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  • 4 months ago
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Transcript
00:00動脈側線術はがんにつながる血管を塞ぎ成長を食い止めることで患者の命を守る治療法である
00:15いよいよミカドさんの治療が始まる
00:21じゃあ行こうか 立ててくだしてくれるかな
00:26ポリ委員長が取り出したのはマイクロカテーテル 直径わずか0.9ミリ
00:35血管内に通す管状の医療器具だ 足の付け根から動脈にカテーテルを通し主要に栄養分を送っている
00:45動脈を塞ぐ いわば兵糧攻めにしてがんの成長を食い止め
00:53じゃあインジェクションよろしくな いやあんなきゃ痛いね
01:00絡んでないなカテーテルが肺に届いただがそこに待ち構えていたのは主要につながる曲がりくねった血管だった複雑な血管内を進むためカテーテルの先端を曲げる血管を進みやすい形に整えるのだ果たしてカテーテルは進むのか?
01:28入ったな もう少し進める進める
01:31OK
01:33わずか2ミリの血管にカテーテルが入った 間違った血管を進めば正常な組織を傷つけかねない
01:42ほんの少しのミスも許されない
01:45じゃあ小さい方のサップ OK スタンバー
01:50即戦材料とは血管を塞ぐために使用される粒子 ここにも堀石独自の最新技術が導入されている
02:01従来の大きさ1ミリのものに対し堀石が開発した即戦材料はわずか0.1ミリ
02:10水分を含むと膨張し 癌につながる細い血管を塞ぐことができるのだ
02:18抹消の血流が落ちたに違いないわ
02:21終わろう
02:23所要時間90分
02:27動脈即戦術は無事に終了した
02:31これは治療開始前のミカドさんの腫瘍
02:38癌の影がはっきりと見えている
02:41しかし合計4回の動脈即戦術の治療を経て
02:46腫瘍の影は90%が消えていたのである
02:51うまく薬の病気に反応してくれて
02:57非常に良くなった状態です
03:00ほんまに先生これ夢みたいな話してるな
03:03いろんなことしたけど
03:07治療開始から4ヶ月
03:10ミカドさんは大好きだったゴルフが再開できるまでに回復した
03:16動脈即戦術の適応は肺だけではない
03:31全摘質が難しい肝臓癌をはじめ
03:34カテーテルの届く部位であれば
03:37ほぼ全ての心肝癌に有効な治療法だ
03:41少なくとも癌で済むのだけはやめましょうね
03:45というのが僕の患者さんに対するお願いであるし
03:49僕が診療する目標になります
03:52費用はこのクリニックの場合
03:56保険適用3割負担で1回の治療あたりおよそ15万円
04:01患者を蝕むがんは
04:06すでに手術も放射線治療もできない状態にまで進行していた
04:11しかし患者は生患を信じ
04:21一人の医師に運命を託した
04:24堀新一医師
04:26卓越した技術を武器に
04:28がん最前線で戦うスペシャリストだ
04:31彼はがんを消し去らずに患者を生患させる
04:35がん細胞が一つでも残ったら医者の敗北
04:39医療側の敗北だというふうに考えられてたんですね
04:43でも今はそういう考えは
04:46もう遠い昔に私たちももう捨て去ってます
04:50がんの根絶を目指す手術や抗がん剤治療は
04:54時に患者の命を縮めかねない
04:57堀医師が目指すのはがんと共存すること
05:00新しい時代のがん治療である
05:05堀医師の治療を受ける西田民雄さん82歳
05:09それまで大きな病気一つしたことがなかった西田さんの体に
05:14去年8月ある異変が起きた
05:17横っ腹が痛いなぁと思う程度だったんです
05:21そしたら今度はもうそれでごらんない
05:25グーッとこうなんかこうに振り返るようになってきょって
05:29死の中もこんな時に死ぬのかな
05:32病院に運ばれた西田さんはCT検査の結果
05:39腹の猶予も許さない危険な状態であることが判明した
05:45肝臓が破裂し大出血を起こしていたのだ
05:49出血は2リットル
05:51命に関わる量だ
05:53過労死で肝臓を負う腹膜で出血は治り
05:56と西田さんは一命を取り留めた
05:59しかし
06:00電動機を取って何したら
06:03なんかここにこんな影があるなぁ
06:05いうことでこれちょっとおかしいで
06:08肝臓を破裂させた原因は
06:118センチ以上にまで成長した巨大腫瘍
06:14肝臓が
06:16それが西田さんの体を蝕む病魔の正体だったのだ
06:21これ以上腫瘍が大きくなり
06:24再び肝臓が破裂すれば
06:26命に関わる危険がある
06:29西田さんが命を託した選択
06:32それが動脈側旋術だった
06:38動脈側旋術は
06:40足の付け根から血管にカペーテルを挿入し
06:44腫瘍に栄養を補給している血管を塞いで
06:47がんを餌死させるという治療法だ
06:50去年11月
06:56西田さんの治療が行われた
06:59発生死にも及ぶ巨大腫瘍の影は消え
07:03がんを封じ込めることに成功したかに見えた
07:09ところが肝臓がんは恐るべき変化を遂げて
07:13再び巨大化を始めたのだ
07:17詰めた血管のところは確かに血流が止まっているんですが
07:21残念ながら腫瘍の周辺の部分には
07:26他の血管がそこに栄養しているということを発見したんですね
07:31西田さんの腫瘍は
07:34横隔膜の動脈から血管を引き込み
07:37成長を続けていたのだ
07:40今手を打たなければ
07:43いずれ巨大腫瘍は西田さんの命を奪う
07:46再度治療が行われた
07:49じゃあ西田さん
07:52では行きます
07:54当てても出してくれるかな
07:58堀石が手にする武器はマイクロカテーテル
08:02直径0.9mm
08:04この極細の管を直径1mmの血管内に入れ
08:08腫瘍につながる血管まで到達させなければならない
08:13西田さんちょっとごめんなさい
08:15ゴソゴソします
08:19カテーテルの操作には
08:20極めて繊細かつ高度な技術が要求される
08:24管がすすものは動脈
08:27誤って破ろうものなら大出血を引き起こす
08:32カテーテルが肝臓周辺に到達した
08:37腫瘍に栄養を補給している血管はどこにあるのか
08:41造影剤を流して撮影を行う
08:45じゃあ撮影します
08:47だが次の瞬間
08:48思いの事態が発生した
08:51どっか行ってんやね
08:53想像しながらどっか行ってるなが
08:56一番難しい
08:58西田さんの巨大腫瘍につながるのは
09:01大隔膜動脈
09:04通常大動脈から直接伸びている
09:06直径およそ1ミリの血管だ
09:10ところがその血管の入り口が見当たらないのである
09:16腫瘍につながる血管は目の前でも
09:19その入り口が見つからずカテーテルを挿入できない
09:23だが絶対に諦めない
09:26スペシャリストの執念が迷宮の扉を探し当てた
09:31これどうしたの?
09:33バックに戻ってる?
09:34バックに戻ってる?
09:36バックに戻ってる?
09:39こうです
09:41危険上がった
09:44腫瘍に続く血管の入り口は意外な場所にあった
09:50普通なら大動脈から伸びている大隔膜動脈が
09:54西田さんの場合肝臓の動脈から分岐していたのだ
09:58これは千人に一人と言われる珍しい形状だ
10:03カテーテルの入り口は見つかった
10:06しかしスペシャリストの前に
10:09またしてもとんでもない壁が立ちはだかる
10:15いや、近いな
10:18ガンの栄養補給量を立ち
10:21腫瘍を餌させる最新治療
10:23動脈側腺術
10:25生還を追っかけた戦いは
10:28最終局面を迎えていた
10:31いや、近いな
10:35腫瘍につながる問題の欠陥に
10:37カテーテルが入らない
10:43造影剤によって浮かび上がった欠陥は
10:47あたかも侵入者を拒む迷宮のように
10:50複雑に曲がりくねっていた
10:53血管内にカテーテルが入れば治療は完了する
11:09その最後のハードルが果てしなく高い
11:13硬着状態が1時間続いたとき
11:19スペシャリストは1つの突破口を見出した
11:24これ、お前はあんまり真っ直ぐなワイヤーより
11:28ちょっと曲げたほうがいいはずやん
11:30ホリー氏は
11:33モニターに浮かび上がった血管の形に合わせて
11:36ガイドワイヤーを曲げる
11:39問題の血管に入れ直すと
11:43入った
11:45入ったやろ?
11:46これ
11:47これ
11:48カテーテルが入った
11:53造影剤を流すと
11:55腫瘍の影が不気味に浮かび上がる
11:59オッケー、オッケー、こっから行く
12:03よーし
12:05サップを行きます
12:07サップとは
12:10ホリー氏が独自に開発した
12:12アクリル樹脂製の即洗剤だ
12:15体内に入ると
12:160.1ミリの大きさに膨らみ
12:19血管を塞ぐ
12:23さらにサップには抗がん剤を含ませることもできる
12:27この場合、通常投与のわずか100分の1で済むため
12:31副作用によるダメージが非常に小さくなるのだ
12:34即洗剤の注入完了
12:42造影剤を入れても、腫瘍の姿は浮かび上がることはない
12:47がんに栄養を供給する血流が途絶えたのだ
12:50オッケー、完璧
12:55西田さん
12:57終わろう
12:59おそらく腫瘍の99%を医師に移るから
13:02当分これで安心かな
13:04開始から2時間
13:06動脈即洗術が完了した
13:09え?
13:10うん
13:12そして治療から3週間後
13:15西田さんの術後の検査が行われた
13:17あの巨大な腫瘍はどうなったのか
13:21ここに大きな病気があったんですよね
13:25これ、まだ残ってはいるんですが
13:27悪さするような感じはなくなりましたよ
13:30西田さんの腫瘍は実に9割以上が餌死していた
13:36まだがん細胞は残っているが、命の脅威ではなくなった
13:40動脈即洗術は、カテーテルさえ届けば
13:46がんの種類を問わず治療が可能だ
13:50費用は保険適用3割負担で、およそ15万円
13:55がんというのは局所さえコントロールしてあげれば
14:02がんで死なない方って結構いるというのを
14:07この6年間の診療で経験しています
14:11がんと共存する、それからがんを大きくしないという
14:15方法を取る方がよっぽど現実できると思っています
14:19がんはなくならなくとも、生患は可能なのだ
14:22動脈即洗術はそれを実証する最新治療だ
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