00:25地鼻科の受付でアルバイトをしていたあの日、障害を持つ小さな男の子を連れたお母さんが青ざめてうつむきながら入ってきた。疲れ果てた瞳に育児の苦しみが滲んでいた。今にも売れてしまいそうなほど肩を落としている姿は育児の苦悩に押しつぶされてしまいそうに見えた。そして母親と男の子が診察を終えて帰ろうとした時、診察室から出てきた先生が呼び止めた。
00:53そして母親の手を握りながらこう言った。お母さん、この子が生まれてきてくれてよかったってそう思える日が必ず来るからね。彼女の目から咳を切ったように涙が溢れ出し、切ないおえつが静かな院内に響き渡った。私も目頭が熱くなり、いつの間にかもらい泣きしていた。待合室の患者さんのすすり泣く声も聞こえていた。実は先生にも同じように障害を持ったお子さんがいたことを後から知った。
00:58あの言葉は決して奇麗事ではない先生自身の魂の祈りだったのかもしれない。
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