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  • 13 minutes ago

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00:00日本の面影
00:06小泉八雲 日本の面影
00:10そこには明治の古き良き日本の姿が 美しい文章で描かれています
00:1839歳で日本を訪れた八雲は 島根県の末裔で英語教師の職を得 長期滞在を決めました
00:29その暮らしの中で八雲は 庶民の生活に深く入り込みます
00:38そして先祖を祀るお祭りや 人々の信仰を集める出雲大社
00:46古くから伝わる名神や伝説に 強く心を震わせたのです
00:54100分で名著 日本の面影
00:59私たち日本人の中に眠っている 心の真相を読み解きます
01:05100分で名著 司会の竹内藤子です
01:20100分で名著 司会の竹内藤子です
01:32イジュイヒカルです
01:35さあ今回の名著は 小泉八雲の 日本の面影ですが
01:41前回日本にやって来た八雲も 本当自分探しの旅だったという話でしたね
01:48そうですね 老いたちから考えるとなかなかしっくり行く 自分の居場所みたいなものがなくて
01:53でこう自分に合う場所自分の場所みたいなのを求めて求めてどうやら日本にと恋焦がれてね恋焦がれてねちょっと面白いとこでございます今回からはいよいよ薬務が日本での滞在中に見た庶民の暮らしから日本の姿をひもときたいと思います
02:11いよいよ八雲さんが松江に行きまして深い日本ディープジャパンの旅を続けていくことになります
02:30またいつもの神話の世界に入っていくだからみんな一緒に八雲とともに旅ができればなと思いますが今の私たちにもなじみ深いあることに八雲はとても感銘を受けます
02:481890年4月に横浜に到着した八雲はその後島根県の松江に英語教師の職を得ます そして8月
03:02横浜から松江に向かいます 人力車の旅は風景を味わうのに十分な時間を八雲に与えてくれました
03:12松江までの道中八雲は美しい風景に感動を覚えていました
03:20遥かな山々を越えた向こうに古代の神々の国神代の国出雲がある人力車を強靭な車夫たちに引いてもらいながら太平洋側から日本海側へと抜ける4日間の旅である
03:42その長い道中のほとんどは谷合いの道であった谷の上には杉や松の森が薄暗い影を作っているさらにその森の茂る峰の上には遠くの山並みが藍色の姿をのぞかせていてさらにその上にかすんだ灰色の船長がシルエットを落としている
04:118月28日八雲は鳥取県の宇和市に宿をとります八雲は宿での食事の後聞き慣れないゆっくりとした手拍子と太鼓のドーンという音を聞きますすると通訳の晶がこう言いました
04:37これは見に行かなくては盆踊りです
04:41踊り子たちはみんなが一斉に右足を一歩前に造りを地面から上げることなく地面の上を滑るようにして差し出す
04:54と同時にまるで手を宙に浮かせるかのようにふわっと両手を右側へ伸ばし微笑みながらお辞儀をするように頭を下げる
05:05こうしていつも無数の白い手が何か呪文でも紡ぎ出しているかのように手のひらを上下へと向けながら
05:17輪の外側と内側に交互にしなやかに波打っているのである
05:21踊りの輪の中に立つ八雲はまるで自分が魔法の輪の中にいるかのように錯覚していました
05:31幽霊のような手の振り美しい袖の軽やかなはためき
05:39八雲は神秘的な笑みを浮かべて踊り子たちが踊る様子にすっかり魅了されていたのです
05:47夢を見ているようなひとときを過ごし宿に帰るとこう書き記しました
05:53あの素朴な村娘たちの合唱によって私の胸に沸き起こった
06:02あの感動は一体何だったのだろう
06:05床につきながら私はそんなことを考え始めていた
06:11西洋のメロディーならそれが私たちの胸に呼び起こす感情を言葉にすることもできるであろう
06:20あの音色は我々の音楽言語である音符に移し変えることさえできないのではないだろうか
06:28八雲は自分は踊っていないのにまるで一緒に踊っているかのように感じていました
06:39聖者が死者の霊を迎えて共に舞う盆踊りに
06:44西洋人である八雲の体が共振したのです
06:48そもそも人間の感情とは一体何であろうか
06:56それは私にもわからないが
06:59それが私の人生よりもずっと古い何かであることは感じる
07:06感情とはどこかの場所や時を特定するものではなく
07:14この宇宙の太陽の下で生きとし生けるものの万物の喜びや悲しみに共振するものではないだろうか
07:26文章読みながらちょっとこういう振りかなみたいなのをちょっとねやりたくなる
07:38盆踊りというのは生きているものが祖先の霊を迎えて死者と生者が一緒に踊るということが恐らく基本だったんだろうと思いますね昔は
07:55僕らよりも全然八雲の感性が鋭いから一気に入ってくんですよねそこに盆踊りとは何かっていうことに俺らの方が若干知ってるはずなのにもかかわらず八雲の方が入ってくのに悔しさというかそこはやっぱり感性が相当開かれていますよねそしてやはり初めて八雲が日本の盆踊りに遭遇してその音楽だって初めて聴くわけですよね
08:24全然音階も違うし踊りの手つきも違うけどもやっぱりそこに響き合う民族性といいますか民族が培ってきたようなものを初めてなんだけれども分かってしまうっていう感性なんだろうと思いますね盆踊りを見てですね人間のこうみんな誰しもが持ってる感情ですよねそういうものに響き合うものを持ってる何かこう薬物魂にこう
08:53盆踊りを見て人間の感情について書き記している部分があるんですねこれすごいダイナミックなんだよなここねこちらです感情とはどこかの場所や時を特定するものではなくうん
09:23ラデンアメリカであるかもしれないし場所はどこでもいい時代も限らないとしかしそこで共鳴し合うものがあるんだとだからまあ死者を迎えて生きてるものが踊るわけだけども薬物自身は死者でもあるし聖者でもあるというような感じですよね
09:43なんかこう普通感情って今起こった出来事が僕の中で僕にとって悲しいとか僕にとってうれしいみたいなことだと思い込んでるんですけどこの考え方で言うと何かこうずっと古代から脈々と喜びも悲しみも哀れみも寂しさも全部充満してるものというかずっと小さく震えてるものでいつもはその震えをキャッチできないけどみんなで盆踊りをやった時にとか
10:12その日だけ発見できたりその日だけ動いたみたいことで何かねとにかくダイナミックな本当に宇宙的であり
10:22やっぱり盆踊りを通じてヤグモが見ているものはやはり人間のいろんな喜怒哀楽というか喜びというか悲しみというかそういうものを見ながら描いてるんじゃないかな
10:35だからまあ矢雲さんは日本というローカルなね世界から見たらローカルな一つの特殊な場所を描きながらそれゆえに普遍性を持つと誰が呼んでもと言っていいかどうか分かりませんけど感動せざるを得ない日本のその盆踊りなんか知らなくてもですね
10:54聖者と死者のこの交流である盆踊り何が共振したのかこういう言葉でヤクモは表していますゴーストリーこれ映画辞典では幽霊のようなでもヤクモにとっては人間の魂を表す言葉というふうになってますけれどもやはりヤクモさんのこの心の中魂の中にある外界に対する共鳴器みたいなものですよね響き合う器みたいなものを
11:24ヤクモはなぜ盆踊りを初めて見て異国で見てこれが何か霊的なものでもあり鎮魂的なことでもあり死者と生者が一緒になってる頃でもあるみたいなことがどうしてすぐに理解できるんですかそこ気になりますよね気になりますよねこれねゴーストリーという言葉を使った背景に実はヤクモ自身のあるお化け体験があるそうなんです
11:52ヤクモは幼少の頃強烈なお化け体験をしました父と母と別れダブリンの大おばの屋敷で生活していた時のことですその屋敷に暮らす一人の女性がいましたみんなからカズン・ジェーンと呼ばれヤクモも懐いていました
12:20カトリックの熱心な信者であったジェーンはある朝ヤクモに神について説教を始めました
12:30退屈で我慢できなかったヤクモはジェーンに質問しました
12:36どうして他人に気に入られるよりも神様のおぼし飯にかなうようにすることの方が大事なの
12:43するとジェーンはいるような目で見据え
12:47坊や坊やが神様を知らないなんてそんなことがあっていいのかしら
12:54と鋭く問い返したと思うと暗い悲しみの表情を浮かべ
13:00それなら坊やを地獄に落とし永遠の豪華で生きたまま焼いてあげよう
13:06泣き叫び部屋を出て行ったのです
13:11幼いヤクモはジェーンを憎むようになり死んでしまえば良いとさえ思いました
13:17季節は巡りある秋の夕暮れにヤクモはジェーンに再会します
13:25彼女を見つけたヤクモはケイお姉ちゃんと大声で呼び止め駆け寄ろうとしました
13:34きっと笑顔で振り返ってくれると期待して
13:38しかしヤクモが見上げると
13:41ジェーンの顔はありません
13:46そこにあったのは青ざめたのペラボー
13:50ヤクモが驚いているうちにジェーンの姿は消えてしまったのです
13:54これは何なん本当に見たんですかこれが何とも言えないですね本当に見たんでしょうでもそれは何か自分の心理的なものの反映なのか実際ある女性がジェーンとお母式女性が現れてヤクモにいたずらしたのか分からないんですね
14:20だから大事なのは小泉役もこれを実体験として見たとそれは脳が処理したかどうか幻想かどうか分かりませんけどどう見たということですね
14:31きっとあとそんなことあるわけないって人に言われたりねそんなことあるわけないって思う自分もいたりしてでも戦っても戦っても俺見たんだからっていうことっていうのは今後見えないものもあるとか人があるって言おうがないって言おうがそこにあると思えばあるんだっていうことになりますよものの考え方が
15:01それからやっぱり作家活動を出発させてるからそれはやはり自分の中に住んでるゴーストリーなものに気が付いたというかそれに目覚めた一番最初の体験なんじゃないかなっていう気がしますけどねここが正しいって言ってる自分の魂が見たんだだからそれこそやっぱり西洋の考え方合理主義だとかですね
15:31本当のその想像力というのはこう見えないゴーストリーなところにあるんじゃないかっていうことだなとしてみればそういう体験があったから盆踊りを見た時にこれは俺には見えない何かと踊ってるかもしれないっていうことも考えられるしなんとなくそれがこうなんかみんなが夢中になって踊ってると自分にも心を共鳴し始めると何かいるんだっていう彼の確信になるわけですね
15:58実在しないとかするとかの世界ではない乱暴なけどいるんだからしょうがないっていうもういるんだからしょうがないよっていううんうん盆踊りと出会って共振した八雲ですがさらに日本の真相に迫っていきます八雲は松園に滞在中日本の神道の真相に触れる貴重な体験をしています
16:26西洋人として初めて出雲大社で昇殿を特別に許されたのです
16:32松江から船と人力車で移動し出雲へやってきた八雲は初めて見た出雲大社をこう書いています
16:44粛々とした大地の並木には思わずため息が出てくる
16:51なんとも壮大な眺めだ
16:54左右に広々と広がる森と敷地は想像以上に印象的であった
17:02境内の中からすでに潮騒のような重々しい響きが聞こえている
17:09進むにつれその音がはっきりとわかってきた
17:14人の手が一斉に柏でおうつ音である
17:20八雲は三軽車の波をはために
17:26拝殿の裏手に回り本殿へと足を踏み入れます
17:31そして宮司に会い案内を受けます
17:35八雲は宮司の威厳がありながらも精悍な姿に
17:41宮司が生き神であるかのように感じました
17:44日本の最も古いこの土地で
17:51民衆から宣言に寄せられる深い尊敬の念や
17:55彼が握っている大きな宗教的権威や
18:00神々の血統を引くこの一族に
18:04太古から連綿と受け継がれている
18:06その高貴さに思いが及ぶと
18:09敬意というより
18:12威風に近いものさえ感じた
18:14微動だにしないそのお姿は
18:18まさに御神体そのもののように思えてくる
18:23宮司から大国主の御事と
18:27八百代の神々にまつわる神話を聞いた八雲は
18:31感動を覚えます
18:35そして神に仕える御子が神秘的に舞う姿に
18:39魂を揺さぶられたのです
18:41日本最古の神社で神道の本質に触れた八雲は
18:48このように結論付けました
18:50神道の神髄は
18:55書物の中にあるのでもなければ
18:59儀式や戒律の中にあるのでもない
19:03むしろ
19:04国民の心の中に生きているのであり
19:08未来永劫を滅びることも古びることもない
19:12最高の信仰心の現れなのである
19:16風変わりな迷信や
19:19素朴な神話や
19:21機械な呪術のずっと根底に
19:24民族の魂ともいえる強力な精神が
19:29コンコンと脈打っているのである
19:31この八雲は
19:43この出雲大社の本殿に参県した
19:45初めての西洋人だったんですね
19:48そうですね初めてここまで入れたですねこれはまあ本当ありえない当時は皇室の方か国の首相かですねよっぽどの方でないと入らなかったところらしいです
20:04であのこの神聖な場所で本当に貴重な体験をした八雲ですが八雲はその時のことをこんなふうに書いてるんですね
20:11神道の神髄は書物の中にあるのでもなければ儀式や戒律の中にあるのでもないむしろ国民の心の中に生きているのであり未来永遠を滅びることも古びることもない最高の信仰心の現れなのである
20:32当時の西洋人の日本研究を見てると神道は古典版なんですよあんなものは宗教じゃないよって経典もないし教えが活字になっているわけじゃないしこの文章はそれに対する批判なんだと思いますむしろそんなもの必要ないぐらい染み込んでることがもう最高じゃないかっていう生活の中では新事故ですと朝漁師たちがね太陽に向かって柏出を打つとかそういうのを見るといけないといけないといけないといけないといけないといけないといけないといけないといけないといけない
21:02民衆の中に自然信仰といいますか神道的な精神というものがね息づいてるわけですよねそういうものを見てるから西洋の日本の研究者は何か文献ばっかり頭でっかちで何だという気持ちがあったんだと思いますね
21:20さらにねこの文章の後小泉役もこんな風に書いているんですね
21:24日本人の美意識も芸術の才も豪遊の厚さも忠誠の厚さも信仰の感情も全てがその魂の中に代々受け継がれ果てには無意識の本能の域にまで至っているのである
21:42遺伝的記憶として連綿にねこう伝わってきた一つの何というのかな教えというのか教訓というのかね
21:52それが本能の域までなっているところですねもうなんかDNAに刻まれちゃってますよということを思ったんですね
22:00日本人が連綿として受け継いできたものに対する評価というのはすごくあるわけですね
22:08その神道に代表される自然信仰であったり歴史性までこう民族の歴史までこうたどって物事を見ていく
22:16しかも薬もは美意識も芸術もみんなそうなんだっていう風に感じるんですね
22:26横浜から松江に行く途中に鳥取の宿屋へ泊まるんですね
22:32そうすると宿屋の様子を描いてるんですけども襖一枚でもあるいは額にかかってる絵にしてもね
22:38なんでこんな堅い中にそれだけの芸術的なセンスが備わっているのか
22:45それは不思議だっていう風に描いてますよね
22:47それは名のある建築家がデザインしたんじゃなくて日本人のこのゴーストリーがにしみついた芸術館が作っているってことですね
22:57今回はゴーストリーがキーワードでしたけど
23:01まあだからもうゴーストリー自体もとろえてるしゴーストリーの周りに多分ねいろんな赤がついてると思うんですもちろんね常識も大切だしあと周りと歩調合わせることもいろいろ大切だしもちろん科学がなきゃ生きていけないんだけどもゴーストリーも活性化させつついいバランスでそういう目も持ちつつじゃないといけないなっていう感じはちょっとしますね
23:25日本人の潜在力を育て出して気づいていくっていうのは大事ですよね
23:32さて次回からはさらに日本人の生活に深く関わることで見えてくる習慣や日本人の美的感覚に迫っていきたいと思います
23:41それではまたよろしくお願いします
23:43今日はありがとうございました
23:44ありがとうございました
23:46ありがとうございました
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