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  • 11 minutes ago
Transcript
00:00〈かつて若者たちはこうつぶやいていました〉〈それは青春の合言葉〉〈ゴーリングにゲームセンターそして映画館〉〈街の中心にはいつも笑い声が響いていました〉〈しかし今ではかつてのにぎわいを失ってしまった島根県益田市〉
00:27人口減少の影響を受け映画館も2008年にその幕を下ろしました映画館もなくなったんよって聞いてへえ
00:52島根に何かしたいっていう思いが強かったので2人が見たのは口かけた建物ではなくスクリーンに映るもう一度この街に映画をそしてよみがえったのは映画館だけではありませんでした。
01:16いいですね、やっぱりね、あってほしいし、必要です。
01:22町への愛地域との対話そして個性豊かな夫婦の奮闘小さな町の大きな夢の物語そのそうだったのかに迫ります
01:41今回の舞台は島根県西部増田市。人口減少。今でこそ過疎発祥の地と呼ばれるこの町にも。
02:09かつて若者たちの間ではこんな会話が日常のように交わされていました。
02:15あっもしもし今暇なんだけどさどこおるんあっ小野沢ああじゃあ俺も行くわちょっと待っとって今週日は何しようか小野沢行く?あっいいね映画見たいあっ映画俺も見たかったよし行こう行こうあっ行こう
02:33増田駅の近くには若者たちが自然と集まる特別なビルがありましたその名は映画館にボーリング場ゲームセンターまでそろった夢の空間誰に言われるでもなくとりあえず集合いつも笑顔があふれる街の象徴でした。
02:57しかし1980年にはおよそ6万人いた人口が一貫して減少し続け今ではおよそ4万5000人ににぎわいの中心だったあの場所もひっそりと静まり返っています
03:27そんな街の明かりが消えたままの増田市に変化の兆しが訪れます動き出したのは東京で暮らしていた和田さん夫婦妻の更紗さんは増田市の出身幼い頃家族で通った小野沢シネマは彼女にとって思い出の場所でしたそりゃそうだなぁ
03:52何か小野沢小野沢って言ってたんですよねとりあえず行って何か楽しむみたいな場所だったそうやってどんどんどんどんいろんなものがなくなって変わってしまってちょっとそれが寂しい映画館もなくなったんよって聞いてへえついに映画館までなくなったぬって思ったのはすごく覚えてます。
04:16夫の弘昭さんは千葉県出身多い時には年間350本以上見るほどの映画好きで2016年から東京の小さな映画館で支配人を務めていましたそんな弘昭さんと更紗さんはやがて夫婦となり東京で過ごしていたある日運命が大きく動き出します
04:42弘昭さんの働く映画館に現れた一人の来館者増田市出身ですと話すその人はこう続けました栄冠した祖父の映画館を何とかして残したいんですはあ!
05:00妻がずっと島根に何かしたいっていう思いが強かったのでじゃあ盆化帰省の時にちょっと見に行こうか見学させてもらおうかみたいなことを言って。
05:152人はかつて町の中心だった小野沢シネマへ。扉を開けた瞬間息を呑みました。埃こそ積もっていたものの客席は整然と並びスクリーンは当時のまま時が止まったように佇んでいたのです。まるでその場所は2人を待っていたかのようでした。
05:41スピーカーも全部残ってたしスクリーンもきれいなままだったしもったいないなっていうもったいないが一番強かったですね。コロナ禍そして妻の出産。和田さん夫婦はこれからの人生を見つめ直していました。そんな時に出会ったのがさらささんのふるさと増田市に残された映画館。ここからもう一度始めよう。2人は東京を離れる決意を固めたのです。
06:10ご縁とかいろんなタイミングとか本当に何かあるんだなっていうか引き寄せるものじゃないんですけど映画のこと映画やってきてないんで僕はやれって言われてるな。
06:31運命の歯車が静かに動き出しますしかし映画好きの夫婦を待っていたのは厳しい現実人口減少が進む過疎の街スマホで映画が見られる時代10年以上も映画館がなかったこの場所に本当に人は戻ってくるのか?
06:55まあやっぱり島根に限らずね映画館というのは今どんどんどんどん小さい映画館は地方では閉まってきたり僕が生まれ育った奈良市もついに映画館は一貫もなくなってしまってそういう寂しい現状が続いているのはちょっとやっぱり僕も紅葉芝居をね芝居の仕事しているのでちょっと寂しいかなという気はいたしますですね。
07:17さあというわけでスタジオには島根シネマ小野沢の和田博明さんとさらささんにお越しいただきました。よろしくお願いいたします。
07:27でもまあ大きな決断をなされて増田に戻られたということですけれども映画館ってVTRにもありましたけどすごいいい状態で残ってたっていう。
07:37もう開けたらもう本当にあの状態で懐かしいって言ったもんね。
07:42開けた時にもう私の記憶にある映画館のそのまんまだったのでこれこれって言ってあのまんまだっていうのは素直に一番最初感動して。
07:52人口減少もあって一時は閉館したということなんですけれどもそんな街で復活させるために問題点っていうのは。
08:0110万人にワンスクリーンと言われてるところなのでいかにランニングコストを下げれるかっていったところもう夫婦だけでっていう人件費がやっぱり一番かかってきてしまうのでどれだけそこをミニマムに続けていきながら映画館だけでやっていくの難しいっていうのも前提としてあった上でどのように続けられるかっていうことを考えて考えて行動したっていうのは実はあります。
08:29映画館が復活の道を歩んでいくんだけれども何かも大問題またねいろんな問題が起こるとどうなったのか見ていただきましょうこちらですどうぞ。
08:41念願の映画館が復活も大問題が発生。一体何が起こった?
08:51夢に向かって2人は歩き出しました思いはただ一つこの町の子どもたちにまだ出会ったことのない映画の感動を届けたいそうか広島や山口や出雲松江にアクセスがしづらい子どもたちにとってそれを届けたいっていう思いで映画館がやっぱり必要だっていうことで。
09:16しかし現実はそう甘くはありません映画館の復活には想像以上の設備投資が必要だったのですデジタル映像機に変えないといけないっていうのが一つあったのともう一つは換気の設備プラス空調エアコンがぶっ壊れてるっていうこの3つが2000万ぐらい必要でしたね。
09:41およそ2000万円とても夫婦だけでは賄えませんでした映画館を復活させたいが重い現実資金調達を模索する中2人が行き着いたのはクラウドファンディングでした返礼品にはその思いと遊び心を込めました好きな映画の上映券や
10:11驚きの声とともに共感の輪が広がっていき最終的に集まったのはおよそ650万円その一歩が夢の実現へとつながっていきました
10:24さらに地元企業からの協賛銀行からの融資2人の情熱に地域が応えました集まった資金で空調や換気を整え映写室を新設
10:54本当に人は来てくれるのか不安は消えませんでした東京の映画関係者の人から4万人の街に映画館作るなんてお前バカじゃねえかみたいな子供に映画を届けられる環境を作ろうっていう意思になってしまって燃えちゃったのはありますよね。
11:17子供たちに映画を届けたい。その思いは地元メディアに取り上げられSNS発信も後押しに、街全体が2人の挑戦を応援し始めたのです。
11:32そうですねSNSはもうほぼほぼ全域、本当にいろんな形で応援をしてもらって、知ってもらう機会をいっぱい作ってもらえたかなと思いますけど。
11:45街もきっと復活を待ってくれているそう信じた2人の思いは最高潮にコケラ落としに選んだのは2人が自信を持ってお勧めする厳選の4作品あとはその日を迎えるだけそしてついに復活の日がやってきましたところが駐車場が満車ですみたいな入れませんみたいなのは何かどっかで味わえると思ってたんですよ。
12:15困った困ったって笑顔で困った困ったっていうのを想像してたら全然困らなかったんですよね20人?
12:24うん読みが甘かったのはそこですね。
12:30会場は200人収容4作品の上映で600人は来るのではしかし実際に足を運んだのはわずか20人これが増田市の現実なのか胸に広がったのは想像以上の静けさと不安でした
13:00光は似合いな人物から差し込んできたのです。
13:07町の人々それから地元の企業さんですね支援っていうのはやっぱり大きな力になりましたか本当にもう最初から助けていただいた方々も本当に何か見返りを求めずに町のためにやるよって言ってくれてた音響屋さんだったりとか美術館スタッフの方だったりとかもう本当に頭が上がらない方々ばかりでした。
13:31客足が伸びなかったこの一番の要因みたいなのはどういうところになるんですかね?
13:37知ってもらえなかった。
13:39あんなにいろいろSNSとかやっていたんですか?
13:41そうですねメディアとかにいろんなふうにやったのですけれども仕事をしてから家に帰ってスーパーに寄ってスーパーで買い物してご飯を食べて寝るっていうこの生活の中に僕らの情報が入る隙間は実はそんなにないんだなということも。
14:00ということもリアルとして感じましたね。
14:03でもまあそれで大変だったのにまたまたとある人物が現れた。
14:09本当に人に生かされているというかもう本当にどこに足を向けて寝ればいいか分からない天井に向けた方がいいんじゃないかっていうぐらいのね。
14:20ピンチだって時に何か起きるんですよね一枚の紙が映画館の運命を変えたその理由とは?
14:34準備は万全だったはずなのに空席。何が足りなかったのかと2人は悩みました。見たい映画は今や指一本で見られる時代。それでも届けたい映画の感動とは?2人は自分たちにしかできない方法を探し始めます。
14:56自分が思い描いていた作品を並べてもお客さんが入んないことを数か月ぐらいで知っちゃうんですよ何を描ければいいのかが分かんなくなってしまったんですね
15:122人で何を上映すべきかと頭を抱えていたある日同じビルでカラオケ店を営む町のベテランおじさんがポツリと一言俺が聞いといてやるえっ?
15:26数日後彼が手渡してきたのは1枚のメモ用紙でした。そこには映画のタイトルがずらりと並び横には正の字がぎっしり。
15:38タイトルより正の字の数が気になる。そう思ったひろあきさんはあっと気づきました。
15:45この町ではSNSよりも紙と対話アナログこそリアルな声なんだ。その正の字のものを見てからお客様に積極的に話しかけて何見たいですか次何見たいですかっていうふうに自分自身も変われた部分だったんですよね。
16:05リクエスト通りになる映画館にしようっていう方向に急に舵を切るっていう。自分たちが見せたい映画ではなくお客さんが見たい映画を届けることに2人はようやく気づきました。そしてもう一つ。
16:22チラシが一番効果ありますね。まだ紙文化だったんだって実感するような感じで。
16:312人が選んだのは今や時代遅れともいわれるチラシ作戦。 SNSではなく紙で届ける。
16:41覆い月にはなんと5000枚。 保育園や学校、病院、街中のあらゆる施設に手渡しで配りました。
16:50そう、目指したのは人に直接届く映画館。
16:54この地域でやっぱりチラシなんですよね。チラシをどれだけ配れるかが大事だなっていうのは感じましたね。そういう本当に地道なことが大事だったんですよね。アナログしか見ない人の方が、ある種映画館に来やすい人なんですよね。アナログのチラシを手に取って、こういうのやるんだっていうので、冷蔵庫に貼ってくれて。
17:23いつ行こうかなっていうふうに思い出してもらえるっていうのが大事ですよね。
17:29チラシ作戦は効果的なが街のあちこちで島根シネマ小野沢の名前が聞かれるようになり少しずつ知名度が上がっていきました。
17:42さらにひろあきさんは地元ケーブルテレビにレギュラー出演。
17:48見どころを語り、思いを発信し続けたのです。
17:56アンケートに書かれた声に2人は耳を傾け続けました。
18:00見たい映画は今日の上映は。その小さな声こそがこの街に必要とされる映画館への道しるべでした。そして2人が見つけた次の一手が時間帯別セレクト。朝は高齢者が楽しめる名作映画。
18:06午後は親子で見られるアニメやファミリー映画。夕方からは話題作を。
18:26なるほど街の暮らしに寄り添う工夫が人々の心を少しずつ動かしていきます見たい映画がちょうどいい時間にあるその積み重ねはやがて大きな波となり月に1500人以上の来場者を記録するまでになりました
18:46物凄い大きい波でね。違いますよね。
18:50やっぱり全然テレビで見る情報とはね、全然比べ物にならんよね。
18:56いいですね。やっぱりね、あって欲しいし必要です。
19:00楽しいことがあって嬉しいです。毎回来ようと思ってるんですよ。
19:07いやいや、それが私の楽しみだから。
19:12映画館はやがてただ映画を見る場所ではなくなっていきました。
19:34音楽イベントや落語会も開かれかつてのように人が集い語り合う空間に都会にはない暖かさと親しみそれが島根シネマ小野沢の最大の魅力です。
19:49おはなさん何見たいっすか?
19:56はい。
19:57この夏の星を見ると、田舎っぽくはないんですけど。
20:01へぇー。
20:03ちょっと話しかけてもいいですか?
20:06あの、どなたですか?
20:08ですよね。ですよね。
20:09お客様です。
20:10お客さんです。
20:11お客様です。
20:12お客様です。
20:13今日は男子に来たんです。
20:14座席があるんですけど、それにこれをお貸してもらってたりするので。
20:19お貸してもらってるわけです。
20:20お貸してもらってるのは私の。
20:22お貸してもらってるのは私の。
20:23お貸してもらってるのは私の。
20:24確かにそうですね。
20:25今日映画見に来られたわけじゃないと思うんですけど、お貸して空いてるときに寄って、持って行きますって持って行ってくださる。
20:31映画がなくなったわ。
20:33じゃあ、ほんと話すって、会話があるのにすげえ楽しいですし、僕は接点がありまくるので。
20:40昨日もありがとうございました。訪れた人同士が言葉を交わし思いを共有するそれは今という時代が本当に求めている新しい映画館の形なのかもしれません
21:09映画初めてっていう子たちは大迫力でやっぱ音が起きてびっくりしたっていう子もいればポップコーン食べるのも夢だったっていうちっちゃな少女もいたしそれだったら大事にしていきたいな映画館には映画館の良さがあるし家族と見るのではなくまたお友達と仲間と見るとかあるいはちょっと知らない人と一緒に見るんだけどなんかちょっとこうクスッと笑いが聞こえたりなんかフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッフッ
21:39って鼻をすする音が聞こえてきたりっていうその空気の中でみんなで見るっていうのが私はすごく好きだったので大変なこともいっぱいありますけどでもやっぱりそこに間違ってなかったっていうか届けてよかったなってやっててよかったなって一番思える瞬間なんで
21:58夫婦の挑戦が街に笑顔とつながりを取り戻しました 映画館は今人と人とが出会う場所になっています
22:09街の方が俺がやってやるって言って聞いといてやるって言って 本当です本当です
22:18あの紙を渡された最初はどういう風に思いになりました?
22:22やっぱ200名近くの正の字があったんですよね なのでカラオケ屋さんのそのお客さん一人一人に入って行った時にちょっといいですかって言って
22:33何が見たいですかって聞いて正の字を書いてくれた その時間とか労力とかを感じた時に
22:41ちょっと涙が出てしまったっていうのが正直なところで そんなにしてくれる人が身近にいるんだっていう心強さもありましたし
22:51あと何が見たいかがこれなんだっていうのも全然僕らの予想とは反している
22:58確かにそうかもしれないですね
22:59そうですね地域の人が見たい映画と工業収入は全然結びつかないということも 紙で教えてもらったっていうのはありましたね
23:08アンケート担当は俺だみたいな
23:10いやいやいや
23:11そしてチラシを自分の会社に持っていくのは僕だみたいな
23:15みんなそれぞれが協力体制になってくださる人が多いんですね
23:20そうですね本当にそこは増田の良さだったりとかするんですけども
23:25SNSより直接的だから一番いいですよ素晴らしいなっていう
23:29自分がこうなんていうんですかね館長だっていうよりかは町の人に館長にさせてもらったし映画館にさせてもらってるっていうのはすごく支えられてる人たちから感じてることなんですよね
23:48さあそれでは矢島さん今日の学びをお願いします
23:51ありがとうございました
23:52今回は
23:54アナログはなくならない
23:58このサブスク前世紀に映画館っていうのがあって
24:04町の人たちのニーズに合わせて町の人たちが欲している
24:09プラス
24:10お二人がプロデュースを乗ってて
24:12もしかしたら町中の人が映画通になるかもしれないっていうね
24:15すごいことだなというふうに思って
24:20今日はとても感動しましたので
24:21今日はどうもありがとうございました
24:22ありがとうございました
24:23ありがとうございました
24:23ありがとうございました
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