プレイヤーにスキップメインコンテンツにスキップ
  • 2 日前
山にすんでいるからすがありましたが、そのからすは、もうだいぶん年をとってしまいました
たおやかインターネット放送HP:http://taoyaka.at-ninja.jp/
There was a crow living in the mountains, but that crow had grown quite old.
taoyaka Internet Broadcasting HP: http: //taoyaka.at-ninja.jp/

カテゴリ

📚
教育
トランスクリプション
00:08たおやかインターネット放送がお送りする 絵本の時間
00:13小川未名作 一本の柿の木
00:20山に住んでいるカラスがありましたが そのカラスはもうだ
00:26いぶん歳をとってしまいました
00:29若い自分にはやはり今他の若いカラスのように 元気
00:35よく高い峰の頂きを飛んで
00:39目の下に谷や松林やまた村などを眺めて ある時は
00:46もっと山奥へ
00:48ある時は荒波の岸を打つ浜の方へと飛んで行き
00:55また町の方まで飛んで行ったことがあります
01:01どんなに強い風も恐ろしくはありませんでした
01:06身を軽く風にまかせて 木の葉のように空へひるがえ
01:11りながら
01:12面白半分にかけたこともありました
01:17太陽のまだ上がらない薄暗いうちから そして星の光が見
01:24える自分
01:25空を泣いて行ったこともあります
01:30その鳴き声に眠っている林や森や野原が目を覚ました
01:39中には元気のいいカラスと言って この早起きのカラス
01:46を褒めました
01:50本当にこのカラスは若い自分は 元気のいい幸福者で
01:56あったのです
01:59けれど今はカラスはもう年をとってしまいました
02:07そしてだんだんと翼も弱ってくれば また目もよく見えなく
02:14なりました
02:19それは山に大雪の降った ある寒い日のことでありました
02:27この年をとったカラスは 他の若い者が村の方や
02:33また海の方まで出稼ぎをしに行ったのに
02:38自分は一人木の枝にとまって つくねんとしていました
02:46ちょうどその時
02:48雪のために餌がなくて ひも違っているわしが
02:52このカラスを見つけました
02:56カラスは寒さと疲れに 目を半分閉じていますと
03:03ふいに空のあちらから 異様な響きが聞こえたのです
03:09カラスはこの音を聞くと思わず ざっとしました
03:15よく遠方の霞んで見えない目で じっとその方を見ますと
03:21確かに日頃から恐れているわしが 自分をめがけて飛んで
03:26くることが分かりました
03:28カラスは命のあらん限り 逃げようと思いました
03:33しかし海の方へ行っても また谷の方へ行ってもだめ
03:39
03:41これは村か町の方へ行くに限ると思いました
03:47なんでも人間のいるところへ行けば わしは引っ返してしまう
03:53だろうと思ったからです
03:56カラスは里の方をさして 一生懸命に飛びました
04:02雪まじりの寒い風は 激しく吹きつけました
04:07翼は破れてしまいました
04:11そして恐ろしい大きな羽音は だんだん迫ってくるような気
04:17がいたしました
04:19カラスはもはや命が 助からないものと思いました
04:25しかしこの時 遥かあちらに
04:28人間のところどころにある 村が見えたのです
04:34カラスは悲しそうな声で泣いて
04:38救いを求めながら 村の森へ降りて行きました
04:44わしは人間を見ると 急にカラスを追うことをあ
04:49きらめて
04:50山の方へ引き返してしまいました
04:55カラスは養養のことで 命は助かりましたけれど
05:01翼は傷ついて 体は上と寒さのために
05:07綿のように疲れて 木の枝にしっかり止まっているだけの
05:13気力もなくなってしまいました
05:18木がゆるんで そのままばたりと
05:21カラスは下の真っ白な雪の上に
05:24転がり落ちてしまったのです
05:28この村の少年が ちょうどその時
05:32森へ枯れた枝を拾いに来ました
05:36そして このカラスを見つけました
05:40かわいそうに 羽が大変に痛んでいる
05:45何かに追われて 逃げてきたのか
05:49それとも 病気なのだろう
05:52と 少年は カラスのそばに寄ってきて
05:56羽をなでながら 言いました
06:00少年は 家に引き返して
06:03まだつきたての 柔らかい餅を持ってきて
06:07小さく いくつにもちぎって
06:10それを カラスに与えました
06:14カラスは それを食べると 元気づきました
06:20そして 少年が 枯れ枝を集めて
06:23家へ帰る自分には もうカラスは
06:27どこかへ飛び去ってしまった あとでありました
06:33カラスは 少年の恩に 深く感じました
06:40その冬も 無事に過ぎて
06:42あくる年になりますと
06:44ある日 少年は庭で
06:47カラスが しきりに鳴くのを 聞きました
06:52見ると 二羽のカラスが 木の枝に止まって
06:57一羽のカラスが 地に 何か埋めていたのでした
07:04その日も過ぎて 幾日か経つうちに
07:07雨が降って 日の光が そこを 暖かに照らしますと
07:13一本の くるみの木が 目を出しました
07:18そして 日増しに 大きくなりました
07:23少年は その木を 大事にしました
07:28秋の頃には 一尺ばかりになりました
07:33それなのに 冬になって 雪が降ると
07:37その木は 根元から 折れてしまいました
07:42少年は 体操を 悲しみました
07:48すると また ある日のこと
07:53庭で カラスが しきりに 鳴いていました
07:58見ると いつかのように
08:00二羽のカラスが 木の上に 止まって
08:04一羽のカラスが また 何やら 地に 埋めているのです
08:11今度は そこから 柿の木が 目を出しました
08:18少年は 地に 柿の種を 蒔いたのは
08:22いつかの あわれな カラスであった
08:26木の枝に 止まっていた 一羽の カラスが
08:30あのカラスと 友達か さも なければ 子供たちで あろう
08:35と思いました
08:38少年は この 柿の木を いたわりました
08:44冬になると 棒を立てて 倒れないようにして やりました
08:52二 三年のうちには その 柿の木も
08:56だんだん 目立って 大きく なりました
09:02いつしか 少年は 歳をとって 大人になりました
09:09この人は 大きく なっても
09:11やはり あわれみの 深い 親切な 人で ありましたから
09:17村の 人々から も 慕われました
09:23そして この人にも 可愛らしい 子供が 生まれました
09:31その 自分には 柿の木も 太く 大きく なっていました
09:38そして 毎年 たくさんの 実を 結びました
09:45この 柿の木は カラスが 植えて くれたのだ
09:49と 昔の 少年で 今の お父さんは 子供らに 向かって 話
09:55しました
09:58どうして カラスが 植えたの?
10:00と 言って 子供らは 問いました
10:05昔の 少年で あった 今の お父さんは
10:09昔の ことを 詳しく 子供らに 話して 聞かせたのです
10:16そして その カラスは もう とっくに 死んで しまったのだよ
10:21と 言われました
10:26秋になると 柿の 木の実が たくさん に なります
10:33村の 子供らが みんな 集まって きて
10:37その 柿を 萌いで 食べました
10:41そして あとは 木に 残して おくと
10:44あの あわれな カラスの 子供らや 孫たちが 山から やって
10:49きて
10:49木に 止まって 食べたので ありました
10:54お しまい

お勧め