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  • 10 か月前
トランスクリプション
00:00この国の行く末はどこか
00:05柴良太郎は日本人への残された希望を
00:10未来に生きる子供たちに託した
00:13小学6年よう国語教科書に載せられた一文
00:19その執筆に柴は半年を費やした
00:24一番最初に頂いた元原稿はこれなんですね
00:34青が入っているんですね
00:38これが青ですよね
00:41何回も読み直されて
00:44気に入ったところで筆を置かれたという感じなんでしょうけれど
00:50本が出来上がった時にお礼を言いに行ったんですね
00:56そうしましたら対策を一本挙げたような感じだ
01:01というようにおっしゃられましたし
01:03ご自身で抱えてこの21世紀に生きる君たちへという文章が
01:08子供の中に吸い込まれていくんじゃないかということで
01:12それで恐ろしくて恐ろしくてという
01:15そういう言葉もおっしゃっておられましたですね
01:1721世紀に生きる君たちへ
01:26柴良太郎
01:30私は歴史小説を書いてきた
01:37もともと歴史が好きなのである
01:40両親を愛するようにして歴史を愛している
01:44歴史とは何でしょうと聞かれる時
01:48それは大きな世界です
01:51かつて存在した何億という人生が
01:54そこに詰め込まれている世界なのです
01:57と答えることにしている
01:59私には幸いこの世にたくさんの素晴らしい友人がいる
02:05歴史の中にもいる
02:07そこにはこの世では求め難いほどに素晴らしい人たちがいて
02:13私の日常を励ましたり
02:17慰めたりしてくれているのである
02:19だから私は少なくとも2000年以上の時間の中を
02:25生きているようなものだと思っている
02:27ただ寂しく思うことがある
02:31私が持っていなくて
02:35君たちだけが持っている大きなものがある
02:38未来というものである
02:40私の人生はすでに持ち時間が少ない
02:45例えば21世紀というものを見ることができないに違いない
02:51君たちは違う
02:5321世紀をたっぷり見ることができるばかりか
02:58その輝かしい担い手でもある
03:01もし未来という街角で
03:04私が君たちを呼び止めることができたら
03:08どんなにいいだろう
03:09田中君
03:11ちょっと伺えますが
03:13あなたが今歩いている21世紀とは
03:17どんな世の中でしょう
03:18そのように質問して
03:21君たちに教えてもらいたいのだが
03:24ただ残念にも
03:26その未来という街角には
03:28私はもういない
03:30だから君たちと話ができるのは
03:34今のうちだということである
03:36もっとも
03:38私には21世紀のことなど
03:41とても予測できない
03:43ただ
03:44私に言えることがある
03:46それは歴史から学んだ
03:49人間の生き方の基本的なことどもである
03:53昔も今も
03:56また未来においても変わらないことがある
03:59そこに空気と水
04:01それに土などという自然があって
04:04人間や他の動植物
04:06さらには微生物に至るまでが
04:09それに依存しつつ生きているということである
04:12自然こそ普遍の価値なのである
04:16歴史の中の人々は
04:20自然を恐れ
04:21その力をあがめ
04:23自分たちの上にあるものとして
04:26身を慎んできた
04:27この態度は
04:30近代や現代に入って少し裏いだ
04:33人間こそ一番偉い存在だ
04:37という思い上がった考えが頭をもたげた
04:4120世紀という現代は
04:44ある意味では
04:45自然への恐れが薄くなった時代と言っていい
04:48同時に
04:51人間は決して愚かではない
04:53思い上がるということとは
04:55およそ逆のことも合わせ考えた
04:58つまり
04:59私ども人間とは
05:01自然の一部に過ぎない
05:03という素直な考えである
05:06ある意味では
05:09平凡な事実に過ぎないこのことを
05:1220世紀の科学は
05:14科学の事実として
05:15人々の前に繰り広げてみせた
05:1820世紀末の人間たちは
05:22このことを知ることによって
05:25古代や中世に神を恐れたように
05:27再び自然を恐れるようになった
05:31おそらく
05:33自然に対し
05:35いばり返っていた時代は
05:3721世紀に近づくにつれて
05:39終わっていくに違いない
05:41そうなれば
05:4321世紀の人間は
05:46より一層自然を尊敬することになるだろう
05:49そして
05:50自然の一部である人間同士についても
05:5420世紀にも増して尊敬し合うようになるのに違いない
05:59そのようになることが
06:01君たちへの私の期待でもある
06:04さて
06:06君たち自身のことである
06:09君たちはいつの時代でもそうであったように
06:13事故を確立せねばならない
06:16自分に厳しく
06:18相手には優しく
06:20という事故を
06:22そして素直で賢い事故を
06:25私は人という文字を見るとき
06:29しばしば感動する
06:31斜めの核が互いに支え合って
06:35構成されているのである
06:36そのことでも分かるように
06:39人間は社会を作って生きている
06:42社会とは支え合う仕組みということである
06:47原始時代の社会は小さかった
06:50家族を中心とした社会だった
06:53それが次第に大きな社会になり
06:57今は国家と世界という社会を作り
07:01互いに助け合いながら生きているのである
07:04自然物としての人間は
07:07決して孤立して生きられるようには
07:10作られていない
07:11助け合うという気持ちや行動の
07:15元の元は
07:16いたわりという感情である
07:18他人の痛みを感じることと言ってもいい
07:22優しさと言い換えてもいい
07:25いたわり
07:26他人の痛みを感じること
07:29優しさ
07:30皆似たような言葉である
07:33この三つの言葉は
07:36もともと一つの根から出ているのである
07:40根と言っても本能ではない
07:42だから私たちは訓練をして
07:46それを身につけねばならないのである
07:48その訓練とは簡単なことである
07:52例えば友達が転ぶ
07:55ああ痛かったろうな
07:57と感じる気持ちを
07:59その都度自分の中で
08:01作り上げていきさえすればよい
08:03この根っこの感情が
08:06事故の中でしっかり根付いていけば
08:09他民族へのいたわりという気持ちも湧き出てくる
08:12君たちさえそういう事故を作っていけば
08:1721世紀は人類が仲良しで暮らせる時代になるのに違いない
08:23君たち
08:26君たちは常に晴れ上がった空のように
08:33高々とした心を持たねばならない
08:36同時にずっしりとたくましい足取りで
08:40大地を踏みしめつつ歩かねばならない
08:43私は君たちの心の中の
08:47最も美しいものを見続けながら
08:50以上のことを書いた
08:52書き終わって
08:55君たちの未来が
08:57真夏の太陽のように
08:59輝いているように感じた
09:22ご視聴ありがとうございました
09:29ご視聴ありがとうございました
09:31ご視聴ありがとうございました
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