00:12սսսսսսսսսսսսսս
00:25私のすべてを継ぐべきものへ
00:33この文章をしたためる
00:40ワインとは何か
00:45その答えを…
01:42素人だなんて。
01:42上の奴らには信じられんよ。
01:45俺には。
01:47俺の生き方がありますから。
01:50まあどっちにしろ。
01:51お前に営業は向いてないな。
01:55ワイン事業部への移動は保護にしてもらうから。
02:11希望の部署提出しとけよそんな追い出さないでくださいよ営業部どうなってるんだこの店は申し訳ございませんですが部署ねいえダメージワインでもございませんし。
02:42デケントです!
03:13デケントです。
03:40何か入れたこれいえいえそんなああやって容器を移し替えて空気に当てるとワインって味が変わるらしいんですよ。
03:43あのお客様!
03:45ん?
03:49ありがとうございます。おかげさまで助かりました。
03:51どうってことないっすよ。
03:56あのこれ先ほどのお客様からです。お礼にって。
04:01うん。よかったら飲んでよ。俺ワインは飲まない主義だから。
04:06そんな。さっきのデキャンタージュ神業でした。
04:33ワインを飲まない人にできるわけのあ俺なら合コンがいいなはっ連絡せあおいカンザキ何ナンパしてんだあっやっべじゃあなあっちょっと待ってくださいよハオさんちょっとちょっとカンザキってもしかして?
04:45次のニュースです。今日午後3時過ぎ。世界的なワイン評論家の神崎豊氏が水蔵がんにより都内の自宅で亡くなりました。67歳でした。
04:47え?カンザキ豊ってあのワインの人?
04:58よしださん。しずくぼっちゃん。おかえりなさいませ。
05:04ああ。そんなことより。親父病気だなんて一言も。
05:06カンザキ先生のご意向です。
05:08ん?しずくさんにだけは絶対に自分の病気のことを知らせるなと。
05:18さきほど電話でお話ししました。弁護士のキリュウです。
05:34ご視聴ありがとうございました。おやじ。ん?
05:41飲んでやがったのか。今はの際まで。
05:58息子の俺に死に際も見せずに。
06:23ご視聴ありがとうございました。ゆいごんじょう。か。ああ。
06:28ん?なんすか
06:36?これ。ゆいごんじょうです。神の…しずく
06:47?ふん。おやじの身寄りは俺ひとりだってなに。どうせ、ワインのごたくだろ。ごたくですか。ん?
07:17誰だ?
08:17ワインに詳しい人、思いつかなくて。
08:25二度と手に入らない貴重なワインも多くあり、そのコレクションは世界中のコレクターの水前の的だ。
08:30くっ…おやじの…財産が目的かよ!
08:55くっ…
09:03それらが誰の作ったなんという名称のワインで何年に作られたものなのか。
09:12期限までに言い当てることができたものに遺産のすべてを譲り渡すと。
09:32な、なに考えてるんだよ。馬鹿げてる。先生は君がワインに関心を示さなかったことを気に病んでいらしたのでしょう。おやじはワインのことなんて何一つ教えてくれなかった。教えられなかったものは学べないと
09:39?偉大な業績を残された先生も息子の教育には失敗なさったようだ。
10:04どうぞ。ワインをお持ちしました。先生が、お二人がいらしたら永遠の別れを惜しんでワインをと。ほう、ブラインドテイスティングですか。はい。そして、お二人のうち、この黒い布で包まれているワインの本質について、
10:22優れた表現を成し得た者にのみ、この屋敷に住むことを許すとおっしゃいました。おやじ、俺がワインにそっぽ向いたのが、やっぱり気に入らなかったんだな。
10:23そうかな。え
10:31?そうだよ。俺ワインなんて、マジで一回も飲んだことない。ただのリーマンだよ。え
10:32?ほんとに?キリマンじゃろか。ちょっとだけコロンビアも混じってる。分かるの?
10:42え?だって、香りが…。え
10:46?ちょっと待ってて
10:48!え?なに
10:56?アレバム
10:57?え?なんだこれ!果物に木の実、キノコの匂いまで冷蔵庫にでも突っ込んでた?
11:07やっぱり…。すごい嗅覚。は
11:25?これ、ワインの香りを知るためのトレーニングツールなんだ。ワインって、色や香りも楽しむものだから。へぇ…。メロンと、アーモンド…。いや、クルミだな。渋皮の香りがする。合ってる
11:26!じゃあ、これと、これは?あ、うん。
11:35ケモノの匂い…。ムスクだ…。あ、これはマッシュルーム
11:36?嘘でしょ!全部合ってる!あ、はっ。なんだか懐かしいな。ガキの頃から、ことあるごとに目隠しされて、親父に訳分かんないものを嗅がされてきたからな。それって、全部ワインのアロマを表現するときに使うものだよ
11:57!え?
12:05デキャンタージュだけじゃなかったんだ。お父さんは、しずくさんが物心つく前から、ワインの英才教育をしてたんだね
12:15!ん…。もっとやってみせて!えっと、これと、これとか…。あ、うん。
12:25パティサー?ほら
12:27?ん?どうしたの
12:36?これ…。この間の…。どうぞ…。
12:37...
12:47...
12:50...
12:51...
12:51...
12:51...
12:53...
12:54Oh, that's right. It's a collection of Kanzaki Yutaka.
13:08It's beautiful.
13:24Shizuku?
13:34Shizuku坊ちゃん!
13:43Toumine氏からは、一週間待つと事遣っております。
13:49Shizukuさんがこのワインをどう表現するか、楽しみに待っていると。
13:55なあ、何をさせたいんだ。俺とあの
14:17Toumineって奴に答えてくれよ、親父。では、フランスワインの最も基本的な2つの生産地をご紹介しましょう。撫で型のボトルがブルゴーニュ地方のワイン。そして、怒り型のボトルがボルドー地方のものです。
14:27ボルドーとブルゴーニュは、ワインの色合いも違います。どうぞ、見比べてみてください。きれい。先生
14:39?失礼。思わず見とれてしまいました。ご覧の通り、ボルドーのワインは色が濃く、ブルゴーニュのワインは淡い色合いをしています。
14:41120億の遺産を?そりゃすごいな。それにしても、ド素人の息子とワイン界のプリンス、東峰一世を勝負させるとはね。さすが世界的なワイン評論家は一味違う。
15:02誰?この人。藤枝志郎さん。ここのオーナーソムリエで、私の師匠。師匠の師匠ね。うーん。
15:26こっち。名刺代わりに一杯どうぞ。いや、だから俺、ワインは飲んだことなくて。ワインってのは、競争の道具なんかじゃないぜ。仲間と気軽に、うまい飯食いながら飲むもんだ。同じ香り。
16:01雫さん、どうしたの?いや、音楽が聞こえた気がして。なんだっけな、イギリスの70年代ロック。面白いこと言うな。でも、わかるよ。こいつはそういうワインだ。
16:32うーん。君の感性はちょっと驚きだな。初めてワインを口にする人間とは思えない。たまたますよ。なんつうか、悪くないかもって。まあ、値段はとても、神崎豊氏のコレクションには及ばないだろうけど。でも、高ければうまいなんてもんじゃない。だからワインの世界は面白いのさ。ゆっくり楽しんでくれよ。ワインの世界の入り口をね。
16:48いらっしゃいませ、三島社長。お待ちしておりました。挨拶はいい。例の者は。はい、1ヶ月前に届いてございます。さすが、ギルマール様。
16:49素晴らしいコレクションでございますね。
17:20えええ。ふっ。
17:32私の別れのワインは。待ってて。空き瓶を。あっ。どうしよう。
17:46へえ。へえ。神崎豊のコレクションをかけた勝負。ええ。それはぜひ。勝ってほしいわね。コレクションを手に入れたら、売りさばくのは任せて。で、勝負の相手は
17:51?ビール会社の社員ですよ。ワインは初心者だそうです。
18:18ははははは。勝ったも同然じゃない。だといいんですが。このワインはオペラサロメ。血の匂いの観音そのものだ。本当はね。血みたいに恋。
18:44ご満足いただけた?大変だったのよ。どこを探しても見つからなくて。産地のイタリアでも手に入りにくいワインです。ブドウを極端に間引いて作るこのワインは、通常の8分の1の量しか生産されない。ビジネスとして成り立たないわ。狂気としか言いようがないこだわりです。何のため?
19:02レゾンデート。それは、存在する理由。己がここにあるための狂気ですよ。
19:21だから非常事態なんですってば。タイムリミットまで3時間しかないんですよ。後で同じの返しますから。先生のワインは所有者が決まるまで私が管理することになっております。一本たりとも持ち出すことはできません。
19:30ごめん。ダメだった。親父のコレクション。え
19:32?お父様の
19:36?いらないと思ってたんだけどな。そっちは?
19:45知ってるショップに聞いてみたけど、全滅だった。あのワインにはお目にかかったことすらないって。
20:00うーん。ああ。ああ。ああ。うーん。
20:04アンリ・ジャイエ。申し訳ございません
20:13!あ、謝って済むと思ってるの!?篠原くんと言ったね。このワインがどういうものか、知っているかな
20:24?はい。ブルゴーニュワインの神様と言われる名醸造家、アンリ・ジャイエのボトルにして700本しか作られていない最高傑作。
20:54その幻のグレートヴィンテージ。黒…ポランチューです。うん。今夜やってくる商談相手のギルマールは、私の15年来の友人でね。フランス有数のワイン商だ。そしてこのワインは、今夜の商談の鍵を握っていた。ああ。このワインは、ギルマールがわざわざ航空便で送ってきたものだ。
21:10商談がまとまらなければ、当社の損失は1億円を超えるだろう。え、1億!?森久保くん。はい。篠原くんも荷物をまとめておくように。こうなっては責任を取ってもらわざるを得ない。待ってください
21:11!あったのは、私です
21:21!その君を雇ったのは店長だ。管理責任を問われる。だったら、ギルマール様がいらっしゃるまで、
21:23私に代わりのワインを探させてください!くどい
21:30!篠原くん。
21:41君もワインを愛するものならわかるだろう。うん。ブルゴーニュワインの神様は、1人しかいない。
22:00他の作り手で代用することなど、できないんだよ。俺が、探し出します。雫さん!
22:16彼女がワインを割ってしまったのは、元はといえば、俺が彼女に面倒なことを頼んでしまったからです。今夜の商談に必要なワインは、俺が全力で探し出します。君は?
22:27太陽ビール、営業部の、いえ、今度新設される、ワイン事業部の、神崎しずくです。
22:37あなたが大嫌いで、大嫌いで、会いたくて、しょうがない、冗談じゃない。運命はされて、止められないみたい。I
22:39miss you!おまけさないでと言っても、とぼけたように笑うから、伝えたい、話はできずに。甘いビロードに乗っかる、
23:27リアージュは戻れない。足跡を辿ってく。現実なんて興味ない。ほら幻想だって、いいんじゃない。グラスを傾けた。あなたが大嫌いで、大嫌いで、会いたくて、しょうがない。願いにやっと気づいても、儲かないはしないでしょ。勘違いさあ、間なんて酔っ払ってるじゃない。冗談じゃない。運命はされて、止められないみたい。I
23:27miss you!
23:28I hate you!I
23:30love you!I
23:31miss you!そうなりないみたい。I
23:35miss you!I hate you
23:38!I love you
23:39!I miss you
23:42!あなたが大嫌い。
23:57ごまかさないでと言ったら、とぼけたように笑ってよ。あの日の、続きを、しようよ。甘い日ロードに乗っかる、思い出と、今のあり味は、終わらない、永遠の、まぼろし。
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