- 10 hours ago
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00:00PASS PORTO NO DESIGN
00:05今回の手法の一つはそれらの元になった浮世絵です
00:12それは極めて保存状態の良い一枚
00:16山梨県立博物館所蔵の富岳36系
00:20神奈川沖波浦
00:23大迫力の波
00:26江戸時代後期に活躍した葛飾北斎の代表作です
00:34手法はもう一つ
00:36北斎の知られざる驚きの波の絵
00:43裁判年の北斎がたどり着いた究極の波です
00:50北斎は若い頃から裁判年に至るまで 様々な波の絵を残しています
01:00一体なぜ繰り返し波を描き続けたのか
01:09近年最先端技術の力によってこれらの北斎の波の絵が超高精細画像に生まれ変わり
01:18コントローラーで作品を自由に動かし肉眼を超えたクローズアップで北斎と波をめぐる2つの謎に迫っていきます
01:371つ目は大迫力の波に用いられた驚異のテクニックとは何か陰影がついてるよねその影もね波にねしぶき自体にも影がついて動いてる感じがすごい出てるよね
01:55そして2つ目最晩年の北斎がこの波に込めた思いとは北斎の波の秘密にパフュームが挑みます
02:25さあということで始まりましたねはい今回はいつもとちょっと違う場所でお届けしております
02:43何でしょう貸し切り状態って感じ
02:46こんにちはこんにちは今日皆さんをご案内しますNHKアナウンサーの滋賀俊也ですよろしくお願いします
02:53今日は東京都新宿区にあるNTTインターコミュニケーションセンターの8Kが見られるシアターからお送りしています
03:05さあでは早速ですね今回の手法をご覧いただきましょう
03:12はい。
03:14波のやつだ見たことあるこちら富岳三十六景神奈川沖波浦うん今から200年ほど前の江戸時代後期に活躍した絵師葛飾北斎北斎70代ごろの作品ですえ70代?
03:36目を引くのは何と言ってもこの大迫力の波波の先は何やらうごめいているようです
03:46そして深い青に少し淡い青
03:51いくつもの青で波の大きさを際立たせています
03:58この作品は北斎の代表作である富岳三十六景という浮世絵シリーズの1枚
04:09朝日を浴びた赤い富士山や黒い富士山などでおなじみのシリーズです
04:17神奈川沖波浦その奥にも富士山
04:23手前には波にのまれそうな船も見えます
04:28江戸に新鮮な魚を運ぶおしおくり船です
04:34人と海と富士のドラマチックな場面を描いた名作です
04:41海外ではザ・グレイト・ウェイブの名で親しまれ 世界で最も有名な日本の絵となっています
04:52じゃあ実際のサイズどんな感じだったのかといいますとこちらです
04:58小さい!なんかA4サイズみたいな
05:04ほぼB4サイズですね
05:08なので縦25.6センチ横37.7センチ
05:15ダ・ヴィンチやゴッホの作品のような手書きの一点ものではなくて浮世絵版画です
05:22ああそうなんだ
05:23浮世絵版画
05:25そう大量にすることができる浮世絵版画はかけそばいっぱいぐらいの値段で売られ人々は気軽に手に取って楽しむことができました
05:38最新技術で作品をデジタル化したところ版画ならではのすご技が駆使されていることが見えてきました
05:49さあ本日1つ目の謎です波の迫力を演出するためのすご技とは一体何でしょうかコントローラーで超高精細画像をじっくり観察しながら読み解いていきましょう
06:10どの辺見てみます? 迫力を演出のためだって
06:16どこまでアップになるのかしら?
06:19あ、ハート! 隠れハートみって!
06:23イエーイ!ラッキー!
06:25これ今真ん中のところ? 隠れハート!
06:27波の間に隠れハート!
06:30怖い!
06:31顔がある!
06:33隠れハートは新たに見つかったすご技かもしれません
06:37現代の隠れハート!
06:39なんか波の表現でこういう描き方するのってあんま見たことない珍しい
06:46なんか手のひらみたいな
06:49ガオってしてるみたいな
06:51うん
06:52襲ってやるぞ
06:53近くで見るとより
06:54ほんとだね
06:55手みたい
06:59版画ならではのすご技を探るために浮世絵版画ができるまでの工程を見てみましょう
07:06まずは北斎のような絵師が原画を描き
07:13その絵を堀師が板に彫って半木を作ります
07:18そしてすり師が半木に色をのせ
07:22その上から和紙をすって完成させるという3つの工程がありました
07:28その中でも掘りとすりの工程に注目するとこの謎が解けるかもしれません
07:38波のなんかこうわっさーって波しぶきのさ
07:45ここにさ色が違うもんね
07:47白いところと青いところとさ
07:50あーちゃんは波の色の使い分けに関係していると予想
07:57この水色って透け感なのかな?
08:04こうザバーってきてる内側の波の濃さが透けてるみたいなうん透けてるように見えました?
08:12何か透け感かなと思いました最初に影のところ塗っといて後から真っ白を重ねてるのかなこれもすってんだもんね色を変えてその白波の勢いを出すために白波の中にも奥行きの彫りを入れてるとか?
08:35パフュームの皆さんはスゴ技は白い波の奥行きの表現にあると推理
08:44果たして?
08:45北斎のスゴ技を画像から読み解いたのは
08:52神奈川沖並浦を超高精細画像にした久保田岩尾さんです
08:58特殊な技術を用いて画面の凹凸までデジタル化したことによってスゴ技が見えてきたといいます
09:10ここに影があるのがお分かりいただけると思うんですよ
09:16水色の部分が白い部分よりも一段へこんでるっていうのがお分かりいただけると思うんですね
09:23確かによーく見ると水色の部分輪郭が少し暗くなっていますね
09:31うんうんうん
09:33それってつまり?
09:35つまり?
09:36その、モカンガですので刃を押し付けることによって
09:43箸の表面を潰すことができる
09:45うん
09:46だから物理的に立体の構造にできるわけですね
09:50なるほど
09:51そう、この少し暗く見える部分は浮世絵の紙を半着に押し当てることで紙に僅かな段差をつけているというのです
10:03番組ではそんな神奈川沖並浦の実物を所蔵する山梨県立博物館を訪ねました
10:15段差のディテールを確かめるべく高精細の8Kカメラを使い斜めから光を当てる特別な撮影方法で臨みます
10:29おーすごい!きれい!きれい!
10:39崩れる波頭白い部分をよーく見ると和紙の繊維が映っています
10:51白く見えるところは実は紙の字そのもので色はついていないのです
11:01極めつきはこの部分
11:05最も激しく崩れるところに注目すると
11:10すっごい!めっちゃ立体!
11:18手前にくる白い部分は和紙の質感をそのままに
11:23奥にある水色の部分は少しだけ低くなっています
11:28そして波の一番内側
11:32最も奥にある藍色の部分は水色よりもさらに低くなっていることがわかります
11:40波の明るい部分を一番手前に
11:45暗い部分を一番奥に
11:48色の明暗だけでなく和紙に微妙な高低差をつけることで
11:54波の立体感を強調するように計算されているのです
12:00すごい!
12:04それにしてもこの驚きの発想はどこから出てきたのでしょうか
12:10北斎は浮世絵の伝統的な技法を応用しながら
12:17新しい表現を開拓していました
12:21例えばこの襖の緑の部分
12:26この部分だけ柄に凹凸がついています
12:31これは模様の線が彫られた木の板
12:35半着に和紙を強く押し当てて段差をつける伝統的な技法です
12:44北斎が画期的だったのは
12:46この紙に段差をつけるという技を風景描写に応用したことだといいます
12:57神奈川沖波浦では
13:00波そのもののエネルギッシュな立体感を追求するために用いたと考えられています
13:09北斎のこの浮世絵は
13:11江戸の庶民も楽しむことのできた
13:14まさに最先端3Dアート
13:19手にした人たちは
13:21波の迫力を際立たせるという北斎の創意工夫で
13:26大自然のダイナミズムまで間近に感じていたに違いありません
13:33すごい
13:35なるほど
13:363Dアートだったんだ
13:38浮き上がって見えるって思ってたけど
13:41本当に浮き上がってた
13:42浮き上がってた
13:43白いところが和紙のそのままの白だったっていうのが驚き
13:48その時代にマジ3Dがかけそばいっぱい分の値段でみんな持ってたってことですよね
13:54考えられないですよね
13:55すごいですね
13:57迫力あふれる波の描写
14:04それを引き立てる絶妙な色の使い分け
14:09そして紙の凹凸まで利用して生み出した立体感
14:14超高精細画像からは北斎の波にかける恐るべき情熱まで見えてきました
14:23長野県の北部 尾布瀬町
14:382つ目の謎はここにある作品に関係します
14:44現れたのは町の祝い事で実際に使われていた祭り屋台です
14:55すごい美しい
14:57祭り屋台
14:58きれい
14:59その天井に描かれているのが北斎究極の波と称される怒涛図
15:12ドットワンズ
15:14右側の波は目波
15:19左側の波は尾波と呼ばれています
15:231.2メートル四方の2枚の板に描かれた巨大な波
15:31それも神奈川沖波浦のような版画ではありません
15:37この作品は北斎の手による一点物の肉質画
15:48近づいてみると波の輪郭線がわずかに盛り上がっています
15:56すっごい枠物見えるね
15:59見えるね
16:00絵の具を塗り重ね波の立体感を演出しています
16:07この作品を描いた時北斎は86歳
16:15最晩年の北斎が8ヶ月という月日をかけて描き上げたまさに究極の波です
16:24それにしてもなぜ北斎の究極の作品が江戸から200キロ以上離れた長野県の尾布瀬町にあるのでしょうか
16:39時は1841年北斎82歳の頃
16:49財政再建を目指す幕府は贅沢を禁止する天保の改革を行いました
16:58浮世絵も規制の対象となり北斎は次第に窮屈さを感じていきます
17:07そんな時尾布瀬の豪将高井鉱山が北斎を地元に招き捜索活動を援助します
17:19幕府の目の届きにくい尾布瀬で北斎は思いのまま捜索に励みました
17:29そして尾布瀬の人々が大切にしているあるものを手掛けてほしいと依頼を受けます
17:39それがこの祭屋台の製作でした
17:45今回その天井画が8Kを超える高精細画像に生まれ変わりました
17:55隅々まで詳細に観察できるこの画像を使って2つ目の謎に挑みましょう
18:05その謎とはズバリ北斎は怒頭図で何を表現したかったのか
18:15すっごい豪華な作品ですねこれは
18:25版画とも違うからこんな大きなものを作ってたんですね
18:31しかもさ江戸から尾布瀬までどうやって行ったんだろうなあのおじいちゃん
18:37確かに確かにね
18:39歩いて行かれたそうですよ
18:41うわー嘘でしょ
18:43そこまでやっぱり映画描けるところに行けるなら
18:47歩いてでも行けるんだ
18:49ほんまじゃないでもそれしてくれたおかげで
18:52尾布瀬の人はこの宝物をこんな製作していただけてよかったね
18:57ここからは専門家の方と一緒に読み解いていきましょう
19:02ドトーズを所蔵する美術館北斎館の学芸員中山幸寛さんです
19:09よろしくお願いします
19:11よろしくお願いします
19:13ナミのシャツ着てらっしゃいますね
19:15はい
19:16ドトーズに合わせて
19:18すてきです
19:21いいですね
19:22では早速コントローラーを使って謎を解き明かしていきましょう
19:29なんかすごいこう手の声上を擦っているぞみたいな
19:35ここになんか石があるような感じがして
19:38なんかこの動きが
19:41より怖いっていうか
19:46あーちゃんが注目したのは
19:48無数のカギ爪のような波の先端
19:51神奈川沖波浦と比べ
19:56うねりがより激しくなり迫力を増しています
20:04ではここで謎を解くためのヒントです
20:104枚の波の絵
20:12すべて北斎が手がけた作品です
20:16北斎は30代から裁判年の80代まで
20:20繰り返し波を描いています
20:27ドトーズで北斎は何を表現したかったのか
20:31波の変遷から探っていきましょう
20:3830代の方は写実的だもんね
20:41なんかその時にあったことみたいに見えるけど
20:45これだけ見ると記念写真を撮ってるようなイメージに見えますよね
20:51では北斎が70代に描いた2つの作品はいかがですか
20:58波が荒々しく大きく描かれるようになって
21:02年齢を追うごとに荒々しさが増して
21:06波が主役になっててるもんね
21:08そうですね
21:09神奈川沖波浦では
21:13荒々しい波に飲まれそうになる船と
21:17雄大に佇む富士山という風景を描いています
21:22ではその後に描いた
21:26知恵の海という作品に注目すると
21:29富士山や空が画面からなくなっています
21:35あるのは波と船だけ
21:39では裁判年の怒涛図はというと
21:44そう北斎は波以外のモチーフをすべて排除
21:48空も山も船も人もいない
21:54ただ波だけを描いています
21:58さらにここで2つ目のヒントです
22:03よく見ると2つの波の絵は対になっています
22:14この波の絵っていうのは手前の白い波
22:19そして一番奥の渦巻きの姿
22:22そしてその真ん中に青い波という3つのパーツで構成されているのが分かります
22:27手前がねエメラルドグリーンみたいな
22:32右側の上を見ていただきますと白い波がですね円を描くようにくるっと吸い込むように描かれているのが分かるかと思います
22:42なんか渦巻いて見えるもんねぐるぐるってね奥の方に進んでいくような渦に見えるしで左の方はですねこの白い波というのが画面からはみ出てますよね確かに逆にこっちに迫ってきてるそうです超高精細画像で2つの波を比較します
23:07右側の波は確かに画面の奥へ奥へと水が吸い込まれていくようです
23:18対して左側の波は水が荒々しく飛び出してくるかのようです
23:30奥へ吸い込まれる姿 そして手前へ飛び出す姿
23:41それぞれに波の力が満ちています
23:46さあ北斎は究極の波で一体何を表現したかったのか2つの謎解きポイントをもとにPerfumeが導き出した答えを聞いてみましょう
23:59ちょっと何だろう抽象的に描かれるようになったりというか
24:08実際の波よりもだいぶ劇場版になっているような
24:16どこから見てるのみたいな
24:18何か波に感情があるような何か心があるような
24:23命みたいな感じもしますよね
24:27とにかく波に魅了されたんですよね北斎は
24:31波っていうのは美しくもあり全てを飲み込む怖さもある
24:41その怖さの方をより濃く抽出して描きたかった
24:48おお
24:49でもツイになってるから輪廻転生みたいな感じの
24:54その人間性とかの連鎖とかそういうものを描いてるのかなとも思いました
25:02あ、なるほど
25:03あーちゃんさん
25:04やっぱその波の感情とか波がこうちょっと私には意思があるように見えるっていうか
25:13だからこうなんだろう
25:17魂魂力強い
25:23結構もうワード出てきましたね
25:26そうですね鋭い一言がたくさん出てきておりますね
25:29のっちさんとあーちゃんは恐ろしさすら感じさせる波先の形に
25:36かしゆかさんは2つの波の関係に着目しました
25:41果たして中山さんが出す答えは?
25:46波というものはですねやっぱり自然の中でさまざまな描き方がありますよね
25:52寒潮、満潮っていうのもありますし気象によってさまざまな波の姿っていうものがあります
25:58土頭図の方を見ていただきますと本当にそういったものからですね
26:03一歩飛び越えて波のしぶきの部分だけを極端にクローズアップしていると
26:09まさしくこの描かれているっていうのは今まで見てきたような風景の世界ではなくって現実にはない世界を北斎はこの土頭図で表現しているところになりますね
26:21確かに
26:23いろんな波を描いてきたけどその中でも俺の波はこれだーっていう
26:30集大成の作品がこの土頭図の波の表現だったのかな
26:37熱心描いた波っていうものはですね
26:39つまり滞ることのない常にですね寄せて引いていくものになりますので
26:45そういった自然のエネルギーっていうものをですね
26:49北斎は自分なりにですね表現したかったんだと思うんですね
26:53なるほど
26:55エネルギー感じるよね
26:59だってオブセって町には海がないはずなところで一番の波を描いててもう本当に想像の世界ってことですよね
27:09だから本当に時間とか空間とかも超えた先の絵っていう感じがします
27:18まさに究極の波の絵
27:23そのすごさに改めて驚くうちに
27:27あーちゃんから大胆な説が
27:31何かさ宇宙にも見えるなって思ったんだよね確かに波しぶきがこういっぱい飛び散って確かに宇宙っぽさあるねねで何かこうしぶきがより星みたいにも見えてきて何か海の奥底って宇宙って言うじゃん実はね本当にお客さんからですねまるで宇宙のようだねという感想をですねよく頂きますへえじゃあ宇宙のところへ
28:01行こう行こううちの旅家みたいなOK行こううわどうやって書いたこれしぶき細かいね細かいしグラデーションがすごい深いほんとだね一個一個美しいね
28:30秘密のしほうさん
28:32秘密のしほうさん
28:36秘密のしほうさん
28:38秘密のしほうさん
28:42秘密のしほうさん
28:46秘密のしほうさん
28:56秘密のしほうさん
28:58秘密のしほうさん
29:002300年前の船を超高精細3DCGで謎解き海を渡った縄文人のフロンティアスピリッツに迫ります
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