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  • 4 か月前
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国連で採択された「奴隷貿易の賠償」を求める歴史的決議。なぜ今、アフリカ諸国は賠償を強く求めるのか?

ネイサン・ナン教授の経済史研究から、奴隷貿易が現代アフリカに残した「貧困と分断」の爪痕を解説します。欧米の猛反発と日本の棄権が意味するものは何か。

500年続いた「西洋中心のルール」が崩壊しつつある現代の世界情勢を、過去の歴史から紐解きます。

◆参考文献
国連総会、奴隷貿易や奴隷制は「最も重大な人道に対する罪」 決議を採択
https://www.bbc.com/japanese/articles/c86ew61wvz8o

歴史は実験できるのか:自然実験が解き明かす人類史
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ニュース
トランスクリプション
00:00どうもみなさんこんにちは原カンタです
00:02約1ヶ月前国際政治の根幹を揺るがすかもしれない
00:06非常に重要なニュースが飛び込んできました
00:08ちょうど私はアフリカで取材活動をしており
00:11リアルタイムでは動画にできなかったんですが
00:13今の世界情勢を読み解く上で
00:15極めて重大な出来事なので
00:17今回はこのニュースを詳しく解説します
00:202026年3月25日
00:22国連総会で大西洋をまたぐ奴隷貿易の時代を
00:26最も重大な人道に対する罪と認定する決議案が採
00:30択されました
00:31この決議案は西アフリカのガーナが提出し
00:34アフリカやカリブ海の国々が強く支持したものです
00:38採択された決議は過去の被害を認め
00:41加盟国に対して正式な謝罪や保障
00:44そして教育や制度改革を通じた
00:47修復的正義に誠実に向き合うように呼びかけています
00:51さらに植民地時代に盗まれた文化財を
00:54原産国へ返還することも求めています
00:57この決議の採決結果は賛成123票
01:00反対3票でした
01:02反対した国はアメリカ、イスラエル、アルゼンチンです
01:05そして日本やイギリス、EU加盟国など
01:0952カ国は帰県しました
01:11国連総会での決議に法的拘束力はないものの
01:14国際世論の重要な指標となるこの場において
01:18世界の意見がくっきりと分かれたんです
01:21なぜこれほど丸に意見が対立したのか
01:24ガーナのアブラクア外相はこの決議の目的について
01:27明確に語っています
01:29はっきりさせておくが
01:30アフリカ各国の指導者は自分自身のために金銭
01:34を求めているのではない
01:35私たちは被害者のための正義を求めており
01:38教育基金や職業訓練基金を求めているのだ
01:41つまり奴隷貿易によって生み出された貧困や人種差
01:46別が
01:46何世代にもわたって続いており現在にもつながる構
01:50造的な不平等を是正するための具体的なアクション
01:53を求めているのです
01:55一方で反対や危険に回った欧米諸国の言い分は
01:59異なります
02:00大西洋奴隷貿易の主要国であったイギリスは
02:03過去に計り知れない苦しみを与えたことは認識しつつ
02:07も
02:08現代の政府が過去の過ちに対して責任を負うことや
02:11当時の国際法との兼ね合いから決議案の文言に
02:15問題があると指摘しています
02:17さらに強硬に反対したのがアメリカです
02:19アメリカの主張を分かりやすく言うと
02:22確かに過去の出来事は悲惨だが当時は法律違反では
02:26なかった
02:26だから今生きている私たちが賠償金を支払う義務は
02:30ないというものです
02:31要するに何百年も前の過ちを理由にして
02:35今のアメリカの富や税金を奪おうとするなと強
02:39く反発しているわけです
02:41今のアメリカ国内ではトランプ政権の下で
02:44黒人の歴史に関する展示が撤去されるなど
02:47過去の暗い歴史から目を背けるような動きも起きています
02:51過去の奴隷貿易や奴隷制をどう捉えるかという問題は
02:55単なる歴史の話ではなく
02:57今のアメリカにとって絶対に譲れない
03:00政治的な対立の火種になっているのです
03:03当時の法律では合法だった
03:05今生きている世代が過去の賠償の責任を負うのはお
03:09かしいとする欧米側と
03:11過去の奴隷貿易や植民地主義が
03:13現在の貧困や差別にも繋がっているのだから
03:16修復の行動が必要だとするアフリカ側
03:19なぜ今になって賠償を強く求めるのか
03:23それを深く理解するためには
03:24そもそも奴隷貿易とは何だったのか
03:27そしてそれが現代のアフリカに
03:29どのような影響を与えているのかを
03:32歴史から紐解く必要があります
03:34まずは奴隷貿易の歴史について振り返っておきましょう
03:37人類史上最悪の取引とも呼ばれた
03:40大西洋奴隷貿易
03:41近年の研究によって奴隷貿易は
03:44アフリカに甚大な悪影響をもたらしたことが判明
03:47しています
03:48今から500年以上前の15世紀
03:51ヨーロッパの国々が海を越えて新しい世界を探し求め
03:55た
03:55大航海時代が始まります
03:57この時代ポルトガルを先頭に
03:59ヨーロッパの探検家たちがアフリカ大陸に到達
04:03し
04:03現地の人々との交易を始めました
04:06初期の関係は後の植民地支配のように
04:10ヨーロッパが一方的に支配する形ではありませんでした
04:13ヨーロッパからは金属製品や武器が運ばれ
04:16アフリカからは金や雑魚などが送られるなど
04:19アフリカ側も外交や交易の相手として
04:23ヨーロッパと交渉していたんです
04:24しかし16世紀に入るとこの関係が大きく変わり始
04:29めます
04:29そのきっかけとなったのが
04:31アメリカ大陸でのプランテーション経営です
04:34ヨーロッパ人が新たに発見したアメリカ大陸では
04:37砂糖や綿花といった作物を大量生産するために
04:41膨大な労働力が必要になりました
04:43当初ヨーロッパ人はアメリカ大陸の先住民を
04:46強制労働に動員しましたが
04:48ヨーロッパ人が持ち込んだ疫病や
04:50過酷な労働によって先住民の人口は
04:53急激に減少してしまいます
04:55そこで当時のヨーロッパ人はこのように考えました
04:58アフリカの人々を強制的に連行し
05:01アメリカ大陸のプランテーションで働かせよう
05:04こうして大西洋奴隷貿易が本格化していきます
05:08この奴隷貿易はヨーロッパ人が
05:11直接アフリカの内陸へ入り
05:13自分たちで人々を拉致したという仕組みではありませんでした
05:17多くの場合当時存在していたアフリカの王国や
05:21商人も捕虜をはじめとした奴隷の供給に
05:24関わっていたんです
05:25その中でポルトガルとアフリカ中部にあった
05:29今後王国の例は奴隷貿易がアフリカ社会に
05:32どのような影響を与えたのか
05:34折り返す上で非常に重要です
05:3715世紀末ポルトガル人は今後王国と接触しました
05:41500年以上前のアフリカと聞くと
05:43原始的な生活を想像するかもしれませんが
05:46当時の今後王国には総督や裁判官が存在し
05:50州ごとに税を管理するなど
05:52高度な中央集権的な仕組みを持っていました
05:551506年に即位したアフォンソ一世は
05:58ヨーロッパの教育を受け
05:59ポルトガル語も話す教養豊かな王様で
06:02ポルトガルの王と互いを
06:04兄弟と呼び合うほど関係を深めました
06:07公益の初期段階から奴隷も取引の対象となっていました
06:11ただし当時のアフリカ社会にあった奴隷制は
06:14戦争捕虜や刑罰債務などによるものが中心で
06:18後のヨーロッパによる大規模な奴隷貿易とは
06:22規模も性質も異なるものでした
06:24アフォンソ一世は奴隷貿易の拡大が
06:27王国に及ぼす悪影響を心配し
06:30実際に1526年にはポルトガルの王へ手紙を送り
06:34奴隷貿易の制限を求めています
06:36しかし時代が進むにつれて
06:38アメリカ大陸での奴隷の需要が急激に増加すると
06:42ポルトガルの商人たちは
06:43今後王国に武器や物資を提供し
06:46アフリカ内での奴隷狩りを促進しました
06:49人間を外部の市場へ売ること自体が
06:52大きな利益を生むようになると
06:53今後王国の社会構造は壊されていきます
06:56無差別な奴隷狩りが広がり
06:58一部の民族集団が他の集団を攻撃して
07:02捕らえた人々を売る過程で
07:04地域間の対立も激化し
07:06今後王国はかつての繁栄を失っていきます
07:09イギリスリバプールの奴隷戦の船長だった
07:12ジョン・ニュートンは
07:14公開日誌に次の世を残しています
07:16もしヨーロッパ人が奴隷と交換に
07:19品物を与えることによって
07:20人々をそそのかすのをやめるならば
07:23アフリカで起こっている戦争の大部分は
07:26やむである
07:26ヨーロッパ人は軍隊を送り込んでいるわけではないが
07:30彼らの道は血にまみれている
07:32売却されるために留保された捕虜は
07:34殺された者より少ないと私は思う
07:38大西洋奴隷貿易では
07:39水系で約1250万人が奴隷船に乗せられ
07:43そのうち約1070万人が
07:46アメリカ大陸に到着したとされています
07:48つまり不衛生で過酷な環境の船で
07:51海を渡る途中だけでも
07:53約180万人が命を落としたのです
07:56この数字にはアフリカ内陸での襲撃や
07:59強制移動、戦争の中で亡くなった人々は
08:02含まれていません
08:03実際の人的喪失は
08:05少なく見積もってもその数倍
08:08船に乗せられた人数だけでは測れないほど
08:10桁外れに大きかったと考えられています
08:15これだけ大規模な出来事が起きていたのであれば
08:19奴隷貿易はアフリカの社会に
08:21どんな影響をもたらしたのか
08:23という問いが浮かび上がってきます
08:25この難問に統計的に取り組んだ
08:28代表的な研究者がネイさんなんです
08:31過去にも何度か紹介したことがありますが
08:33ナン教授の研究内容をもとに
08:35奴隷貿易がアフリカにどんな影響をもたらしたの
08:38か
08:38見ていきましょう
08:39その前にお知らせを挟ませてください
08:41私ハラカンタは
08:42世界を無視しない大人になるために
08:45という本を自費出版しています
08:46私自身がアフリカでの活動を始めた原点につ
08:49いて書いた一冊です
08:51興味のある方はぜひ動画下のショップからお買い求めください
08:54一冊700円です
08:55また毎年春と夏に東アフリカのウガンダを訪問する
08:59スタディーツアーを開催しています
09:01ハラカンタのYouTubeを見てアフリカに興味を持っている方
09:03やはり画面越しの情報と実際に現地に足を運
09:07び
09:07互換を通じて得る体験とでは全く異なります
09:11百聞は一見にしかずです
09:13少しでも興味のある方は
09:14ぜひ概要欄のリンクからスタディーツアーのホーム
09:16ページを覗いてみてください
09:18ネイサン・ナン教授は
09:19アフリカ各地域から奴隷として連れ出された人数を
09:22推計し
09:23それが現在の一人当たり所得とどう関係しているのかを
09:27分析しました
09:28その結果奴隷として連れ出された人数が多かった地域ほど
09:32現在の所得水準が低いという強い逆相関が見られました
09:38相関ということは関係性があるだけで
09:41これだけでは奴隷貿易が原因だったとは言い切れません
09:45地理条件、天然資源の有無、植民地支配の違いな
09:49ど
09:49他の要因も経済発展に影響するからです
09:52そこでナン教授は他の要因をできる限り取り除
09:56いて
09:56奴隷貿易だけの影響を図る統計手法や歴史的証
10:00拠を用いて
10:01単なる偶然ではなく因果関係があったのかを検証しました
10:05その中で判明した驚くべき事実があります
10:08もともとアフリカの中で発展が遅れていた社会が
10:12奴隷貿易に関わり貧しい状態が続いているだけではないか
10:16という疑問に対し
10:17歴史的事実と統計データは全く逆の答えを出
10:21しました
10:211400年時点の人口密度から測定された
10:25初期の繁栄度と連れ去られた奴隷の人数の関係
10:28を調べたところ
10:29もともと繁栄して人口密度も高かった国ほど
10:33後に最も多くの奴隷を送り出している傾向が強かった
10:37んです
10:37奴隷貿易が最も盛んに行われていたのは
10:40皮肉にも当時最も発展していた地域でした
10:43先ほど出てきた今後王国もその一つです
10:47これらの分析から奴隷貿易はその後のアフリカの経
10:51済発展に
10:52長期的な悪影響を及ぼした可能性が高いと
10:55南教授は結論付けています
10:57では奴隷貿易は具体的にどのようにアフリカの発展
11:02を阻害したのか
11:03最大の要因は人々の間に生まれた深い不信と分
11:08断です
11:08ある村が別の村を襲撃するという形で奴隷の調達が行
11:13われると
11:14同盟関係にあった村同士にも亀裂が走ります
11:17一つの共同体の中でも対立が生じ
11:20中には友達だと思っていた人間から騙されて売り飛ばされる
11:24事態も起きました
11:26対立や分断が起きると社会は不安定になり
11:30人々は自分たちを守るために小さな集団を形成
11:34するようになりますが
11:35それらが大規模な国家に発展することはありませんでした
11:38実際に過去に多くの奴隷が連れ去られた国では
11:42現在でも民族の多様性が高いことが分かっています
11:45問題は民族の多様性そのものではありません
11:49奴隷貿易の時代に生まれた不信や分断が
11:52後の植民地支配による不自然な国境線の引き
11:56方や
11:56独立後の政治制度と重なることで国家としてまとまって
12:00学校やインフラなどの公共サービスを整備する力を
12:05弱めてしまった可能性が高いということです
12:07南教授はさらに踏み込んで
12:10もし仮に奴隷貿易が行われていなかった場合
12:13アフリカはどれだけ発展していたのかという推定も行いました
12:18その結果アフリカと他の途上国との間にある所得格
12:22差の28%から100%は存在しなかったという結果が出たのです
12:28もちろん現在のアフリカの貧困を奴隷貿易だけで
12:33説明することはできませんが
12:34奴隷貿易がなければアフリカと他地域の経済格
12:38差は現在よりかなり小さかった可能性を示しています
12:42このような歴史的事実と研究結果を知った上で
12:46もう一度今回のニュースに戻ってみましょう
12:49なぜガーナをはじめとするアフリカ諸国が何百年
12:53も前の出来事に対して
12:54今になって決議案を出し賠償を求めているのか
12:58それは彼らにとって奴隷貿易が過去の終わった悲劇ではなく
13:02現在のアフリカの貧困にもつながる無視できない重要
13:06な歴史的要因だからです
13:09彼らが教育基金や職業訓練の基金を求めているのは
13:14奴隷貿易によって破壊され西洋に奪われた社会の
13:18基盤を正当に修復するためなんです
13:21しかし賛成123票という圧倒的多数の数字が意味して
13:26いるのは
13:27単なる過去への謝罪要求に留まりません
13:30これは国際社会で確実に進んでいる西洋中心の歴史認
13:36識や
13:36国際秩序を問い直す動きの一つとして捉えることが
13:40できます
13:40これまでの国際法や世界の正義は
13:43常にアメリカやヨーロッパといった西洋諸国が主
13:47導して作ってきました
13:48当時の国際法では違法ではなかったという反論も
13:52そもそもそのルールを作ったのは西洋の国々です
13:55グローバルサウスと呼ばれる国々の中には
13:58欧米が現在掲げる正義と過去の奴隷貿易や
14:02植民地支配への向き合い方との間に強烈な矛
14:05盾や
14:06ダブルスタンダードを感じている国も少なくありません
14:09今回の国連総会における決議は
14:12そうした西洋中心のルールや歴史解釈に対して
14:15アフリカやカリブ諸国をはじめとする多くの加
14:18盟国が
14:19異議を唱え始めた明確なサインです
14:22かつてのように大国が都合よく設定した正義が
14:26もはや世界の多数派には通用しなくなりつつあります
14:29世界は今間違いなく大きな価値観の転換点を迎えて
14:34います
14:34今回の決議は単に過去の賠償をめぐる話にとどま
14:38らず
14:38誰の視点で歴史を語るのかを問い直す動きでも
14:42あるのです
14:45もちろん賠償をめぐっては
14:47現在の世代がどこまで負担を負うべきかなど
14:50簡単には答えを出せない問いです
14:53だからこそこの問題は欧米が悪い
14:56アフリカが正しいという単純な話ではなく
14:59歴史と現在をどうつなげて考えるかという
15:02私たち一人一人への問いでもあります
15:05そしてイギリスやEUと同じく
15:08危険を選んだ日本のスタンスを
15:10私たちはどう捉えるべきでしょうか
15:12これまで支配的だった西洋の価値観が
15:15絶対的ではなくなりつつある
15:17この複雑な世界情勢の中で
15:19皆さん一人一人がどう考えるかが重要です
15:23今回のニュースや奴隷貿易の歴史の背景を知って
15:26あなたはどう思いましたか
15:27ぜひコメント欄であなたの意見を聞かせてください
15:30アフリカや国際協力についてもっと深く学んでみません
15:34か
15:34私が運営するオンラインサロンシナジーでは
15:36春関東の動画を見た後
15:37メンバー同士で感想や意見をシェアする勉強会を
15:41開催したり
15:41YouTubeでは話しきれない私の哲学を共有したりしています
15:45少しでも興味のある方は
15:46ぜひ概要欄のリンクからホームページをご覧ください
15:49これからも大手のメディアでは知ることが難しい世界の今
15:53を伝えていきます
15:53こういった動画を今後も見たいという方は
15:56見逃さないように
15:57ぜひこれを機会にチャンネル登録よろしくお願いいたします
16:00ということで今回も最後までご視聴くださりありがとうございました
16:04また次回の動画でお会いしましょう

お勧め