00:09この谷から、日本の歴史は変わった。
00:13しかし、その始まりは城でもなく、戦場でもなく、一つの小さな山
00:19里だった。
00:20その山里の名は、松平郷。
00:29名古屋から東へ。
00:31車を走らせること、およそ1時間。
00:34豊田市の市街地を抜ける頃から、景色は少しずつ柔
00:38らかくなっていく。
00:40山の緑。
00:41田んぼを渡る風。
00:44そして、川並に現れる一つの地名。
00:47松平郷。
00:50徳川家康。
00:52その名を知らない人はいない。
00:54けれど、その物語が始まった場所を訪れる人は、意外と少
00:59ない。
01:00今回は、一度は歩いてみたい歴史散歩。
01:04徳川300年の原点、松平郷を歩いてみよう。
01:14松平郷の歴史は、15世紀の終わり頃まで遡る。
01:19伝説によれば、流浪の念仏比尻、徳阿弥がこの地に
01:23泊まり、松平の娘との間に生まれた子が、後の松平地
01:28下宇治になったという。
01:30史実かどうかはわからない。
01:33しかし、この谷を歩いていると、そんな物語が生まれても不思議
01:37ではない気がしてくる。
01:39山に囲まれた静かな土地。
01:42派手さはない。
01:44しかし、不思議な落ち着きがある。
01:47歴史はいつも、大都市から始まるとは限らない。
01:51時には、こんな小さな谷から、国の運命が動き始める。
02:24地域の歴史
02:26地域の歴史は、松平号をゆっくり歩いています。
02:29とても静かな場所ですが、不思議と心が落ち着きます。
02:34歴史好きの方はもちろん、のんびり散歩したい方
02:37にもおすすめの場所です。
02:41人工的な音は、ほとんど聞こえない。
02:44耳に届くのは、水のせせらぎと鳥の声。
02:48そして風。
02:50おそらく数百年前も、同じ音が、この谷に流れていた。
02:55そんなことを思いながら歩いていると、時間の感覚が、少し曖
03:00昧になってくる。
03:01おそらく数百年前も、少し曖昧になってくる。
03:03あの日の声が、今も響いている。
03:09眠れぬ夜も、涙の跡も、そっと包んで、道を照らしてくれた。
03:22ありがとう、言葉じゃ足りない。
03:28そばにいてくれた日々に、少しずつ気づいてゆくよ。
03:41あなたの愛が、私を育てたこと。
03:50手を伸ばせば、届く温もり。
03:57忘れられない、あの笑顔。
04:03重ねた時間、宝物だから。
04:08ずっと心で、そっと抱きしめてる。
04:22一人歩く、日常の中でも。
04:29あの声が、さっき。
04:35松平東照宮へと続く道。
04:38緩やかな道を歩く。
04:40途中で振り返る。
04:43谷合いに並ぶ家々。
04:45畑。
04:46遠くの山並。
04:48A63年。
04:49桶狭間の戦いで、今川義元が討たれた。
04:53その時、家康は、まだ今川家の人質武将だった。
04:58しかし彼は決断する。
05:01三河へ帰ることを。
05:03故郷へ戻ることを。
05:05もしかすると、家康の心の中にあった風景は、今目の前
05:10に広がるこの景色だったのかもしれない。
05:13その瞬間、ただの里山だった風景が、家康にとっての帰る
05:18場所に見えてくる。
05:48ご視聴ありがとうございました。
05:56後月院には松平地下宇治をはじめとする歴代松平
06:00氏の墓が残されている
06:03石塔の前に立つ教科書の中の名前だった人物た
06:07ちが急に身近な存在になる
06:10彼らもまたこの谷の風を感じ同じ水音を聞きながら
06:15生きていた
06:16一つの家計が積み重ねた時間がやがて江戸幕府
06:20へとつながっていく
06:22ここはその長い物語の第一ページなのだ
06:25飛ぶ過去の日々だけど転んだ後に着いた
06:33道路が不思議と愛しく思えた
06:41無理に走らなくてもいい深呼吸をして
06:50ここで立ち止まっても私の時間は続いてる
07:00泣き笑い重ねながら少しずつ進んでゆける
07:19窓の外を流れる風に
07:24ほどけていく心の糸
07:34作家
07:36柴良太郎はかつて松平号を訪れ
07:39その清らかな印象を文章に残した
07:43そして後年再び訪れた時には
07:46観光地化された姿に複雑な思いを抱いたという
07:51確かに整備された部分もある
07:54しかし山の稜線
07:56谷を吹き抜ける風
07:58そうしたものは今も変わらずここに残っている
08:07帰り道
08:08私は徳川発祥の地という言葉を少しだけ言い換えてみ
08:13た
08:14それは一つの山里が自分の時間を静かに生き続けてきた
08:19場所
08:20歴史の主役は英雄だけではない
08:23その土地で暮らした人々
08:26流れ続ける水
08:28変わらぬ山並み
08:30そんな積み重ねがやがて歴史になる
08:33松平号
08:35ここは天下人の故郷である前に
08:38日本の原風景が残る場所だった
08:41またいつかぐらりと歩いてみたい
08:45そんな気持ちを胸に
08:46今回の歴史散策を終えることにしよう
08:49見えないこの浮世の夢
08:54次回予告
08:54そしてサービスはこの岸と一番強さを切ることにしよう
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