Chitose kun wa Ramune Bin no Naka 05

Anime TV

Watch Chitose kun wa Ramune Bin no Naka 05 - Anime TV on Dailymotion

Transcript

00:00ゆずきと偽物の恋人を演じ始めてから一夜が明け、その噂はすっかり学校中に広がったらしい。

00:13これだけ周知されたなら、わざとらしく四六時中一緒にいる必要もないだろう。

00:18今日の昼休みは、かずき、かいとと、勾配で適当に買った総菜パンをサクッと食べて、そのまま体育館でフリースロー対決をしていた。

00:27われながら悪くないシュートがネットをくぐる。

00:32俺はそのボールを拾い、スリーポイントラインに立つかいとへパスをした。

00:38さすがにバスケ部のエースとじゃまともな勝負にならないので、俺とかずきはフリースローライン、かいとはスリーポイントラインからというのがお決まりになっている。

00:48ケンタもくればよかったのに。

00:50一応誘ってみたんだけどな。食後にあんたらと球技とか殺す気ですか?だとよ。

00:57えっへっへっへ。それで、どうなんだよ、サクッ。

01:02どうって何が?

01:04ゆずきのことだよ。

01:06カイトが軽く膝を曲げてタイミングを計り、タンッと飛ぶ。

01:11足の先から指の先まで、まるで一本の大木みたいな芯が通り、手から離れたボールはほとんど音もなくネットに吸い込まれた。

01:24カイトはボールをカズキに渡して近づいてくる。

01:28だから、ゆずきがなんだってんだ。

01:31このまま本当に付き合っちゃう気はねえのかって聞いてんだよ。

01:36言いながら、カイトが結構な力で尻を蹴ってくる。

01:41何でそういう話になるんだよ。

01:48俺は同じぐらいの力を込めてカイトの太ももを蹴り返す。

01:54痛っ!

01:55痛ぇよ、サクッ。

01:59だって、お前らお似合いじゃん。

02:02まあ、言うこともお似合いだから、あれこれ言うつもりはないけど。

02:07なんか、サクならゆずきの相手務まりそうなんだよな。

02:12似てるんだよね、サクとゆずき。

02:16周りに透明で分厚い壁を張り巡らせてる感じとか。

02:22カズキはバックボードを利用したシュートで堅実にゴールを決めると、

02:27拾ったボールを指の上で回しながら近寄ってきた。

02:31カイトが同じように指を立てて、カズキから回っているボールを受け取り、

02:36もう片方の手で回転を加え直す。

02:39そうそう。

02:41ゆずきってバスケの試合でも、友達と喋ってる時でも、

02:45なんつーか、いっつも同じ顔してんだよな。

02:49ハルトいる時ぐらいかな、楽そうなの。

02:56だけど最近は、サクといる時もちょっと楽そうだ。

03:01俺はカイトのボールを奪い、いきなり反対側のゴールに向かって駆け出した。

03:10当然のようにカイトが追いかけてくる。

03:13レイアップでゴールを狙ったら、あっさりブロックされて、ボールが手元に戻ってきた。

03:20カイトはそれでいいのか?

03:23何が?

03:24実は、ゆずきを好きだったりしないのかってことだよ!

03:29フェイントをかけて抜きにかかろうとしたが、あっさり回り込まれて、コースを塞がれた。

03:35んなわけないっしょ。

03:38ただ、なんとかできるなら、してやってほしいと思っただけだよ!

03:44カイトがボールを奪いに来る。俺は半歩下がってそれをかわした。

03:50なこと言ってて、本当に付き合ったらいきなり殴りかかってきたりするんじゃねーぞ!

03:57それがお前を殴るとしたら、身勝手な理由で泣かせた時だな!

04:04一応覚えておくよ。

04:06まあ、正気でも失ってない限り、単純お箱のパンチ食らったりしねーけどいいよ!

04:14俺はノールックで後方にパスを出し、スリーポイントラインで待ち構えていたカズキがそれを受け取る。

04:20なっ、成功!

04:24そのまま打ったシュートがきれいに決まり、俺はカズキとハイタッチをかわす。

04:30ほらな、単純だろ。

04:33ま、単純さで言えば、策も負けてなかったりするけどね。

04:39なんだよ、どういう意味だ?

04:42どうせ何を言っても聞きはしないだろうけどさ。

04:45いつか、何かを選んで、何かを捨てる覚悟だけはしておいたほうがいいんじゃない?ってこと。

04:54言わんとしてることはわかる。

04:57だけど少なくとも今の俺には、遠い。

05:01いつか取り出そうと約束して忘れ去られてしまうタイムカプセルみたいに。

05:07きっとこのまま、永遠にそんな日は来ないように思えた。

05:13言わんとしたら、今の俺を知らないように思えた。

05:19言わんとしたら、信じらないように思えた。

Category

Transcript

Be the first to comment

Recommended