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  • 2 日前
Japanese folk tales
トランスクリプション
00:00昔々、今の千葉県は、長良というところに、そりゃあ、木立の家へ娘がおったそうな。
00:23働き者のこの娘は、村の人たちから、くらよくらよと可愛がられて、大層な人気者じゃった。
00:38ところが、蔵が十六七になった頃、おとっちゃんとお母さんが、半年ぐらいのうちに二人とも死んでしもうたんじゃ。
00:48ずいぶんと悲しかったろう。それでも、くらはじきに畑に出て、せっせと働かにゃならなかった。
01:01たった一人で、朝から晩まで働きづくめのくらを、村の者や親類の者は、えれえ心配して、しょうやさまのところへ頼みに行った。
01:12しょうやさま、このままじゃ、くらがかわいそうですだ。
01:17なんとか、ええ、もこを世話してやってくだせえ。
01:21うーん、わしもそう思ったところよ。
01:24そして、次の年、隣の村から、そりゃあ、えいえ、もこを世話してくれた。
01:35おかげで、悲しい気持ちも晴れたくらは、夫婦、力を合わせて、なお一層働き出したと。
01:44そのうちに、二人の間に可愛い男の子が生まれて、村の者も大層喜んだ。
01:54ふぅー
01:56ふぅー
01:58ふぅー
02:02あんた、この子のためにもしっかり働かにゃあな。
02:11ふぅー
02:14ところが、間の悪い時には、しょうのねえもんでな。
02:21ふぅー
02:24ふぅー
02:26せっかく、お腹を暮らしておった向こうが、ぶっ、くぅー
02:31死んで死ぬうたんじゃ。
02:34これには、さすがのくらもがっくりして、同分は仕事も手につかんかった。
02:39あんた
02:43私はどうすりゃいいのさ また一人になって絞って
03:00クラーは赤ん坊のためにも悲しんでばかりはいられねぇと 気を取り直しまたせっせと働き出した
03:09畑の仕事も田んぼの仕事もうちのことも何点関連一人で頑張った
03:27ああよしよし泣かんでおくれ 母ちゃんは夜までにこの巻きわらにはなんねえだからな
03:37辛抱しておくれ やがって
03:43百姓仕事の中でも一番忙しいた上の時がやってきた
03:47この雨の中連れて行くのはかわいそうだけどな
03:53お前一人家置いとくわけにはいかんし
03:57他の家じゃもう田植えが進んでおったから
04:05クラーは背中の子をあやしながら田植えを始めにゃならんかった
04:09かわかった
04:27ご視聴ありがとうございました
04:57あれもうツバメが飛んできちまった
05:11急がんにゃ
05:13わかったわかったそんなにせかさんでおくれ
05:19もうじき終わらせるけ
05:21クラーはおくれを取り戻そうとせっせと田植えに励んだ
05:27クラーよ
05:39へえ
05:41おめえデーブー疲れてるようじゃねえか
05:45オラフはどうに田植えがすんじまったで手伝ってやっから
05:48いずでも遠慮せんで行ってくれや
05:51はいはいどうもご親切に
05:55でももうひと息ですけ
05:58だと思う赤ん坊しょって一日中田植えじゃ体が持たんぞ
06:03なーに大丈夫ですだ
06:05心配かけてすいません
06:08まあ村の門も自分の家の仕事で手がいっぱいだから
06:13クラーも遠慮して頼みづらかったらな
06:17はいはい腹が減ったかい
06:35もうじき父のマセルで我慢しておくれ
06:38ほいほいほいほいはいはいはい
06:42さあやっと田植えが済んだぞお待ちどうさん
06:47はよ大きくなるだぞ
07:02お前が父ちゃんの分まで働いてくれるの楽しみに
07:08母ちゃん一生懸命働くからな
07:12カーンと飲んでよく眠って早よ大きくなっておくれよ
07:18そして熱い熱い田の草取りの時期がやってきた
07:35田の草取りというのはな
07:38そりゃもう比べ物の年ほどつるい仕事だ
07:44何しろ一日中田んぼの中這いずり回って
07:48土をひっかく仕事だもんな
07:50お前重くなったな
07:59これじゃ背負って田の草取るのは難儀でたまんね
08:04明日からはあぜ道で待っとるだで
08:09そうすりゃ仕事がはかどるでな
08:11ようやく一番草も終わり二番草を取り始めた
08:18ある日の夕方
08:21その日も倉は赤ん坊をあぜ道に寝かせ
08:26ぐずると父を飲ませ飲ませして
08:30田の草取りを続けておった
08:32それもうちょっとの辛抱だ
08:36おとなしく待ってておくれ
08:38赤ん坊は紀元夜をぐっすりと眠っておった
08:43安心した蔵は
08:46土豚の中に膝まで浸かりながら
08:49田の草取りに精を出した
08:51きっとその時
08:52赤ん坊が急に騒がした
08:59ケーセー
09:05ケーセー
09:09ケーセケーセケーセしてくれ
09:12クラックケーセー
09:15クラックケーセカーケーセ
09:25クラックケーセ
09:37クラッコケーセー
09:41クラッコケーセー
09:44クラッコケーセー
09:46シキリシキリシキリシキリシキリ
09:50クラはとうに見えなくなった大足をどこまでもどこまでも泣きながら追い続けた
09:57しめにゃあ片っぽの足の桃引きがちぎれて白い足が出ちまったが
10:03それでもクラッコケーセークラッコケーセーと叫び続けた
10:07そして
10:09とーとー
10:11クラは鳥になってしもうたんじゃ
10:14だから今でもほら
10:16文字よりちーっと大きい片っぽの足が白くて片っぽの足の黒いクラッコ鳥が
10:25カズサの山々をクラッコー
10:29クラッコー
10:33とー
10:35カズに歩いてるじゃねーか
10:37とー
10:39とー
10:41とー
10:43とー
10:45とー

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