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  • 2025/7/12
トランスクリプション
00:00雨の中、村の田植えを取材するこの人
00:22宮原治さん、72歳
00:25熊村で小さな新聞を一人で作っています
00:29時には赤ちゃんの成長を祝う持ち踏みの様子を伝えたり
00:51村の神社の復旧への道のりも取材します
00:54新聞の名前は熊村小川河原版
01:029年前から毎月発行してきました
01:06山あいに笑い声響く
01:12これは村のグラウンドゴルフ大会の記事
01:16熊弁わかるかな
01:21こちらは方言のクイズ
01:24普通の新聞では取り上げない身近な話題を伝えることで
01:33村の人たちに愛されてきました
01:36この河原版があるということが
01:47みんなにもその情報が伝わるし
01:50みんながその気持ちを共有できるような気がします
01:535年前熊村を襲ったあの豪雨
02:00ほのぼのとした村の新聞は
02:05その姿を一変させました
02:08被災した熊村の人々に寄り添ってきた
02:15宮原さん
02:16本当にバラバラになったですよね
02:21心が前に進むことができない
02:27切実な思いも伝えてきました
02:34その災害のこととかですね
02:38忘れてはいかんし
02:41語り継いではいかない
02:42自分に限らずいろんな人が
02:45いろんな形で被災されて
02:48いろんな思いがあるわけですから
02:49熊村と共に歩んできたおじいちゃん記者
02:56宮原さんは熊村は好きですか
03:01それより聞く
03:02もちろん大好きでしょう
03:05熊本県の南部
03:20およそ1600人が暮らす熊村
03:23宮原さんは毎日のように取材に走ります
03:32この日は豪雨で被災した小学校の跡地で行う
03:41ひまわりの種巻き
03:43定年まで新聞販売店で働いていた宮原さん
03:52知り合いの記者などから取材の仕方を学びました
03:56熊村に暮らして40年になる宮原さん
04:11村人のほとんどが顔なじみです
04:15取り上げられますか
04:17楽しみです
04:19読みながら
04:21読みながら笑っとって
04:22取材を終えるとすぐに紙面の編集に取り掛かります
04:36A4の表裏に載せる生地は毎月10本
04:47取材撮影編集すべて一人でこなします
04:52どんな生地も気を引くような
04:57ニタッとさせるような内容の生地を作れたら
05:03楽しいかなと面白いかなと思って作っています
05:07今月号できました
05:11やってください
05:12出来上がった紙面の最終チェック
05:17妻のみどりさんに読んでもらいます
05:20こんな時が一番緊張するんですよ
05:24どうですか
05:34忌憚のない意見を
05:37いいんじゃないですか
05:39いいんじゃないですか
05:43ここのボランティアにしたところが良かったね
05:47今日は割といい評価してもらったんですけど
05:52いつもはですね
05:55かなり厳しいこと言われる時も
05:57歯がゆしてですね
05:58一時は見せない時期もあった
06:019年前に始めた当初は近所に配るだけでしたが
06:10今では150人以上の読者がいます
06:14出来上がった新聞は
06:354,5日かけて直接届けます
06:38こんにちは
06:39こんにちは
06:40すいません
06:41皆さん心待ちしてられる
06:44毎月
06:45本日でね
06:46一時終わってもらうか
06:48はい
06:49すいません
06:50いつもありがとうございます
06:52こちらこそ
06:53本日もできましたので
06:54高齢者にとってはね
06:56なかなか自分で歩いていかない時はあるでしょ
07:00だから情報がとてもありがたいです
07:03豪雨の後
07:07熊村を離れた人には
07:09車で届けに行きます
07:11いつもお世話になります
07:14見とってください
07:15この日訪ねたのは
07:17かつて近くに暮らしていた山口さん
07:20どうしてもやっぱり
07:22熊村の方とは
07:24疎遠になってしまいましたので
07:26非常に楽しみにしていますね
07:29もうそろそろ
07:31届けていただくのかなって
07:33こうやって離れて
07:35行かれてもですね
07:37やっぱりこう
07:38せめて少なくとも
07:39月に1回は
07:40やっぱり顔を
07:41やっぱり見たいじゃないですか
07:43元気しとるなかなと
07:45安否確認じゃないけど
07:46今日も元気でいらっしゃる
07:48宮原さんが
07:52特に気にかけてきたのは
07:53自宅に戻れず
07:55仮設住宅などで
07:56暮らす人たちのこと
07:58こんにちは
08:01すいません
08:04宮原です
08:05水害で
08:08自宅を失った
08:09原和彦さんと
08:11妻のひとみさん
08:12地域のかさ上げが終わらず
08:16仮設や
08:17尊有住宅などを
08:18点々としてきました
08:19もうだいぶ少なくなったですよね
08:23私たちにとっては
08:24寂しいですけれど
08:26新しい家を作ったり
08:28新しい生活を始められますからですね
08:31喜びで
08:35送るところになりますよね
08:37本当バラバラになったですよね
08:41どういう人になってやるかって
08:42心配はしとばって
08:44なかなか
08:44それぞれ
08:46精一杯
08:48生きていない
08:49宮原さんは
08:53村の人たちの思いに
08:55耳を傾けます
08:57どうしても今
09:00戻った家に
09:02やっぱり住みたいという
09:03思いはものすごく強かった
09:05知事
09:07予想の安全な町村にでも
09:11十分構えよかと思ったんですけれど
09:15やはり
09:16熊村がいいと言いますか
09:21熊村で育ったもんですからですね
09:23ここに骨をうぜめたいと思うところではあります
09:28かつては300人以上が暮らした仮設住宅
09:36今では20人ほどとなりました
09:39大分こうやってですね
09:44空き家というか転出されて
09:46新しい新天地で過ごされている中で
09:50まだ何軒か残っているんですよね
09:53やっぱりそういう人たちの気持ちを思えば
09:56やっぱりもうどんどん寂しくなるから
09:59周りがいないとですね
10:01見ていただくことが
10:03なんか少しでもちょっと
10:04癒やされるかなんか分からんですけど
10:08ちょっとホットな気分になってもらえればな
10:10っていう思いがあるんで
10:125年前
10:16人吉熊地域を襲った記録的豪雨
10:20熊村では25人が亡くなり
10:27およそ460個の住宅に被害が出ました
10:30宮原さんの自宅でも裏で土砂が崩れ
10:389ヶ月にわたる避難生活を余儀なくされました
10:42避難所をあちこち転々して
10:471ヶ月ぐらい経つ中で
10:49もう出さんとねもう辞めたね
10:51とかいう声もちょっと聞き始めて
10:54やっぱり今まで見ていただいている方も
10:58やっぱりちょっと楽しみにしておられるかな
11:02と思ってから
11:031ヶ月後に再開した河原版には
11:08災害に関する記事が増えました
11:11長い間お世話になりました
11:1610月号で伝えたのは
11:19熊村を離れ東京に移り住む家族について
11:23体は前に進もうと思いながらも
11:30心が前に進むことができない
11:35翌年の2月号では
11:36被災した人たちの今の思いを伝えました
11:40いつかは前のような明るい話題であふれる
11:47河原版を届けたい
11:49災害について伝えながら
11:52その思いが離れることはなかったといいます
11:55災害そのもののことよりも
12:01ちょっとほっこりするような話題とかを
12:05極力上げながら
12:08そういうのをできるだけ
12:10増やしていきたいなという気持ちがあって
12:13この日
12:16宮原さんは
12:17熊村の災害公営住宅を訪ねました
12:20宮原さんの30年来の友人
12:27岡健二さん
12:29河原版で心が前に進むことができないと語ったのが
12:40岡さんでした
12:41生まれ育った2階建ての自宅は
12:57濁流に飲み込まれ
12:59全壊しました
13:00地域を離れ
13:07人との繋がりが薄れたという岡さん
13:10住まいが落ち着いた今も
13:13寂しさが消えることはないといいます
13:15景色は結構ね
13:22いろいろなことで
13:23建物ができたり
13:25復興が少しずつはしてますけど
13:27心は本当当日何にも変わりません
13:29それが今の正直な気持ちですね
13:35何にも変わってません
13:38腐れへんじゃないけど
13:41やっぱこう
13:43なんていうか
13:44やっぱり気になるんですよね
13:47お互いこう
13:48いい年になりつつある中で
13:50なんかお互い様でですね
13:52今からの老後じゃないけど
13:57できるだけ穏やかに
14:01楽しく過ごしていけるような
14:04お母ちゃんで会ってほしいのを
14:06願ってますね
14:11おー来た
14:12オッケー
14:14忙しい毎日を送る宮原さん
14:18息抜きは仲間とのグラウンドゴルフ
14:22おや宮原さん
14:37ここでも取材ですか
14:39これは川原版の名物コーナー
15:00熊弁わかるかなの取材
15:02熊村の大先輩たちは
15:09宮原さんも知らない
15:10熊弁を教えてくれます
15:12熊弁のコーナーは読者の人気も上々
15:15熊弁のコーナーは読者の人気も上々
15:27いつも会話が弾きます
15:29熊弁のコーナーは読者の人気も上々
15:34いつも会話が弾みます
15:36分かりますか
15:37熊弁ですか
15:38やっぱり熊弁でしょう
15:39熊弁のコーナーは読者の人気も上々
15:42いつも会話が弾みます
15:44分かりますか
15:45熊弁ですか
15:46熊弁ですか
15:47やっぱり熊弁でしょう
15:49のぼせる
15:50ちびんか
15:51わやつ
15:52ちびんか
15:53こまんか
15:54こまんか
15:55こういうの見ると
15:59なんかほんわかします
16:01そこを狙ってるんです
16:03ほんわかしまーす
16:05ちょっとミコってするようなんですね
16:09では視聴者の皆さんにも
16:11熊弁わかるかな
16:13あぎゃ
16:14ひだるい
16:15やんかぶる
16:17正解はこちら
16:22みなさんわかりましたか
16:28宮原さんが瓦番でずっと応援してきた夫婦がいます
16:34はいこんにちはー
16:36こんにちはー
16:37こんにちは
16:38こんにちは
16:39ありがとうございます
16:40楽しみにしてました
16:42ありがとうございました
16:43ありがとうございます
16:47災害後に熊村から人吉へと移転したレストラン
16:53若い世代の明るい声が響きます
16:58おはようしました
16:59おはようしましたー
17:00おはようしましたー
17:01おはようしましたー
17:02おはようございます
17:03ごゆっくりどうぞ
17:04おはようございます
17:05あっちあっちあっちあっち
17:08うまっ
17:09うん
17:10災害の前
17:12災害の前
17:13熊村の豊かな環境に惹かれて店をオープンした瀬川さん夫婦
17:19若者の挑戦を応援したいと考えた宮原さんは
17:25河原版に大きく取り上げました
17:29小川河原版とか見てくださった方がまた来てくださったり
17:35いろんな世代の方がご利用してくださってたので
17:39すごく
17:41すごくなんか
17:43あっ地元を地元に密着できたなみたいな
17:47しかし豪雨によって店は流されました
17:54オープンからわずか2年半後のことでした
17:58本当に本当にもう頭真っ白っていうか
18:05途方に暮れる2人に寄り添ったのも宮原さんでした
18:10今ここでやってるけど熊村で店はできたらしたかったみたいなことを言われた言葉がやっぱり未だに頭に残ってですね
18:26最初は本当ですね本当それはあった
18:30宮が進むにつれてどこかでアジサトができないかなっていう思いは正直あったんですけど
18:40やっぱちょっとその水が怖くてです
18:452人は熊村にほど近い場所を選び借金をしてアメリカからトレーラーハウスを輸入
18:575ヶ月後には店を再開させます
19:01とにかくこうものすごいインパクトがありますよね
19:04復興のトレーラーってその時は
19:07復興のシンボルってね
19:12トレーラーハウスがやってくる日
19:15宮原さんはその様子を密着取材
19:192人の再出発を再び記事にしました
19:23災害あって間もないのに2人一生懸命こうこの店を再開するっていうことに前向きに前向きにこうやってられる姿を見てうん本当はあのそういう人を応援していきたいっていう気持ちにどんどんどんどんやっぱ変わってですね
19:44豪雨の日7月4日が近づいていました7月号の河原版を書き始めていた宮原さん5年を節目に災害の内容を減らしていくべきではないかと考えていました
20:08そろそろ5年経つからもういいだろうっていう感じでそれよりも前に向かって今からの熊村の様子をこう伝えていこうっていう気持ちがですねあったんですけど
20:28後書きの文章
20:33これからは普段の生活や行事など明るい話題を追っていきたいと思っています
20:42一度そう書いた宮原さんでしたが
20:47何かしら感情的にうーってくるのかってそれはやっぱどうかなって思ったもんですから
21:00別にこう伏せてしまうつもりじゃないんですけどね
21:07本当にいろんな自分に限らずいろんな人がいろんな形で被災されていろんな思いがあるわけですから
21:21それを僕は何かそういうことをあえて伏せてこう切ってしまうようなことしたら
21:29そろそろどうかなっていう思いが何かこう来て何かあいかんいかんと思ってですね
21:35何かいろんな人のあるのをボルボル回ってくるって
21:40村のあちこちで行われた
22:01犠牲者を追悼する催し
22:17宮原さんは取材します
22:23皆さんは復興されてきれいになってっていう意見もあって
22:33確かに私もううんうんと思うんですけど
22:36やっぱり前の風景前住んでた人たちのことが忘れ去られるんじゃないかっていうさみしさも同時に今日はこみ上げてきました
22:49まあねそれはきれいになるのはいいんだけど
22:52私の心の中にあるのは違う風景で
22:56本当はそれがずっとこう恋しい
23:00頑張ってください
23:02共にですね
23:03よくやってますねってことで
23:05お互いよくやってますねって
23:12村から多くのものを奪ったあの豪雨から5年
23:19村民としてそして記者として向き合います
23:28はいありがとう
23:37もうおらんよ
23:39どういう思いでかいち
23:43まあみんなが幸せになるように
23:48それと一生懸命いきましょう
23:53笑顔いっぱいで過ごしましょうっていう意味ですね
23:57熊村が大好きだから
24:06災害に関してはやっぱりこれで終わりっていうわけにはまだまだずっと続くと思うんですね
24:14一人一人の気持ちとかまあ心の傷みたいなことはまあ10年20年たってもやっぱり残る残ってくるし
24:24やっぱそういうとこがあるからですね
24:29形としてはもう目に見えて分かる
24:34見えてくるんですけど
24:35人の気持ちっていうのはですね
24:37やっぱり分からんですから
24:39そういう意味でも続けて自分も頑張って
24:45そういう人たちの声なり顔なりを見て励みにしながらやっていきたいと思います

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