プレイヤーにスキップメインコンテンツにスキップ
  • 3 か月前

カテゴリ

🗞
ニュース
トランスクリプション
00:00女性の社会進出が進み、働く女性が増える中、心や体の不調に苦しむ人が増えています。
00:30月経や妊娠、出産、高年期など、女性特有の健康課題のために、職場で何かを諦めなくてはいけないと感じた人は、およそ4割。
00:47高年期症状が原因で仕事を辞めざるを得なかった人は、3年間で46万人。
00:54女性特有の心身の不調による経済的な損失は、1年でおよそ3.4兆円に及ぶと言われています。
01:08女性の活躍が歌われている中で、今何が起きているのか。
01:15見えてきたのは、つらくても声を上げられない女性たちの姿です。
01:20女性だったら誰でも通る道というふうに思ってしまっているので、特に職場に求めるのはちょっと気が引ける。
01:34目に見えないので、自分が申告しないと絶対伝わらないんですけど、周りとかご上司とか家族とかも、何それみたいな、きっとそういうのがない人はそういうふうに思うので。
01:47見過ごされてきた女性の心身の不調と孤立。
01:55この問題に、医療は何ができるのか。
02:00企業はどう向き合っていけるのか。
02:04専門家を交えて考えます。
02:06こんにちは、三宅民雄です。
02:15私は娘さんにいまして、女性の方が生理などでかなりつらいということは知っていたつもりなんですけど、
02:23こんなに深刻で切実というのは知りませんでした。
02:28今日、このフォーラムに応募してくださった皆さんからもたくさんの声をいただいていまして、
02:35ちょっとその中からご紹介しようと思うんですけど、
02:38150人余りの方が答えてくださって、字がちっちゃいかもしれませんが、
02:43例えば30代の方ですが、
02:46毎月の生理の期間は何かしら不調が出る。
02:50しかし、休めないので余計にストレス。
02:5550代の方です。
02:56突然の発汗で汗がだらだら出て、人生がつらいと感じる。
03:02着たい服を着られないし、仕事も生活にもマイナスになっているというような声なんですね。
03:09こういう不調、つらさを訴える声にどう答えていけばいいのか。
03:14今日は専門家のお医者さんも交えて考えていこうと思います。
03:18よろしくどうぞお願いいたします。
03:21ご紹介して、私のお隣はジャーナリストの浜田恵子さんです。
03:29女性の生き方や働く職場の問題などを中心に取材していらっしゃいました。
03:34こういう女性の声、どう思われますか。
03:37私自身もずっと働いてきた中で、
03:40やはり圧倒的に男性が多い職場の時代が長かったんですね。
03:44生理痛が割とひどい時期がありまして、
03:48でも男性の上司に、生理休暇もあったし、
03:51使おうと思えば使いたいんですけど、
03:53男性の上司に生理休暇を使いたいと言えないんですよね。
03:57自分の生理がいつかって分かられるのが嫌なので、
04:00そうするとつらい時には黙って、
04:03女子休憩室というのが当時会社にあったので、
04:05何も言わずに2時間だけ寝に行くというのをよくやっていたりとか、
04:09言ってしまうと、仕事を外されるんじゃないかというようなこともあった。
04:13例えば重要な仕事を任されなくなるんじゃないかということもあったりしました。
04:17そしてお隣は、こうした女性特有の心身の不調に取り組んでいらっしゃるお医者さんです。
04:24小宮博美さん、国立生育医療研究センターに誕生した
04:29女性の健康総合センターのセンター長でいらっしゃいます。
04:34小宮さんは診療しながら、この現実どういうふうに感じていらっしゃいますか。
04:38生理のこともそうですし、高年期障害、やっぱりそれだけでなくてですね、
04:44おそらく今出てこなかったような痛みだったりとか、
04:48倦怠感だったり、肩こりだったり、
04:50いろんなものが多分持っていらっしゃる方が大勢いらっしゃると思うんです。
04:54なので、本当に今の状態、今の時代、まだまだ我慢するのが当たり前だと思っていらっしゃる
05:03女性の方が多くいらっしゃると思うんですけれど、
05:05やはりですね、やっぱりそれではこれから女性活躍と言われているのにもかかわらず、
05:11女性活躍できないのではないか。
05:13なので、やはり女性の健康という意味でですね、
05:15そういうものを進めていくということが大事だと思っています。
05:18お隣は、医療ビッグデータを活用して患者に最適な治療を提供しようという取り組みをしていらっしゃる医師、
05:26安永秀夫さんです。
05:28データを扱う安永さんはこの問題どういうふうに考えていらっしゃいますか。
05:33なかなか必要な治療にですね、リーチできていないという方々が多いんじゃないかと。
05:39そういった方のですね、いわば声なき声というかですね、
05:44データ化されない現実があるというのもよく分かりましたし、
05:49そういった方の声を拾い上げてですね、
05:53データ化して分析するというようなシステム作りなんかも必要になるんじゃないかというふうに思ったところです。
06:00NHKの藍沢裕子解説委員です。
06:06政治をめぐる動きやジェンダーについて取材をしている藍沢さんは、
06:103人の子どもの母親でもあります。
06:14藍沢さんどう聞きました?
06:16VTRにもありましたけど、経済的損失がこれだけあるって分かっているんだったら、
06:22そこの経済的損失を埋めるためにいろんなことをすれば、
06:26もっとみんなが働きやすくて、もっといい社会になるんじゃないかというふうな、
06:30に思いますので、そういう方向に進んでいけばいいなというふうに思います。
06:36女性の心身の不調、生きづらさ、どんな声があるのか、じっくり聞いていこうと思います。
06:47女性の体の不調に伴う生きづらさ、その声を聞きました。
06:53我慢できないのはやっぱり出血が多い。
06:57これはちょっと耐えるのがなかなか難しいですね。
07:02今日ちょっとお腹痛いんだよねとか、生理なんだよねっていうのは、
07:05女の人には言えるけど、
07:09結構男の人はそういうのに無頓着の人が多いので、
07:13そんな休みますとか言っていられないから、
07:16そういう時は椅子に浅めに座ったりとか、
07:22何かあっても大丈夫なり、ちょっと濃い色の服を着ていくとかね。
07:26そっちの方がなんかストレスですね。
07:29私たちのお仕事の場合って、番組持ってるじゃないですか。
07:34そうしたらもう絶対休めないし、
07:36本番を迎える時に生理になったとしても、
07:39生理痛があろうがなかろうが、やっぱりやらなくちゃいけないかも。
07:43とにかくやり遂げる。
07:45もう気力のみで生きてきたみたいな感じ。
07:49それこそよく乗り切ったなって。
07:52本当は体を休めなきゃいけない時に、
07:55仕事の都合で無理をせざるを得ない状況ですよね、日本の場合は。
08:02突然襲ってくる高年期症状に悩まされた女性もいます。
08:09ホットフラッシュという、かーっていきなり熱くなって、
08:13発熱だーっていう感じで、
08:15でもしばらくすると戻っている。
08:17で、またわーってきて、
08:20体温を測ると違う。
08:22突然現れるっていうので、
08:25なんか私おかしいのかなって思いました。
08:28ホットフラッシュの後に、
08:30いつも胃がムカムカするっていうのが始まってしまいまして、
08:35介護施設に勤めていたので、
08:38ご利用者さんがいらっしゃるのに、
08:41自分が吐くわけにはいかないみたいな変なプレッシャーがありました。
08:46不安になって病院に行こうかなと思ったんですけれども、
08:51健康診断の結果はすごく健康で、
08:54それでちょっと困ってしまって、
08:58女性だったら誰でも通る道っていう風に、
09:01もう思ってしまっているので、
09:05なかなか言えないですし、
09:09特に職場に求めるのはちょっと気が引ける。
09:12自分の状態を周囲にきちんと伝えられず、
09:20苦しむ女性もいます。
09:21戦い前が一番しんどいです。
09:25本当に肺乱ぴったりなので、
09:28始まって、やっぱり2週間くらいかな。
09:32イライラしたりとか、
09:33メンタル落ち込んだりとか、
09:34そういう時期があるかなっていう。
09:372週間は辛いですね。
09:39やっぱりちょっと長いのかなとかと思って、
09:42よくあるのはやっぱり家族とか、
09:45ちょっと子供とかに当たってしまう時もあるし、
09:47あとはやっぱり仕事をしていても、
09:50なんとなく思考がまとまらないみたいな。
09:52画面見てても、
09:54なんかうまく視線がさらわらないというか、
09:57こう思考が散らかってしまうみたいなのが、
10:00やっぱり今、
10:01昨日とかもあったりして、
10:04本当に何してても涙が出るみたいな。
10:08やっぱり目に見えないので、
10:10自分が深刻しないと絶対伝わらないんですけど、
10:14なかなかやっぱり深刻しづらい話かなと思う。
10:17本人もいづらいし、
10:21多分周りとか、
10:23ご上司とか家族とかも、
10:25何それみたいな、
10:26きっとそういうのがない人は、
10:28そういうふうに思うので。
10:32乳がんと診断されたことがきっかけで、
10:35会社で苦しい立場に追い込まれた人もいます。
10:38最初は手術をするだけだと思ってたから、
10:45じゃあ頑張って気をつけて、
10:46戻ってきてねって優しく送り出してもらったのに、
10:53細胞検査の結果、
10:55もう一回手術しないといけない。
10:58それにプラスアルファ、
10:59抗がん剤治療もしなきゃいけない。
11:00っていうことが分かって、
11:02それを会社に告げた瞬間から、
11:05体力がガラッと変わった。
11:08業務に支障を起きさすんやったら、
11:09すぐ辞めてねって話になって、
11:12あっという間に、
11:13主任の話はなくなり、
11:17子会社の経費に移り、
11:193年頑張りました。
11:20それはやっぱりきつかったかな。
11:30辛いけれど言えないと言っても、
11:33周りの理解が得られないという。
11:37これは、藍澤さん、
11:39この気持ちも分かりますか?
11:42はい。
11:42VTRでおっしゃってた、
11:45気力のみでやってきたとか、
11:47申告しづらいとか、
11:48全て共感しかないなと思って、
11:50見ました。
11:52私も隠れて休んでました。
11:56今日はどこで休もうかな、
11:58みたいな感じで。
12:00声も上げようとも、
12:02思わなかったんですよね。
12:03だって言っても理解されないし、
12:06だから、
12:07本当に気づかれないように、
12:09フェイルアウトしてその時間。
12:11気づかれないように戻って、
12:12そういうのの繰り返しでしたね。
12:16そういう、
12:16辛いけど言えないような状況、
12:18どういう気持ちでいらっしゃるか、
12:20事前のアンケートからも、
12:22読み解けるように思います。
12:24例えばですね、
12:2540代の方です。
12:27貧血による疲れやすさで、
12:30仕事からの帰宅後は、
12:31ぐったりしてしまい、
12:32何もできない。
12:33他人に変わってもらうことは、
12:35期待していない。
12:3730代の方、
12:38生理に関して、
12:40重い人の辛さが分かってもらえない。
12:42変わってほしいことはたくさんあるが、
12:44それを期待していたら、
12:46いつになるか分からない。
12:47だから、
12:48結局、
12:49自分が犠牲になる。
12:50悔しい。
12:51本当に自分で抱え込んでいるという。
12:58そうですね。
13:01こういう状況って、
13:03これだけで何か体に良くないような気もするんですが、
13:07小宮さん、
13:08お医者さんとしてはどういうふうに。
13:10おっしゃるとおりで、
13:11本当にこうやって一人で抱え込んでしまうということ自体が、
13:17まずは本当に大変なことだなというふうに思います。
13:21私たちは医療者として、
13:24本当に医療につながるということが、
13:28本当に一人でも成立、
13:30あるいは高年期障害から、
13:31改善できるような、
13:36いわゆるそういうような医療を提供したいと思っているので、
13:39しかしながらやはり問題は、
13:42やっぱり指揮が、
13:43やっぱり婦人科に行くとかですね、
13:45女性クリニックに行くとかですね、
13:47そういうところの指揮が高いということと、
13:50職場環境などもやっぱりそういうところの理解、
13:53ご家族の理解というのもですね、
13:55まだまだ不十分なのかなというふうに思います。
13:58こうしたですね、
13:59女性たちの声に、
14:01医療も向き合い始めたということです。
14:05今日いらっしゃっている小宮さんの病院もその一つなんですけれど、
14:09なぜ女性たちに医療が注目し始めたのか、
14:14そしてどのように向き合うのか、
14:17ご覧いただこうと思います。
14:20東京都世田谷区にある国立生育医療研究センターです。
14:28ここに去年10月、
14:30女性の健康総合センターが開所しました。
14:33女性の健康や病気を専門的に扱い、
14:38研究や診療を行う日本初の組織です。
14:46センター長に就任した小宮博美さんです。
14:51精査を意識した医療が、
14:52女性にどのような効果をもたらすのか、
14:56ある研究データから明らかになったといいます。
15:01これがですね、なかなかインパクトが高くて、
15:03アメリカから出たものなんですけれど、
15:05生殖器官だけでなく、
15:06全ての健康疾病に精査が関与しているということで、
15:09私ちょっとお出ししたいんですけれど、
15:11心血管疾患での死亡数なんですよね。
15:151979年から2014年までのデータです。
15:18こちらは、心臓や血管などの循環器における
15:23疾患での死亡数を男女で比較したグラフです。
15:29青の線が男性、赤の線が女性です。
15:35アメリカでは、医療の進歩により、
15:371985年頃から男性の死亡数が減少。
15:42しかし、女性は同じようには下がらず、
15:46むしろ上昇してしまいましたが、
15:482000年頃から、男性と女性の違いに着目した
15:52研究や治療を推し進めたところ、
15:55女性の死亡数が急激に減少したのです。
16:01こうした事実を受け、
16:03世界各国で精査を意識した医療や研究が動き始めました。
16:10日本はですね、ちょっと遅れまして、
16:122020年の頃からですかね、
16:15精査も意識して進めていかなくちゃいけないな、
16:18というふうに思っています。
16:22精査を意識した診療を積極的に行うため、
16:26生育医療研究センターには、
16:28女性に特化した診療科も作られました。
16:31そこで去年の10月から治療を受けている水嶋京子さんです。
16:42学生の頃から激しい生理痛や目眩に悩まされてきました。
16:46辛くても治療を受けようと思ったことはなかったといいます。
17:01しかし、そうした意識が小宮医師の診療を受けて、
17:09大きく変わりました。
17:13小宮医師は、水嶋さんの辛そうな様子を見て、
17:17ある言葉をかけたといいます。
17:19水嶋さんは、小宮医師の話を聞き、
17:36自らの思い込みに気づかされたといいます。
17:39母も、私もひどかったから仕方ないわね、
17:43みたいな感じだったので、
17:45生理は病気じゃないっていう概念的なものも
17:49感じたりしていたので、
17:51生理っていうもので病院検察してもらうっていうことに
17:57結びつかなかった。
17:59やっぱりちょっと不審化って、
18:02敷居が高いじゃないですけど、
18:03男性の先生のクリニックもいっぱいありますし、
18:06生きにくいっていうのはありますよね。
18:09でも、いろいろ話を聞いてもらって、
18:12いろんな種類の本当に薬とか、
18:14いろんな種類の治療とか、
18:16体に合ったものを教えていただけるんだなっていう、
18:20もっと早くくれればよかったなと思いました。
18:24さらに小宮医師は、
18:25水嶋さんの話を丁寧に聞き取り、
18:29鉄分を補い貧血を抑える鉄剤や
18:32漢方薬などを処方しました。
18:36貧血っぽい感じだったりとか、
18:39疲れが長引かなかったりとか、
18:41朝、だるくて起きれないみたいなのが、
18:44結構去ってなくなったんですよね。
18:46ふらつきも減ったと感じました。
18:49細胞の中の一つ一つには、
18:53生殖体みんな違いますよね。
18:55XXとXYということで、
18:57生殖器だけではないということの、
18:59生殖体の精査というのも当たり前ですけど、
19:01ありますし、
19:02あとはエストロゲンとテストステロンという、
19:05女性ホルモンか男性ホルモンかの、
19:07異なり違いもありますしね、
19:09女性の健康ということに、
19:10あまり焦点を置いてなかったので、
19:12精査、医学、精査を意識して、
19:15女性の健康を進めていこうという流れが、
19:18できてきたというふうに思います。
19:22女性に特化した医療が、
19:24日本でもようやく動き始めたということなんですが、
19:27どう思われますか。
19:28なんか、もっとこんなのが早くできてほしかったなと思います。
19:33いろんなもので、きちんと精査を意識した、
19:36やっぱりその医療だったりとか、
19:38商品開発だったりとか、
19:39公共サービスみたいなものが、
19:41もっと広まらないと、
19:42女性がやっぱりなかなか自分たちの、
19:44望むような医療サービスだったりとかが、
19:47浸透していかないんじゃないかなというのは感じました。
19:50藍澤さん、婦人科ってあるじゃないですか、
19:52三婦人科とやっぱり違いますか、
19:54こういうところがあると。
19:56いや、違うんじゃないですかね。
19:58やっぱり婦人科、
19:59おっしゃってましたけど、
20:01敷居が高いっていうのは、
20:03なんとなく小さい頃から生き慣れていない、
20:06歯医者とかと違うので、
20:08生き慣れていないので、
20:10婦人科ってどういうときに行くのかな、
20:12今まで我慢してたこと、
20:15こんなのって別に病気でもないよなっていうふうに、
20:18親から言われたり、
20:19それは別に我慢すればいいじゃないっていうふうに、
20:21言われてたようなことでも、
20:23相談するところがあるんだよっていうふうになると、
20:27それ自分でも自覚して、
20:30生活するようになりますし、
20:32それはすごくありがたいことじゃないかなと思います。
20:36つまり、皆さん相当苦しい状況であって、
20:39これ話聞いてると何とかしなきゃならないんだけど、
20:41それは表にはなかなか出てこない状況がある。
20:46表に出てこないって、
20:49非常に今おっしゃいましたけれど、
20:51本当に女性はいろんな環境で忙しいとか、
20:56どうしても自分が後回しになってしまう。
20:58仕事が優先である。
21:00そういう責任感の強さみたいなのも、
21:02もしかしたらあるかもしれないです。
21:03ご自身が本当は体調悪いなと思いながらも、
21:07日々の生活に追われる。
21:09そうすると一番最後になる。
21:10そしてギリギリのところで医療につながろうとする。
21:14というのがやっぱり結構あるのではないかというふうに思ってまして。
21:18つまり我慢していることによって、
21:21苦しさに気づかなくなってくる。
21:22気づかなくて、はい。
21:23というのも、そういう状況もあるのではないかと。
21:28なぜ精査を意識した医療が求められているのか、
21:33小宮さん、それは女性の障害で考えると分かりやすいんですって。
21:38はい。
21:38女性のライフステージというのは、ご覧いただいたように、
21:42小児期、思春期、生成熟期、高年期、老年期というふうに分かれているかと思います。
21:47その中でこの赤いのが女性ホルモンのエストロゲンという、
21:51非常に卵巣から出るホルモンなんですけど、
21:53これが思春期からぐっと上がって、生成熟期に安定して、
21:57高年期に下がっていく、老年期に低下したままというような状態になって、
22:03これが非常に女性には非常に大きな影響を与えます。
22:10もう一つは、やはり男性ホルモンの話も、
22:13さっき言ったテストステロンという男性ホルモンがあるんですけれども、
22:17やはりかなり当たり前ですけど、
22:19全然女性ホルモン、エストロゲンとテストステロンというのは、
22:21全く違うことをします。
22:24なので、そういうところにこんなに大きな差があるのにもかかわらず、
22:28女性を男性と同じように語るというのは、
22:31まず無理があるということがある。
22:33認識していただければいいかなと思います。
22:35生理は病気じゃないと親に言われたという言葉がありましたが、
22:39こうやってみると、本当に女性って、
22:42生涯を通じてずっと体調と向き合って、
22:47いろんな状況があるということですね。
22:51今日も実は若い方が多くて、
22:56なかなかNHK関連のイベントで若い人が多いということがあんまりなくて、
23:00だから若い方々も非常にこの問題と向き合っていらっしゃるという。
23:07そういうことです。
23:08若い方こそといいますか、若い方もといったほうがいいと思うんですけれど、
23:13いわゆるライフステージを通じて、ライフサイクルを通じて、
23:18全ての生涯にわたって女性の健康を守っていくということが、
23:23推進していくということが重要です。
23:25そのためには、若い頃から女性の健康課題に向き合って、
23:30それに対処していくということ自体が、
23:34私自身はそれが高年期、健やかな高年期につながり、
23:38もしかしたら健やかな老年期につながるというふうに、
23:41実はそれぞれセパレートしているものではなくて、
23:43つながっているというふうに、女性の健康を考えていただくのが、
23:49私は一番いいのではないかと考えています。
23:52それにしても、精査を考えた研究とか治療が、
23:57これまで進んでこなかったのはどういうことですか。
24:00これはなかなか表に出にくいからということですか。
24:03それとも他にも理由がありますか。
24:05実は基礎研究って、動物を使ったりする実験とかって聞いたことあるかと思うんですね。
24:10例えば、マウスとかネズミとかですね、ラットみたいなものがありまして、
24:15そういう動物の実験も今まではですね、研究論文を見ていただくと、
24:20やっぱりどうしてもみんなオスなんですよね。
24:23オスの実験もオス。
24:24オスなんです。
24:25なぜオスかというと、オスはホルモンが一定しているからです。
24:28ところが、ネズミたちはですね、メスネズミはですね、
24:33この生周期がありまして、非常に4日とか5日とかですね、
24:38そういう周期で変わってくるんです。
24:40そうすると、データが取りにくいというようなことがありまして、
24:44どうもやっぱりメスのですね、動物たちは、
24:48その実験、基礎実験に細胞をなかなか入れてもらえないということで、
24:52やはりそういうようなことが積もりまして、
24:55やっぱり女性はですね、これまでは、いわゆる小さい男性じゃないですけど、
25:01小さい成人みたいな、いわゆる男性の在り方がそのまま医療に、
25:06女性医療にも適応されてきたということがありまして、
25:08それが当たり前だというふうに思われていた。
25:11なので、ライフコースとやっぱり精査というのをですね、
25:14意識した医療の提供というのが、今回新しく始まった女性の健康に求められているものだと考えています。
25:21皆さんからの講演の中には、こういうものもあります。
25:27例えばですね、30代の方なんですけど、
25:31かかりつけ病院や心当たりのある科の病院を受診しても、
25:35異常が見つからない。
25:37それでも具合の悪さや体調が安定しない。
25:42同じく30代の方です。
25:44生理が終わる頃に、ものすごい腹痛が来ることが何度かあるが、
25:49病院で検査しても異常なしとされ、解決方法が分かりません。
25:55前澤さんはこういう経験はあります。
25:58お医者さんにちょっと具合悪くて言っても、
26:01なんかよ別に特に悪くないよっていう結果になったというような。
26:04私はあるんです。
26:0630代の時に、時々目が、まぶたが腫れるんですよ。
26:12まぶたが腫れて、アレルギーかなと思って、
26:15アレルギーのお医者さんに行ったら、いや特に異常はない。
26:20で、じゃあ皮膚科に行って、
26:21で、結局どこに行っても異常はありませんっていう風になって、
26:26で、今10年経って、今思うと、すごく、なんていうんですか、
26:33仕事ですごいプレッシャーがかかって、
26:36自分がすごいストレスを感じてた時に、
26:38ああいう症状って出てたなって。
26:41これ、小宮さん、どう、医師としてはお答えになりますか。
26:45はい。
26:46そういう患者さんはですね、非常に結構少なくありません。
26:50こんなに自分は調子悪いのに、
26:52なんで、なんで、なんでもないのっていうのがですね、
26:55なんで検査に出ないのっていうのがですね、
26:57そういうのがやっぱり自分の中でものすごく、
27:00なんですかね、疑問と言いますか、
27:02それで対象療法される。
27:04すなわち、痛い時は痛み止めを出される。
27:06胃が痛いと言えば胃の薬を出されるみたいな、
27:09いや、そういうような治療で、
27:10それで良くなってくださる方はいいんですけれど、
27:13やはり往々にしてこういう女性の健康に関する課題っていうのは、
27:17それだけで済まないということがやっぱり多々ありまして、
27:21よく皆様方、バイオサイコソーシャルって聞いたことございますでしょうか。
27:25すなわちバイオっていうのは身体的な、生物的なっていう意味です。
27:29健康診断で分かるものは、すなわちバイオの部分だけです。
27:33ところが、女性の健康課題に関しましては、
27:36このサイコとソーシャルっていうのがですね、
27:38非常に重要な女性の健康に影響を与えるものとして考えていただいていいと思うんです。
27:44やはりその辺をですね、しっかりとやはりアンケートの声とかをですね、
27:50お伺いすると、そういうことも考えて考慮しながら、
27:55医療を提供しないとですね、良くなっていただけないのではないかっていうふうに思います。
27:59東北大学病院では、東洋医学や漢方薬を組み入れた治療に取り組んでいます。
28:178年前、下腹部の張りとひどい便秘に苦しんだ宮原舞さんです。
28:32仕事の疲れとかストレスとかで体重が減ってしまって、
28:39本当に張って動くのもつらくなって、
28:44しゃがむのもつらいぐらいの張りになって、
28:47プラス便秘であまりにひどく、ちょっと吐き気もしてくるぐらいのこう、
28:53便秘にもなったのがやっぱりつらかったですね。
28:59数ヶ月間は我慢したものの、限界を感じて病院で検査を受けました。
29:05しかし、心配した超閉塞などの病気ではないと診断され、
29:10下剤を飲むことになりました。
29:11ずっと下剤を飲み続ける生活はちょっと嫌でしたね。
29:19それでも良くならないし、また同じことを何回も何回も。
29:24先の見えない状況の中、東北大学病院の漢方内科を受診しました。
29:32漢方内科医の高山医師です。
29:35下剤を使ったときに、ちょっと無理がかかっちゃうんですよね。
29:42無理を出すような感じになるんですけども、
29:44ちょっとそこだけに治療をしていてもですね、
29:49なかなか全体の調子がうまく整わないということになるので、
29:53空回りするような感じの治療に、どうしてもなってしまうことがあります。
29:57そこで高山医師は、漢方薬を使い、
30:03宮原さんの体のバランスを立て直すことから始めました。
30:09最初に使ったのが、補充液糖という漢方薬をベースに、
30:15少し足したり引いたりしたものを使っています。
30:18お腹が張って、内臓がちょっと動かなくなるような、
30:21下に落ちるような症状がありましたので、
30:24補充液糖は、そういった下に落ちるような症状を
30:27上に持ち上げて元に戻すという、
30:30昔からそういう考え方で使われる漢方薬でして、
30:33まずそれがファーストチョイスというふうで選んでいます。
30:40高山医師の説明と治療に、宮原さんは救われたといいます。
30:47他の一般的なクリニックとかに行っていたときは、
30:50ただの便秘として扱われていたものが、
30:54先生はやっぱりその内臓が下に落ちているとか、
30:58そういったことが自分的に納得できて、
31:05張りがやっぱり楽になりましたね。
31:09楽になったのと、便秘も徐々に解消していって、
31:14気持ち的にも落ち着いて、眠れるようになりました。
31:22その方によって、一番困った症状が出る場所は異なります。
31:27例えば、汗がダダ漏れになって止まらないとか、
31:31気持ちの方が落ちる方もいますし、
31:33あとは消化管の方に出る方もいます。
31:36一つの症状ではなく、全体像を捉えるのが大事で、
31:39カギとカギ穴みたいな感じで捉えられることもありますけれども、
31:43個別化医療というふうな表現で大きく言われたりもしますし、
31:48その人それぞれに合わせるような治療を、
31:51西洋医学とコンビネーションする場合も結構ありますけれども、
31:54されるのが今のやり方で。
31:56一人一人の患者に、より効果の高い治療を届ける。
32:07ビッグデータを活用した新しい取り組みも始まっています。
32:14ここで行われているのが、リアルワールドデータを使った解析。
32:19リアルワールドデータとは、日常の医療現場から生み出される膨大な患者データのこと。
32:27患者の診療情報が記録された病院の電子カルテや検診データなどです。
32:36入院患者だけでも、年間およそ800万人のビッグデータが集まり、
32:42これまでわからなかった治療の効果や安全性などを明らかにできるといいます。
32:50リアルワールドデータ研究の第一人者、安永秀夫さんです。
32:56これまでは臨床試験などに主にエビデンスというのを頼っていたんですけれども、
33:03臨床試験で効果比較ができないような救急疾患であるとか、
33:11外科手術であるとか、集中治療であるとか、あるいは小児の治療であるとか、
33:18難病の治療ですね。
33:19そういったものの有効性とか安全性のエビデンスというのを明らかにすることができる。
33:28個別具体的にですね、臨床のニーズに合わせた、いろんな患者さんのタイプに合わせたデータを提示するということもできます。
33:37臨床試験で治療効果を確かめるのが難しい分野の一つが、漢方薬です。
33:47漢方薬の効果を調べるのも、安永さんの研究テーマの一つです。
33:51漢方薬という、東洋医学というのは非常にミステリアスな領域で、
34:00おそらく効果はあるんだけど、効果があったとしてもどれぐらいあるのかどうなのかというところがわからない。
34:07なのでそれをデータベースを使って、それを解き明かすというのは、
34:11これまで実は誰もやってこなかったことなんですね。
34:14安永さんは、リアルワールドデータを使い、
34:21妊娠しても流産を繰り返す不育症と漢方薬の関係について調べました。
34:30不育症に対して使われることのある漢方薬が本当に効果があるのか、
34:3713年分のビッグデータを活用し、解析しました。
34:44その結果、漢方薬を使った人の方が出生率が明らかに高くなったことがわかりました。
34:55男性と女性とでは、生理的な機能も大きく違っていて、
35:00それが病気の発現であったりとか、あるいは治療の効果の違いとして大きくあると思うんですね。
35:09これからはそういった領域においても、リアルワールドデータを活用して、
35:14精査医療にマンチした治療選択であったりとか、
35:19ということが今後できるようになるということを大いに期待しております。
35:29安永先生のデータの話も出てきました。
35:32治療選択という言葉が出てきましたけど、
35:34病気って同じ病気でもその人によって症状の出方が違う、
35:41その人に合ったものという医療の試みだったと思うんですが、
35:46濱田さん、いかがだったでしょうかね。
35:48非常に印象的だったのが、まずちゃんと話を聞いてもらえるというのが、
35:53先ほどの東北大学の先生の診療もありましたよね。
35:56だからやっぱり自分でもよくわからないんですよ。
35:58言語家皆さん、ここが悪いかもしれないし、
36:01時にはこういう時もあると言って、
36:03もやもやしていることを、
36:05やっぱりクリニックの本当に短いシーンの中では伝えられない。
36:09だからなかなかそこでコミュニケーションのミスマッチもあって、
36:14うまい、ちゃんとした治療にもつながらない。
36:16だけどトータルで見てくださるとやると、
36:20いろんなことがまず話せる。
36:21それがすごく大事なんだろうな。
36:24先ほどそのバイオサイコソーシャルとおっしゃった、
36:26そのすべてを話していいんだという安心感って、
36:30すごくまず大事なんじゃないかなと思いました。
36:32そこまでお医者さんが見つめてくれないと、
36:37なかなかわからないという。
36:40はい。
36:41患者さんとか女性の方、一般的に皆さんがそうだと言っているわけではないんです。
36:45ただその中に、やはり非常に治りにくいと言いますか、
36:49なぜ治らないんだろうとか、
36:50いろんなところに行って、いろんなお薬を出されて、
36:53いろんな治療を受けて、治らない。
36:55でもやっぱりそうすると、
36:57そのバックグラウドをしっかりと、
36:59やはりこここそ本当に患者さんに語っていただくというのが、
37:04私はナラティブベースメディシンといわれる、
37:07語りの医療みたいなのがあるんですけれども、
37:10そういうのが非常に女性の場合は有法だと考えていまして、
37:13語っていただく。
37:14それによって社会学的な環境を把握する。
37:18そして医療を提供するということを、
37:22医療を提供するというのはそこで、
37:23例えばホルモン治療が必要だったらホルモン治療をし、
37:27漢方が必要だったら漢方治療をするということで、
37:30そこにいわゆるホルモン治療とか漢方だけでは良くならないといった場合でも、
37:35やはりそうやって患者さんのソーシャルな、
37:38あとはサイコロですね、
37:40心理的なあるいは社会的なアプローチをしていくと、
37:44そこで改善を見ていくという患者さん、
37:47そういうことを数多く経験しております。
37:51これで小宮さんどうなんですか。
37:53これまでの医療とは違う動きが生まれていると。
37:57はい、そう思います。
37:59先ほどお話、ライフステージのお話をしましたけれども、
38:04非常に女性はエストロゲンの変化とか、
38:07いわゆるホルモンの変化が非常に劇的な変化をします。
38:13そしていろんな、先ほどバイオサイコソーシャルと申し上げましたけれども、
38:17その辺も含めてトータルでやはり見させていただかなくちゃいけないということを考えますと、
38:22やはり一人一人の体に合わせた治療というのが必要になってきます。
38:27その中の一つとして、私は漢方をよく使わせていただいているので、
38:33漢方治療というのはその中の一つの選択肢なのではないかと思っています。
38:38今、アンケートの声をちょっと私に見てみてですね、
38:42似たような症状の方、例えばお腹の症状、でも微妙に違う人がいて、
38:46例えば30代の方は便秘や睡眠不足、お腹が苦しいとおっしゃっているんですね。
38:53それから50代の方ですけれど、胃が動いている感じがしなくて、
39:00食べられなくて痩せてしまった、同じお腹の症状なんですが、
39:05これはやはり対応を違えていくということになるわけですか。
39:10漢方はですね、非常にちょっと難しい言葉で言うと症という言葉がありまして、
39:15症というのはですね、難しいのであれなんですが、
39:18簡単に言うと、少しその方の病態と言いますか、
39:21体の状態と言いますか、それを見て漢方を処方します。
39:25なんで漢方薬はそういったその違い、患者の違いに合わせたものになっているんですか。
39:36これはですね、漢方薬はですね、やはりその人の体のバランスを整えるということで、
39:42どちらかと言えば真ん中に持っていく治療だって、
39:45私は患者さんによく申し上げるんですけれども、
39:47西洋医学って痛ければ痛まないようにグッと症状に合わせると言った方がいいと思うんですが、
39:53ただ漢方薬は、もう冷えている方も暑い方もですね、真ん中に持っていくということが、
39:59真ん中、真ん中、中腰と言いますか、真ん中に持っていくバランスを整えると同じなんですけれど、
40:04そういうお薬です。
40:06例えば、生理痛は良くなったけれども、なんか冷えが取れないとか、
40:10結構よくあるんですけれど、そういう時に漢方薬をそこに足すということはやっています。
40:17だから西洋医学の場合は同じ症状でも、特定の症状にグッと効くっていう。
40:21そうですね。
40:23で、漢方薬はもっと体全体、その人の体を持っている。
40:25はい、バランスを。
40:26そうなると、これは2つをその人に合わせてどういうふうに組み合わせていくかということを、
40:33そこら辺のところをどうしたらいいかという判断のもとになるのが、
40:37多分その安永先生のやっていらっしゃるビッグデータだと思うんですけど、
40:41ビッグデータというのはどうなんですか、こういう状況を変えてくれますか。
40:45はい、そうですね。
40:47西洋医学のいろんな治療法というのは臨床試験というのを実施して、
40:53効果があるかないかどうかとか、安全性とかっていうのをきちんと検証してきたわけですけども、
41:01漢方薬というのは、この数百年にもわたるこの歴史の中で、
41:07蓄積されてきた経験値に基づいているわけですよね。
41:11で、このビッグデータ研究というのは、そういったものに対してですね、
41:17この漢方薬に対しても、たくさんの患者さんの漢方薬の使用例と、それから漢方薬を使用していない例ですね。
41:27その2つのグループを比較して、アウトカムを比較するという、
41:31西洋医学流の検証の方法というのをですね、
41:35このビッグデータを用いることによって、それが実現可能なんですね。
41:39ですから、先ほどビデオで紹介した、その不育症の患者さんに対する漢方薬もですね、
41:45不育症の患者さんに対して、漢方薬を使ったグループと、
41:49使わなかったグループで長期に観察すると、
41:54そうすると、使ったグループの方が出生率が明らかに高かったという風な、
41:58西洋医学流の証明の方法が可能だったんですね。
42:01そういう風に過去のデータから、一番自分に合ったものが処方されると、
42:13すごく安心ができますよね。
42:16期待もするし、ポジティブな印象を持ちました。
42:20そうですね。
42:22ここまで医療について考えてきました。
42:25もう一つ、冒頭から出ている大きな課題があります。
42:29それは、社会とか私たちの周りがどうなのかということです。
42:33皆さんからの声を紹介します。
42:3630代の方、会社の整理休暇は1日で足りない。
42:41休息を取れるスペースが欲しかったが、そういったものはなかった。
42:4530代の方、1日に何度も低血糖のような症状が起きるため、仕事がしづらい。
42:52怠けていると思わず、その人のペースを見守っていてほしい。
42:56という切実な声です。
42:59いかがでしょうか。浜田さん。
43:01例えば、生理休暇とか、今、不妊治療休暇とか、いろんな休暇の制度を
43:06会社は整えようとはしているんですけど、そもそも皆さん、私が感じたように
43:11男性の上司に生理休暇を使いたいとかいうのが、そもそも言いづらいわけです。
43:16男性も含めて誰もが、例えば、ちょっと体調が悪い時には
43:21リモートワークにできたりとか、少し時間をずらせたりとか
43:25コアタイムなしのフルフレックスみたいな感じの
43:28今、勤務制度も作っている会社があるので、そうすると
43:31満員電車に乗らなくてもいいわけです。
43:33今日はもう何も言わないで、ちょっと家でやらせてください。
43:36理由を言わなくても、自分の体調とか家族の状況に合わせて
43:42自由な働き方を選べるというのが、私は一番やってほしいことだなと思います。
43:47さあ、企業はこうした声にどう耳を傾けることができるんでしょうか。
43:55女性たちの声に企業はどう向き合うのか。
44:08日本茶の包装用パッケージのデザインや製造などを行う
44:13社員およそ240名の会社です。
44:1820年前に社長に就任した橋本久美子さんです。
44:28橋本さんは社員の満足度を調べた2007年の調査に衝撃を受けました。
44:37今後もこの会社で働き続けたいかという質問に
44:41およそ半分が働きたいと回答しなかったのです。
44:47これまでとは発想を変えないといけない。
45:15山本さんはそう感じたといいます。
45:21その時に結構自由記述のところに色々書かれていて、一番衝撃だったのはそこに書かれていた。
45:29こんなカタカナでワークライフバランスとか持ってきて、女の社長だからこんなことを言い始めて。
45:38それでいつも私制度とか一生懸命良かれと思って作ってきたことに対してこんな結果だったので、
45:44あなたたちはどう変えたいのという、そこのところをきちんと双方が出し合わないでいくのは、
45:54やっぱり自分だけの独りよがりになっちゃうなっていう思いもあって。
46:02ここで橋本さんはワークライフバランスを改善するプロジェクトのメンバーを募集しました。
46:104人の社員が手を挙げ、オレンジプロジェクトと名付けられました。
46:16手を挙げた社員の3人は女性。
46:19当時、社員の8割が男性だった中、少数派だった女性が立ち上がったのです。
46:29そのメンバーの1人、すながさんです。
46:33当時、子育てと仕事の両立に悩んでいました。
46:39なんかその子育てをしながら働くっていうことに対しては、不安がとにかく大きかったんですよね。
46:46初めての子育てでもあるし、自分自身のこの気持ちが整理できないときに、
46:51みんなが本当に働きやすさっていうのを声に出して言えたらいいなっていうのをすごく純粋に共感をしたので、
47:00そのメンバーになりたいなっていうふうにして手を挙げたっていう感じですね。
47:05はい。
47:08すながさんたちオレンジプロジェクトのメンバーは、社員全員にアンケートを取り、
47:13一人一人の声を聞き取ることから始めました。
47:21そうした声から生まれた制度の一つが、つわり休暇です。
47:28妊娠されてて、ちょっとつわりが重い方がいらっしゃって、
47:32その方が毎日、すいません今日もちょっと具合悪くてって言ってお電話して、
47:38電話切ったら、じゃあこの方の仕事みんなで割り振りましょうっていう、
47:42それが毎日繰り返されていて、休むっていう側もやっぱりメンタルにすごいきてると思うんですよね。
47:49今日は行けると思ったら、また迷惑かけちゃうっていう。
47:52あと残された方の方たちも、あ、今日もお休みだねっていうふうにして、
47:58じゃあ分けようかとかっていうふうにして、なんとなく渋々っていう感じがあったので、
48:03それをあらかじめ1ヶ月もうお休みしますっていう宣言ができるっていう。
48:08つわり休暇は、有給を使い1ヶ月休みを取れる制度。
48:15当時は他の社員に迷惑をかけられないと、有給を使い休みを取ることさえためらってしまう雰囲気でした。
48:23そうした中、つわり休暇として堂々と1ヶ月間まとまった休みを取れるようにしたのです。
48:38先に宣言をするっていうだけの改善なんですけれども、それでもだいぶ気持ちが楽になって、
48:45そこのつわりの一番大変なところは乗り越えることができましたって、
48:50今日からまたお願いしますって言って、つわりが落ち着いたときに元気に出勤される社員の方いらっしゃったので。
48:59会社を辞めた後に戻って来られるMO、戻っておいで制度もオレンジプロジェクトから生まれたもの。
49:10女性社員は出産や夫の転勤などで辞める人が多かったため、気軽に復職できるようにしました。
49:20特徴は、辞めたときのキャリアがリセットされず、会社に戻れること。
49:26出産や退職で女性社員のキャリアが損なわれないようにしたのです。
49:35MO制度を使って復職した岩本さんです。
49:392人の子供を育てていた岩本さんは、フルタイムでの勤務が難しいと、5年前に一度退職しましたが、MO制度で戻ってきました。
49:54MO制度で戻るっていう窓口があるっていうのがまずでかくって、そのときももちろん他の会社も探したりはあったんですけど、
50:06戻ってもう一回自分のスキルとか経験みたいなのを活かせるのは、自分の中でもすごくいいことだなと思ったので。
50:16こうした改革に取り組み、社員の会社への満足度も大きく改善しました。
50:25手を挙げてくれた子たちが本当に試作を作っていたんですよね。
50:31すごい応援するんですよ、社員さんが。
50:33上から降りてきたことに対しては評論家なのに、
50:36自分たちよりも年下だったりする社員さんがオレンジプロジェクトに手を挙げて、
50:43自分たちオレンジプロジェクトという名前にして、こんなことをやりたいと思ってますみたいだと、
50:49社員さんたちっていいねとか応援するよっていう風になって、
50:53一緒に推進していこうと足を引っ張るんじゃなくてっていう風になってくんだなっていうのもすごくよく分かりました。
51:01一人ひとりが声を出し、対話できる環境をどうやって作り上げていくのか。
51:11企業、そして社会の在り方が問われています。
51:18一人ひとりの声に耳を傾けて会社を変えた取り組みだった。
51:23ああ、いいなという感じでお客さんもいってらっしゃいました。
51:26これは一つの取り組みだと思うんですけどね。
51:29相澤さんどう聞きましたか。
51:31いやいや、本当にいいなと思いました。
51:33やっぱり片身が狭い思いをしないとか、どっちもね、やっぱり休みます。
51:38やっぱりすみませんって最初言っちゃうんですよね。
51:40迷惑かけると思うから、すみません。今日は帰らせていただきますとか。
51:46すみませんが言わなくてもいい空気があると、すごくいいですよね。
51:53そうですね。今のような取り組みもあるんだけど、
51:56現実的には皆さんの声によるとやっぱり辛いと言えないというのが圧倒的ですよね。
52:02先ほど申し上げたように、やっぱりこう、辛いのは女性だけでもない。
52:07男性ももしかしたら体調の辛さを感じていらっしゃる人もいて、
52:11なのでちょっと今日は家でやらせてくださいということが、
52:14みんなで言い合えるような職場にするというのが大事なのと、
52:17もう一つ、そうは言っても必ず現場に行かなきゃいけない。
52:20例えば建設業についていらっしゃる方、物流の方とか、
52:23エッセンシャルワーカーの方みたいなのもいらっしゃると思うし、
52:26私たちのような報道もそうですよね。
52:28これ実はあるテレビ局でこういう事例があったんですね。
52:32去年、野党半島地震があった時に、今報道の現場もすごく女性が増えているんです。
52:38災害現場とかになる時に、女性の記者に行ってもらう時に、
52:42何が一番のネックかというとトイレなんですね。
52:44やっぱり特に生理期間は行きたくないですって言われたんです。
52:47そのあるテレビ局は去年の野党の時に、
52:50カメラマンも記者もディレクターもみんな女性なんです。
52:53若い人たちも入社も女性が増えている。
52:56そういう時にそこは報道のトップが女性だったんです。
52:59みんなの生理の周期を聞いたんですって。
53:02その生理の周期を外してチームを組んで現場に行ける。
53:07そうすると出て行く方も安心していけるんですよね。
53:10やっぱりトイレに行けないんですよね、災害現場ね。
53:13それでみんな簡易トイレを持って大人のおむつを履きながら取材しているような状況の時に、
53:18生理なんてとてもじゃないけど大変なので、
53:21なぜできたかというと、やっぱり女性のリーダーだったからなんですよね。
53:24やっぱり私は今の職場で、やっぱりこれだけ女性の管理職比率が低い現状で、
53:30やっぱり女性たちが健康状態で声を上げられないっていうのは、
53:34この女性の管理職比率の低さっていうのも関係していると思っていて、
53:38やっぱりできるだけやっぱり女性の管理職が増えたり、
53:40そういうことが相談しやすい職場づくりをしていくっていうのも大事なことなんじゃないかなと思っています。
53:46女性の不調をめぐる切実な声とそれに向き合おうとする医療の取り組み、
53:54企業の例も交えてご覧いただきました。
53:57一人一人の体と心のために、今何が一番求められていると思うか、何が一番大事と考えるか。
54:07欧米をはじめ日本でも女性の健康に対する注目っていうのが非常に高まってきている状況にあると思いますので、
54:16やっぱりそういう時代の要請に合わせて検診の方法っていうのも変えていかなきゃいけないんじゃないかっていうふうには思いますね。
54:23ある女性の方が健康診断では何も異常がなかったとおっしゃってますよね。
54:30しかし、さまざまな症状を抱えております。
54:33それは一つは、今の健康診断はメタボ検診、いわゆる中高年の方の生活習慣病の検診が主体になっています。
54:432020年からは、いわゆるフレール検診といって75歳以上の高齢者の方の介護予防のための検診とかですね。
54:54そういった方には政府も非常に力を入れているんですけど、
54:58今の健康診断というのが、この女性の健康についてですね、きちんとスクリーニングができていないというふうに思うんですよね。
55:07やっぱり健康診断みたいなところに女性特有のっていうふうなのに入ると意識が変わりますよね。
55:16男性の方もみんな健康診断を受けに行くんで、そうすると女性と男性って違うから、
55:23女性の不調の時っていうふうなのはあるからそれをじゃあどうしていこうかみたいな前向きな環境になっていくんじゃないかと思って、
55:34私はその健康診断に入れるっていうのはすごくいいアイデアだなっていうふうに思います。
55:39小宮さんいかがでしょうか。
55:41やはり健康があってこそ、やはり自分の自己実現というのができる社会になるのかなと思ってまして、
55:47その時にやはり一番最初に冒頭で我慢しないっていうのが大事かなというふうに、
55:54我慢しないでとにかくつらいということを発信してほしい。
55:58そして医療機関にもつながってほしいというふうに、
56:01ぜひ我慢しないで医療機関に来てくださいっていうのが、
56:05私の最後の皆さんへのメッセージといいますか。
56:09我慢をするなといっても、ちょっとぐらいだったらこれは我慢かなと。
56:15どれぐらいのところで相談をしたらいいんですか。
56:19やはり日常生活に差し障るっていう言葉が大事です。
56:23例えばお仕事に差し障る、あとは家事に差し障る、育児に差し障るっていうようなことが、
56:29そういうことが起きてきたらやっぱりアクションを起こす必要があると思います。
56:33濱田さんいかがでしょうか。
56:35先ほどから一人一人の状況に合わせてという言葉が出てきてますけど、
56:39私も長く管理職をやっていてすごくやっぱりマネジメントをしていると、
56:43誰にも体調の事情もあるし家族の事情もあるということがよく分かってたんですね。
56:48実はその一人一人に合わせたマネジメントをしていくっていうのは、
56:52すごい手間暇がかかるじゃないかと言われるんですけど、
56:55逆でその方が結果的に結構みんな頑張ってくれるんですよ。
57:00なんかやっぱりその職場がお互い様でそれぞれみんなが気遣ってやっていると、
57:06自分ができる範囲でできることをやろうって結構みんなが思うようになってたので、
57:10結果的にすごくみんながパフォーマンス全体も上がっていって、
57:14一人一人も働きやすい職場になると思っているんですよね。
57:17なのでやはり誰にも事情があるんだ。
57:21それお互い様なんだということで、
57:23できるようなことが職場だけじゃなくてそれが社会みたいになると、
57:27多分その健康の問題を我慢しなくて済むということにつながるんじゃないかなとは思います。
57:34はい。
57:35藍澤さんどうでしょうか。
57:36はい。
57:37はい。
57:38はい。
57:39はい。
57:40はい。
57:41はい。
57:42はい。
57:43はい。
57:44はい。
57:45はい。
58:16はい。
58:17はい。
58:48ありがとうございました。
58:49ありがとうございました。
58:50ありがとうございました。
58:51ありがとうございました。
最初にコメントしましょう
コメントを追加

お勧め

59:31
43:27
57:41
24:22
1:12:03
1:00:03
54:46
51:33
49:59
49:02
30:03
46:08
44:44
51:18
1:20:03
36:25
24:28
45:03
Nippon Nippon
10 か月前
24:28
29:03
50:17
58:57
44:03
37:18
1:23:18