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  • 19 時間前

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トランスクリプション
00:11ご視聴ありがとうございました
00:30地の海
00:33一家4人が担当のようなものを切り裂かれ
00:37絶望していた
00:41あなたは家族の本当の姿を知っていますか
00:46はい
00:46警報と父が抱え続けた秘密
00:51それはある殺人事件の真相へと繋がっていた
00:55事件発生した60年後
00:57初めて明かされたミステリーの真実
01:01しかしその証拠は何一つない
01:06そして家族が知った父の本当の姿とは
01:10親父ありがとね
01:13って言ったつなに行き来とったんですけど
01:18これは今まで決して語られることのなかった
01:20忌々しい事件と過酷な運命に翻弄された
01:25家族の物語である
01:32ここに一冊の本がある
01:34タイトルは現場刑事の告発
01:37戦後最大のミステリーの一つと呼ばれる
01:39二股事件を担当した刑事
01:42山崎氷八がその詳細を書き綴り
01:44地域出版したものだ
01:48そこにはかつて誰も知れなかった事件の裏側が
01:52国名に記されていた
01:57その日大橋家で何者かに一家4人が
02:00殺害される事件が起きた
02:02現場を担当したのが
02:04二本警察署の山崎氷八刑事だったのだ
02:10一郎の枕元には大きな土瓶が転がっていて
02:15こぼれたお茶が畳に染み込んで
02:18茶柄が畳に張り付いていた
02:21右首筋に皮脂の刺し傷と思われる傷が
02:25ぽっかりと口を開け
02:28血が傷口いっぱいに溜まっているが
02:31外にはこぼれていない
02:34妻の辰子の方はこれはすごいものだった
02:38寝入っているところ
02:40犯人は馬乗りとなって担当を振るったのであろう
02:45寝ているところから
02:4745度の角度で時計のかかっている
02:50壁と天井に向け
02:52大量の血がほとばしって
02:55天井板を真っ赤に染めている
02:59現場の状況から明らかに殺人事件だった
03:03おそらく犯人が暴れた際
03:05時計と接触し針が止まった時刻
03:0811時2分が犯行時刻とされた
03:12殺された大橋一家の主人一郎は
03:15昨年6月まで大手楽器メーカーの工場に近
03:20人員整備で真っ先に首になった男だ
03:24生活は妻辰子の張り仕事に頼っている状況だった
03:294歳の長女も皮手で切りつけられていた
03:33部屋の荒らされようから
03:34金品を狙った強盗殺人であることは間違いない
03:38自殺なら町の警察だけで処理が可能であるが
03:42他殺なら国家警察の応援を頼まなければならない
03:47国家警察を監視器を呼んできてくれ
03:49はい
03:54この時山崎刑事は
03:56ふと通報の内容を思い出した
04:00大橋家で人が4人死んでる
04:03そういえば死体は4人って言ってたの
04:07一郎と辰子長女の3人の死体は確認したが
04:11もう一人は見つからない
04:18うわー
04:19なんか極映像みたいな感じでした
04:23松森さん
04:25ご苦労さんです
04:26現れたのは近所に住む男松森だった
04:31大橋さんの家には確か赤ん坊がいましたよね
04:35そこだ
04:37おふくろさんの下だ
04:42その時山崎刑事は思った
04:46刑事が目を皿のようにしても見つからないのに
04:49入ってきたばかりの松森に
04:51どうして赤ん坊が母親の下だということが分かったのだろうかと
05:03おいまだ生きてるぞ
05:05死んでる死んでる
05:07死んでるはずだ
05:13死んでるはずだという言葉は死に至ることを予想して
05:18ある行為をした者の言動である
05:21母親は刺されて即死
05:24そんな人間が這い出るわけはない
05:27犯人が布団の中から彼女を引きずり出して
05:31寝入っている赤ん坊の上にかぶせたのだ
05:36この事実は犯人でなければ知り得ぬことなのだ
05:42松森の言動は明らかにおかしい
05:45山崎刑事はその場で逮捕しようと思ったのだが
05:49松森は前かも
05:51一筋縄で行くはずがない
05:53そこで証拠を積み重ね
05:55後々逮捕しようと決意したのだ
05:58残念ながら赤ん坊も生き絶えていた
06:02一家4人殺人事件となった
06:07しばらくすると監視機がやってきた
06:10彼らは現場の写真を撮影
06:12さらに指紋や大橋家の外にあった足跡を採集した
06:17足跡は26センチほどの大きなもの
06:20犯人は松森くらいの大柄な男だ
06:25その後合力犯が乗り込んできた
06:27合力犯とは国家警察に属し
06:30殺人事件など凶悪犯罪を専門に扱う部署
06:35当然地元二股署の巡査山崎刑事とは圧倒的な立
06:38場の差がある
06:40それだけではない
06:42合力犯の指揮を取る岡本警部補は
06:45当時まさに時の瞳
06:49昭和16年に発生し
06:50死者9人を出した浜松事件の解決に貢献
06:56一躍マスコミの注目を浴びた
07:00その後も一家4人が殺害された幸浦事件
07:05就寝中の主婦が残殺された小島事件などを解決
07:08へと導いた
07:09まさにエース刑事だったのだ
07:12監視機の方から遺体解剖の結果が出た
07:17現場の時計は11時2分を指して止まっていたが
07:21一家が殺害されたのは
07:24発見の前日の午後8時半
07:30町のチンピラ連中を片っ端から連行してきてください
07:38しかし山崎刑事は
07:40むやむに町のチンピラを連行するのではなく
07:43まず第一通報者の文具店のお上を訪ねることにした
07:48ちょっと聞きたいことなんだけどね
07:50事件の日
07:52隣の大橋さん家で何か異変はなかったですか
07:54昨日ね
07:56鳥の首を絞めるような
07:58あのキーッていうような声聞きました
08:01それ何時頃でした
08:038時半ぐらいでしたか
08:06やはり犯行時刻は8時半
08:08実はこの少し前
08:10山崎刑事は大橋家の前を通っていたのだ
08:15西小町の通りへ来かかった時だ
08:18風の音の間を縫って
08:20ラジオの音楽が聞こえてきた
08:24思わず足を止めた
08:27大橋一郎の家の前だった
08:32私は覗いてみようと思って
08:34表戸に近づいたが
08:36はしたないことをと考え中止した
08:40あの時覗いてみていたら
08:42そこに犯人がいたのではなかろうか
08:46そうだったら
08:46現行犯逮捕できたのに残念だ
08:54山崎さん
08:56うちの貞が取り調べから帰ってきたんだが
08:59顔が晴れて痣だらけで
09:01うーんなって寝込んでるんだ
09:03なんとかしてくれんかね
09:07そう
09:08岡本警部補の号令の下
09:10厳しい取り調べが始められていたのだ
09:15この事件が起きた前年
09:16刑事訴訟法が改正
09:19強引な取り調べで取った自白は証拠にならないと
09:22法律の見直しが図られていたのだ
09:24当時はまだ新たな法律へ移行する過渡期
09:30取り調べを行う警官にも徹底されておらず
09:32強引な捜査が平然と行われていたのだ
09:38その後血のついた担当が発見された
09:42今朝この担当が農協の裏から発見されました
09:47この担当の出向を
09:49山崎君
09:51調査してください
09:56はい
09:58それは殺傷能力もなく
10:00明らかに事件とは関係ないものと思われたのだ
10:04自分のやり方とは異なる捜査を進めていた山崎刑事
10:08
10:08岡本警部補はあえて命じたのだ
10:11だが実際に調査を始めると
10:14浜松の工場で意外な事実が明らかとなる
10:19使われていた材料から
10:21このメーカーにかつて勤めていたものによって
10:24製作された担当であることが判明したのだが
10:27実はこの工場
10:29被害者である大橋一郎が
10:31解雇された工場だったのだ
10:34そこで担当のさやに
10:35経営というイニシャルが掘ってあったため
10:38調べてもらうと
10:40青木光一という男がかつていたことが分かった
10:45すぐに青木の居場所を突き止め
10:47調査したのだが
10:51事件の当日どこにいた
10:55あの日は東京に行ってました
10:58青木は担当を作ったことは認めたものの
11:00アリバイがあり
11:01白となった
11:04その後
11:05担当は犯行に使われた狂気ではないと
11:07改めて結論付けられ
11:10結局山崎刑事の捜査は無駄に終わったのだ
11:15一方捜査本部では
11:16岡本警部補の陣頭指揮の下
11:19300人以上の若者が連行され
11:21取り調べが行われたが
11:23容疑者の特定にまでは至らなかった
11:28山崎刑事はもう一度犯行現場に戻った
11:32松森につながる証拠を探すために
11:39松森さん
11:41大橋さんの家には
11:42確か赤ん坊がいましたよね
11:46そこだ
11:47そこだ
11:58傷ついた親指が語る
12:01衝撃の真実とは
12:05この番組は
12:06ご覧のスポンサーの提供でお送りします
12:20傷ついた親指の語る
12:23衝撃の真実とは
12:26松森は
12:27左手親指に負傷していたという事実がある
12:32引き出しの中のものを物色するために
12:35犯人はそれを一つ一つ出しては罪
12:40そうだとすると当然
12:42左手の親指の血が
12:44引き出しの内側に付着する事になる
12:49右手の血の跡が
12:51だんだんと薄れているのに反し
12:54左手親指の跡は
12:56タンスの1段目から5段目まで
12:58血の跡は同じである
13:02これは指を切っている証拠である
13:06夢中で担当を振り回した時に
13:09誤って自分で
13:11我が手の親指を切ってしまったのだ
13:15だが
13:16血液が滲んでしまっていたため
13:19当時の技術では
13:20指紋の採取は不可能だったのである
13:26間違いない
13:28やっぱり松森が犯人だ
13:31そして山崎刑事は
13:33自分が松森が犯人だと確信した一部始終を説明
13:37した
13:38現場で赤ん坊の死体の場所を知っていたこと
13:42足跡が大柄の松森と一致していたこと
13:46左手親指の怪我のこと
13:49そして動機は金品を狙った犯行だったこと
13:53すると
13:55警部は
13:57うん
13:58山崎君の言うことには一理あるな
14:01と納得してくれた
14:03だが山崎君
14:06捜査というものはな
14:07そう深く考えてはダメだよ
14:10もっと簡単に考えればいいのだよ
14:13一言のもとに否定した
14:17なぜですか
14:21私は忙しいんだ
14:25シュリー
14:34犯人は松森である
14:37そう確信したものの
14:40待っていたのは岡本警部補のあまりに意外な反応でした
14:45しかし途方に来れる間もなく
14:48この後山崎刑事が耳を疑う
14:51さらに信じられない発表が行われることになります
14:58須藤光雄は有力な容疑者であることは分かった
15:03彼はまさしく犯人である
15:06大地を打つ土が外れても
15:08これは決して外れない真犯人である
15:11しかしその証拠は
15:13間に一つない
15:17そこで皆さんには
15:19何とかその証拠を探し出してもらいたい
15:23山崎刑事は驚いた
15:25犯行時刻に
15:27須藤にアリバイがあったことを知っていたからだ
15:31大橋家の前で
15:32歌謡曲に耳を傾けた後
15:35父親のラーメンあたりの仕事を手伝う須藤を
15:38見かけていたのだ
15:41それはちょうど出前に出かけるところだった
15:45諸君には
15:46須藤が犯人であるという信念の下
15:49捜査に従事してもらいたい
15:57この件に関して意義のあるものは
15:59ただいまから即刻申し出てもらいたい
16:03ただしに
16:04今捜査から外れてもらう
16:07以上
16:13捜査から外されたら
16:14須藤の潔白の証明は愚か
16:17松森の逮捕すらできなくなるのだ
16:21主任聞いてください
16:22須藤にはアリバイがあります
16:24須藤は資料です
16:26山崎君
16:28先ほどの僕の話を聞いていたか
16:32大地を打つ辻は外れても
16:35これは絶対に外れない
16:37須藤は真犯人であり
16:40間違いない
16:54山崎
16:58松森のことを諦めろ
17:01なぜですか
17:05岡本さんだ
17:06松森から金もらってんだよ
17:33当時大卒の初任給が4000円ほどの時代
17:375万円といえば
17:395万円といえば
17:39その年収に相当する金額だ
17:42実は
17:43ヘイスケージと言われる岡本警部補には
17:46もう一つ裏の顔があった
17:49部下にチンピラ連中を引っ張って来させては
17:52拷問によって辞去をさせるという
17:54恐るべき事情聴取を行っていたのだ
17:57中には事情聴取の後
17:59命を落とした者もいるという
18:04そう
18:05実は岡本警部補こそ
18:07拷問でやってもいない罪を認めさせる
18:11冤罪製造警部補だったのだ
18:17実は岡本警部補こそ
18:20冤罪製造警部補だったのである
18:25須藤光雄は
18:26これ以上鉄白を主張し続ければ
18:28命がなくなると
18:30全てを諦めて
18:32やってもいない殺人を自白したのだ
18:35時供におれば
18:37須藤は時計の針を動かし
18:39犯行時刻を11時2分に見せかける
18:42トリックを仕込んだという
18:45このトリックが
18:46エドガーランポ原作の映画
18:48パレットナイフの殺人にあったトリックで
18:51須藤はこの映画を真似したと自白
18:56そして近くの貸本屋のリストから
18:59須藤は探偵小説を好んで読んでおり
19:02推理小説のマニアであったことが
19:04明らかになったというのだ
19:06さらに
19:07時計のガラスがなかったという
19:10犯人しか知り得ない事実
19:12いわゆる秘密の暴露により
19:14犯行は確実なものになったという
19:17全ては
19:19岡本警部補の筋書き通りだった
19:24これは明らかに冤罪であり
19:26起訴されれば間違いなく死刑判決が下される
19:30とはいえ
19:31国家警察の決めたことに対して
19:33田舎町の刑事が対抗する術はなかった
19:38私は須藤とは縁もゆかりもない赤の他人である
19:43黙っていて見過ごすのだ
19:465年経てばお前には恩急もつくのだ
19:50恩急だけで暮らしてゆけるのだ
19:53何も正義ぶりをすることはない
19:56よらば大樹の影
19:58大きなものにはまかれろではないか
20:02そう思うのも無理はない
20:05当時山崎刑事は
20:06一家六人を養う大黒柱だったのだ
20:11しかしこのままでは
20:13確実に須藤は殺される
20:16本当にそれでいいのか
20:18思い悩む日々が続いた
20:20そして
20:22俺には自動車の免許証があるではないか
20:26トラックでも何でも
20:27運転手として生活できるではないか
20:31こんな腐れきった警察なんか
20:34クソくらいだ
20:37山崎刑事は
20:38ついに警察を辞職する決意を固め
20:41大手新聞社3社に
20:43須藤光雄は冤罪であるという
20:45お胸の手紙を送ったのだ
20:48すると
20:49ある新聞社から反応があった
20:52だが
20:54相談なんですけど
20:57山崎さんが辞職しちゃうと
20:59ニュースの効果がなくなっちゃうんですよ
21:02だから
21:03現役のままやってもらえないでしょうか
21:07山崎さんの立場はよく分かってます
21:12現職での発表は
21:13懲戒民職の対象になるため
21:15家族に迷惑がかかるのは明らか
21:18お願いしますよ
21:18それだけはどうしても避けたかった
21:21だが
21:22結局記者の熱意に押し切られ
21:26山崎刑事は現職のまま
21:29告発へと踏み切ったのである
21:33そして
21:34この一世一代の大英壇は
21:36全国史の一面を飾った
21:41朝目を覚ますと
21:42事務室の方から
21:44ただならぬ気配がしてきた
21:47いよいよ始まったのだ
21:49だが
21:51その直後
21:52君にしばらく休んでもらえないか
21:56突然
21:57自宅禁止を命じられたのだ
22:01そして
22:03告発から1ヶ月後
22:06当初
22:06都道に判決が言い渡される予定だった裁判は
22:09先送りされ
22:11急遽そこで
22:12山崎刑事の証言が行われることとなった
22:16だが
22:18実際に裁判が始まると
22:20裁判長は事件の確信には触れない
22:23意地悪な質問ばかりしてきたと言う
22:27証言は
22:27裁判長の質問以外の答弁は
22:30できないことになっている
22:35裁判長の質問だけに答えていては
22:39肝心な須藤の無罪を証明することは難しい
22:43そこで裁判長の質問が終わると同時に
22:47私は間を置かずに
22:49須藤は犯人ではない胸の証言をした
22:54私は1時間半くらい一気に喋った
22:58喉はカラカラに渇いたが
23:00裁判長が質問する隙を与えずに
23:04証言をし続けたのである
23:07私が今後どうなろうとも
23:10私の証言は永久に裁判記録に残るであろう
23:15山崎刑事は
23:16須藤被告を助けるため
23:19人生を懸けて証言したのである
23:22だが下された判決は
23:28死刑
23:31しかも悲劇は
23:32それだけにとどまらなかった
23:39山崎
23:46君は逮捕状が出ているので
23:48出向させてもらうよ
23:51何のだ
23:53偽証罪だ
23:55偽証罪
23:57偽証罪はお前たちだろ
24:02無実を訴えた山崎刑事の証言は
24:05偽証行為と認定されたのである
24:11山崎刑事は収監され
24:13その後一方的に
24:14妄想性地方症精神病者と診断されたのだ
24:19そして逮捕から33日後
24:22山崎刑事は釈放された
24:25精神異常という理由で
24:27偽証罪は不起訴
24:30当然警察を辞職することとなった
24:34その後
24:35須藤被告は抗争したが
24:40東京公裁で抗争棄却
24:42ついに須藤さんの死刑が確定したのだ
24:47事件発生からおよそ1年後
24:50須藤さんの死刑が確定した
24:52一体なぜこのような事件が起こってしまったのか
24:57事件を国名に調べた
24:59カンガエルロー氏は
25:01次のように分析している
25:04発端は浜松事件で
25:06国家警察は功労者がいなかったにも関わらず
25:10岡本警部補を表彰
25:12マスコミに取り上げられ
25:13彼の名は世間に知れ渡ることとなった
25:17その後もし事件が未解決に終わるようなことがあれば
25:19自らの権威が地に落ちると
25:22岡本警部補は拷問を繰り返したのではないか
25:26須藤被告の死刑が確定
25:28山崎刑事の決死の告発は無情にも空振りに
25:33しかし悲劇はそれにとどまりませんでした
25:36告発の代償はあまりに大きく
25:39山崎刑事とその家族には
25:42想像を絶する過酷な運命が待ち受けていたのです
25:49この冤罪事件には
25:50須藤さん以外にももう一人
25:53冤罪をかぶらされた人物がいる
25:56そう
25:57山崎氷八刑事自身だ
26:01それは
26:02山崎刑事が法廷で須藤さんの冤罪を証言する
26:05直前のこと
26:08山崎家では
26:09親族一同が集められ
26:11緊急会議が行われていた
26:17
26:18容疑がかけられている須藤君は
26:21明らかに冤罪です
26:22今週
26:24法廷で二股署の署長と対決をします
26:28そこで
26:30須藤君の
26:31冤罪を証言します
26:34中にはみんな
26:35あの
26:37困惑をしてしまったという
26:39そういう状態だったと
26:41今思いますけれども
26:44次の朝
26:45早く
26:47親戚の方が来て
26:50親戚を
26:52付き合いは
26:53もうこれでなしということにしてもらいたいと
26:59それから間もなく
27:00住子さんに山崎刑事は
27:04住子
27:06お父さんしばらくお家留守にするけど
27:09お母さんの言うことを聞いて
27:11ちゃんとお留守にしてくれるかな
27:14そうか
27:15頼んだよ
27:17長く帰れないかもしれないって言った時には
27:20何かあったんだなっていうのは直感としてありましたけれども
27:24何がどうしてっていうのは
27:28すぐには分からなかったですね
27:32そして山崎刑事は
28:03偽証材で逮捕
28:08どうしても分からなかったことができましたね
28:10家族の
28:10家族の
28:10家族の
28:10生活にも
28:11不穏な空気が
28:12漂い始めていた
28:15今年もみんなよく頑張ったわね
28:19来年もいいことがありますように
28:23いただきます
28:26いただきますって言ったその瞬間に電気がパッと消えたんですよ
28:31突然家の電気が切られたのだ
28:35悪質な嫌がらせだった
28:37もう飛んで外へ走り出てきました
28:40これ闇の中を
28:42プラグの電気屋さんのところへ行って
28:46どうか電気をつけてください
28:49そうすると父は何か悪いことをしたのかなって思うんですよ
28:57それで兄弟の中でも母にもこれはもう聞けないなっていうのがあって
29:04みんな胸の中に畳み込む
29:07この時代小さな村社会では
29:10道を踏み外したものを孤立させてしまうような風習があ
29:13った
29:14山崎家の人々は人目をはばかる生活を強いられて
29:18いたのだ
29:19弟がある日泣いて帰ってきて
29:22あの時は幼稚園か1年生ぐらいでしょうね
29:26どうして僕のお父ちゃんは豚箱に入ってるんだ
29:31何を悪いことしたんだ
29:33みんながそう言うんだよって
29:35私たちには目の前のそういうことが
29:38とても心に重たくのしかかったので
29:43父を恨みましたね
29:46交流から33日後
29:48山崎刑事は釈放された
29:51精神病と認定されたため
29:53偽証罪は不寄所となった
29:57何とかなると思っていた運転免許証は
30:00精神異常という理由で取り上げられてしまった
30:04山崎さんは仕方なく新聞配達を始めたのだ
30:08母はとてもたくましく働いていましたね
30:13あの頃は道路とか道作りみたいのがありましたので
30:20そういうのに行って働かせていただいて
30:24そして私たちを養ってくれましたね
30:28だが事件から3年後
30:31思わぬ切符が
30:35日本弁護士弁護会の働きかけにより行われていた裁
30:38判で
30:39自白だけの証拠は不当であるとして
30:43最高裁が須藤さんの死刑判決を破棄したのだ
30:48そして昭和32年
30:50無罪確定
30:53死刑判決が下された後無罪となったのは
30:56日本の裁判史上
30:57これが初めてのケースである
31:00だが
31:02事件から10年後
31:05山崎家にとんでもない事件が起こる
31:0936年
31:10この話ですよね
31:11もう投げて投げてくるんですけど
31:15ちょうど私が小学校の3年の終わり頃
31:183月14日だってね
31:21土曜日で帰ってきて
31:23家の前の柿の木に登ってみとったら
31:27誰か入ってく足が見えたんですよ
31:32誰かのお客さん来たよって言ったら
31:35うちにいないからこっちにおるから出てくるだろう
31:40その直後だったら
31:42おもやから勢いよく煙が上がったの
31:45家はもう全焼ですね
31:48うん
31:49でお袋と抱き合って
31:50本当になっすすめもなし
31:52ただ助けて助けてっていうだけでしたね
31:57問題はその後だ
31:58え?
31:59なんと警察は
32:00庄司さんが火をつけたと決めつけ
32:02一方的に連行したのだ
32:06駐在所では
32:0610人ほどの警官と刑事が庄司さんを囲んだ
32:11山崎さんは絶対に口を挟まないと約束させられ
32:15部屋に酔わせることを許されたのだ
32:29警察は庄司さんがこたつの火をいたずらして
32:32火事になったのではないかと追求したのだ
32:36私は父から絶対に嘘をついたり
32:40そういうことはするなっていうことをずっと言われたから
32:44ありのままをこたつに火なんかなかったんや
32:46って言うんだけども
32:48信用してくれなくて
32:50夜の11時も過ぎた
32:53昼も夜も食事を与えられず
32:56延々その尋問は続いたのだ
32:59すると
33:03あれね
33:05親子丼分だと思いますけど
33:07出されて
33:08腹減っただろ
33:10食べな
33:12いただきます
33:14ちょっと待って
33:15ちょっと待ってと
33:16自分で火遊びして火つけたって言え
33:20そうすれば食べてもいいよっていうことを警察が言うんですよ
33:25だからこっちもこの頃にももうバカ野郎って感じで
33:30もう女もいらないって言ったんですよ
33:34多分親父にしたらもう見てられなかったと思うんですよ
33:39口では言わなかったんだけど
33:42本当に目は口を取り物を言うっていうやつで
33:45本当に目を親父の方をずっと見とると
33:48私がもういいから
33:52うんで言っていい
33:54俺があと責任取るから
33:56お前のことは俺が一番分かってるから
34:00うんで言え
34:02っていう風に私は聞こえたんですよ
34:04うんで
34:06それに聞いて
34:08入って言った途端に
34:10他の警察官は
34:12これ目をお前今まで嘘つ人たち
34:15そこでもう記憶が途切れてるんですけど
34:18多分すごいことがあったと思うんですけど
34:21自分の記憶からもう
34:23そこはもう削除しちゃってるんですよ
34:26うん
34:27で未だに私はあの親子さんが食べれないです
34:31ああ
34:34ここでもまた
34:362代にわたって冤罪が繰り返されようとしたのだ
34:40結局
34:41他の犯人は捕まらず
34:44妻正さんの火の不始末ということで
34:47この件は納められた
34:50実は自宅には
34:51山崎さんが
34:52自らの冤罪と戦うために調べ上げた
34:55事件の資料が
34:56それ
34:56山のようにあったのだ
34:59これはやっぱりその
35:01警察とかが
35:03その証拠隠滅のために
35:05あのやって
35:07でやっぱり自分が
35:09人が入ったのを見たっていうのも
35:11あれは絶対見間違いじゃなかったんだっていう
35:14あの確信しましたよね
35:18職だけではなく
35:20名誉や信用を失い
35:22さらに家までも失った山崎さんの告発
35:25その告発から11年が過ぎようとしていた時だった
35:30民間の弁護士たちによって
35:32冤罪救命組織が結成され
35:35岡本警部補が関わった冤罪が次々と暴露され始
35:38めたのだ
35:40そして
35:42岡本警部補は様々な疑惑が持ち上がり
35:45昭和38年警察を退職
35:49そしてわずか2ヶ月後
35:51脳出血で死亡したのだ
35:54去年55だった
35:58しかしその後も山崎家では
36:00二股事件のことは語られなかった
36:03お袋にもこんなことあったのって
36:06こういうのって何
36:06二股事件って何って聞いても
36:09そんなもん知らん
36:10とかって言っても
36:12あのそんなもん知らんでもいい
36:13っていうような感じで
36:15あの封印されてましたね
36:19時が経ち
36:21次々と冤罪事件が明らかとなる中
36:24山崎さんの人権侵害についても
36:26日本弁護士連合会が乗り出したが
36:28結局国は認めず
36:31山崎さんは精神異常者のレッテルを
36:34貼られたままの生活を強いられた
36:38そんなある日
36:44山崎さんを突然の病が襲ったのだ
36:54山崎さんを襲ったのは脳梗塞だった
36:58命に別状はなかったものの
37:01長いリハビリ生活が始まった
37:04病気を患った山崎さんは
37:06まるで生きる屍のようだったという
37:13はい
37:13おっちゃん
37:15お父さん
37:16病院の先生がね
37:19リハビリ兼ねて
37:20何か打ち込んだ方がいいというの
37:25そろそろいいんじゃない
37:30二股事件のこと書いてみたら
37:51そこには
37:53生き甲斐を見つけた山崎さんの姿があった
37:5750年前の記憶をたどり
38:00懸命に綴り始めた
38:07そして平成9年11月1日
38:11現場刑事の告発は
38:12直出版という形で製本されたのだ
38:17山崎家ではタブーとされ
38:19一切の詳細を明かされていなかった過去が
38:22今初次となって嫁がえったのだ
38:26親父ってすごいなって思いましたね
38:29やっぱり自分の中に思っとった
38:33厳格な父親そのままだったなっていうのがありましたね
38:39でこんだけのことやったら
38:41なんでもっと早く
38:43みんなに言ってくれりゃいいじゃん
38:45そんな間違ったことやってないんだから
38:47なんでもっと公に
38:50パーッとこんだけのしたんだっていうのを
38:53なんで言ってくれなかったのかなって
38:54逆にそういう思いがありましたね
38:59やっぱりありがとうでしょう
39:03自分の正義を貫いたという
39:05その大きなことはですね
39:09私たちにも生きていく上に
39:12大きな力になっていたことは確かだと思って
39:17ですね
39:20そしてそこには告発直前
39:22子供たちも知り得なかった夫婦のやりとりが
39:25綴られていたのだ
39:29妻にこの重大な決心を打ち明けた
39:32最初妻は納得しなかった
39:35そこで私は妻にこう言ったのだ
39:40いいかね
39:41もしも須藤が私たちの子供だったらどうも
39:45黙って見過ごしができるだろうか
39:49すると妻は
39:50分かりました
39:52あなたが男としてやらなくてはならないと決心されたのなら
39:57私は反対しません
39:59どんな苦労があっても一緒についていきます
40:04とはっきり承諾してくれた
40:08私はしっかりと妻の手を握った
40:13妻の正さんは
40:16今回ご高齢のためお話を伺えなかったが
40:20夫を支え続けていたことは言うまでもない
40:24そして平成14年
40:27山崎刑事は名誉回復できぬまま
40:3189年の生涯を閉じたのだ
40:35病院に行って、手握って
40:38親父ありがとうね
40:40って言った途中に息引き取ったんですけど
40:46父が綴った一冊の本を通して
40:49初めて事件の真実
40:52そして家族への思いを知ることになった
40:55山崎さんの家族
40:58よかったね、お父さん
41:00みんなに少しでも分かってもらえる
41:02時が今来たね、生きててもらえるとよかったけれど
41:08よかったよね
41:09
41:12正義を貫くために
41:14人生を賭け告発した山崎刑事
41:19頑固ゆえ、晩年まで多くを語らなかったことで
41:23家族にすら誤解を与えてきた
41:27しかしその生き様は
41:29山崎刑事の執念と共に
41:33確かに後世に残ったのだ
41:35ご視聴ありがとうございました
41:37ご視聴ありがとうございました

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