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教育トランスクリプション
00:01続いては、発生から1か月がたった熊本地震についてです。
00:06今回、ガソリン切れが原因とみられる車中泊中の死亡
00:10ケースも出てしまいましたが、災害のたびに起きるガソ
00:13リンの問題を取材しました。
00:16そして、被災者の行動ビッグデータからは支援が届
00:21きづらい隠れ避難所の存在が見えてきました。
00:26震度7を観測した熊本県浮岐市おととい、山本キ
00:40ャスターが取材に入ったわー、もうかなり、わー、すごいですね。
00:50若木真一郎さん祖父以来3代にわたって住んできたこの
00:56場所が被害を受けた。
01:00もともとこちらはお店だったんですか?
01:03私の祖父が行商で金物をやってたんですけど昭和11年に
01:09ここを買い取ってお店にした。
01:14ここは江戸時代末期に建てられ4年前国の登録有
01:20形文化財となった。
01:26ドローンで撮影すると大きな被害状況が見えてきた広
01:33い敷地の中で瓦のほとんどが崩れ落ちていた建
01:38物もあったさらに大きな蔵の土壁が剥がれ落ち
01:45柱があらわになっていた。
02:04今、若木さんには大きな悩みがある。
02:08国の登録有形文化財であるため、浮市からはなるべく現状
02:14を維持するよう言われているという。文化庁も視察する予定だ。
02:21まだ片付けるには早いですからというところで片付けにも入れない
02:27んですよね。保存線や保管線という感じですね。捨てるというわけにはもう
02:32廃材で捨てることができない。それはなかなか作業が進まない
02:38ですね。進まないですね。
02:441か月たってもなかなか前に進めない人はここにも。卵
02:50の生産者、松村拓磨さん。一万羽飼育していた養鶏場が
03:00大きな被害を受けた。
03:03真ん中のところが垂れ下がっていて、もう全部。
03:08歪んでますね。
03:12水を供給するパイプも壊れたため、水を飲ませられなかった
03:174,000羽の鶏を処分せざるを得なかったという。
03:24助けられない鶏とかはやっぱりちょっと申し訳ないなって思った部分
03:27があります。
03:29建て直して、新しいのができてってなるまで1年とか1年半とか、
03:37まだ僕も見通しが立てられていない状況なので。
04:09前の長男が当時の詳細な経緯を明かしてくれた。
04:16最後に話をしたのは、たぶんこれだと思います。29日の10時36分ですね。
04:27これですね。午前中に電話はかかってきたんですか。
04:32母の方からかかってきました。とりあえずお前大丈夫だったか
04:38っていうことと、お皿とかの割れたりですね、電子レンジがこう倒れて
04:44いたりっていう話で、後で手伝いに来てくれっていうのが最後の
04:49話だったんです。
04:53ただ、男性は自身で鼻を骨折し、この日は治療のため
04:59実家に行くのを断念。
05:03翌30日の夜に連絡を取ろうとしたが。
05:24親戚に様子を見に行ってもらったところ、母親は車の中
05:30で心肺停止の状態で見つかった。
05:37車内はクーラーが効いておらず、ガソリンが切れた
05:41状態だったという。29日の最後の電話では、母親からは車中泊
05:49の話も、ガソリンが足りないという話もなかった。
05:58このガソリンについて男性には悔やまれることがあるという。
06:1829日の夕方、男性が向かったのはガソリンスタンド。1時間
06:26以上並んだ1軒目では。
06:29いざ蛍光管を取り出そうとしたら、今日は蛍光管の購入
06:35はご遠慮くださいということでですね。
06:40午後10時前にたどり着いた2軒目では、蛍光管には午
06:46後9時半までしか入れられないと断られたという。
06:51もし蛍光管にガソリンを入手できたら。
06:56電話をしてですね、もし予備でいるんだったら持っていくよみたいな話
07:03もできてたかもしれないです。
07:07過去の災害でも被災地のガソリン供給は繰り返し
07:12問題となってきた。
07:14国は非常用発電機を備えた災害に強いガソリン
07:19スタンドの整備を推進している。
07:27八代市にあるこの店もその一つだ。
07:47それでも設備の点検を終え、営業を再開できたのは地震
07:53から2日後のこと。
08:00店には長蛇の列ができた。
08:04ずっと行列ができてたんですけど、大体1キロから1.5キロ
08:08ぐらい。
08:11中には3時間以上並んだ客もいたというが。
08:172,000円上限にさせてもらって、大体11リッターちょっとぐらい
08:22ですね。
08:22そうしないとすぐに。
08:24多分半日もたないと思います。普通に営業してたら。
08:30猛暑の被災地での給油作業は過酷を極めた。
08:37もう熱中症になりながらやっぱり店を回してたんでですね。
08:40ご自宅は大丈夫だったの?
08:42水がやっぱりずっと出なかったんで。
08:45自分も子供とかは電気水がある親戚の家とかに預けて
08:48たんですよね。
08:50じゃあそのご自宅の生活の確保よりもガソリンス
08:54タンド優先。
08:54そうですね。はい。
08:55中仕事優先させてもらって。
08:59地域のためにと、こちらの店では蛍光管への給油も行って
09:05いた。
09:07結構その需要は多かったですか?
09:09そうですね。多かったです。
09:10発電機用だったりとか。
09:11あとは車で来れないガス欠とかされてる方も多分おら
09:15れたって聞いたんでですね。
09:18ただ、これには手間もかかる。
09:24蛍光管への給油の際には、運転免許証などによる
09:28本人確認を行い、販売記録を作成することが、法令で
09:35義務付けられている。
09:38国は災害時には本人確認などを省略できると定めて
09:44いるが、実際には続けざるを得なかったという。
09:51災害時っていうだとですね、まだはっきり言ったもしてないと思うので。
09:55そこの判断が、スタンド側に判断を任されているっていうのも、
10:01なかなか難しいところがありますね。
10:03連絡があればですね、一番わかりやすいんですけども。
10:10資源エネルギー庁の委員会で、燃料対策の議論に
10:15携わる平野宗教授。
10:20国が公開しているガソリンスタンドの営業情報のマ
10:25ップに、蛍光管に給油できるかどうかの情報も記載する
10:30ことを提案する。
10:35災害時にはここが対応しているということを平時から知っていることが、
10:39対応力を高めてくれるんじゃないかなと思っています。
10:41蛍光管に対応するとですね、非常に満波がかかりますので、緊急
10:45時にそこに人を貼り付けるような、そういうオペレーショ
10:47ンシステムとセットで導入していかなければいけないというふ
10:50うに思っています。
10:52一方で、蛍光管でのガソリンの保管は、高温の場
10:57所に置くと紛失する恐れがあるなど、安全性の観点から
11:02推奨されていない。
11:09ガソリンスタンドまできちんと届けば大丈夫であろうということを
11:13前提にして、わりと考えていたので、その先のところできちんと車中
11:18泊をしている人、かつガソリンスタンドに来るのが困
11:21難な人々に、どうやって燃料を届けるのかというところが、まだ議論
11:26が不十分だった。
11:29こうした中、被災地に臨時のガソリンスタンドを設
11:34置する会社がある。
11:37兵庫県の燃料供給会社、横田歴生工業だ。
11:43これが熊本に持っていったどこでもスタンドです。
11:48こことここをホースでつないでつなぐだけで、これ全体で
11:53給油所になるんですけど。
11:57この会社が開発した移動式給油機どこでもスタンドは、
12:03特別な設備がない空き地でも、タンクローリーに直接つ
12:08なぐだけで、給油が可能になる。
12:14今回の熊本地震では八代市とガス会社の要請を受
12:19けて出動し、公用車や作業車への燃料供給を担った。
12:27地元のスタンドを自分たちが使うと、やっぱり地元
12:30の人たちに負担をかけるということで、地元を使わないっていう方針
12:35で。
12:39発災直後、ガソリンスタンドは設備の復旧や安全確
12:44認に追われ、営業再開までに時間を要する。
12:50発災後、3日から4日間は、やっぱりどうしても仕組み上、
12:55空白の時間ができるんで、その空白を僕らの仕組みで埋
13:02めることができれば、本当にお役に立てるんだろうと思います。
13:08ガソリンを入れたドラム缶につないで供給することも
13:13可能だ。
13:15野戸半島では、被災したガソリンスタンドが、この方法で
13:20仮営業を続け、一般車両にも給油した。
13:26しかし、数多くの被災者を対象にする場合には、拠点
13:31の数や人員確保がハードルになるという。
13:37市民の方を相手にする場合、やっぱりそのボリュームが
13:41読めないというか、大きくなるので、やっぱりある程度捌ける仕組
13:49みがないと、ちょっと難しいだろうなとは思いますね。
13:54今回の地震では軒先避難や車中泊による見えづらい
14:00避難者の把握が課題となった東京大学の関本義
14:07秀教授避難の実態を把握するためドコモの基地局
14:13のデータを基に災害時の人の動きを分析している。
14:21こちらはですね、その当日の15時と18時の間の人口分布
14:27の変化です。
14:29ここがちょうどイオンモールがあった場所になるんですけども、
14:34ここが全体が18時の時点で合わせると大体2600
14:41人ぐらい減ったっていうのが分かります。
14:44逆にここはですね、鹿島町の役所と近辺に避難所がある
14:51関係で、そこには急に人が集まったっていうことになります。
14:58地震直後、赤は人が増加したエリア。
15:03青は、青は減少したエリア。
15:06数字はその人数を表す。
15:10さらに赤や青の点は、指定避難所や指定緊急避
15:16難場所だ。
15:18地震後、爆発のあったイオンモール周辺は、合わせて2600
15:24人以上が減少。
15:27避難所などがあるエリアは222人増加したことを示
15:33している。
15:35震度7を観測した氷川町では。
15:40避難所もあるのにすごい青くなってる。
15:43そうですね。
15:45つまり避難所には避難しなかったってことを表してるんですか。
15:51誤差要因はあり得るので、何とも言えないんですが、でもおっしゃ
15:55るように、避難していなかった可能性は結構あるかもしれないです。
16:04当時、氷川町では、停電などを理由に、地震発生から丸
16:101日以上、避難所を一つも開設できないでいた。
16:19一方で、避難所がないはずなのに、人の増加が見ら
16:24れたエリアもある。
16:27ここが増えてる。1か所だけかなり増えてますね。
16:32そうですね。もしかすると隠れ避難所のような形で、皆さんが自然
16:39的に避難して集まってきてた可能性はありますね。
16:47私たちはその場所に向かった。
16:54災害時の人の動きを分析すると、避難所がないものの、
16:58人々が集まっていた、いわば隠れ避難所の存在が見
17:04えてきた。
17:07場所は、浮岐市松橋町。そのエリアに向かうと、そこ
17:16にあったのは道の駅だった。当時は地震による停電で
17:23店を閉めたというが。
17:45道の駅が地震直後、隠れ避難所になっていたのだ。
17:53物資などの支援については。
17:58食料とか水とか、そういったことは困ったりされなかったですか。
18:03まあその避難所をやっぱり優先してですね多分武士がいた
18:09かと思うんでですねこちらにはなかったからですね昼間から避難されている方
18:15がやっぱり熱中症に必要になられた方がいてですねどうしても
18:20やっぱりやっぱり水がなかったからですね。
18:25人が自然に集まる隠れ避難所は把握が難しく支
18:31援が届きづらいという課題がある関本教授は隠れ避難
18:38所をいち早く見つけることが重要だと話す。
18:43もちろん避難することは大事なので安全な場所に行くっていう
18:48のはとても重要だと思うんですが、一方で公式に指定された
18:54避難所でないと避難物資が優先的に配布されないとか
19:00そういうデメリットもあるので。
19:02こういうデータを提供することで救援物資の迅速な配
19:08送とかそういうのにいろいろ役に立ててほしいなと思って
19:12います。
19:15命を守る現場も被害を受けた。
19:20こちらは八代市などを管轄する消防本部なんですけれども地
19:25震の影響で建物自体が被害を受けまして崩落危
19:29険立ち入り禁止の貼り紙が貼られています。
19:34これは八代広域消防本部の被災後の写真だ地震
19:42によって119番通報を受信するシステムが壊れてしま
19:47った実際八代市にある工場で9人が亡くなった日本製
19:55紙は会見でこう明かしていた。
20:17地震発生直後の3時間で各地の消防には数百件の
20:23通報が殺到した。
20:29一部の地域で震度6強を観測した熊本市などを
20:34管轄する熊本市消防局でも。
20:388歳から3時間で288本の通報があっております。
20:45形状と比べたら13倍ぐらいですかね。
20:53熊本市消防局には10年前の苦い経験がある。
21:002016年の熊本地震では指令官制室が被災。
21:07天井の一部が落ち大画面モニターが表示されない中、1
21:1219番対応を続けた。
21:27あまりにも騒然となってちょっと指示がちゃんと通らないというよう
21:31なところ。
21:32そこら辺がやっぱりちょっと課題であって。
21:43コールトリアージとは殺到する通報に対し、緊急、純緊
21:50急、低緊急と優先順位を決めて対応することだ。
21:56低緊急と判断すれば、救急車は出動しないと通報
22:02者に伝える。
22:04しかし、当時その基準が明確でなく、司令員の判断に委
22:09ねられていた。
22:11何の基準もなくて、自分の物差しだけで出したり出さ
22:16なかったりしているところで、
22:18出さなかった相手に対して、通報者に対してものすごく葛藤
22:22が残った。
22:24この教訓を受けて、2020年、全国に先駆けて導入したのが、ト
22:32リアージモードだ。
22:34緊急と、純緊急と、低緊急という表示で、赤と黄色と緑の
22:41表示があります。
22:42これが通常だったら出てこないんですけど、これがトリアージモ
22:47ードになると、これが出てきます。
22:49低緊急をしましたね。
22:52すると、不応受というのがあります。
22:55はい、不応受。
22:57一旦お断りというような形をした方にも、必ずうちの方
23:02は後追いで、
23:03また落ち着いた時点で、折り返しの電話をして、
23:07救急車が必要と言われた方には、救急車を出動させて
23:11向けるというような対応をしております。
23:15このトリアージモードが、今回の地震で初めて発動された。
23:23およそ400件の通報のうち、92件を低緊急と判断。
23:30その後、改めて通報者に連絡したところ、救急車を出動させ
23:35たのは13件。
23:38救急車が不要だったのは49件だった。
23:4410年前の教訓は他にも。
23:47指令官制室では、地震の揺れからシステムを守るため、
23:52面震床を設置。
23:56それでも被害が出た場合、別の場所で119番対応を
24:01継続できる、
24:03過半型指令システムを全国で初めて導入した。
24:09市民のSOSの第一歩の入り口なんでですね、
24:14そこがちょっと途絶えてしまうと、全く対応ができなくなりますので、
24:19そこだけはちょっと守らなければいけない。
24:25被災しながらも、前向きに歩み出した人がいる。
24:321ヶ月前に取材した、創業100年を超える、
24:36岡市の田代福神堂。
24:40この倒壊した建物は以前の店舗だが、
24:45店主らは地震発生時、
24:47引っ越したばかりの新しい店舗で作業していたため、
24:52難を逃れた。
24:56当時、店舗の床には、
24:59名物のお菓子、副暴炉が散らばっていた。
25:05おはようございます。
25:06おととい、再び訪ねると。
25:09いやー、
25:11お店の中もずいぶん片付けられて、
25:14しっかり営業っていう形になってますね。
25:19店内には、お菓子がきれいに並べられていた。
25:26副暴炉を作っていく
25:35およそ10分焼き上がった
25:41震災後、うちのお菓子ばっかりじゃなくて、
25:44他のお菓子も、なんか少なくなって、
25:47作られるとことかがストップして、
25:50で、お客様から、なんかやっぱ甘かつ食べたかとよ、
25:55言われたんです。
25:58できるものからし始めたって感じですね。
26:00そうですか。
26:03この日、常連客が震災以降、初めて来店した。
26:09ああ、こんにちは。
26:10よかったですね。
26:11よかったです。
26:13おかげさまでした。
26:14ありがとうございます。
26:16こういう地域の方々との交流って、
26:18すごい、なんか大事ですね。
26:20そうですね。
26:21どうしても、もう地震の話にはなりますけども、
26:24お話しすることも、やっぱり大事だな。
26:30一方で、向かいにあった他の店は倒壊し、
26:35今もシートで覆われている。
26:40周りの方見てたら、
26:43うん、いいんかなって、
26:45つらい気持ちがあられると思うんですよね。
26:48シビアな話、お金もかかるし、
26:51何年かかるんかは、
26:52もう分かんないしっていうのを、
26:55一概に頑張って、
26:56ね、してくださいね。
26:58でもちょっともう、声もちょっとかけにくいし。
27:03自分たちはいいのかなって、
27:05おっしゃってましたね。
27:07うん。
27:08まあ、でも、たまにですね、
27:10会えば、
27:11頑張れよ、頑張れよって言っていただけて、
27:15もう、下ばっかり向いててもな。
27:19お客様に笑顔になってもらう、
27:22それだけです。
27:24今は、多くの地域でダイフラインが復旧して、
27:27人の営みが戻る一方で、
27:30発災直後と変わらない景色も広がっていました。
27:33お話を伺った田代さんは、
27:35自分たちは営業を再開できたけれども、
27:38目の前には崩れたままのお店があると、
27:41見通しが立たない仲間がいる中で、
27:43自分たちだけが前に進んでいいんだろうかと、
27:46複雑な思いを語ってくださいました。
27:49取材のあとも、田代さんは変わってしまった
27:52八代の景色を眺めながらですね、
27:55でも、前を向かんとですねと、
27:57ご自身に言い聞かせるようにおっしゃっていたのが、
28:00とても印象に残っています。
28:02取材をすると、
28:03過去の教訓が生かされた場面が、
28:05さまざまな現場にあるということも分かりました。
28:09例えば、10年前に隠れ避難所になった
28:12グランメッセ熊本という施設があるんですけれども、
28:15今回は避難してこないように呼びかけを行ったおかげで、
28:19支援物資の集積拠点としての機能を果たせているということで
28:22した。
28:23ただ、一方で、このガソリンスタンドですけれども、
28:26取材に応じてくださった八代市のスタンドも、
28:29その後、不具合が見つかって、
28:32きょうから営業を停止しているということなんですね。
28:35やはり地震直後は、安全確認などのために、
28:38すぐには営業できないという事情もよく分かりました。
28:42ガソリンについては、地震直後の2、3日をどう乗り
28:45切るかということは、
28:46今後も課題になると思いました。