空港トンボ帰りツアー
44:34滑走路が歩行者天国に
44:37何が飛び出すか分からない弾丸旅
44:41BS14日金曜夜8時
44:44決戦アフター本能寺
44:48天下を握るのは秀吉か光秀か
44:51戦国の激闘に迫るBS歴史スペシャル
44:5515日夜9時から
44:57決戦じゃ
44:59ご視聴ありがとうございました。
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