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  • 2 か月前
子どものすきな小さい神さまがありました。いつもは森の中で、歌をうたったり笛ふえをふいたりして、小鳥やけものと遊んでいましたが、ときどき人のすんでいる村へ出てきて、すきな子どもたちと遊ぶのでした。
たおやかインターネット放送HP:http://taoyaka.at-ninja.jp/
There was a little god beloved by children. He usually lived in the forest, singing songs and playing the flute, playing with birds and beasts. But sometimes he would come down to the villages where people lived to play with the children he loved.
taoyaka Internet Broadcasting HP: http: //taoyaka.at-ninja.jp/

カテゴリ

📚
教育
トランスクリプション
00:00たおやかインターネット放送がお送りする 絵本の時間
00:19みみ南吉作 子供の好きな神様
00:25子供の好きな小さい神様がありました
00:32いつもは森の中で歌を歌ったり笛を吹いたりして 小鳥や獣と遊んでいましたが
00:43時々人の住んでいる村へ出てきて 好きな子供たちと遊ぶのでした
00:50けれどこの神様は一度も姿を見せたことがないので 子供たちにはちっともわかりませんでした
01:02雪がどっさり降った次の朝
01:07子供たちは真っ白なのっぱらで遊んでいました
01:13すると一人の子供が 雪の上に顔をうつそうよと言いました
01:22そこで十三人の子供たちは腰をかがめて 丸い顔を真っ白な雪に押し当てました
01:33そうすると子供たちの丸い顔は 一列に並んで雪の上にうつったのでした
01:43一、二、三、四、と 一人の子供が顔の後を数えてみました
01:54どうしたことでしょう
01:58十四ありました
02:01子供は十三人しかいないのに 顔の後が十四あるわけがありません
02:11きっといつもの見えない神様が 子供たちのそばに来ているのです
02:19そして神様も子供たちと一緒に 顔を雪の上にうつしたのにちがいありません
02:28いたずら好きの子供たちは 顔を見合わせながら
02:36目と目で神様をつかまえようよ と相談しました
02:41兵隊ごっこしようしようよしようよ
02:47そして一番強い子が大将になり
02:53あとの十二人が兵隊になって 一列に並びました
02:58気をつけ!番号!
03:04と大将が号令をかけました
03:061、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12
03:20と十二人の兵隊が番号を言ってしまいました
03:25そのとき
03:28誰の姿も見えないのに
03:32十二番目の子供の次で
03:35十三と言ったものがありました
03:39玉を転がすような良い声でした
03:43その声を聞くと子供たちは
03:46それ!そこだ!神様をつかまえろ!
03:50と言って
03:51十二番目の子供の横を取り巻きました
03:54神様は面食らいました
03:57いたずらな子供のことだから
04:00つかまったらどんな目に遭うかしれません
04:03一人のせいたかのっぽの子供の股の下をくぐって
04:09神様は森へ逃げ帰りました
04:12けれどあまりあわてたので
04:16靴を片方落としてきてしまいました
04:20子供たちは雪の上から
04:25まだ温かい小さな赤い靴を拾いました
04:29神様はこんな小さな靴を履いてたんだね
04:36と言ってみんなで笑いました
04:39そのことがあってから
04:43神様はもうめったに森から出てこなくなりました
04:49それでもやはり子供が好きなものだから
04:55子供たちが森へ遊びに行くと
04:59森の奥から
05:00おーい!
05:03おーい!
05:05と呼びかけたりします
05:08おしまい!

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