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  • 2 日前

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教育
トランスクリプション
00:01滋賀県の北にある小さな湖に 天女にまつわる物
00:07語が伝わっている
00:15その昔
00:18天から羽衣をまとった天女が舞い降りた
00:26天女が水浴びをしていたところ
00:29一人の男が見かけて一目ぼれ
00:37男は天女の羽衣を隠してしまった
00:44羽衣がなくなり天に帰れなくなった天女に 男が優しく
00:51声をかけた
00:55やがて2人は夫婦となり幸せに暮らした
01:02そんなある日天女は隠されていた羽衣を発見
01:13天女は天へ帰っていってしまった
01:25それでは改定します
01:28今日法廷に立つのはその天女と男
01:36訴えたのは天女
01:40訴えられたのは夫彦笛
01:46これは婚姻の取り消しを争う裁判である
02:03私は惑い未知
02:06この裁判の判決を決める裁判官の一人だ
02:12原告代理に天女の訴えを述べてください
02:16はい
02:20被告彦兵衛は18年前原告天女の羽衣を奪いました
02:27そしてその事実を隠したまま天女に近づき
02:31弱みにつけ込んだのです
02:34この詐欺行為がなければ
02:36二人の婚姻はありえなかった
02:40よって民法第747条に基づき
02:44婚姻の取り消しを求めます
02:48被告代理に彦兵衛の言い分は
02:54請求の帰却を求めます
02:57なぜなら結婚は天女の強い意思に基づき
03:02成立したからです
03:05婚姻の取り消しは認められません
03:10主張は真っ向から対立か
03:15二人の間に一体何があったんだろう
03:26まずは彦兵衛の話を聞く
03:29質問は彦兵衛の代理人からだ
03:36二人の出会いについて教えてもらえますか
03:42狩りしてたら白鳥を見かけたんです
03:47これは珍しい一点で湖駆けつけて
03:53そしたら白鳥はおらんで
03:57代わりにこの世のもんとは思えんきれいな人が
04:03水浴びしとったんです
04:05天女が白鳥に変身していたわけですね
04:10え、で、ふいっと見たら
04:15木に羽衣がかかってて
04:20隠してしまったと言いますか
04:23話すきっかけにしたかった
04:27え、で、一緒にあちこち羽衣を探し回って
04:36でも最初は適当なところで返すつもりやったんです
04:39見つけたでって
04:42でも返さなかった
04:49月、なってもらって
04:53結婚はあなたの方から申し出たのですか
04:57ほな、俺は死がない漁師やし
05:01これ以上は絶対に望んだらあかんて
05:05けど、一月ほど経って
05:09彼女の方から一緒になりたいって
05:15ほう、天女の方から結婚を望んだ
05:21それは本当ですか?
05:29これが、その時にもらった手紙です
05:36一部、読み上げます
05:39どうぞ
05:42この前は、私のせいで
05:45あなたをひどい目にあわせてしまいました
05:49本当にごめんなさい
05:53このひどい目とは
05:57羽衣を探しに行った山の中で
06:01狼に襲われたんです
06:04顔の傷は、その時のものですか?
06:09え?
06:13狼に出会ってしまったのは
06:16私がしつこく、羽衣を探したせいなのに
06:21彦兵衛さんは私を守って
06:24代わりに大けがを負ってしまった
06:31彦兵衛さん
06:33
06:34もう、天に戻れなくてもいい
06:38ここで、彦兵衛さんと一緒に暮らしたい
06:44他に思う人がいないなら
06:47私を妻にしてもらえませんか
06:51天女
06:58あの、羽衣を隠したことについては
07:01ほんまに反省してます
07:04けど、好きなんです
07:08愛してるんです
07:14どうしてもやり直したいんです
07:18お願いします
07:23お願いします
07:24お願いします
07:31それでは、反対尋問をどうぞ
07:35狼から命がけで天女を守った
07:41それが美談になるとでも
07:45あなたがさっさと羽衣を返していれば
07:48そもそもそんなことにはならなかったんじゃないですか
07:55当時、天女には追いかけている夢がありました
08:00彼女の夢を聞いたことは?
08:05聞いたことは?
08:10けど、もう帰れんで
08:12俺と一緒に降りたいって手紙に
08:15羽衣を奪うことは、人生を奪うこと
08:22あなたは、彼女のあったはずの人生を奪ったのだと考
08:29えたことは?
08:32だから、俺は命がけで幸せにするんやって
08:36天女の望む人生を、根こそぎ奪っておきながら、俺
08:42が幸せにしてやるですか?
08:47愛してるが、聞いてあきれますよ
08:52しょうがないやろ、一緒にいたかったやから
08:58以上です
09:05まあ、本当に相手のことを思ってれば、歯衣は返すよね
09:12けど、実際、彦兵衣は命がけで天女を守ってはいるんだよ
09:19
09:32原告代理人は、天上界から、天女の母を証人に呼んだ
09:40諸人、なぜ白鳥の姿で?
09:44地上人に、本当の姿を見せてはならないとされているので
09:50しかし、娘さんは人の姿ですか?
09:55あれもまた、本当の姿ではありません
09:59ああ、話しづらければ
10:05えぇー!
10:09すごっ!
10:12では、お聞きします
10:15天女は、どんな娘さんでしたか?
10:19子供の頃から、好奇心旺盛な子でした
10:24大きくなってからは、宇宙連盟に入って
10:27星と星の間の紛争を解決する仕事をしたいと言って
10:32天上界一の南韓大学に入ったんです
10:37その矢先に、行方不明になった
10:42探し続けましたよ、私たちは
10:45天上界人を回ってビラを配り
10:47似た人を見たって知らせがあったら、飛んでいって
10:51でも、その旅に人違いなんですよ
10:56希望を持っては打ち砕かれ
11:00それが18年、18年ですよ
11:07戻れなかった理由を聞いて、どう思われましたか?
11:14八つ先にしてやりたいと思いました
11:24裁判官の皆さん、天上界では地上人との結婚は認めら
11:28れていません
11:30なので、婚姻が取り消されないと
11:34天女は天上界に戻ることができないんです
11:38返して!
11:41今すぐあの子を私に返しなさい!
11:46
11:52天上界では、結婚はおろか、地上に降りることも禁じ
11:58られているようですが、それはなぜですか?
12:04地上は、汚れた地だからです
12:08地上人と一緒にいるなんて考えただけでも
12:13娘さんは、その汚れた地上に興味があったようですが
12:18自業自得とでも言いたいの?
12:20いえいえ、そんな
12:22ところで、娘さんには17歳と7歳の子供がいますが
12:30婚姻の取り消しが認められた場合
12:33娘さんは、子供たちを天上界に連れて行くことはできます
12:38か?
12:38できるわけないでしょう
12:41地上人の血を引く者が天上界に立ち入るなんて
12:46では、娘さんが子供たちに会いに来ることを
12:51特別に許される可能性はありますか?
12:56娘はおろかにも一度禁を犯しています
12:59許されることはないでしょう
13:03つまり、婚姻の取り消しが認められると
13:08子供たちは母親に永久に会えなくなるということですね?
13:18そうなりますね
13:21かわいそうだと思いませんか?
13:24あなたにとっても大切なお孫さんでしょう
13:30地上人の形をした者を孫と思えというのは、私には無理です
13:37ひどい犬さんに聞こえるかもしれませんが、お互い様ですよ
13:42私たちの本当の姿を見れば、その子たちも
13:46私を祖母であるなどとは思えないはずですから
14:01続いて被告代理人は、長男の天吉を証人に呼んだ
14:08お母さんは普段どんな人ですか?
14:13めっちゃ優しいけど、怒ると死ぬほど怖い
14:18どんな時に怒るの?
14:21屋根に登って落っこちたら、めちゃめちゃ怒られた
14:26落っこちたことより、お母さんの方が怖かった
14:32天吉君は、お母さんと離れ離れになるかもしれないって聞いて、
14:38どう思った?
14:43なんで?
14:49お母さん、もう帰ろうや
14:54お父さん、ごめんしてるやん
14:57お母さん、いつも喧嘩をごめんしたらおしまいやって言うて
15:02るやろ
15:04お母さんがお父さんと仲直りせんの、変やわ
15:22一方、原告代理人は、長女の天根を証人に呼んだ
15:30天根さんは、お母さんと離れ離れになることを、どう考えてます
15:36か?
15:38私は出てってええんちゃうかなって思ってます
15:42お母さんには、お母さんの人生があるし
15:46お母さんの人生?
15:50お母さん、若い頃は、宇宙を平和にする仕事に就きたかった、
15:55言うてました
15:57宇宙には、タコみたいなんや、動く木みたいなんがおって、何百年も
16:03戦ってるんやでって
16:06タコと木の仲裁なんて、地上車絶対無理やないですか
16:11今でもその仕事やりたいんやったら、向こう戻るしかないやん
16:18ところで、天根さんは、アイドルをやってるんですよね
16:27これ、最新のお告げ
16:30ほう
16:32ゴーゴーネハン
16:36ゴーゴー行っちゃえ
16:38ゴーゴーネハン
16:41ネハン
16:41ここは二重
16:43ご自由に
16:44フォー!
16:49いいですねぇ
16:53まだ地下なんやけど、こないだ何番の小屋埋められたんです
16:56地上まであと一歩ってとこですね
17:00でもこれ、全部お母さんのおかげなんですよ
17:03お母さんの?
17:05アイドルやるー言った時、それこそ村中からやめとけ
17:09やめとけって言われて
17:12でもお母さんだけは、やってみバリバリ応援すんでって
17:17ファンクラブも、会員ナンバー001番なんです、うちのお
17:20母さん
17:22そういう人やから、私もお母さんのやりたいことを応援するん
17:27が筋かなって。いよいよ天女への尋問だ。まずは原告代
17:42理人から。
17:48歯衣を見つけた時のことを教えてもらえますか?
17:54下の子が、屋根裏で遊んでいた時に見つけたんです。お母
18:01さんこれ何って。夫は土下座して謝ってきました。どんなことでもする境、
18:09許してほしいって。
18:12でも、許せなかった。
18:16許せへん言うより、私、アホみたいやなって。私、この人の
18:24こと、神様みたいに思ってたんですよ。地上で出会ったんがこの人
18:29でほんま良かったって。アホ丸出しですよね。
18:35自分を騙した相手にのぼせやがって。あんな手紙まで書
18:39いて。なんかもう、なんか。
18:48私、ずっと幻見てたようなもんやないかって。幻?
18:57私は、18年という時間を幻にしてしまったんです。
19:08別れることは、すぐに決心されたんですか?
19:14そんな、すぐなんてできないですよ。歯衣は見んかった。あんなもんなかった
19:19って。何度も自分に言い聞かせて。
19:22でも、ダメなんですよ。何かあると考えてしもて。ステージで走り
19:28回る娘見て。もしあの時、天上界に戻れてたら、私も夢叶え
19:36られてたんかな、とか。
19:40決意されたきっかけは何だったんでしょう。
19:46七夕の晩に、みんなで願い事書いて、竹に吊るしたんです。
19:56バタバタしてたら、私だけ何も書いてなくて。私も何か書
20:01かんとって。その時に、こう、空を渡る船が、横切っていったんです。
20:16何でって。何であそこに乗ってるん。私はないのって。私、何で
20:26こんなとこにおるのって。
20:30その時に、3人の楽しそうな声が聞こえてきて。私も、わ
20:36ーってなって。
20:39こいつらやんか。こいつらが私のこと、こんなとこに縛り付
20:43けてんねんや。
20:50もうあかん思いました。このままでは、思い通りにならんこと、全部家
20:59族のせいにしてまう。
21:01何の罪もない子供たちにさえ、憎しみをぶつけるか
21:05もしれへん。
21:07せやからお母さん辞めたいって短冊にもう一度あったはず
21:18の人生を歩みたいって書きました。
21:28それでは、反対尋問をどうぞ。
21:30はい。
21:34この短冊ですね。親として無責任だと思いませんか。
21:43そう思われても構いません。それよりも、私は私の人生を大
21:49事にしたいんです。
21:51たった一度しかない人生ですから。
21:55そこまでの覚悟なんですね。わかりました。
22:03これは、18年間にわたってつづられた彦兵衛の日記です。
22:10読み上げますから、聞いてくださいね。
22:17今日、子が生まれた、元気でたからかな、天にも届くような産
22:24声。
22:26この子の名は天にしようと言いに行ったら、あいつは泣
22:35いていた。
22:36どうしたんやと聞くと、ほっとしたと。
22:42人の形をして生まれてこなかったら、どうしようと。
22:47不安でたまらなかったのだと言った。
22:54この時、彦兵衛があなたに何と言ったか覚えていますか。
23:04あの時は確か、そう、私初めてこの人に怒られたんです。
23:16怒られた。
23:19なんで不安やって言わんのや。水臭いやろって。
23:24言ってもどうにもならんやんって返したら、どうにもならんでも
23:29一緒にオロオロできるやろ。
23:31一緒に悩みたいんやって。
23:35怒ってるくせに泣くんですよ。
23:39そんな天末でしたか。では、もう一つ。
23:49今日は初めて、人の形をしていないおっ母を見てしまった。
23:58天吉は大騒ぎするし、天根は泣き出すし、
24:03おっ母も落ち込んで、台所にこもって散々。
24:12でも、いい日だった。
24:16今日の天気みたいにいい日だった。
24:24この日は、皆さん大変だったようですね。
24:32大変言うか。
24:36この人大真面目な顔で、これからは思い切ってあの姿でい
24:41かへんか。
24:43今まで人の姿保つんは大変やったんやろって、この人ほ
24:47んまアホなんちゃうかって。
24:51お母さんたちは?
24:54天根は、名をもっと大きくできるかって言ってきて、何の
24:59話かと思ったら、美女もう一段あげたいから、私も変身の技
25:04教えてくれって。
25:05正直そこって、他にないやん聞くことなんて。
25:12天吉は、お母さん、僕ヤモリになるって。ヤモリやったら屋
25:17根登ってもう怒られへんやんなって。
25:19もうそこまでして、屋根登りたいんかってもうおかしくて。
25:24よく覚えてますね。
25:26だってこんな、こんなおかしなこと忘れるはずないやないですか。
25:31幻なのに。
25:37あなたのためにお聞きします。
25:42あなたの言うとおり、この18年間の暮らしが幻だった
25:49として、この話題に満ちた幻を失うことを、あなたは本当に
25:58心の底から望んでいますか。
26:10俺もっと頑張る。もっともっと頑張るから。
26:16僕も頑張って変身すんで。
26:20ちゃうやろ。
26:25ええからね、お母さん。
26:28私ら大丈夫やから。
26:31お母さんの好きなようにしてええやからね。
26:44歯衣なんか、焼きしてといてくれたらよかった。
26:54たぶん、この人は家族を捨ててやり直したいのもほ
27:00んと。
27:01家族と一緒にいたいのもほんとなんだ。
27:06もうさ、自由に行き来できるように天上界のルール変えなさい
27:11よ。
27:21裁判官の皆さん、決して忘れてならないのは。
27:25しかし、彦兵衛は、自分の横島な欲望のために、歯衣を
27:32奪い、天女からあったはずの人生を奪ったのだということです。
27:39その所業は、天女のご両親からも、娘と共に過ごす時間
27:45を奪いました。
27:49天女が子供たちに対し、無責任ではないかという考えも
27:53あるかもしれません。
27:56けれど、私たちには、基本的人権があります。
28:03その最たるものは、幸福を追求する権利。
28:07すなわち、自らの未来を、自らの意思で決めることので
28:14きる権利です。
28:17人生をやり直したいという天女の意思は、何人たりとも
28:22妨げてはなりません。
28:27裁判官の皆さん、不思議だと思いませんか。
28:32彦兵衛はなぜ、歯衣を焼き捨てなかったのか。
28:39彦兵衛に訪ねたところ、天女が地上では治らない病気な
28:45どになった時のためとのことでした。
28:49彦兵衛は、天女を精一杯愛しました。
28:56この家庭を永久に失うことは、彼女にとって本当に幸せ
29:02なことなんでしょうか。
29:06どうか、天女にとって一番後悔しない道を考えていただきたい。
29:17これで決心し、次回判決を言い渡します。
29:24幸福追求の権利か、でもこれって誰にでもあるんだよな。
29:33天女はもちろん、みんなにとって幸せなのはどっちなんだろう。
29:42彦兵衛の取り消しを認めるか、認めないか。
29:50彦兵衛の取り消しを認めるか。
29:59彦兵衛の取り消しを認めるか、彦兵衛の取り消
29:59しを認めるか、彦兵衛の取り消しを認めるか。

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