00:00この京都の暮らしにはいろんな美しい音があふれてます
00:30その中でもうちが一番好きな音はこれやこの音です名が担当
00:59まな板が触れ合う音あっ辛っ
01:15行ってまいります。
01:43料亭の生まれですがうちは今はホテルの厨房に勤めてます。
02:11前菜あがりました。トリュフ風味のオムレット。ムルマンジー風です。
03:53じゃあお先に失礼します。
03:59いつも牙っておそうまで残って。
04:11いやーすごいなぁ。
04:23もう気にん。
04:352ヶ月しか夫婦として暮らせへんかったけど、幸せやった。
04:47はぁ、サブサブ。
04:59ただいまー。
05:11今日は久しぶりに団体参加。
05:23あんたは人を使う天才やな。ほなごゆっくり。
05:35今、うちの料亭を支えてるんは妹の双葉です。
05:47遅さなりました。
05:49あぁ、いちくん、おかえり。
05:51無理せんでもええよ。明日も早いんやろ。
05:55大丈夫やて、お母ちゃん。少しだけやし。
05:58あっ、お嬢さん。おかえりやす。
06:01ちんちゃん、お疲れさん。
06:08戸川さん、お疲れさんの巣。
06:25こんなのこしてなんでやろう。
06:41うん?
06:44うん。
06:48お疲れさん。
06:57お疲れさん。
07:02うん。
07:03うん。
07:04今日は珍しく2軒も介護を入った酒井。
07:07疲れたわ。
07:09あっ、かんにん。
07:11いっかちゃんのほうが疲れてるわな。
07:13あんたとは来たい方が違うわ。
07:16痛い痛い。
07:24いっかちゃん、あのな。
07:27うん?
07:30うちにな、見合いの話来てる。
07:34えっ、見合い?
07:36大阪のホテルの山口家の次男さんやって。
07:41町子おばさんのたっての願いでな。
07:44結婚したら婦養子に入って、うちに援助してくれはるんやって。
07:50店、相当きついんやね。お客さん減ってるもんな。
07:54戦時中からの物不足が今も続いてて、お父ちゃんが生きてはったころのように、満足したものが脱線。歯がゆいわ。
08:05物不足のせいだけやない、思うけど。
08:11えっ?
08:13えっ?あ、いや。
08:15それで、山口家のおじなんさんって。
08:18うちより少し下くらいやって。
08:2126か7くらい。
08:24けど、ええの。
08:27おもこさん取るってことは、あんたがこの店正式に継ぐってことや。
08:31いや、むしろいかちゃんはええの?もううち継ぐ気ないの?
08:37ないよ。うちは西洋料理のコックになってしまったし。
08:41そうかふたばがおかみになるんやな。おめでとう。おきに。そして桑の木の未来を左右するお見合いのひいがやってきました。ふたばお支度できた?
09:06カナン。もうカナンが。
09:08えっ?
09:09ほれ、もっとアコ押しなさい。
09:12なんでよ。
09:13なんでってなに言うてんの。あえては3つも4つもしたやねんよ。ちょっとでも和子を見せなあかんやないよ。
09:21ちょっとおばあさんひどいわ。もう。お姉さんそのくらいに。もう。
09:26アイコさん、あんたなにのんびりしたこと言うてんの。この見合いに桑の木の存分がかかってるんやないの。もう。
09:35あら。もういいって。お待たせしました。こちらがふたばです。はじめまして。くわぬきふたばです。ふたばの母の愛子です。姉のいちかです。ふたばをどうぞすえなごう。よろしいおねがし。
09:53いやいやいや。おれは兄の山口ゆかり言います。ふたばさんの相手は弟のあまねですわ。え?
10:15え?いやー実はですね。次男の栄は別の養子縁組が決まってしまいまして。これは三男です。
10:26三男?あまねさんは学生さんですよね。お年は?
10:35いやいや10歳くらいなんですか何の問題もあらしません失礼します始めさせてもらいます。
11:00どうですか?あまねさんお口に合いますか?
11:18ああ。いまひとつですね。
11:21え?
11:23ああははは。すんません。こいつえらい正直もんでして。
11:29正直もん。
11:31それにしてもここは歴史があってええとこやなあまね。
11:36まあええところですね。場所は。
11:40場所は?
11:41しかしこの失礼は手入れが行き届いていないようですね。
11:45戦後6年も経つのに大阪はだいぶ進んでますよ。
11:50ふふ。しっかちゃん。
11:53京都はまだ戦争前みたいですね。
11:56は?しっかちゃん。
11:58へえ。そんなん言うんやったら、山口さんのホテル今度見に行かせてもらえますわ。
12:07どれだけ最先端で野種あふれた造りなんでしょうね。
12:11しっか。
12:12この京都の何が、この桑の木の何が分かるんですかね。
12:15和光って青い青人みたいなお人に。
12:18青人?
12:20青人とは何ですか?
12:22これです。
12:27いちか。
12:32いやおねえさんおもろいこと言わはりますねあかん言うてしもたふたばー。
13:01うーん、なんもない。
13:22これや。
13:23まずはたいの骨に小麦ふすまをまぶす。
13:27それを揚げ焼けにする。
14:02きつめに揚げたほうがこんがり香ばしいな。
14:12鯛の骨せんべいの出来上がりや。
14:15さて、あとは。
14:17ご飯の上に鯛の骨せんべいをのせて。
14:24だしをかけて。
14:31刻んだ小ねぎとしば漬けをのせたらたい茶漬けの完成や。
14:43うーん。
14:45えー、におい。
14:48ふたばー。
14:55おなかすいてたら寝られへんよ。
14:58ちょっとでええし、食べて。
15:01今日はほんまにかんにんな。
15:10ふたばの気持ちもようかんがえんと。
15:13アホな姉ちゃんでほんまにかんにん。
15:43なに?どうしたん。
15:58ふたばが。ふたばが。
16:00ふたばが。
16:01ふたばが。
16:03どうしたん。
16:04駆け落ちやて。
16:05駆け落ち?誰と?
16:08新太郎。え?
16:12ん
16:16何
16:18確かにあの2人の会をしていた
16:23はぁ
16:25はぁ
16:26なんでそれハイを言わんのよ
16:29ハイを言わないで
16:32ん
16:42いっかちゃん
16:46急なことで驚かせてごめんなさい
16:50家のためやと一度は腹をくくったんやけど
16:56山口家の三男さんとの結婚はやはり受け入れ難く
17:02悩んでいた時に
17:05双葉さん
17:08しんちゃん
17:11なに
17:15好きです
17:21もう遅いわ
17:32遅ないです
17:34しんちゃんから
17:37駆け落ちの話を持ちかけられました
17:41みんなにどんだけ迷惑かける思ったら
17:46恐ろしゅうてできひん
17:50しんちゃんのことは諦めなあかんと思った
17:58けど
18:07いっかちゃんが作ってくれたタイのお茶漬け食べてたら
18:11なんや心が決まってしもたんや
18:17いっかちゃんには料理の才がある
18:23お父ちゃんの才を引き継いでるんやな
18:26かんにんな
18:30いちかお姉ちゃん
18:33ふたば
18:35ふたば
19:05いちか
19:14いちか
19:16いちか
19:17はい
19:18なにどうしたん
19:24ここ座り
19:26はい
19:27あんたがあまねさんと結婚しなさい
19:36は?
19:38たかゆきさんが戦争で死なかったら
19:42もともとはあんたがおかみになって
19:45店を継ぐ予定やったんやし
19:47お姉さんそれは
19:49ちょっと待って
19:50何言うてんの
19:51無理やて
19:53親子くらい歳が離れてるんや
19:55親子っていうことはないやろ
19:58姉と弟くらいやて
20:01あんたはこう見えるしちょうどええわ
20:04どこがちょうどええの
20:0615分お歳の離れた巨大ありますか
20:09あちらさんも嫌に決まってるわ
20:11うちか
20:12うちのためや
20:14この縁談がまとまらんかったら山口家から援助を受けられへん桑の木は潰れてしまうんや
20:24お父ちゃん
20:38うん?何やんいちか
20:40うちの
20:41うん
20:42いちかお父ちゃんみたいになる
20:44桑の木の料理人になる
20:47これ
20:54これ
20:57いちかさんに持っててほしい
21:02俺やと思って
21:07たかゆきさん
21:08いちかさん
21:09使えそうならつくて
21:12そんな日が来たら
21:19桑の木がなくなるなんて嫌や
21:25わかったわ
21:27うち
21:28あの青人さんと結婚します
21:39トリフ風味のオムレット
21:48ノルマンジー風でございます
21:51しないんやこれ
21:53ご視聴ありがとうございました
22:09バイ
