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  • 5 hours ago

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00:00今からおよそ120年前1人のイギリス人が日本へたどり着きましたラフカビオ・ハーン後に小泉八雲という名の日本人として生涯を終えた文学者です当時の日本は近代国家を目指して突き進んでいました
00:29そんな中八雲が目を向けたのは極端な西洋化によって失われつつある庶民の生活習慣や伝統文化でした
00:44私たちが当たり前と見過ごしてきた日本人の美徳や自然の美しさ八雲はその感動を美しい文章で描き出したのです
00:56100分で名著 日本の面影
01:03八雲が見つめた100年前の日本の姿から私たちの原点を見つめ直します
01:12100分で名著 司会の竹内藤子です
01:42さて今回ご紹介する本はこちらラフカディオ・ハーンの描いた日本の面影日本に暮らし日本人として生きた小泉八雲として皆さんよくご存じだと思います
01:59イメージとして階段をすごく描かれたイメージがあるんですけど今回は小泉八雲としてご紹介したいと思いますが100年ちょっと前の日本の姿がこの中に国名に記されているんでございます
02:14さあ先生をご紹介したいと思います今回は早稲田大学教授池田雅之さんですどうぞよろしくお願いいたします
02:23よろしくお願いいたしますよろしくお願いいたしますどうぞ
02:27会談で有名だったお話でしたけれども実は八雲さんの本領は既行文にあるそれで皆さんにその作品を紹介しながら120年前の日本を見直してそしてどう変わったのかそれからもう一つは八雲の日本理解の仕方ですね
02:48これはまあ今でいうと異文化理解ということでそれを読むことによって何かヒントがもらえるんじゃないかっていうふうに思ってきました
02:57企画文化を専門とする池田雅之さん これまで小泉八雲の翻訳研究を進めてきました
03:07現在は早稲田大学国際言語文化研究所所長として異文化コミュニケーションの研究を進める傍ら NPOの活動を通して
03:20八雲の子どもに向き合う教育方針を実践しています
03:24さあ日本の思う歓迎まずは基本情報を見ておきたいと思いますこちらでございます著者は小泉八雲でございます1894年アメリカで出版原文は英語なんですね
03:40で1890年に来日した後に1年7か月にわたる出来事を描いた気候文であると内容はですね27の主題がありまして日本人の生活をもう細やかに美しく表現しているという本でございます
03:57アメリカで出版された英語の本なんですねそうですね薬物というと日本人だと思っているもう世代の人が大勢かもしれませんがもともとはイギリス国籍のラフガディオハン自分の言語僕語は英語ですね英語で書いております
04:14目的は何だったんですか?
04:16日本が開国して欧米の人が日本は本当に神秘の国未知の国ということで大変関心を持ったんですねだから当時その東洋に行って一つのエキゾティシズムですよね薬物が答えようという気持ちはあったと思いますね
04:33いろんな角度から知りたい気になる国ではあったと思いますね明治20年代にはですね欧米の日本研究者が集まって日本研究をやってたんです植民地政策それから帝国主義ということもあってそうすると日本の文化を見る目がどうしても上から見下ろすようなねなるほど
04:57薬物さんはそういういわゆる学者さんの目線とは違う立場から日本を理解したお父さんがアイルランド人お母さんがギリシャ人というそういう執事なもんですからこの異文化に対して非常に柔らかな優しい眼差しがあったんですね
05:16そういう意味ではこれほど庶民の生活の中に立ち入った人というのはいない日本人の信仰とか迷信とかそういうものを記録したもう今となっては忘れ去られているような日本がそこに描かれてる
05:33やわらかい視点で日本のことを見たということなんですがそれは彼のこれまでの歩みにも関係があるんです
05:40小泉薬もはギリシャのレフカダ島で生まれました
05:52父チャールズはアイルランドの軍人母ローザはギリシャ人でした
05:592歳になった頃父の故郷アイルランドのダブリンへ移住
06:06この頃夫の心が離れていることに気づいた母ローザは精神を病みギリシャに帰ってしまいます
06:15ヤクモが母の姿を見たのはその時が最後でした
06:22母を慕う気持ちはヤクモの作品に大きな影響を与えます
06:28その後父は昔の恋人と再婚しインドへ赴任
06:36大おばのもとへ預けられたヤクモは13歳でイギリスの全寮生の学校に入ります
06:44しかし厳格なカトリックの教育に嫌気がさし
06:49その教えや文化を嫌悪し始めます
06:53さらに16歳のヤクモに不幸が訪れます
06:58友人と遊んでいる時ロープが左目に当たり失明
07:03生涯にわたるコンプレックスとなりました
07:07それ以降ヤクモの写真はすべて左目を隠すように右側から撮影されています
07:15その後大おばが破産
07:20学校を退学したヤクモは19歳で遠い親戚を頼りアメリカへ渡りました
07:27しかし厄介者扱いをされ
07:31ビラ配りやホテルの防衛などの職を転々とします
07:35どん底生活を送るヤクモ
07:39そんな中天気が訪れます
07:4224歳で新聞記者の職を得たのです
07:47ヤクモはまるで自分の居場所を探すかのように
07:55取材で世界中を巡りました
07:57そして1890年日本にやってきたのです
08:03到着した途端に日本に魅了され長期滞在を決意
08:08島根県の師範学校で英語教師として赴任し
08:14日本人小泉節子と結婚
08:17本格的に日本での生活を始めます
08:21そして来日から4年後
08:261894年に日本の面影を出版したのです
08:31今駆け足でプロフィールを見ましたけれどもちょっとこちらに足跡をたどる地図を書いてみましたまず生まれたのはこのギリシャねお母様のレフカダ島っていうとこなんですがそこから幼少期にこの辺りアイルランドとかフランスとかイギリスとかこの辺りを点々としそのうちにアメリカに一生懸命渡ってですね
08:53中南米のマルティニク島っていうようなところにもフランス領ですねいろんな文化に接してますんでこのアイデンティティを一つに決められないんですよね
09:06自分の居場所っていうのはなかなか見つからなかった人だと思いますね
09:11そしてあのお母さんはもう本当に幼少期にいなくなってしまいお父さんも恋人と一緒に再婚してインドに行っちゃって自分は一人カトリックの学校に入れられるんですか
09:26カトリックの厳しい教育に対する反発はすごく強くてそれが大きい日本に来る遠い原因には一つなっているつまりキリスト教以外の文化圏で自分はやっていきたい暮らしたいとこれは日本に渡ってくるきっかけというかそれは何だったんですか?
09:49一つはニューオリンズで万国博覧会というのがありましてその時に文部次官の服部一蔵ですかそれに出会っていろいろ日本の文化について聞いたわけですね
10:04もう一つは今の東京大学ですねそこでイギリス人のバスイルホールチェンバレンという先生がいました
10:12彼が古事記を訳してですねその英訳を彼は読んでるんですそれも大変日本に関心を持つ要因になったんですねいや何か全てのことが最終的にちょっと日本に向かっていく感じなんかそんな感じがしますよね
10:29さあそれほどまでに八雲を引きつけたその日本の姿とは一体どんなものだったんでしょうかいよいよ本編に入っていきたいと思います
10:41小泉薬務は冒頭でこの本の趣旨を大きく4つに分けて述べています
10:56一つ目は日本の知識人に対する批判です
11:01西洋のことばかり追いかけて日本の本当の良さを知らない
11:07頭でっかちで合理主義に偏りすぎていると八雲は批判しています
11:13二つ目は日本の本当の良さは庶民の中にあるということ
11:20八雲はこう書いています日本人の生活の類まれなる魅力は世界のほかの国では見られないものでありまた日本の西洋化された知識階級の中に見つけられるものでもない
11:37どこの国でもそうであるようにその国の美徳を代表している庶民の中にこそその魅力は存在するのである
11:493つ目人間は事実に依存して生きるよりもむしろ幻想や想像力に頼る生き物なのである
12:01八雲は日本人と出会い迷信のすばらしさに気づきます
12:09日本人の屈託のない親しみやすい迷信がどれだけ日本人の生活に妙味を添えているかはその中にどっぷりと使って生活してみれば実によく理解できることであろう
12:23その多くはその発想の美しさで今日の著名な詩人がいまだに想像力の源泉としているギリシャ神話に匹敵するほどである
12:354つ目は 西洋の近代文明への批判です
12:42産業革命を経過したイギリスやアメリカの経済市場主義を見てきたヤクモは
12:50西洋の近代文明が合理主義だけを追求することを批判しています
12:56そしてこの本を読み解くにあたって大切なキーワードがあります それは
13:05ゴースト
13:07ヤクモは日本に旅人としてやってきて 日本の面影を気候文として書きました
13:17ヤクモとともに読者が旅をしているような感覚になってほしいと願ったのです
13:24ヤクモは旅への衝動をゴーストがうごめいたと表現します
13:32漂白の旅人はゴーストのことをよく知っているようだ
13:38漂白の旅人というのはただひたすら己の存在に突き動かされて旅に出る人のことである
13:48うちに潜んだ生まれつきの将が たまたま自分の属してしまった社会の安逸な状況に溶け込めない
13:56その衝動が抗いきれないほど圧倒的で しかも世俗的な欲望をもことごとく蹴散らしてしまうことに
14:06本人自身も戸惑ってしまうのだ
14:12ヤクモはゴーストに導かれ日本にやってきたのです
14:18小泉八雲が言いたい4つのことをちょっとこちらに出してみました日本人の知識人に対する批判それから日本のよさは庶民の中にこそあるのだとそして人間は幻想や想像力に頼る生き物であるということそして西洋近代文明への批判とまあこの124はちょっと分かる気がするんですけど3番目のこれはどういうことなんですかね?
14:47これ3番目はヤクモが作家として一番大事にしたことだろうと思いますね科学的に証明できるようなことそういうものではなくてやっぱり人間のこう深いとこから出てくるようなイマジネーションあるいはファンタジーそういうものが人間を生かしているこの1番に対するアンチテーズが2番ですよね
15:12それを手繰っていくとやっぱり庶民が何を頼りにして生きているかというとやっぱり迷信であったり伝承であったりするわけですよねそれが人間にとって本当は大事じゃないかと。
17:57店先に揺れるノレン美しい漢字や金の文字そして人々の眼差しにヤクモは驚くほどの優しさを感じたのです。
18:09このような思いやりのある興味の眼差しや笑みを目の当たりにすると初めてこの国を訪れた者は思わずおとぎの国を彷彿としてしまうことだろう。
18:27すべてが自分の世界よりもスケールが小さく優美な世界人の数も少なく親切そうで自分の幸せを祈るかのように誰もが微笑みかけてくれる世界そんな世界にいきなり飛び込んだのである。
18:47道中ヤクモは日本人の心に触れる光景に出会います。
18:54私の目の前にあるものに私の心は釘付けとなった。
19:02それは言葉を失うほどに美しいものに覆われた桜の木立であった。
19:11すべての枝という枝に夏の赤卵雲のように純白の花が咲き乱れ目もくらむほどに霞んでいる。
19:23その下の地面も私の眼前の小道も柔らかく厚く方向を漂わせて散った花びらの雪で一面真っ白だった。
19:38この神々の国では樹木は人間から大切に育てられ可愛がられてきたので木にも魂が宿り愛される女のように樹木はさらに美しさを増して人間への感謝を示そうとするのであろうか。
19:59さらに寺を訪れた八雲は住職に導かれ本堂に入ります。
20:09そこにあったのは一枚の鏡でした。
20:14これは何を象徴しているのだろうか。
20:18幻影なのか。それとも宇宙は我々の魂の繁栄としてのみ存在するということなのか。
20:28私は自分が探しているものを私以外の世界に、つまり私が心に思い描く空想以外のところで見つけることができるのだろうか。
20:43私には、はなはだ怪しく思われた。
20:49ヤクモは自分の顔が映し出された鏡を見つめこの旅の意味を考えていたのです。
21:00よくぞ桜の時期に来てくださったっていうねなんという美しい表現でおそらくその時期じゃなくても何かつかみ取ってくださったと思うんですけど。
21:11だから木一つね描写してもそのように何か非常にいい意味でリアルなね迫ってくるような感じなんだけどもこれはやっぱり血筋がギリシャとアイルランドお父さんお母さんはねだからちょっと普通の西洋人とは違ってアニミズムというのかそういう自然に対する感覚っていうのはすごく研ぎ澄まされているってことありますよね。
21:33日本人が大切に育てられてきてとか愛されてとか桜をみんなが大事にするから桜も恩返しでここまできれいになるってすごいですよねすごいですよねあの最後の鏡は何ですか鏡あれも不思議なんですけどねあるお寺に回ってると鏡を目にしたそしてそこに自分の顔が映って自分の旅の意味なぜ日本に来たのかっていうそういう意味を考え始める
22:02やっぱり求めていたというか何か探して俺は探してんだ大事なもの探してんだなんていうね言い方はしなくて鏡を見て自分の顔を見ながらこの旅の意味を反数すると自分の居場所を見つける旅でもあるわけですよねそういう意味ではいやおなくやっぱり何か一末のね不安というものがつきまとうと思うんですけどこれ面白いですね私たちが八雲さんの体験したその100年以上前のその日本をこうつぶさに
22:32それを一緒に旅するとまた何かちょっと違うものが自分の中に見えてきそうな僕らは小泉八雲さんが危惧してた俺たちかもしれないおい失っちゃうぞ失っちゃうぞ大丈夫かって言ってた失った果ての可能性もでもまあ捨てたもんでもないよというね我々はねまだなんか日本文化の根っこをね八雲さんとこう見に行く気持ちというのがね
23:02でも多分俺この感じだと思うこの自分は自分は大丈夫なのかなくなってないのかこれからの四夜で見つかる見つからないどっちなんだか自分探しが始まってる自分探しそうなんですよ何かを見失ってますからもう常に見失ってますから僕はそのもう旅の一歩目からかなり心つかまれておりますはい次回からまた読み進めていきますけれども八雲は英語教師として島に赴任するんですね
23:32入り込んでいきます八雲は一体そこで何を見出すのか私たちも八雲と一緒に100年前の日本を旅しながら日本の本質に触れていきたいと思います先生どうもありがとうございましたどうもありがとうございました
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