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  • 9 か月前
ある男が、牛に重い荷物を引かせて町へ出かけたのであります。
たおやかインターネット放送HP:http://taoyaka.at-ninja.jp/
A certain man set out for town, having a cow pull a heavy load.
taoyaka Internet Broadcasting HP: http: //taoyaka.at-ninja.jp/

カテゴリ

📚
教育
トランスクリプション
00:00おやかインターネット放送がお送りする 絵本の時間
00:18小川美名作 ある男と牛の話
00:24ある男が牛に重い荷物を引かせて 町へ出かけたのであります
00:34今日の庭は地と牛に無理かもしれないが まあ引けるか引かせてみようと男は心の中で思ったのでした
00:47牛や馬はいくらつらいことがあっても それを口に出して訴えることはできませんでした
00:59そして黙って人間からされるままに ならなければなりませんでした
01:06牛はその荷を重いと思いました
01:13けれど一生懸命に力を出して 重い車を引いたのです
01:21街道をきしりきしり 牛は車を引いて町の方へと行きました
01:33汗はたらたらと牛の体から 流れ出たのでした
01:39松並木にはセミがのんきそうに 歌を歌っていました
01:50セミには今どんな苦しみを 牛が味わっているかということを知りませんでした
01:57野原の上を越え そよそよと吹いてくる涼しい風に
02:05梢に止まって鳴いているセミは 眠気を催すと見えて
02:10その声が高くなったり 低くなったりしていました
02:15牛は心の内で
02:20せめてこの世の中に生まれてくるなら
02:24なぜ自分はセミに生まれてこなかったんだろう とうらやみながら
02:30一歩一歩 生まずに車を引いたのであります
02:34男は手綱の先で
02:42ぴしりぴしりと牛の尻を叩きましたが
02:46牛は力をいっぱい出していますので
02:50もうその上 早く足を運ぶことはできませんでした
02:55さすがに男も心の内では
03:00無理をさせていると思ったので
03:03その上ひどいことはできなかったばかりでなく
03:07またその甲斐がなかったからです
03:11それに真夏のことであって
03:17いつ牛が道の上で倒れまいものでもないと思ったから
03:22余計に心配もしたのでした
03:25街道の中ほどに掛け茶屋があって
03:31そこではいつもうまそうなあんころ餅を作って
03:35店に並べておきました
03:37男は酒飲みであんころ餅は欲しくなかったが
03:44牛がたいそうそれを好きだということを聞いていましたから
03:49やがてそのうちの前へさしかかると
03:52どうかこの荷物を無事に先方へ届けてくれ
03:57そうすれば帰りにあんころ餅を買ってやるぞ
04:01と男は牛に言ったのであります
04:05その言葉が牛にわかったものか
04:11牛は重そうな足取りを精一杯にはやめました
04:15そしてその日の午後
04:21町の目的地へ着くことができたのであります
04:24男はそこで賃金をいつもよりは余計にもらいました
04:33心のうちでほくほく喜びながら
04:38牛にも水をやり
04:40自分も休んでから帰りに着いたのでした
04:43牛も体操だし
04:48自分も骨だが
04:50多く積んで積めないことはないものだ
04:53少しこうして勉強をすれば
04:56こんなに余計にお金がもらえるじゃないか
04:59と手綱を引いて歩きながら考えました
05:03町を出てから田舎道にさしかかったところに
05:10居酒屋がありました
05:12そこまで来ると
05:15男は牛を前の柳の木につないで
05:18店の中へ入りました
05:20彼はありあいの魚で
05:26一杯やったのでありました
05:28そしていい機嫌になって
05:32そこから出たのであります
05:35その間
05:38牛は居眠りをして
05:40じっと待っていました
05:42牛は疲れていたのです
05:46赤々として
05:49太陽は西の空へ傾きかけて
05:52雲がもくりもくりと
05:55野原の上の空に湧いていました
05:58男は牛を引いて
06:03やがてアンコロ餅を売っている
06:06店の前へかかりますと
06:07その自分から
06:09ゴロゴロと雷が鳴り始めました
06:12あ、夕立ちが来そうになった
06:21ぐずぐずしていると濡れてしまうから
06:24今日は我慢をしてくれな
06:26明日はきっとアンコロ餅を買ってやるから
06:30と
06:30男は牛に言いました
06:33牛は
06:36黙って下を向いて歩いていました
06:39男は
06:41決して嘘を言うつもりはなかったのでしょう
06:44少なくも
06:47哀れな牛には
06:48そう信じられたのでした
06:50あくる日も
06:55男は
06:56昨日と同じほどの
06:57思いにを引かせたのです
06:59牛は
07:02汗を垂らして
07:04車を引きました
07:05そのうち
07:08アンコロ餅を売る店の前へ
07:11さしかかると
07:12男は
07:13ちょっと店の方を
07:15横目で見て
07:15今日は
07:19帰りにアンコロ餅を買ってやるぞ
07:21だから早く歩けよ
07:23と言いました
07:24昨日と同じ自分に
07:29町へ着きました
07:30そして男は
07:34昨日と同じように
07:35余計に金をもらいました
07:37男は
07:41ほくほく喜んだのであります
07:43この男は
07:47余計に金を持つと
07:49なんで忍耐して
07:50居酒屋の前を
07:52素通りすることができましょう
07:54やはり
07:57我慢がされずに
07:59店へ入って
08:00たらふく飲みました
08:01その間
08:04牛は
08:05外に
08:06じっとして
08:07待っていました
08:08男は
08:12いい機嫌で
08:13店から出ると
08:14牛を引いて
08:15行きました
08:15やがて
08:19やがて
08:19アンコロ餅を
08:21売る店の前へ
08:22さしかかりました
08:23なに
08:26ちくしょうのことだ
08:28人間の言ったことなど
08:30わかるものか
08:31と
08:32男は
08:33ずうずうしくも
08:34知らぬ顔をして
08:35牛を引いて
08:37その前を
08:38通り過ぎて
08:39しまいました
08:40その時
08:43その時
08:43牛は
08:44もう
08:45もう
08:47と
08:48泣きました
08:49さあ
08:58早く
08:58歩け
08:58と
08:59男は
09:00叱りつけて
09:01ピシリと
09:02牛の尻を
09:03手綱で
09:04力まかせに
09:05叩きました
09:06すると
09:09今まで
09:10おとなしかった
09:11牛は
09:12急に
09:13たけりたって
09:13男を
09:15角の先に
09:15かけたか
09:16と思うと
09:17五六軒も
09:18かなたの
09:19たの中へ
09:19まりを
09:20投げとばすように
09:21投げ込んで
09:22しまったのです
09:22彼は
09:25顔を
09:26泥田の中に
09:27うずめて
09:28もがきました
09:29その間に
09:31牛は
09:32一人で
09:33のこのこと
09:34歩いて
09:34家へ
09:35帰って
09:35行きました
09:36男は
09:40ようやく
09:41たの中から
09:42這い上がると
09:43泥まみれになって
09:44村へ
09:45帰りましたが
09:46会う人たちが
09:48みんな
09:48怪しんで
09:49どうしたか
09:50と
09:51聞きました
09:51けれど
09:52さすがに
09:54牛に
09:54嘘を
09:55言って
09:55復讐された
09:56とは
09:56言えず
09:57苦笑い
09:58して
09:58いました
09:58彼は
10:02家に
10:02帰ってから
10:03黙っている
10:04牛が
10:05何でも
10:06よく
10:06わかっている
10:07ことを
10:07悟って
10:08心から
10:10自分の
10:11悪かった
10:11ことを
10:12牛に
10:13謝った
10:13と
10:14言います
10:14おしまい
10:19心から
10:211
10:23営み
10:25泥
10:29喉み
10:30ん
10:31不到
10:321

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