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教育トランスクリプション
00:19陸軍軍医中将石井志郎
00:23最近兵器の開発を目的とした秘密部隊731を創設
00:28自らその部隊長を務めた
00:33旧満州で活動した731部隊には
00:37当時日本の最高レベルの医学者たちが集められて
00:40いた
00:45今年アメリカユタ州の陸軍基地で
00:48膨大な報告書が発見された
00:53731部隊による人体実験のデータである
01:01ここでは人為的に細菌を感染させられた人体が
01:05どのように蝕まれていくのか
01:08臓器が一つ一つ解剖され
01:11つぶさに観察されている
01:18実験材料とされたのは
01:20ほとんどが旧満州の中国人である
01:24この報告書によって
01:26731部隊が行った人体実験の全貌が明らかになった
01:34日本の戦争責任が裁かれた東京裁判
01:38この水面下で731部隊をめぐる
01:41米ソの激しい駆け引きが繰り広げられた
01:47ソビエトのスミルノフ検事は
01:48東京裁判で731部隊の告発を目指す
01:53しかし人体実験データの独占を目論む
01:56アメリカにこれを阻まれたのである
02:05東京裁判決心の翌年
02:08ソビエトは部隊をハバロフスクに移し
02:11関東軍再近戦部隊を裁く軍事裁判を開いた
02:22裁判は1949年12月
02:26シェフチェンコ通りに面した
02:28旧ソビエト軍商工会館で行われた
02:38ハバロフスク軍事裁判
02:43元関東軍司令官山田音蔵をはじめとする
02:46元関東軍商工と元最近戦部隊員12人が
02:51被告席にならんだ
02:59スミルノフは公開裁判で731部隊の行為を明
03:03らかにし
03:04アメリカ主導で行われた東京裁判の不完全さに
03:08世界の目を向けようとしたのである
03:14しかしアメリカをはじめとする西側諸国はこれを黙
03:18殺
03:19以来この裁判は幻の極東軍事裁判とも呼ばれてきた
03:30ソビエト連邦が解体した直後の今年1月
03:33私たちは情報公開が進むモスクワを訪ねた
03:40私たちが求めるハバロフスク軍事裁判の記録
03:43は
03:43元KGB本部の資料館に残されていた
03:48пожалуйста проходите
03:50вот хранилище документов
03:51которые никогда не публиковались
03:55здесь кроме документов
03:58остальных имеются и документы
03:59Хабаровского процесса
04:02содержится 2 тома
04:05следственного дела
04:06по обвинению Ямады
04:08и других
04:09японских военных
04:13вот можно для примера
04:24ハバラオフスク軍事裁判の被告たちの尋問聴
04:27書
04:30捜査はKGBの前身にあたる内務省が担当
04:34膨大な時間と人材を投入して聴書が作成された
04:40そこには旧満州における731部隊の活動がセキラ
04:45ラに告白されている
04:50公判記録と尋問聴書そして関東軍機密文書などの
04:55証拠書類
04:57私たちに公開されたハバラオフスク軍事裁判の
05:00記録は26冊にも及んだ
05:06日本の最近戦部隊の行為を世界で初めて告発したハバラ
05:11オフスク軍事裁判
05:1326冊の裁判記録がひもとかれ
05:15この裁判の実態が明らかになるのは今回が初めてのことで
05:20ある
05:29ハバラオフスク旧ソビエト軍商工会館
05:33裁判はここで1949年12月25日から30日までの6日間
05:40行われた
05:44壇上に裁判官席、検事席、弁護人席が設けられ
05:49被告席は会場の最前列を木枠で仕切って作られた
05:57ソビエト側が選んだ12人の被告たち
06:02山田乙造元関東軍司令官
06:09元関東軍軍医部長、獣医部長
06:13そしてソマン国境に置かれていた731部隊支部の支部
06:17長たち
06:18さらには軍属衛生兵など多岐に渡っている
06:26裁判長はチェルトコフ少将
06:29壇上右手には8人のソビエト人弁護士が並んだ
06:36左手には検事席が設けられ
06:38その中央には代表検事としてスミルノフが座った
06:43スミルノフにとってはミュルンベルグ、東京に続く
06:47戦犯裁判だった
06:51当時ソビエトでは多くのBC級戦犯の裁判が非公
06:55開で行われていた
06:58その中でハバロフスク軍事裁判だけが唯一の公開
07:02裁判だったのである
07:04傍聴席には連日1000人以上の市民が詰めかけたという
07:1412人の被告のうち2人が今も健在である
07:19731部隊臨行支部に所属した久留島雄二さん
07:26裁判所に着いた時はもうこれはすごい裁判だなと思いましたね
07:33とにかくもう外へ人が入れんぐらいに外がおりましたから
07:39ね
07:40だからこれはすごい裁判だなと
07:44一般の裁判では秘密裁判で20人30人並べられて
07:50弁護人もなしですぐ刑用を決められたような裁判でした
07:55けどね
07:56私の場合はこれはすごい
07:59これはもう平台や
08:02なぜこのように裁判をかけられないといけないのかな
08:06召喚と一緒にね
08:11関東軍100部隊に所属した三友和夫さん
08:17三友さんは被告の中で最年少の25歳だった
08:22僕なんかももう受殺権なんじゃないかという最初から
08:25あの取り調べの段階でそういう感じですね
08:29ということはあの途中で裁判の前にあの洋服の寸法取りに
08:36来たりとかですね
08:37裁判の前日には床屋が入って全部散髪やららに全部した
08:42りとかですね
08:43前日に風呂を特別に入れたりとかですね
08:46あのそういうようないろいろあったんでちょっと異様な雰囲気はあ
08:50ったですね
08:5526冊の裁判記録
08:59そのナンバー25に6日間にわたる後半でのやり取
09:03りがすべて記録されている
09:07真理は通訳を介して行われ証言はすべてロシア
09:11語で記録された
09:181949年12月25日正午
09:22ハバロフスク軍事裁判は改定
09:24基礎上朗読をもって真理に入った
09:30基礎上
09:32他年にわたり
09:34帝国主義日本は極東における侵略の主なる根源地で
09:38あった
09:40日本の参謀本部及び陸軍省は
09:44日本の有名な細菌船提唱者石井志郎を調とし
09:50基礎上には日本の細菌船部隊の罪が列挙されている
09:55細菌船を準備した罪
09:57生きた人間を実験に使用した人道上の罪
10:01中国で細菌兵器を実際に使用した罪
10:04ソビエトに対して戦争を準備した罪
10:08ソビエトは細菌船部隊に関わった個人としての責任
10:12を問い
10:13さらには日本の戦争責任を追求しようとした
10:16強制感染によって数千人の囚人を殺戮するがごと
10:21き
10:21あらゆる凶悪な行為をあえて成したことが判明した
10:31基礎上を書き上げる元になった内務省の捜査記録
10:35この中には100人以上の証人の証言や
10:38被告たちの尋問聴書が含まれている
10:46被告の一人が記した731部隊本部の配置図
10:55731部隊の組織とその配置がこと細かく記されている
11:05研究棟の内側に描かれているのは
11:07実験材料となった人間を収容した
11:10校内監獄である
11:16取り調べは731部隊部隊長石井志郎の下で行
11:20われた
11:21あらゆる行為に及んでいる
11:24中国人やロシア人などを使って人体実験をしていた事
11:27実
11:28彼らはマルタと呼ばれ後に殺害されたという事実
11:33ソビエト側は尋問で得られた供述を分析し
11:37最近戦部隊の戦争犯罪を立証しようとした
11:51ハバロフスク軍事裁判の被告たちは
11:53裁判改定の2ヶ月前に1箇所に集められた
11:58当時1号看護婦と呼ばれた
12:00ハバロフスク公地署である
12:07ここは現在も公地署として使われている
12:13被告たちはそれぞれ別々の官房に収容され
12:16公地署内に設けられた取り調べ室で尋問を受け
12:19た
12:31当時尋問が行われた取り調べ室が残っていた
12:41プロターソフさんは通訳官としてここでの尋問に連日
12:45立ち会った
12:52その調査をやった時はですね
12:55尋問官はいつもその中に触ってありました
13:01検事はいつもこのところで触って
13:07細菌学者は国です
13:08通訳は細菌学者と隣で
13:11被告人は刑事と隣でした
13:16それをどのくらいやったんですか
13:18さあ2ヶ月
13:23毎日
13:24毎日やっていました
13:27被告の一人
13:29三友和夫さんのファイル
13:32学歴や軍歴など様々な個人情報と
13:35捕虜になってからの収容所の移動などが
13:38詳細に記されている
13:40ソビエト側は三友さんが上官の命令で
13:43人体実験に参加した事実を追求した
13:48相当具体的な向こうがことを分かっているようなことを
13:52いろいろ匂わせてきてますんでね
13:56そのうち何人かの証人の長所を見せられまして
14:03下に1枚ずつ全部サインするわけですね
14:06長所の
14:07そのサインを見せらせて
14:08こういう人間知っているか
14:09こういう人間は記憶があるかというようなあれで
14:12いろいろとその名前を見て
14:15記憶から薄れ取ったような人の名前まであるのでね
14:21これは相当やっぱり向こうは
14:23調べた上でという感じ
14:27さっきとの話だったので
14:30だからあんまりいい加減なことも言えないなと
14:34いう感じですね
14:38三友さんが所属したのは
14:40関東軍100部隊であった
14:43前線に欠かせない軍場を
14:45伝染病から守る仕事を
14:47主な任務として誕生した部隊である
14:51ソビエトは
14:52この100部隊第2部第6課が
14:56731部隊同様
14:58最近戦の研究をしていたとみなしていた
15:01三友さんはこの第6課に所属する軍族だった
15:07三友さんの尋問聴書
15:10尋問は1949年10月22日から始まっている
15:16取調官がロシア語で筆記
15:18通訳された上で本人がサインをするという方法で進め
15:22られた
15:24証言内容に矛盾が生じた場合は
15:26他の証人と対面させるなどして追及した
15:30取調べは時には深夜まで及んだ
15:37生きた人間に対する実験の例を挙げてください
15:441944年9月
15:46細菌学者の上官に
15:49実験に参加するよう勧められました
15:53非実験者8人の食事に
15:55ヘロインや朝鮮朝顔を混ぜて実験しました
16:00私はその後の人体内の変化を観察しました
16:06一人が死亡しました
16:09さらに生産狩りが人体に注射され
16:12二人が殺されました
16:16人体実験に関わっていたと取れるこの供述に
16:19ソビエト側は注目した
16:216日後この実験に絞って尋問が行われた
16:2622日の尋問で
16:28あなたは人体実験に関与せざるを得なかったと述べ
16:31ている
16:32もっと明確に述べてください
16:37一人の中国籍の男が
16:40私の調合した薬を服用後
16:42死にました
16:46また一人のロシア人は
16:47生産狩りを注射されて
16:49その場で死亡しました
16:54あなたは10月22日の尋問で
16:57生産狩りの注射によって殺害されたのは
17:00二人だと言っているが
17:02今度は一人だと供述している
17:05どういうことですか
17:09それは
17:11一人は毒殺
17:13一人は生産狩りの注射によって死んだという意味です
17:2022日の証言と28日の証言は
17:24生産狩りを注射されて死亡した人間の数が食い違
17:27っていた
17:28取調官はこの数の矛盾を追求したのである
17:34一人のロシア人に対し
17:371944年8月
17:402週間にわたり
17:41様々な実験が行われました
17:45本人が体が衰弱した結果
17:48上官はこのロシア人に
17:50生産狩りを注射して殺すよう命じました
17:54このロシア人に気づかれないように
17:57殺害の3日前に下痢を起こさせ
18:00下痢止めの処置をしました
18:03その後治らないとして
18:05食塩水を注射しました
18:09翌日治療を装い
18:11ロシア人に0.1グラムの生産狩りを注射しました
18:17ロシア人はその直後死亡しました
18:30自分としては当時ね
18:3318歳、20歳前のことで
18:36良い悪いの判断が当然できる年齢であろうと
18:40言われればあれですけども
18:42一方的な戦時教育を受けた人間としてですね
18:47当然軍隊という組織の中で
18:50与えられた命令については
18:52批判とかそういうことは
18:54初めから全然抜きにして
18:56とにかく与えられた命令は
18:58遂行するのが自分の責務であるという
19:01考えでやったことについてね
19:03それが間違っておったということであれば
19:07それは裁かれてもやむを得ないだろうと
19:15ソビエト側は取調室での供述を
19:18裁判の法廷でも繰り返すことを求めた
19:24100部隊で行われていた
19:26生きた人間を使用する実験に関し
19:29知っていることをすっかり話してもらいたい
19:332週間に5、6回
19:35毒入りの食事が非実験者に対して
19:38与えられました
19:40汁には朝鮮朝顔
19:43かゆにはヘロインを混ぜました
19:472週間後には衰弱し
19:49実験の役に立たなくなりました
19:52そして彼らはどうなりましたか
19:56機密保持のためみな殺されました
20:00どんな方法でですか
20:02ロシア人は生産カリを0.1グラム注射されて
20:06殺されました
20:10こうして公開の場で人体実験の事実が追求され
20:15人道上の罪が印象付けられていった
20:19しかしソビエト側にとって
20:21被告個人の罪を裁くことだけが
20:23この裁判の目的ではなかった
20:33日本の占領政策を協議する第102回対日理事会が
20:38東京で開かれた
20:39ハバロフスクで裁判が始まる4日前のことである
20:43シーボルト議長は理事会に先立ちソ連の日本人引
20:47き上げに関する態度についてソ連を避難することができ
20:50ると述べましたが
20:51開会と同時にソ連側は声明を読み上げた後全
20:55員審議を拒否異常から退場して注目を引きました
20:59ソビエトにはまだ37万人の抑留者がいるとする日本に対
21:03し
21:04ソビエトは抑留者はすべて帰国させたと主張
21:07していた
21:10アメリカはこのソビエトの抑留問題に対する姿勢を
21:13激しく非難した
21:19この年東ドイツと中華人民共和国が成立
21:23ソビエトを中心とする東側陣営は
21:26トルーマンドクトリンを掲げるアメリカとの対
21:29立を深めていた
21:31ハバロフスク軍事裁判はまさに東西の政治的緊張
21:35の中で行われたのである
21:40ソビエト側はハバロフスクの法廷で
21:43最近戦部隊の行為を個人の罪としてだけではなく
21:48国家的犯罪として裁こうとしていた
21:51このための切り札とされたのが
21:53元関東軍司令官山田乙蔵だった
22:04山田乙蔵の尋問聴書
22:09関東軍の最後の司令官山田乙蔵は
22:12日本のソビエトに対する戦争責任を明らかにする上
22:16で
22:16最も重要な人物であった
22:28ハバロフスクにあった特別古料収容所
22:330045ラーゲリ
22:3500はスターリンの直名を意味していた
22:42この0045ラーゲリには元満州国皇帝フギも収容さ
22:47れていた
22:48山田をはじめ関東軍参謀たちはここで尋問を受け
22:52た
22:56山田の尋問聴書はスターリンのもとへも届けら
23:00れていた
23:01ソビエト側は731部隊の最近戦研究が
23:05関東軍司令官の直接指揮下で行われたかどうかを追
23:09求した
23:15ハバロフスク内務省局長から
23:17ソビエト内務省翼流局長への手紙
23:22あなたの命令で山田を監獄に拘禁した
23:27同じ部屋に木村という暗号名のスパイを送り込んだ
23:31山田が731部隊と関係していたかどうか判断するためで
23:36ある
23:38しかしスパイの木村の話では
23:40山田は731部隊との関係を否定し続けている
23:55ソビエト軍は関東軍司令部や憲兵隊本部から
23:59多くの証拠資料を押収していた
24:03ハバロフスク内務省では尋問のために資料の分析
24:07を急いで
24:11ソビエト側が注目したのは特別移送扱い
24:14得意扱いという制度だった
24:18得意扱いとは関東軍の憲兵隊や特務機関が
24:22捉えた中国人などを実験材料として
24:25731部隊に送り込む制度である
24:31この制度は731部隊の人体実験に
24:34関東軍が組織ぐるみで関わっていたことを示す
24:38有力な証拠だった
24:41この表には公日活動家など
24:44得意扱いとするべき囚人の条件が規定されている
25:01731部隊本部から最も近い大都市
25:04ハルビン
25:07この町の憲兵隊や特務機関が
25:09多くの囚人を得意扱いとして
25:13731部隊に送り込んだ
25:19ハルビンの旧憲兵隊本部
25:26公日活動やスパイ活動の容疑で絶えず
25:29多くの人々が逮捕され
25:31ここに連行された
25:40連行された人々に対し
25:42ここで厳しい取り調べが行われた後
25:45得意扱いなどの処分が決定された
25:51こうした憲兵隊や特務機関の施設は
25:54市内の各所にあり
25:56現地の中国人から恐れられていた
26:06ソビエトが押収した憲兵隊の資料
26:10得意扱いで731部隊に送られた
26:13中国人の住所氏名の記録である
26:17ボタンコ事件で得意扱いになった人々の名簿
26:21その中の一人シュ・シエイさんの妻が健在である
26:331941年7月17日のことでした
26:37その日に限って主人は夜になっても
26:40なかなか帰ってきませんでした
26:43夜の7時半頃に突然7、8人の日本の憲兵隊員が
26:48やってきて
26:49無線機はどこに隠してあるのかと尋ねました
26:53私が知らないと答えると
26:55憲兵の一人が私を押さえつけ
26:58家の中をめちゃくちゃにひっかき回しました
27:02翌朝私は憲兵隊の建物に連れて行かれました
27:07そこには手錠と足枷をはめられ
27:11ボロボロの服をまとった主人が
27:13無残な姿でいました
27:17主人の顔を見たのはそれが最後でした
27:28得意扱いの処分を受けた人々は
27:31こうした監獄に収容され
27:33731部隊に送られる日を待った
27:51この得意扱いの制度について
27:53山田乙蔵は
27:55自分の赴任前に決定されたものであり
27:58事態の多くは知らなかったと供述した
28:03ソビエト側は得意扱いが
28:06関東軍司令官の指揮命令下で
28:08行われたことを認めるよう
28:10山田に迫った
28:13ツビロフさんは山田担当の通訳官だった
28:18取調官の表現が奨励していた
28:21最高責任者として
28:24関東軍の最高責任者として
28:26奨励していたという風に表現をしていた
28:31それを尋問庁舎にも書こうとしたんです
28:38山田大将がそれを奨励してはいません
28:44黙認をしました
28:46黙認したことはもう事実です
28:51こうして山田は
28:52731部隊について主体的な責任を回避した
28:56人体実験については
28:58その事実も知らなかったと供述した
29:04ソビエト側は山田の日記に注目した
29:11日記の記述を手がかりに
29:13731部隊と共に最近戦を研究していたとされる
29:17100部隊と山田との関係を追求したのである
29:29100部隊における最近の研究及び生産に関する業務と
29:34はどのようなものですか
29:38私は100部隊が具体的にどんな業務をしていたかは知
29:42らず
29:44また報告も受けたことがありません
30:1412月12日
30:16ソビエト側はこの高橋10位部長と山田司令官と
30:21の関係に絞って尋問を重ねた
30:28その5日後
30:30山田はついに100部隊との関係を認めたのである
30:37今思い出しました
30:40高橋10位部長は
30:42司令官として着任した私に
30:45100部隊が伝染病の予防と合わせて
30:49最近兵器の研究生産にも従事していると報告しています
30:55100部隊は関東軍司令官たる私に直属する部隊で
31:00最近兵器の使用法と大量生産に携わっていました
31:07この事実を私は認めます
31:11山田は100部隊そして731部隊の最近戦研究について
31:15司令官としての関わりを認め始めたのである
31:22司令官山田音蔵の証言が手に入った時
31:26私たちはそれを取り調べ中の被告たちに示しました
31:30そしてこう言ったのです
31:32お前たちは口を閉ざしているが
31:35ここに司令官の証言があると
31:38彼らは大変な衝撃を受けていました
31:42そしてその後はありのままを証言するようになったのです
31:46実際裁判の目的は
31:49個人を厳しく罰するということではなく
31:52むしろ世界に向かってこの事実をアピールすることだったの
31:57です
32:01ソビエト側はこの裁判で
32:04731部隊の行為を個人の罪として追求するだけでなく
32:09日本軍全体の組織的犯罪であり
32:11国家の罪であることを世界に訴えようとしたのである
32:17山田の供述をきっかけに
32:18他の被告たちも具体的な証言を始めた
32:30731部隊アンダー実験場
32:35ここでは細菌爆弾による感染実験が行われた
32:41証言によれば実験材料となった人々は
32:45杭に縛り付けられ大量の細菌を浴びた
32:51本部跡から発見された宇治型細菌爆弾
32:57少量の火薬でも破裂するように陶器で作られている
33:01爆発の熱で細菌が死滅しないように工夫されたのである
33:12被告の一人が記した地図
33:15731部隊の隊員が
33:17中国の戦場で実際に細菌兵器を使ったという場所が記
33:21されている
33:25証言によれば
33:27731部隊は日中戦争時に3度にわたって
33:31細菌兵器の実践での使用実験を行った
33:40こうした被告たちの証言から
33:42ソビエト側は
33:44日本の国家としての犯罪を立証するための材料を
33:48集めていったのである
33:55そしてハバロフスク市民が見守る法廷で
33:58元関東軍司令官山田乙蔵は証言台に立った
34:05国家検事
34:06山田被告の尋問を始めてください
34:12被告山田
34:14関東軍にはいかなる細菌戦部隊があったか述べてください
34:20関東軍には731部隊100部隊という2つの細菌戦部隊
34:26があり
34:27これは関東軍司令部直轄でありました
34:33ということは
34:34それらの部隊は関東軍司令官の直接指揮下にあった
34:38というわけですか
34:40その通りです
34:42あなたは満州領内の731部隊が
34:46首都市でソビエト連邦中国モンゴルに対する
34:51細菌戦準備のために配置されたと以前供述している
34:55これを認めますか
34:58はい認めます
35:02ソビエトはこの裁判の模様を
35:05モスクワ放送などを通じて
35:07連立世界に伝え続けた
35:15裁判官同志諸君
35:17軍事裁判委員同志諸君
35:21この事件は
35:22被告たちの個人的な責任の範囲を
35:24遥かに超える重大なものである
35:30東京裁判において
35:31ソビエト側検事は
35:33人体実験に関する
35:35日本の支配階級の犯罪を暴露した
35:37唐沢と川島の供述書を
35:39アメリカ側に提出した
35:42しかし
35:43影響力を持つある人物たちが
35:46この犯罪の暴露を阻止することに
35:48利益を感じていたようである
35:51人体実験についての証拠書類は
35:53東京裁判には提出されなかった
36:00人間に対する新たな悪事を企て
36:04新たな大量殺戮の手段を準備しようとしている
36:07全ての者に対し
36:09世界は
36:11第二次世界大戦の教訓を
36:13忘れていないことを知らしめよ
36:191949年12月30日
36:23ソビエト側が予定した通りに
36:256日間の審理は終了し
36:28ハバロフスク軍事裁判の幕は閉じた
36:38モスクワから北東へ300キロ
36:41岩の募集チェレンツイ村
36:44ハバロフスク軍事裁判で
36:46被告席に座った12人の日本人は
36:49この村にあった第48ラーゲリに移送された
36:55ドイツ軍の将校も収容された
36:57召喚用の収容所であった
37:0212人それぞれの判決が言い渡され
37:04刑が確定したのである
37:08山田乙蔵
37:09強制労働25年
37:13元関東軍軍委部長
37:15獣医部長は25年
37:18元731部隊幹部は
37:2012年から25年
37:23衛生兵などは
37:242年から3年の判決であった
37:28三友和夫被告には
37:30強制労働15年が言い渡された
37:3712人のうち2人は服役を終えて帰国
37:401人は病死した
37:431956年
37:44日ソ共同宣言に伴って
37:46残り9人の帰国が決定した
37:49しかし帰国の直前
37:51そのうちの1人が要去った
37:58元731部隊第4部課長
38:01唐沢富雄
38:03彼は自らその命を絶ったのである
38:09彼は御社になると知っていました
38:12日本に帰れたのです
38:15ところがそのことを知っていながら
38:18ある夜彼は自殺することに決めた
38:23これが私が知っている全てです
38:26日本に戻ることができない訳が
38:29何かあったのだろう
38:31私たちはそう噂し合いました
38:42村外れの墓地
38:47ここには収容所で死んでいった人々が葬られている
38:52この墓地の一角に唐沢が眠っていた
39:00唐沢はソビエトに抑留されていた
39:02細菌船部隊員の中で
39:04人体実験の事実を最初に認めた1人である
39:10骨格を始める時
39:12金沢はその心境をこう語っている
39:17このことは
39:18いずれ誰かが語らなければならないと思って
39:21苦しい思いをしてきた
39:25今私は医者としての良心をかけて
39:28全てを話そう
39:35裁判直後の1950年2月1日
39:39裁判結果をまとめたソビエトは
39:42アメリカのアチソン国務長官に文書を渡した
39:50ソビエトはこの文書で
39:53日本の細菌船部隊の行為は
39:56天皇を頂点とする日本軍部の組織的な犯罪であると
40:00指摘し
40:01改めて国際軍事裁判を開くことを要求している
40:08そして直接人体実験を行った科学者である
40:11石井たち731部隊幹部を新たに訴追し
40:15これを裁くことを求めた
40:26アメリカはこの時まで
40:28ハバロフスク軍事裁判について
40:31表面上は無関心を装っていた
40:36しかしその裏で裁判の情報を盛んに集め
40:40分析を進めていた
40:46ソビエトのアピールを受け取った2日後
40:49アメリカ国務省は記者会見を開き
40:51声明を発表した
40:56今回のハバロフスク軍事裁判は
40:5937万人の日本人抑留者の問題から
41:02目をそらすための
41:04ソビエトのカムフラージュに過ぎない
41:14731部隊の行為を
41:16国際軍事法廷で改めて裁くことを求めた
41:19ソビエトのアピールは無視された
41:23アメリカはこの時
41:24すでに人体実験の詳細なデータを
41:27入手していたのである
41:34731部隊の人体実験の事実を
41:37世界に初めて告発した
41:39ハバロフスク軍事裁判
41:42この裁判には
41:43戦後世界の主導権を握りつつあった
41:46アメリカを牽制するという
41:48政治的意味合いも込められていた
41:51しかしその政治性ゆえに
41:53ハバロフスク軍事裁判は黙殺され
41:56幻の裁判として
41:58忘れ去られていく運命を
42:00たどったのである
42:10こうして
42:10米ソ対立の狭間で
42:12日本の最近戦部隊が行った
42:15人体実験の罪は
42:16闇に葬り去られた
42:23当事者である日本は
42:24その責任を自ら問うことなく
42:27半世紀が過ぎようとしている
42:41日本の関東軍731最近戦部隊に
42:45実験の材料とされた人々は
42:47マルタと呼ばれた
42:50その数は
42:50少なくとも3000人を下らないと言われる
42:57マルタと呼ばれた人々は
43:00そのほとんどが
43:01未だ名前すら判明していない
43:14日本の関東軍721軍721人
43:18①
43:42ご視聴ありがとうございました